MVNOや格安SIMの契約をする上で、キャリア決済サービスの有無について確認する人々は大変多いようだ。特に、キャリア決済を使ってさまざまな支払いをまとめて行っている人にとってはこのサービスの有無は非常に重要なポイントになることだろう。
今回は、日本でもだいぶ浸透してきているキャリア決済の基礎知識を確認しながら、これからMVNO契約を考えている人に注意して欲しい点を紹介していこうと思う。
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キャリア決済とは
対応サイトで購入した買い物代金やオンラインゲームなどの代金を、大手携帯電話会社の基本料金と一緒にまとめて支払いするサービスをキャリア決済と呼ぶ。日本国内で多くのユーザがキャリア決済を利用していて、それにはドコモケータイ払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いの3種類がある。
キャリア決済のメリット
ユーザ側におけるメリット
では、キャリア決済とはユーザにとってどのようなメリットがあるのだろうか。以下で少し見ていこう。
手間が省け、安全性が保証されている
例えば、ショッピングサイトにクレジットカード情報の入力を行うことが面倒な場合や、情報漏洩の不安を感じる人もいるだろう。そういった場合、その手間や不安を省くことができるので非常に便利と感じるサービスと言えるだろう。
クレジットカードを持たなくてもネットでの決済が可能
また、近年では多くのサイトや企業がキャリア決済に参入してきている。そのことにより、キャリア決済はクレジットカードを持たないユーザでも買い物ができるサービスとしてかなり便利といえる。最近は企業に勤めるのではなく、フリーランスとして働く若者も増え、特にそう言った若者の中にはクレジットカードを作れないという人もいるため、時代にあった非常に助かるサービスである。
お金の管理が簡単にできる
また、キャリア決済を行うと、買い物を行なった全ての請求書がまとめて届く仕組みとなる。そのため、使ったお金の管理を細くしたい、節約したいといった人にも非常に便利なサービスである。
たくさんのところから請求書が届いてしまうと自分でファイル分けや計算などを行わなければならないが、一度にまとめて請求書が届けば一目瞭然で自分がどの程度のお金を使ったかが把握することができる。実に便利なサービスだ。
通販サイトなどの企業側におけるキャリア決済のメリット
ユーザ側にメリットがあることは予想できたかもしれないが、消費者がキャリア決済を利用することで企業側にも実はメリットがある。
クレジットカードを持たない人へのアプローチ
第一に、キャリア決済により、クレジットカードを持たない人にサービスを利用してもらうことが挙げられる。
先ほども述べたように、キャリア決済はクレジットカードを持たない消費者に通販の買い物を可能にさせてくれる。そのため、企業側としては、クレジットカードを持たない消費者が、キャリア決済により買い物ができるようになるため、その分自分のサイトを利用する客が増えるということである。その分売り上げも上がるので企業側としてはかなり嬉しいメリットだろう。
未入金等のリスク回避
また、このサービスの利用者は大手キャリア会社の契約者であると判断できる。そのため、信用のチェックや買い物代金の未回収リスクの軽減といった意味でも、安心感を覚えることができる内容のサービスと捉えられるだろう。
キャリア決済が利用可能なサービスとは?
