この記事では、アンティークガラスの買取について述べる。アンティークの作品には数十万円以上の高値が付くこともある。十分に準備をして売却しよう。
ここでは、おすすめの業者、買取価格、高く売るコツなどを紹介している。ぜひ参考にしてほしい。
CONTENTS
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アンティークガラスの基礎知識
こちらでは、アンティークのガラス工芸品に関して、簡単に説明する。
アンティークガラスについて
この分野で人気があるのは、アール・ヌーヴォー期やアール・デコ期の作品である。時代はちょうど19世紀後半から20世紀前半にあたる。作家としては、ガレ、ドーム、ラリックなどが有名だ。花瓶やランプ、グラスなどのアイテムが取引されている。
アンティークガラスの用語
ガラス工芸に関連する人物などを説明する。
アンティーク
アンティーク(antique)とは、フランス語で骨董品の意味である。アンティーク(骨董品)の定義としては、1934年にアメリカで制定された通商関税法に記されたものが知られている。これによれば、アンティーク(骨董品)とは、製造された時点から100年を経過した手工芸品・工芸品・美術品である。
この定義は世界貿易機関でも採用されている。なお、この定義でアンティーク(骨董品)は100年以上前のものとなっているが、日本においては数十年前のものであれば骨董品と呼ぶことが多い。
エミール・ガレ(1846~1904、フランス)
アール・ヌーヴォー期の代表的なガラス工芸家。パリ万博ではグランプリも受賞している。
ガレ関係の作品は、大きく下記のように分類できる。
- ・1904年までの作品:ガレ本人が関わった作品。没年の1904年まで。
- ・1904年から1914年までの作品:ガレの妻によって工房の運営が継続され、ガレの作品がつくられた。ガレ本人がつくったものではないが高値で買い取ってもらえる。
- ・1918年から1931年までの作品:ガレの娘婿によって工房が再開された。この時期までの作品はガレ作品と呼ばれることが多い。買取価格も高額である。1931年に工房は閉鎖された。
- ・レプリカ:贋作とは異なる。3か所の工房でガレ風の作品が作られている。そこではガレの技法を再現、踏襲している。ネットショップ、オークションなどでガレの作品と言って数十万で販売されている物があるが、このレプリカである場合も少なくない。買取価格は数万円以上。
※ガレには贋作やガレ風作品(ガレの作品に似ている)が多いので、本物と間違えないよう注意が必要だ。
ドーム兄弟(兄オーギュスト1853~1909 、弟アントナン1864~1930、フランス)
アール・ヌーヴォー期からアール・デコ期のガラス工芸家、経営者。1900年のパリ万博では大賞を受賞。
ルネ・ラリック(1860~1945、フランス)
アール・ヌーヴォー期、アール・デコ期のガラス工芸家、金細工師、宝飾デザイナー。高級ガラスメーカーラリックの創業者である。2018年、ラリックは銀座に旗艦店を出店した。
バカラ
バカラ(Baccarat)は、1764年、フランスのバカラ村に創設された。世界的なクリスタルの高級ブランドであり、各国の王室が製品を注文している。古いものはオールドバカラとも呼ばれる。
ヴェネツィアン・グラス
イタリアのヴェネツィア(ムラーノ島)で作られるガラス工芸品。華麗な色彩、デザインで知られる。15~16世紀頃に最盛期を迎え、現代へと続く。
ボヘミアガラス
チェコのガラス工芸品。緻密で繊細なカットが特徴。発祥は13世紀まで遡る。
アール・ヌーヴォー(art nouveau、フランス語)
19世紀末から20世紀初頭にヨーロッパで流行した芸術様式。モチーフは植物などの有機物。デザインは曲線的で装飾的。
アール・デコ(art deco、フランス語)
1910年代半ばから1930年代の装飾様式。ヨーロッパやアメリカ(ニューヨーク)で広まった。モチーフは幾何学模様。デザインは直線的、機能的、合理的。
その他
ルグラ、シュナイダー、ミューラー、ドュゲ、ルイス・C・ティファニー、サビーノ、リーデル、サンルイ、スチューベン、モーゼル、スワロフスキー、マイセンクリスタル、江戸切子、薩摩切子などがある。
アンティークガラスを高く売る方法
