日本を代表する版画家である斎藤清。幼いころからイラストなど絵を描いていたが、版画を始めたのは29歳からと遅い。しかし、そこから版画制作に没頭し始め、多くの展覧会で入選し、アメリカでも斎藤の作品は、日本を代表する版画作品として広く知られるようになっていく。
斎藤の作品はわかりやすいモチーフを描いていたり、日本の風景を美しく描いていたりするので現在も非常に人気があり、高いものになると数百万円の価値が付くのも珍しくない。
今回は斎藤清の経歴を紹介した上で、作品の価値や買取相場について記載していく。斎藤清の作品を既に持っていて売りたい人や、これからコレクションしていきたいと思っている人は、ぜひこの記事を参考にしていただきたい。
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このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
斎藤清とは
斎藤清は日本を代表し世界でも評価された版画家である。明治40年(1907年)に生まれ、幼少のころからイラストを描いたり、童謡を自分で作って雑誌に投稿したりと制作熱心だった。
父親の仕事の関係で、4歳で生まれ故郷である福島を離れ、北海道に移住。その後、独学で油絵を描き続け24歳のときに上京し、昭和7年(1932年)に、第9回白日会展にて「高圓寺風景」が初入選するなど実績を上げていた。
しかし、29歳のとき、安井曽太郎の木版作品である「正月娘姿」に出会ったことで、斎藤の制作スタイルは変わっていく。斎藤は手探りながらも木版に着手し、木版初作品である「少女」を制作。
その初めての作品が昭和11年(1936年)、第5回日本版画協会展に入選し、その後も幾度も公募展で認められ、版画制作に没頭していった。
その後、第1回サロン・ド・プランタン展にて木版作品の「ミルク」を出品し、1等賞を獲得、以後世界で認識されるようになり第1回サンパウロ・ビエンナーレに「凝視(花)」を出品、在サンパウロ日本人賞を受賞するなど輝かしい功績を残した。
斎藤清の作品
ここでは斎藤清作品をいくつか取り上げて紹介していく。独学で学んだ木版画作品は、日常的に見る身近なものをモチーフにしながらも、斎藤独特の作風により新鮮に見えてくる。
会津の冬
昭和13年(1938年)、4歳ごろに過ごした生まれ故郷である会津に戻り、そこで「会津の冬」シリーズを描き始めた。
このシリーズはユニークでわかりやすい題材を描いていることから人気を獲得し、昭和17年(1942年)、初めての版画作品で個展をおこなった東京銀座鳩居堂でも展示された。
「会津の冬」シリーズ
「会津の冬」シリーズはタイトルが「会津の冬」と付いているものや、英語表記の「WINTER IN AIZU」、無題のものもあったりとさまざまなものがある。
加えて、制作総数が決められているもの(エディション数)もあれば、制作総数が決められていないもの(オープンエディション)もあるなど決められた形がない。生涯を通じて「会津の冬」シリーズを制作し続け、100点以上の作品がある。
シリーズへの想い
第二次世界大戦が近づく中、斎藤の妻は、斎藤が描いたキャンバスの顔料を洗い落として衣類など生活用品に変えて使おうとしたが、斎藤は「会津の冬」シリーズに関わるものだけは決して使わせなかった。
斎藤は「どんなに荒いものでも、住居を移動しなくてはならないときも、絶対にしがみついて離さなかった。なぜかはわからないけどそうしてしまった。」と語っている。
シリーズの前期と後期の違い
会津にある家々の屋根に雪が積もった風景が描かれているこの作品は、初期のころは黒と白のグラデーションはあまりなく、木や家がシルエットのように描かれ、雪の白さが際立っている。
後期の作品になってくると、黒と白の間のグレーの色調が豊かに表現されるようになり、豪雪地帯特有の雲が厚く、光が差し込まない薄暗い景色が伝わってくる。
雪を表現するために余白を多く使いながらも、家や木、雪道を歩く人、その人の足跡などを用いて画面全体を保たせている。会津に何度もリサーチに来て描くからこその作品となっているのだ。
ミルク
「ミルク」は昭和23年(1948年)のときに開かれた第1回サロン・ド・プランタン展に出品された作品だ。この展覧会は各国の駐在大使夫人が中心となり企画されたもので、若い日本人作家を支援することを目的に開催された。
斎藤はこの作品で1等を獲得、その後、この展覧会はロサンゼルスやシアトルなどアメリカ各地で開かれた。この展覧会を契機に斎藤の作品は世界でも知名度を上げていく。
この作品は、まだ幼い女の子がスプーンのようなものでコップに入った牛乳を飲んでいる様子を描いている。赤い洋服と赤いリボンを配置し、テーブルは真っ青な色を使っていて原色を使っているが、彩度を抑えめにしていることで、ミルクに真っ先に目がいく。
背景にも彩度の強い色を置かないことで、部屋と思われる空間は薄暗く、少女の表情もくぐもっているように見えるが、それに反してミルクの白さが際立っている不思議な瞬間が描かれている。
TIME誌の表紙
評価が高まるにつれて版画作家としてだけでなく、イラストレーターやグラフィックデザイナーとしても活躍した。昭和42年(1967年)、TIME誌の表紙のために内閣総理大臣であった佐藤栄作の版画を製作。
TIME誌の表紙として版画を用いたのはこれが初めてで注目された。実は斎藤がTIME誌に載るのはこのときが初めてではなく、まだ外国では無名だった斎藤の猫をモチーフにした作品を昭和26年(1951年)に雑誌内のアートセクションで紹介している。
斎藤の作品を紹介したことで、斎藤の所属ギャラリーに世界中から猫の作品の注文が殺到、瞬く間に日本から斎藤の猫の作品がなくなったという。このように斎藤は日本のみならず世界中で評価を高めていき、作品が知られるようになった。
斎藤清作品の買取相場
斎藤清の作品は日本のみならず世界でも知名度が高く、外国の美術館などにも所蔵されていることから重要な作品として認識されている。
「会津の冬」など人気作品は数百万で売られていたり、ほかの作品も安くても数十万円と高価格だが、作風が日常の風景を描いていたりとわかりやすいので、多くの人が斎藤の作品を売買しているのだ。
