格安SIMの容量繰り越しは、安くお得にMVNOを使う上で欠かせないサービスになりつつある。また30GBや50GBといった大容量プランや、家族や友人と一緒に利用できるシェアプランが登場した近頃では、容量繰り越しによるメリットが実感しやすくなっているようだ。
格安スマホが台頭する中、さらに容量繰り越しができるとなれば、さらに人気のサービスとなっていくだろう。今回は、これから格安SIMの利用を考えている皆さんと一緒に、MVNOの容量繰り越しサービスの特徴や注意点などを確認していきたい。
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
MVONとは?
MVONとは、「仮想移動体通信事業者」のことで、無線通信回線設備を開設、運用せずに大手キャリアから借りて自社ブランドの携帯電話などの移動体通信サービスを行うことだ。
つまり、三大キャリアの回線を借りて安くスマホやケータイを提供している会社ということである。
容量繰り越しとは?
容量の繰り越しがどういうことかわからない人に説明したい。
月々に使用できるデータ通信量が決まっているが、その通信量をその月に使い切らずに残ってしまう場合があることだろう。その時にその残った通信量を翌月や翌々月まで残すことができるものだ。
容量の繰り越しができるのは非常に便利で大手キャリアも採用している。注目のサービスなのだ。
容量繰り越しのできるMVNO
2017年8月現在、下記のMVNO会社で容量の繰り越しサービスを行っている。またメジャーな格安SIMでは、このサービスが標準になりつつあるようだ。
- ・OCNモバイルONE
- ・楽天モバイル
- ・IIJmio
- ・LINEモバイル
- ・イオンモバイル
- ・DTI SIM
- ・エキサイトモバイル
- ・mineo
- ・NifMo
- ・UQ mobile
- ・DMMモバイル
- ・BIGLOBE SIM
- ・nuroモバイル
- ・FREETEL
- ・ロケットモバイル
容量繰り越しのできないMVNOもあるの?
これに対して、Y!mobile、ぷららmobile、b-mobile、U-mobileなどでは、容量の繰り越しサービスを取り扱っていない。またこの他にも知名度の低いブランドの中には繰り越しを行わない会社も非常に多い実態があるため、注意をして欲しい。契約時にはきちんと確認しよう。
MVNOの容量繰り越しのメリットと意外な使い方
MVNOの容量繰り越しにおける最大のメリットは、月々の余ったデータ通信容量が無駄にならないことだ。この利点をイメージしながらMVNO選びをすれば、基本料金の節約も進めやすくなる。
最低限のデータ通信容量でプランを選びやすくなる
容量繰り越しのできるMVNOを契約した場合、余った前月分のデータ通信容量によって各月の微調整が可能となる。例えば、5GBを契約したユーザが1月に3GBしか使わなかった場合、繰り越された2GBによって2月はトータル7GBのデータ通信容量が消費できる仕組みとなる。
またこうした形で契約以上の容量が使える月が増えれば、余った分を活用することにより、無駄に大きなデータ通信容量で申し込む必要がなくなるのだ。
旅行などの前月にデータ通信容量を貯めておく
翌月に旅行や仕事の出張などでMVNOを多く使う予定がある場合、繰り越し対象となる前月のうちにデータ通信の節約をしておけば、使用量の多い月に追加購入などを行わなくて良くなる。またこうした節約を上手に行うためには、月々の利用明細を見て平均的なデータ使用量を確認しておく習慣もおすすめとなるだろう。
データ通信容量の確認できるアプリの活用もおすすめ
現在の使用データ容量のあるアプリを使えば、上手な節約や繰り越しが行いやすくなる。また高速データ通信と低速データ通信の切り替え機能が備わっているこうしたアプリは、データ通信容量の無駄遣いが多いユーザの間でも注目度の高い存在になっているのだ。
切り替え機能のあるアプリはOCNモバイルONEやIIJmio、楽天モバイルなどで提供されているため、単なるプランや料金だけでなく節約に繋がるツールの充実度に着目することも賢いMVNO選びに欠かせない心掛けだと言えそうだ。
追加購入データ分も繰り越し可能
容量繰り越しサービスは、基本的に追加購入データにも適用される。こうした仕組みがあれば、30日~31日といった月末であってもユーザは残り日数を気にすること無く自分が必要とする追加データ容量を買うことができる。
また場合によっては基本プランのデータ容量以上に長い期間の繰り越しができる追加分については、何度も購入手続きをするのが面倒だから少し多めに買っておきたいと考える人々にもメリットの高いサービスになると言えるだろう。
シェアプランの併用もおすすめ
家族や友人とデータ容量を分け合えるシェアプランと容量繰り越しを併用すれば、家族全体の節約も進めやすくなる。例えば、たくさん余った父親のデータ通信容量を娘に分け合うことができれば、娘が若干大きいプランに申し込んだり追加データの購入をする必要もなくなる。
また家族全体の繰り越しができれば、娘と父親の双方でデータ容量が余った場合についても、無駄が生じることは起こりにくくなるだろう。
容量繰り越しでMVNO選びをする時のポイント