アンティークのガラス工芸品には高価値の物も多く、売るのであれば、なるべく高く売りたいものだ。ここでは、ガラス工芸品を高く売る方法について述べていく。
その作品が得意な業者に依頼する
手放す作品が得意な業者を選んで依頼しよう。その作品が不得意な業者に依頼すると買取価格が低くなってしまう。
相場を調べておく
美術品の買取価格相場は一般人が知るのは難しい。しかし、おおよそのところは調べておくと良い。相場を知っておけば、極端な安値で売ってしまわずに済む。買取相場がどうしても分からないときは、ヤフオクの落札価格を見てみても良い。買取価格相場と落札価格相場は別のものだが、1つの参考にはなるだろう。
複数の業者に査定してもらう
複数の業者に見積もりをお願いしよう。そうすれば、高い価格で売却できる確率が高くなる。初めに複数の業者にwebを使っておおよその買取価格を教えてもらおう。その中から実物を見てもらう業者を選ぶと良い。
鑑定書、保証書、付属品を用意する
鑑定書、保証書、付属品等があれば、必ず一緒に見てもらおう。これらの有無で買取価格が大きく変わることも少なくない。
アンティークガラスの買取相場
アンティークのガラス工芸品の相場は、おおよそ数千円~数十万円である。有名作家の作品については、物によっては数百万、ときには1千万円以上になる。下記のおすすめ業者の項では、買取実績価格や参考買取価格、予想落札価格も記載した。もし良ければ参考にしてほしい。
アンティークガラスの売却におすすめの業者
こちらでは、おすすめの業者をご紹介する。
日晃堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
日晃堂は古美術、骨董品の買取専門店だ。取り扱いジャンルは、茶道具、掛軸、刀剣、中国骨董、西洋骨董、彫刻、勲章、仏像、アンティーク家具などがあり、幅広い。出張買取、宅配買取をおこなっている。無料メール査定もあるので便利だ。
買取実績
- ・ガレ 湖水風景文ランプ 参考買取価格:500万円
- ・ガレ(ランプ、ランプシェード、硝子浮彫花文小花瓶、クレマチス紋花瓶、ヴォージュ風景文花瓶、飾り壺、花瓶、ヤツデ文花瓶)
- ・ドーム(姫蘭文鉢、芥子文花瓶、花瓶)
- ・マイセンクリスタル(フラワーベース)
- ・ミュラー(山水風景文花瓶)
食器買取専門サイト「NIKKOUDOU」
日晃堂は、食器買取の専門サイトNIKKOUDOUを作成している。ブランド食器の買取には力を入れている。以下の食器の買取実績がある。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
八光堂は、骨董品・美術品の買取歴40年以上。これまでに10万件以上の買取をおこなってきた。TV出演も多い八光堂は、なんぼやを運営するSOUグループ会社である。SOUはマザーズに上場している。
取り扱いジャンルは、絵画や骨董品が中心で出張買取、店頭買取をおこなっている。相談料、鑑定料、査定料、出張料はすべて無料。さらにLINEやメールで査定ができる。自社でオークションも主宰しており、店舗は銀座本店、大阪本店、横浜店、名古屋店、京都店、大丸梅田店、広島店、博多店、富山店がある。
参考価格
- ・ラリック 花瓶:26万円
- ・ドーム 葡萄紋ランプ:100万円
- ・ガレ ホクシャ文花瓶:58万円
- ・ガレ ランプ被せガラス 酸化腐食彫り木瓜の花:150万円
- ・ガレ ノウゼンカズラ文 ランプ:100万円
- ・ガレ アサミとみつまた文 花器:40万円
- ・ガレ 花文 花瓶:10万円
- ・ガレ 風景文 花瓶:12万円
なんぼや
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
なんぼやは、関東を中心に全国63店舗を展開している。また、店舗は駅から近い便利な立地だ。なんぼやの運営会社SOUは八光堂の親会社でもある。
買取ジャンルは時計、宝石、金、貴金属、バッグ、プラチナ、骨董、アパレル、食器、切手、アクセサリ、着物、楽器と幅広い。買取方法は店頭買取、宅配買取、出張買取の3つで、LINE査定もある。
買取実績
- ・ドーム 冬景色文花瓶:36万円
- ・ラリック 花瓶:10万円
- ・ミューラー テーブルランプ:10万円
ブランド食器
