大手キャリアより格安な料金が特徴のMVNOは、ここ数年で、急速に契約数を伸ばしている。
サービスが利用されてからしばらくMVNOは、知る人ぞ知る存在で、契約数も多いとはいえなかった。しかし、大手キャリアによる通信回線の開放により、通信品質が向上。さらに、イオンなど有名企業がMVNO業界に参入したことで、その知名度が上がり、契約数を年々伸ばしている。
そんなMVNOであるが、市場の拡大にともに事業者も増え、数百社もの事業者がMVNOとしてサービスを提供している。そのため、各社料金の引き下げや独自のサービスの展開などを行い、激しい顧客獲得競争が発生している。
そうすると、今後今契約しているMVNOより条件が良いMVNOが見つかる場合もあり、そうなるとMVNOの変更を検討することになるかもしれない。
ただ、通信会社を変更するためには、現在の通信会社との契約を解約したり、MNP転出手続きをしたりする必要があり、さらに違約金などが発生する場合もある。
解約やMNP転出の方法、違約金の発生条件などは、通信会社により異なるため、解約手続きを開始する前に、それらを確認する必要があるといえる。
そこで、今回は、MVNOの1つであるJ:COM MOBILEの解約やMNP転出の方法、違約金の発生条件などを記載する。
J:COM MOBILE
CONTENTS
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J:COM MOBILEとは
J:COM MOBILEは、ケーブルテレビなどを展開する株式会社ジュピターテレコム(J:COM)が展開しているMVNOである。また、株式会社ジュピターテレコムの最大の特徴は、ケーブルテレビ事業を展開している地域の人しか契約できない点である。他のMVNOから少し異なった特殊なMVNOと言えるだろう。
また、J:COM MOBILEは、NTTドコモの回線を利用したMVNOの他、auの回線も利用しているマルチキャリアである。親会社であるJ:COMとの連携したオンデマンドサービスなど独自のサービスを展開し、人気のあるMVNOだと言える。
J:COMモバイルのおすすめポイント
マルチキャルアである
先ほどの紹介でも記載したが、J:COMは他でも珍しいauとNTTドコモの回線を持つマルチキャリアのMVNOである。そのため、好きな回線を選んで契約すことが可能だ。
安心できるサポート
スマートフォンが普及している世の中だが、中には今回の契約が初めてのスマートフォンの契約だという人もいるだろう。J:COMではそういった人のために安心の無料訪問サポートがある。訪問サポートでは、スマートフォン初心者が苦戦しがちな初期設定やMNP回線の切り替えなどのサポートが受けられるようになっている。
J:COMオンデマンドアプリが使い放題
J:COM MOBILEはJ:COMが提供するMVNOのため、J:COMオンデマンドアプリが使い放題で、気になる通信容量が減ることなく、好きなだけ利用することができる。
J:COMオンデマンドアプリではスポーツやドラマ、海外の映画、ドラマ、バラエティなど様々な動画を楽しむことができる。家にテレビがない、通勤時間などの電車に乗っている時に動画を見て楽しみたい、といった人には嬉しいサービスと言えるだろう。
端末代が実質0円にできる
J:COM TVやJ:COMネットにもともと加入している、または、加入した上でJ:COMモバイルのスマホセットに申し込むと3万円程度端末代をお得に節約することが可能になる。つまり、端末代がその程度の金額のスマホセットプランに設定すればタダ同然でスマホを購入することが可能になるのだ。
どのようにして3万円相当がお得になるのかというと、毎月1.300円程度が利用料金から割引されるようになっているからである。その月額の利用料金を24回で計算すると割引額がわかるだろう。
しかし、残念ながらiPhoneに関してはそこまでお得にはならない。それでも2,4000円程度割引が可能になる。
詳しくはJ:COMホームページや問い合わせで確認してみるとわかりやすいだろう。
さらに、J:COMのスマホセットプランはそのほかにもお得な割引や、特典も豊富なプランとなっている。SIMフリーのスマートフォンを持っていない人など、是非利用してみてはいかがだろうか。