大変便利な容量繰り越しサービス付きのMVNOを選ぶ際にも、いくつかの注意点がある。また自分に合った安くお得なMVNOと出会うには、それぞれのサービス内容を把握する必要があるため、もしこれから容量繰り越しのある格安SIMの契約を考えているなら下記6つのポイントに目を通しておくと良いだろう。
契約しているデータ通信容量の繰り越し期間は全MVNOで同じ
2017年8月31日現在、繰り越しデータの有効期限は全てのMVNOで翌月末までとしている。こうした形で全ての会社で同様のサービスを行う容量繰り越しの場合、この部分だけで格安SIMの比較検討をするのは難しいと捉えた方が良さそうだ。
また標準サービスとなる容量繰り越しには面倒な申込み手続きもないため、初めてMVNOを利用する皆さんでも神経質にならずに利用可能な存在と位置づけて良いだろう。
追加データ購入の繰り越し期間は注意が必要
データ通信容量が不足した時に購入する追加データについては、下記のように各社繰り越し期間が異なる実態がある。
- ・追加購入データの繰り越し期間が「当月末まで」 →エキサイトモバイル、NifMo
- ・追加購入データの繰り越し期間が「翌月末まで」 →DTI SIM、mineo、LINEモバイル
- ・追加購入データの繰り越し期間が「90日間」 →UQモバイル
- ・追加購入データの繰り越し期間が「3ヵ月後の末日まで」 →IIJMio、DMMモバイル、楽天モバイル、OCNモバイルONE
繰り越し無しの追加チャージもある
MVNO側で用意する追加データの中には、繰り越しができない代わりに低価格を実現した商品もある。例えば、DMM mobileの繰り越しなしの追加チャージ分は、当月末まで1000MBが480円で使える形となる。
これに対して3ヵ月後の末日まで使える1000MBの追加分については1,100円での購入となるため、追加チャージの種類が豊富なMVNOを利用する際には注意をして欲しい。
日次繰り越しができるのはOCNモバイルONEだけ
OCNモバイルONE で日単位プランを選んだ場合は、翌日までのデータ容量繰り越しが可能となる。110MBと170MBの2種類のみとなるこのプランでは、月単位のコースのようにたくさんの容量繰り越しはできない。
しかし僅かでも余った分の繰り越しが可能となれば、通信速度制限もかかりにくくなると言えるだろう。
mineoならパケットサービスが充実
mineoには、繰り越した容量の活用に適した3つのパケットサービスが用意されている。最大5回線で繰り越したデータ通信容量を分け合えるパケットシェアを使えば、容量不足でパケットチャージが必要となってしまった友人や家族を助けることもできる。
またmineoにはフリータンクというユーザみんなで共有するパケット貯蔵庫もあるため、ひとりでこのMVNOを利用する単身者の皆さんにも、繰り越した容量の活用は可能と言えるだろう。
友人との繰り越しデータ容量のシェアなら楽天モバイル
楽天モバイルでは、「家族でも、ひとりでも、分けあえる」というコンセプトの少し変わったデータシェアを始めたばかりだ。高速データ通信容量の前月繰越分を分け合えるこのサービスは、家族や本人だけでなく楽天モバイルの全契約者が対象となる。
データシェアを開始する際には、メンバーとなる5人の人たちに招待メールを送る流れとなる。こうした形で用意にメンバーを集められるシェアサービスを活用すれば、前月の節約で溜まったデータ通信容量も無駄にならないと言えるだろう。
料金プランは?
名前があがった格安スマホの中からいくつか詳しい紹介をしていく。
UQモバイル
UQコミュニケーションズという無線データ通信事業を行うKDDIグループの会社が運営するUQモバイル。
WiMAX実証実験をもとに、無線データ通信の事業化を目的として立ち上がった会社で、無線データ通信のサービスは「UQ WiMAX」のサービスの名称で試験サービスを開始し、その後正式サービスとして提供を行っている。
社名の由来はUniversal Qualityから名付けられた。
格安SIMサービス顧客満足度2017年第一位となっている。ユニークなCMで有名なUQモバイル。ワードに注目させて耳に残るフレーズと不思議な雰囲気が人気のCMとなっている。
自分に合った通話プランが選ぶことができるので、自分の通話料によって料金を抑えることもできる。他にも家族割なら2回線目以降は月々500円オフになる。
スマホもiPhoneもandroidもラインナップされている。SNSのデータ消費がゼロなので、使いやすい。
乗り換えもしやすく、auの4GLTE回線を利用しているため、全国で快適にネットにつなげることができる。
サポートサービスも充実しているので、安心して利用できる。
- プランS 2GB 1980円
- プランM 6GB 2980円
- プランL 14GB 4980円
- ライト 440円
- 1GB 480円
- 2GB 770円
- 3GB 850円
- 5GB 1210円
- 7GB 1860円
- 8GB 1980円
- 10GB 2190円
- 15GB 3280円
- 20GB 3980円
- ライト 1140円
- 1GB 1260円
- 2GB 1380円
- 3GB 1500円
- 5GB 1910円
- 7GB 2680円
- 8GB 2680円
- 10GB 2890円
- 15GB 3890円
- 20GB 4680円