なんぼやでは、ブランド食器も買取しており、買取実績価格もHPに掲載されている。取り扱いがあるブランド食器の例を挙げていくとバカラ、ウェッジウッド、ロイヤルコペンハーゲン、マイセン、ミントン、エルメス、リチャード・ジノリ、ヘレンド、エインズレイなど有名ブランドが勢ぞろいだった。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取協会は、平成12年設立。本社は名古屋で、東京、神奈川、大阪、九州、仙台、広島に支社を置く。絵画と骨董品を主に取り扱っており、取り扱い作家数は、国内外1200人以上もあった。また、年間3万点以上を買取している。買取は出張買取、宅配買取、持ち込みの3つの方法に対応しており、LINE査定もおこなっている。
もちろん、ガラス工芸品も取り扱いがあり、買取実績も多数でHPに記載されている。ガレ、ドーム兄弟、ラリック、シュナイダー兄弟、アルジー・ルソー、サビーノ、サン・ルイ、ダルジャンタル、ドゥゲ、バカラ、ハンデル、ボヘミアガラス、ミューラー、ルグラ、ワルターなどの作家が買取可能だ。
本郷美術骨董館
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
本郷美術骨董館は、昭和51年創立。TVや新聞などのメディアに多数出演している。鑑定士は27名在籍し、取り扱いジャンルは幅広い。東大赤門前本店、世田谷支店、札幌支店、神戸芦屋支店、九州支店、中国(遼寧省)支店がある。来店鑑定、宅配鑑定、出張鑑定をおこない、電話鑑定、写真鑑定もおこなっている。
福ちゃん
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
福ちゃんは、これまでに200万件以上の買取をおこなってきた。対応アイテムは、着物、食器、骨董品、古銭、記念硬貨、切手、ブランド、時計、宝石、ダイヤ、金、貴金属、古着・洋服、毛皮、お酒などと幅広い。
買取方法は出張買取、宅配買取、店頭買取の3種類ある。出張費、キャンセル料、査定料、宅配キット、発送料、電話代も無料となっている。WEB査定あり、食器についてはブランドごとのページも設けてあり、力を入れている。ブランド物の食器を売る場合にはおすすめだ。
買取実例
- ・バカラ(マッセナ、タンブラー、6点セット):5万円
- ・リーデル(ソムリエ、テイスティングセット):5万1千円
- ・ファイアーキング(ジェダイ、カップ&ソーサー&マグカップ):2万5千円
- ・マイセン(インドの華、リッチピンク):17万円
- ・ウェッジウッド(マデリン、ティーセット、廃盤品):16万6千円
- ・ノリタケ(オールドノリタケ、ティーセット):5万1千円
くらしのくら
買取価格
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手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
くらしのくらの設立は2000年。店舗は東京都世田谷区にある。出張買取、宅配買取、店頭買取をおこなっている。対応ジャンルは陶器・クリスタル、骨董、着物、貴金属・宝石、ブランド品、家具・家電だ。取り扱いブランドと作家のリストがHPに掲載されているが以下に少し紹介しておこう。
取り扱っている作品や作家には、ガレ、ドーム、アール・ヌーボー、藤田喬平、岩田藤七、久里、薩摩切子、江戸切子、ギヤマンなどがある。
アンティーク・クレセント
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アンティーク・クレセントは西洋アンティークの買取と販売をおこなっている。広尾店(渋谷区)、スリフトモール南町田店(東京都町田市)がある。買取実績500件以上と豊富だ。
取り扱いジャンルは、アンティーク陶磁器、ガラス、ブロンズ、彫刻、絵画、銀製品、ドール、ジュエリー、貴金属、ブランド物、時計、アンティーク家具などがあり、ガラス製品以外に売りたいものがある場合、相談もできるだろう。
毎日オークション
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