日本国内でサービスが始まってから4年ほど経つキャリア決済は、既にかなり多くの大手企業に導入されている。
ショッピングサイト
このカテゴリには、高島屋オンラインストアやDHC、Combi公式オンラインショップといった多くの女性が利用する通販サイトの名前が並んでいる。また、中にはスーパースポーツゼビオやノジマオンラインといった企業も名を連ねているため、キャリア決済は性別問わず利用の機会が豊富なサービスと言える。
動画・電子書籍
ドコモケータイ払いには、huluやniconico、ツタヤ・ディスカスといった人気の動画配信サイトが利用できるようになっている。連続ドラマの動画などをこうしたサイトで購入する場合にキャリア決済を使うと、月々の請求書をまとめることでメディア視聴にかけているお金の把握もしやすくなるだろう。
アイドルグループのサイト
キャリア決済とMVNO関連記事で話題になっているのが、AKB48などのアイドルグループやアーティストの公式モバイルサイトに関する内容である。こうした月額課金制サイトの多くは、利用者の信用チェックなどを兼ねてキャリア決済のみの支払い方法としている。
キャリア決済を行う有料会員になると、総選挙の投票やライブ曲のリクエストなどの特典が利用できる形となる。そのため、人気アイドルファンにとってキャリア決済の有無は意外と大きなポイントになると捉えて良いだろう。
キャリア決済の使えるMVNO・格安SIMはあるのか
2017年8月28日現在、キャリア決済に対応しているMVNOは、Y!mobile 1社のみだ。この企業の「ワイモバイルまとめて支払い」は、同グループの「ソフトバンクまとめて支払い」と同内容のサービスである。ここでは、現段階でMVNO唯一のキャリア決済とも言える、ワイモバイルまとめて支払いについて少し詳細を紹介していこう。
ワイモバイルまとめて支払いの対応機種
Y!mobileのキャリア決済は、申込不要・月額料無料で利用できるサービスである。しかし、ワイモバイルまとめて支払いを使う予定がある場合は、Y!mobile側で公開する対応機種に合ったスマートフォンやタブレット端末、携帯電話を選ぶ必要がある。例えばiPhoneについては、iPhoneSEとiPhone5sのみが対応機種となっている。
また、この会社では他社スマホの接続性検証の確認機種の情報も公開しているため、中古スマホ販売店などを利用する場合は購入前にサイトのチェックを忘れないようにしよう。
利用可能額・利用制限の設定ができる
利用可能額の設定されているY!mobileのキャリア決済は、未成年の子供にファーストスマホを持たせる親御さんでも安心できるサービス内容となっている。使用者年齢によって異なる利用可能額は、満12歳未満で月2,000円、満20歳未満で月20,000円、満20歳以上で月100,000円までとなっている。
このようにMVNO側で上限を定めているY!mobileのキャリア決済なら、ゲーム依存になりがちなお子さんや買い物依存気味の女性であっても想定外の高額請求に悩まされにくいと捉えて良いだろう。
Y!mobileのキャリア決済が利用できない場合
しかし、Y!mobileのまとめて支払いには、いくつかの利用できない条件もある。例えば、1ヶ月の利用可能額に達した場合は、当然ショッピングなどでキャリア決済を使うことはできない。また、月々の基本料支払いが滞り、MVNOが利用停止状態になった時についてもサービスが使えなくなるため、過去に1度でも携帯電話が止まった経験のある人は注意が必要だと言えるだろう。
今キャリア決済を使っている人にはY!mobileで契約するしかない?
