OLYMPUS(オリンパス)の「OM-D」は、オリンパスの「ミラーレス一眼」カメラのラインナップのうち、電子ビューファインダー(EVF)を備え、よりプロスペックな機能を搭載したカメラシリーズを指す。かつての35ミリフィルム用一眼レフカメラ、OMシリーズの名を引き継ぐデジタルカメラだから「OM-D」という名称である。
もう一方のミラーレス一眼の「PEN」シリーズと同様、レンズ交換式デジタルカメラの規格である「マイクロフォーサーズシステム」を採用。一眼レフのデジタルカメラに比べて小型軽量でありながら、一眼レベルの画質と表現が可能なカメラとして人気も高い。
ここでは、このオリンパス「OM-D」の型番と、その特徴や規則性について説明する。なお、「OM-D」シリーズの型番やモデル名については、オリンパスのカメラ製品を紹介する公式サイト(https://olympus-imaging.jp/)を参照した。
Olympus OM-D E-M10 / Henry Söderlund
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「OM-D」シリーズのモデル名と型番
2017年11月現在、オリンパス「OM-D」シリーズの製品ラインナップには、4つの製品がある。左がモデル名で、右側にその型番を記載した。
- ①OM-D E-M1 Mark II:OM-D E-M1 MarkII
- ②OM-D E-M5 Mark II:OM-D E-M5 MarkII BODY SLV / BLK
- ③OM-D E-M5 Mark II 12-50mm EZ レンズキット:OM-D E-M5 MarkII 1250LK SLV / BLK
- ④OM-D E-M5 Mark II 14-150mm II レンズキット:OM-D E-M5 MarkII 1415ⅡLK SLV / BLK
- ⑤OM-D E-M5 Mark II 12-40mm F2.8 レンズキット:OM-D E-M5 MarkII 1240LK SLV / BLK
- ⑥OM-D E-M5 Mark II Limited Edition Kit:OM-D E-M5 Mark II Limited
- ⑦OM-D E-M10 Mark III:OM-D E-M10 Mark III BODY SLV / BLK
- ⑧OM-D E-M10 Mark III EZダブルズームキット:OM-D E-M10 Mark III WZK SLV / BLK
- ⑨OM-D E-M10 Mark II:OM-D E-M10 Mark II BODY SLV / BLK
- ⑩OM-D E-M10 Mark II 14-42mm EZ レンズキット:OM-D E-M10 Mark II 1442LK SLV / BLK
- ⑪OM-D E-M10 Mark II EZダブルズームキット:OM-D E-M10 Mark Ⅱ WZK SLV / BLK
ボディのみやレンズキットなど販売方法ごとに型番を記載した。
①は2017年度カメラグランプリを受賞した「OM-D」のフラッグシップ。AF/AE追従最高18コマ/秒、AF/AE固定最高60コマ/秒という驚異的な高速連写・高速AF性能を擁することに加え、防塵・防滴・-10℃耐低温性能とタフに使えるのも魅力。4K撮影も可能と動画機能も高い。
②は「5軸手ぶれ補正機構」搭載で一般ユーザーの使用を念頭に置いたモデル。シルバーとブラックのカラーバリエーションを選ぶことができる。⑥は限定販売されたチタンカラーの同型機だ。ただし発売は2015年6月だったので、新品の購入は困難であろう。②は③、④、⑤のレンズ付きキット販売モデルを選ぶことができる。⑥も④と同様のレンズとのキット販売となっている。
⑦は小型軽量ボディで手軽に高性能を楽しめる「OM-D」シリーズの最新モデル(2017年9月発売)。⑧は⑦に2本のズームレンズが加わるキット販売のモデル名。14-42mm(F3.5-5.6)と40-150mm(F4.0-5.6)の2本がセットされる。⑨は⑦の前身となるモデル。ダブルズームキットのレンズは⑦と同じだ。型番については、以下で説明していこう。
「OM-D」シリーズの型番の特徴
オリンパスの公式サイトには、各製品別に「型番」と書かれた表現はなく、各ショップはモデル名をそのまま型番化して使用しているところが多い。従って型番の表記のされ方はショップによってまちまちであり、上記に記載した型番はその代表的なものと考えていただきたい。カラーバリエーションはアルファベット3文字で表されることもあれば、「SILVER」「BLACK」のように英字がフルで記入されていることもあった。以下、各モデル毎に説明していきたい。
▶OM-D E-M1 MarkII
レンズキット販売の設定はないためにあえて記していないが、ショップによっては他のモデルと同様に「BODY」の文字を入れているショップも見られた。また、「MarkII」の「Ⅱ」を通常の「2」としているショップや、「Mark」を「MK」と略しているものもあった(他のモデルも含む)。
▶OM-D E-M5 MarkII