J:COM MOBILEの解約方法について
J:COM MOBILEの解約は、J:COM MOBILEのカスタマーセンターに電話して解約手続きをする必要がある。J:COM MOBILEのホームページのQ&Aでは、webページなど電話以外の解約手続きの方法は紹介されていないので、電話による解約しかないようである。他のMVNOではネット上でしかできないことが多いのでこの点についても珍しいポイントと言えるだろう。
また、J:COM MOBILEのカスタマーセンターは、年中無休だが、受付時間は、AM9:00〜PM6:00となっている。このようなカスタマーセンターは、受付開始直後は混雑する傾向がある。受付開始直後は避けた方がいいだろう。
また、注意したいのがカスタマーセンターは、住んでいる地域により電話番号が異なる場合がある点である。J:COM MOBILEのホームページから地域をしっかり確認し、電話をした方が良いだろう。
そして、カスタマーセンターに電話をして、解約手続きを完了させればJ:COM MOBILEの解約手続きは完了となる。
また、J:COM MOBILEのホームページには、解約を希望する日がある場合は1か月前をめどに電話するように記載されている。希望日直前に電話した場合は、希望日までに手続きが完了しないこともあるようだ。余裕を持って電話をするように心がけよう。
また、J:COM MOBILEには、NTTドコモのMVNOサービスとauのMVNOサービスの2種類がある。解約後、NTTドコモのMVNOサービスを利用していた場合は、SIMカードを返却する必要がある。auのMVNOサービスを利用していた場合は、返却する必要はないようだ。
J:COM MOBILEからのMNP転出の方法について
次に、J:COM MOBILEからのMNP転出の方法についてだが、まず、一般的なMNP転出方法について説明していこう。
MNP転出をする場合は、最初に、現在契約している通信会社からMNP予約番号を発行してもらう必要がある。MNP予約番号を発行してもらったら、これを転入先の通信会社に連絡しよう。
その後、転出先の通信会社でMNP転入手続きが完了することで、元の通信会社のMNP転出手続きも完了することになる。
このMNP予約番号には、15日間の有効期限がある。有効期限までにMNP転入手続きが完了しない場合は、再度発行が必要となるので注意しておこう。また、通信会社によっては、MNP予約番号の有効期限が残り少ない場合、MNP転入手続きが断られる場合もある。MNP予約番号を発行してもらったら、早めに手続きを実施したほうがいいだろう。
J:COM MOBILEのMNP予約番号の発行方法だが、J:COM MOBILE の利用者ページである「MY J:COM お客様情報ページ」から申し込む。
MY J:COM お客様情報ページにログインするためには、J:COMパーソナルIDとパスワードが必要となるが、これらを忘れた場合は、ログインページにそれぞれ確認するリンクがあるので、リンク先から確認し、事前にログインできるようにしておくとスムーズだろう。
ここで、MNP予約番号を発行してもらって、MNP手続きを継続することになる。
なお、MNP転出手続きが完了すると同時にJ:COM MOBILEは解約となり、違約金などは解約時と同じ扱いとなる。
違約金、解約月の月額利用料金について
解約を実施する場合に特に注意しなければならないのは、解約することで違約金が発生する場合があることである。
違約金は、通信会社が提供しているプランに設定されている、最低限利用が義務付けられている期間、いわゆる最低利用期間中に解約した場合に発生する場合が多い。最低利用期間が設定されているプランや最低利用期間の長さ、違約金の金額などは、通信会社によって異なる。
J:COM MOBILEの場合は、NTTドコモのMVNOかauのMVNOで違約金の発生条件が異なるので認識しておこう。
ドコモの場合
まず、NTTドコモのMVNOは、最低利用期間が12カ月で、その間に解約した場合、違約金が発生するが、違約金は、残りの最低利用期間の利用料金となる。例えば、契約してから5カ月で解約した場合、最低利用期間の残りの期間である7か月分の利用料金が、違約金となる。