現段階でキャリア決済を使っている人で、継続して今までのようにキャリア決済を行いたい場合は、このようなサービスのあるY!mobileは非常に有り難い選択肢になるだろう。しかし、MVNOの中でも少し特殊な位置づけとなるY!mobileで契約する場合は、一般の格安SIMとの違いについても把握しておくことが重要と言える。
ソフトバンクの白ロムが使えるわけではない
現在SoftBankのスマホを使っている人の中には、「同グループのY!mobileで契約をすれば、この端末をそのまま活用できるだろう!」と勘違いする人も少なからず存在するだろう。しかし、Y!mobileのSIMカードが使えるのは、SIMフリー端末のみとなってしまう。そのため注意が必要である。もし、SoftBankの回線で使っていたスマホにY!mobileのSIMを入れたいのであれば、必ず解約前にSIMロック解除の手続きを行うようにしよう。
料金が高く感じられることもある
月々1,980円で1回10分以内の国内通話無料と1GBのデータ通信が付いてくるY!mobileは、音声通話付きSIMを求める人にとっては比較的お得に利用できるMVNOブランドであると言える。しかし、月々数百円で契約できるデータ通信専用SIMを希望する人であれば、Y!mobileならではの至れり尽くせりとも言えるこのようなプラン内容に違和感を覚えることもあるかもしれない。
また、キャンペーン利用時には大手キャリア会社などと同じ2年縛りとなるため、MVNOならではの安さや自由度を求める場合は、Y!mobileのキャリア決済サービスにこだわり過ぎない方が良いと言えそうである。
Y!mobileのキャリア決済を使わない場合の対処法
MVNO情報サイトでは、自分の希望する格安SIMを選択する代わりにY!mobileなどのキャリア決済サービスの利用を諦めなくてはならないユーザ向けにいくつかの裏ワザが紹介されている。
プリペイドカードを利用する
Google PlayやiTunes Storeなどで音楽配信サービスやアプリのダウンロードなどを行う場合は、コンビニなどで販売されているプリペイドカードの利用といった選択肢もある。しかし、キャリア決済によって今まで自由にダウンロードを行なっていた人にとって、買った分だけの利用となるプリペイドカードは若干面倒に感じられる存在かもしれない。
少し面倒ではあるが、これらのカードには使いすぎを防げる利点もある。家計の節約を考えてキャリア決済をしたいと考えている人であれば、多少面倒があっても試してみる価値のある方法かもしれない。
キャリア決済を継続する裏ワザもある
そのほかにネット上には、MVNO利用によりキャリア決済を諦めざるを得ないユーザ向けに、NTTドコモのspモードとdアカウントを活用した、キャリア決済を維持できる裏ワザも紹介されている。若干複雑なこの方法を実践すると、今まで通りキャリア決済が可能となる。これら裏ワザを利用している人を見ていくと、AKB48の有料会員継続できるなど、アイドルのために行なっている人などが多いようだ。
しかしこの裏ワザはキャリアの仕様変更によって突如使えなくなる可能性もある。安全性は低く高くおすすめすることはできない方法と言えるだろう。そのため、自己責任で実践すべき存在と捉えるようにして欲しい。
具体的な方法
では、ここで具体的な方法を紹介しよう。先ほども述べたが、この方法は保証ができないため、実践するかしないかは個人の判断に任せる。
まず、この裏ワザを使用する大前提としてspモードの契約とdアカウントの取得が必要となる。ちなみにspモードは月額300円となるので、月300円、年にすると合計3600円年間払う事になる。この金額が高いと思うか低いと思うかは人それぞれであるが、その価値が見合わないと思う場合はやらないほうが良いとも言えるだろう。
この方法を簡潔に述べると、spモードに対応している端末を持っておき、spモードに契約している事により使用できるドコモのメールアドレスを、格安SIMに移行し、キャリア決済できるようにするというものである。
手順としては、使いたいメールアドレスをAとして、そのAのメールアドレスを1度Bに変更する。変更すると、元のメールアドレスであるAのアドレスは180日間保護の対象となる。そのため、Aのメールアドレスは他の回線での使用が不可になってしまう。
そこで、Aを変更し手から24時間経過したあとに、BのメールアドレスをさらにCへと変更する。そうする事で、先ほどまでAにあった保護対象がBに移る。その後、このAのメールアドレスを格安SIMから取得すればドコモのメールアドレスを格安SIMで取得可能になる。Aにあった保護対象がBに移った事により他の回線でそのメールアドレスが使用できるようになったのだ。
しかし、ここで非常に重要なポイントが、Aの回線をBに変更した後24時間経過した後にBをCに変更する事である。24時間経過する前に行なってしまうとそのメールアドレスは格安SIMで取得ができないので十分に注意してほしい。また、何度も記載はしているが、これはあくまでも裏ワザであり、保証がある方法ではない。さらに、キャリアでの仕様が変更されればできなくなってしまうのでその点は了承していただきたい。
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