毎日オークションは、日本有数の美術品専門オークションである。海外のサザビーズのような本格的なオークションをおこなっている。オークション開催は、年間に30回以上で1回の出品点数は平均1200個と多数に渡る。毎日オークションは、マイナビのグループ企業である。
ジャンルは、絵画・版画・彫刻、西洋装飾美術、ジュエリー&ウォッチ、新作工芸・古美術・茶道具の4つ。ガラス作品は西洋装飾美術に出品する。西洋装飾美術は、年間4~5回開催される。
オークションとは別にプライベートセール(委託販売)もおこなっている。プライベートセールでは、毎日オークションが本人の代わりに作品の買い手を探し、販売してくれる。
オークション出品作品情報
時期によっては出品作品一覧をHPで見ることができる。下記は2019年6月21日~22日開催のオークション(西洋装飾美術)の出品作品情報で、出品1227件がHPに掲載されている。以下、出品例を挙げる。(情報は2019年6月16日のもの)
下記リストの価格はすべて落札予想価格である。
ガレ
ガレの検索では106件がヒットした。
- ・フウロソウ文花瓶:6~9万円
- ・花文花器:10~15万円
- ・花文香水瓶:15~20万円
- ・木瓜文花器:28~33万円
- ・山水風景文花瓶:30~40万円
- ・ネコヤナギと蜂文花瓶:40~60万円
- ・桜文天吊灯:40~60万円
- ・昆虫と花文ワインセット7点セット:55~75万円
- ・花文ランプ:60~80万円
- ・カーネーション文水差し形花器:70~90万円
- ・蜻蛉文水差し:80~120万円
- ・芙蓉形双灯ランプ:200~300万円
ドーム
ドームの検索では101件がヒットした。
- ・薊とロレーヌ十字文杯:6~9万円
- ・オアシス風景文塩入れ:7~12万円
- ・テーブルウェア各種22点セット:8~13万円
- ・スグリ文花瓶:10~15万円
- ・帆船文花瓶:17~22万円
- ・冬景色文花瓶:25~35万円
- ・花文花瓶:30~40万円
- ・薊文花器:50~70万円
- ・バラの葉文ランプ:50~70万円
- ・黒苺文ランプ:80~120万円
- ・花器 PRAIRIAL: 80~120万円
- ・冬景色文ランプ:100~150万円
- ・茨に秋景色文花瓶:100~150万円
- ・朝顔と麦穂文花瓶:100~150万円
ラリック
ラリックの検索では92件がヒットした。
- ・香水瓶 EPINES:4~7万円
- ・花瓶 LAURIER:5~8万円
- ・花瓶 RENONCULES:20~30万円
- ・香水瓶 AMBRE D’ORSAY:15~20万円
- ・レリーフ2点セット:80~120万円
- ・花瓶 SIX FIGURINES ET MASQUES:80~120万円
- ・テーブルランプ BUGUE PERSONNAGES:100~150万円
ミューラー
ミューラーの検索では13件がヒットした。
- ・テーブルランプ:4~7万円
- ・四灯式天吊灯:13~18万円
- ・アネモネ文テーブルランプ:15~20万円
シュナイダー
シュナイダーの検索では4件がヒットした。
- ・コクリコ文花瓶:30~40万円
- ・テーブルランプ:4~7万円
- ・四灯式天吊灯:10~15万円
ルグラ
ルグラの検索では3件がヒットした。
- ・花文花瓶:4~7万円
- ・冬景色文花瓶:4~7万円
アルジー・ルソー
アルジー・ルソーの検索では6件がヒットした。
- ・三灯式天吊灯:200~300万円
- ・花瓶 Tragi-Comic:100~150万円
- ・ペンダント Parakeet:25~35万円
バカラ
バカラの検索では53件がヒットした。
- ・雉と松文花瓶 1878年頃:25~35万円
- ・花文リキュールセット 1936年以前:13~18万円
- ・ジャポニズム蝶文扇型花器 1878年頃:12~17万円
- ・カモミール文花瓶 1936年以前:6~9万円
- ・ワイングラス5点セット 1963年以前:4~7万円
- ・ワインセット アルハンブラ9点セット 1936年以前:8~13万円
まとめ
この記事では、アンティークガラスの買取について述べてきたがいかがだったろうか。アンティークのガラス工芸品は、数万円~数十万円となることも多い。
アンティークガラスは、作家によってはかなりの高額の取引になるので、ぜひ複数の業者で見積もりをとり良い依頼先を見つけてほしい。