ボディのみの場合は、末尾に「BODY」の文字が入ることが多い。レンズキットの型番は、ボディの型番後にレンズの焦点距離の数字を入れて型番化していたのが代表的。「LK」はレンズキットの略と思われる。14-150mmのズームの場合、例としては「1415LK」としたが、ショップによってはそのまま「14150LK」としているところもある。レンズキットで付いてくるレンズの色は全てブラックの設定になっている。
▶OM-D E-M10 Mark III / OM-D E-M10 Mark II
「WZK」がダブルズームキットのこと。こちらの型番の場合ではズームの中身まではわからない。このダブルズームキット14-42mmのズームはブラックとシルバーのカラーバリエーションを持つが、シルバーボディの場合にはシルバーが、ブラックボディの場合にはブラックになるようだ。一方14-150mmズームはブラックボディのみなのでカラーによる違いはない。
ボディがあればモデル名=型番がわかる
「OM-D」シリーズのカメラは、どの機体にもボディにモデル名が記載されている。ボディ前面は全モデル「OM-D」と入っており、各機種の名称はボディ上面の電子ビューファインダーを挟んだ左側に書かれている。ただし、「Mark」は略されて「E-M1 II」、「E-M5 II」、「E-M10 III」、「E-M10 II」と記載される。モデル名が判明すれば、必然的に型番も判明することになる。もちろん、正しいモデル名は保証書や取り扱い説明書などに記載されているはずだ。
生産終了した「OM-D」シリーズ
ここでは生産が終了した、過去の「OM-D」シリーズの型番を記載していこう。それぞれ現行モデルが「MarkⅡ」以上のため、あえて言うと「MarkⅠ」にあたる各モデルが下記に当たる。
- ・OM-D E-M1
- ・OM-D E-M5
- ・OM-D E-M10
「E-M1」は2013年10月発売で、様々なカメラ賞を受賞している。当初から12-40mm F2.8 ズームとのレンズキットの設定があった。2014年10月にブラックのみだったボディカラーにシルバーが追加されている。
「E-M5」は2012年3月に発売された、最初の「OM-D」シリーズのカメラになる。以前あったデジタル一眼レフカメラ「Eシステム」のシリーズから、規格がマイクロフォーサーズシステム準拠のミラーレスカメラになったことからMの字が付加されたと思われる。
「E-M10」は2014年2月発売。同6月には、限定モデルだが「リミテッドエディションキット」として、オレンジ、グリーン、ブラックの3色のモデルが発売されている。なお上記はモデル名だが、モデル名=型番という形態はこれまで説明してきたとおりだ。
前身となった「Eシステム」の型番
オリンパスには、ミラーレスカメラの「OM-D」のシリーズの前身に、デジタル一眼レフのシリーズである「Eシステム」が存在した。「Eシステム」はフォーサーズシステム搭載のデジタル一眼レフカメラのシリーズで、2010年以降ニューモデルは発売になっていない。
- E-5 / E-3 / E-1 / E-30 / E-620 / E-520 / E-510 / E-500 / E-420 / E-410 / E-330 / E-300
最初のフォーサーズシステム準拠のデジタル一眼が「E-1」。2003年10月の発売である。「OM-D」の名は冠されていない。一ケタ数字のモデルがフラッグシップ機で、「E-5」まで進化したことになる。唯一の二けた数字モデルが中間タイプで、三ケタ数字モデルが一般ユーザー向けモデルとなっていた。
OLYMPUS AIRの型番
AIR A01
変わり種のカメラとして、2015年3月に発売になったオープンプラットフォームカメラ「OLYMPUS AIRの型番を記載しておく。OLYMPUS AIRとはカメラというよりレンズに付けるコントロールユニットで、スマホのアプリを使ってレンズをコントロールし、写真を撮るというもの。レンズをアプリでコントロールして撮影するという斬新な発想のカメラだった。
まとめ
ここまで、「OM-D」シリーズのモデル名=型番とその特徴を紹介してきた。「E-M1 Mark II」がプロ仕様のフラッグシップであり、「E-M10 MarkⅢ」が一般ユーザー向けの簡単に高性能を楽しめるモデル。「E-M5 MarkⅡ」がその中間ということで、覚えておけば間違いないだろう。価格は全てオープンプライスだが、レンズキットとボディのみの価格は当然ながら異なるので、購入する際にはどのような販売形態なのか注意が必要だ。
ところで文中にも述べたとおり、「OM-D」シリーズの型番の表記はショップ毎にまちまちである。カメラの場合はモデル名が型番の役目を果たしているので、買取査定を業者にお願いする際には、モデル名が判明すれば問題はないと思われる。しかし、場合によってはJANコードを求められる可能性もある。オリンパスの公式サイトには、各製品の価格/JANコード表が掲載されているので、業者にJANコードを求められた際には、こちら(https://olympus-imaging.jp/product/dslr/price/index.html)を参照にするといいだろう。