auの場合
次に、auのMVNOは、最低利用期間が24か月で、その間に解約した場合、8,500円(税別)の違約金が発生する。
注意点
注意したいのは、NTTドコモのMVNOは、最低利用期間が終われば以降いつ解約しても違約金は発生しないが、auのMVNOは、24か月毎に更新される契約となっている点である。
つまり、auの場合24か月経過すると新たな最低利用期間が設定されてしまう。しかし、契約中は解約すると違約金が発生してしまう。
ではどうしたら良いのか。契約期間の最後の月と、契約が更新される最初の月、いわゆる更新月に解約すると、違約金は発生しないようなので、その期間に解約するようにするとお金をかけずに解約できることになるだろう。契約しているプランと契約期間をしっかり確認して、違約金が発生するか確認をして解約するようにしよう。
さらに、auやNTTドコモに転出する場合は注意が必要である。au系の回線からauや、NTTドコモ系の回線からNTTドコモに転出する場合、キャッシュバックキャンペーンなどの対象外になってしまうことがあるようである。
それだけでなく、大手キャリアに転出する場合は転出を断られることもあるようだ。しかし、先ほどのように同じ回線先でないのであれば、転出番号からはどこの回線を使ってるかしかわからないので、もしどこからの転出か聞かれた場合は、回線の企業名を答えてJ:COMからの転出だと伝えないのが賢明かもしれない。
このように、J:COMは他のMVNOとは異なる特殊な企業なので十分注意してMNP番号の転出を行うようにしよう。
端末代はどうなるのか
さらに、auのMVNOの場合、スマートフォンとセットで契約することになるはずである。そのため、解約する際にスマートフォンの代金を全額支払い終わってない場合は、解約時に、残りの代金を全部支払う必要が出てくる。
残債が、多く残っている場合は、解約時にかなりの金額を支払う必要があるので、あらかじめ残債の金額も確認しておいた方が賢明かもしれない。
解約付きの月額利用料金
次に、解約した月の月額利用料金についてだが、J:COM MOBILEは、解約月の利用料金は、日割りとなる。そのため、満額支払う必要はない。解約月の利用料金は満額必要なMVNOが多い中、これは良心的といえるだろう。
J:COM MOBILEは即解約は可能か
J:COM MOBILEは即解約は可能か、ということであるが、即解約は可能であるが費用が多くかかるといえる。
前述のように、J:COM MOBILEは、NTTドコモのMVNOとauのMVNOがあるが、どちらも最低利用期間が設定されており、解約すると違約金が発生する。
多くのMVNOは、データ通信プランには最低利用期間がないことが多いが、J:COM MOBILEは、どのプランでも最低利用期間が設定されているので、即解約すると必ず違約金を支払う必要がある。
また、NTTドコモのMVNOの場合、利用する期間が短いほど解約時の違約金が高額となる仕組みなので、即解約には不向きといえる。
そのため、J:COM MOBILEでは、即解約するのはハードルが高いといえるかもしれない。
まとめ
J:COM MOBILEの解約やMNP転出の方法、違約金の発生条件などについて説明してきたが、いかがだっただろうか。J:COM MOBILEは、地域ごとの契約になっている点や、マルチキャリアなど、他のMVNOとは違う少し特殊なMVNOである。
また、J:COMは最低利用期間が2年など、更新にも注意が必要であり、違約金が発生する条件が厳しい。正直、解約するまでのハードルがやや高いMVNOだと言えるだろう。
さらに、解約やMNP転出をする場合は、契約しているプランや契約期間、転出先はどこかなどといった契約内容を確認して、違約金の発生などに注意するようにしよう。
解約する時にわからないことがあれば、まずは問い合わせ先に電話すると話が早いかもしれない。確認してみてわからない場合は問い合わせてみよう。また、これから契約を考えている人は、解約のしやすさや、かかるお金などを考慮した上で、他MVNOと比較して見てから契約するようにしてほしい。