- 8GB 1980円
- 10GB 2190円
- 15GB 3280円
- 20GB 3980円
- 楽天モバイル 4,050円 20GBプラン 通話+データ通信
- 楽天モバイル 4,750円
- データ容量:データSIM・データSIM(SMS付き)・音声通話SIM(データ通信+SMS+音声通話) 1GB:500円・620円・1,200円
- データ容量:データSIM(SMS付き)・音声通話SIM(データ通信+SMS+音声通話)
- ・3GB:1,110円・1,690円
- ・5GB:1,640円・2,220円
- ・7GB:2,300円・2,880円
- ・10GB:2,640円・3,220円
- データ容量:データSIM(SMS付き)・音声通話SIM(データ通信+SMS+音声通話)
- ・3GB:1,810円・2,390円
- ・5GB:2,140円・2,720円
- ・7GB:2,700円・3,280円
- ・10GB:2,940円・3,520円
5分以内の国内通話が無料(回数無制限)となる「おしゃべりプラン」はどのプランにも付随される。また、それぞれのプランで通話時間が異なる(最大180分)「ぴったりプラン」がある。
もしおしゃべりプランで契約して長電話をしたかったら、5分経つ前に電話を切ってかけ直すということを何度もする手もある。
DMMモバイル
DMMは石川県のビデオレンタル店から始まった広角サービス事業者。インターネットイニシアティブからのサービス提供を受けてNTTdocomoの回線を利用したMVONサービスを始めた。
SIMフリーのスマホやタブレット、Wi-Fiルーターまで取り扱っている。
SIMフリー端末を持っている人に向いている格安スマホのDMMモバイル。ホームページでは今の自分の携帯料金からどれだけ料金が削減できるかが見ることができる簡単料金シミュレーションがある。必要情報を入力していくと現在の自分の料金プランから近いものでどれがいいのか教えてくれる。
SIMフリー端末を持っていなくても、端末とセットで購入することも可能だ。ラインナップも充実しており、ほかにもタブレットやモバイルWi-Fiルーター購入できる。
シングルコース(データ通信SIMプラン)
シングルコース(通話対応SIMプラン)
シェアコース(データ通信SIM 最大3枚プラン)
この料金プランの他にサポートオプションやDMMオプションを付ければ格安スマホでも安心して利用できる。
楽天モバイル
楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズがNTTdocomoの回線を利用してMVONを立ち上げたもの。運営元がフュージョン・コミュニケーションズから楽天へと移籍し、楽天モバイルとなった。現在はFREETELを買収した。
楽天の系列なので楽天ポイントを利用することができる。また、支払いがクレジットカード以外にも楽天銀行とスルガ銀行のデビットカードに対応しており、口座振替にも対応している。楽天のサービスを利用する人に向いている格安スマホ会社といえるだろう。
スマートフォンをすでに所有しているユーザーだけでなく、初めてスマートフォンを持つユーザーも最初から格安SIMが使用することができることも売りの一つとなっている。
しかも、楽天モバイルは、NTTドコモの高品質な通信回線を利用しており、NTTドコモのXi(LTE)/FOMAR(3G)サービスエリアで楽天モバイルを利用することができる。
利用可能エリアは、ほぼ日本全域に及んでいる。
- 20GBプラン データ通信のみ
LINEモバイル
LINE株式会社は韓国最大のインターネットサービス会社ネイバーの子会社として設立された。提供サービスであるLINEにちなんで社名もLINE株式会社となっている。
LINE株式会社の主なサービスはLINE、ライブドア、ネイバー、BLOGOSとなっている。2016年9月5日からLINEモバイルの提供を開始した。
LINEが公式提供しているサービスなので、LINEを利用した機能がある。データ量の確認や、データ量をプレゼントすることもLINEの公式アカウントですることができる。データ通信量のプレゼントも、家族間だけという場合が多かったが、LINE MOBILEではLINE MOBILEに加入している人にならプレゼントできる。
大手通信キャリアにしか利用できなかったLINEの年齢認証、ID検索にももちろん対応している。LINEポイントもたまるので、LINEを利用する人にはうれしいサービスだ。
LINEモバイルの特徴として挙げられるのが、特定のアプリを利用し使用したデータ通信量をカウントしない「カウントフリー」があることだろう。
「カウントフリー」には、「LINEフリープラン」と「コミュニケーションフリープラン」、「MUSIC+プラン」の三種類がある。
LINEフリープラン
コミュニケーションプラン
MUSIC+プラン
まとめ
MVONの容量繰り越しが会社によって可能だということがわかってもらえただろう。自分の利用方法によって多様化の進む格安SIMを選ぶことが重要となってくる。格安SIMは今後さらに大きくなっていくと思われるが、自分の利用したいサービスは何なのか、どのような点に重きを置いているのかなどをきちんと把握して、より安く快適に利用できる格安SIM会社と出会ってほしい。