また、エディションがあるかないか、総製作数が多いのか少ないのかによって版画作品の価格は変わってくるので注意してほしい。
ここでは斎藤清作品の販売店などで売られているのを参考に買取相場を見ていく。
銀座で30年の買取実績!おいだ美術
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対策
現代アートや日本画など多くの種類を取り扱っているおいだ美術のオンラインストアで多くの斎藤清作品が販売されている。
- ・作品 : WINTER IN AIZU(57)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1982年
- ・サイズ : 38 x 52.8(cm)
- ・ED : 130
- ・価格 : 1,458,000円
- ・作品 : WINTER IN AIZU (35)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1978年
- ・サイズ : 46 x 91.5(cm)
- ・ED : 80
- ・価格 : 1,350,000円
- ・作品 : 会津の冬(72) 坂下 七折峠
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1987年
- ・サイズ : 37.8 x 52.6(cm)
- ・ED : 130
- ・価格 : 1,296,000円
- ・作品 : WINTER IN AIZU(51)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1982年
- ・サイズ : 38 x 52.8(cm)
- ・ED : 130
- ・価格 : 1,296,000円
- ・作品 : 会津の冬(100) 三島町 大石田
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1992年
- ・サイズ : 45 x 89(cm)
- ・ED : 65
- ・価格 : 1,296,000円
- ・作品 : 猜疑
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1973年
- ・サイズ : 45.3 x 74.2(cm)
- ・ED : 80
- ・価格 : 1,674,000円
- ・作品 : 慈愛(D)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1977年
- ・サイズ : 44 x 76(cm)
- ・ED : 30
- ・価格 : 1,512,000円
- ・作品 : 仲間達(A)仲よし
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1973年
- ・サイズ : 37.8 x 52.3(cm)
- ・ED : 80
- ・価格 : 648,000円
- ・作品 : 会津の冬
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1972年
- ・サイズ : 25 x 39(cm)
- ・価格 : 248,400円
- ・作品 : 柿の会津(7)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1973年
- ・サイズ : 38 x 53(cm)
- ・ED : 80
- ・価格 :594,000円
宅配買取に特化したイトー美術
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斎藤清作品を主に取り扱っているイトー美術でも多くの作品が販売されている。
- ・作品 : 会津の冬(96) 三島町・間方
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1992年
- ・サイズ : 45.3 x 90.5(cm)
- ・販売価格 : 780,000円
- ・作品 : 会津の冬(108) 三島町・大登(2)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1994年
- ・サイズ : 38.0 x 53.0(cm)
- ・販売価格 : 380,000円
- ・作品 : WINTER IN AIZU(41)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1979年
- ・サイズ : 37.8 x 52.7(cm)
- ・販売価格 : 380,000円
- ・作品 : 柿の会津(33)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1991年
- ・サイズ : 37.8 x 52.8(cm)
- ・販売価格 : 380,000円
- ・作品 : 柿の会津(19)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1976年
- ・サイズ : 37.5 x 52.5(cm)
- ・販売価格 : 380,000円
- ・作品 : 柿の会津(21)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1977年
- ・サイズ : 38.0 x 53.0(cm)
- ・販売価格 : 400,000円
- ・作品 : 稔の会津(6)
- ・技法 : 木版画
- ・制作年 : 1983年
- ・サイズ : 37.9 x 52.7(cm)
- ・販売価格 : 220,000円
以下のコラムでは版画の買取相場などを解説しているので、参考にしてほしい。
斎藤清作品を売る際の注意点
斎藤清作品の買取相場を紹介したが、斎藤の作品を売りたい人もいるだろう。ここでは作品を売る際の注意点を紹介していく。
作品の状態
斎藤のいつ頃の作品で、どのシリーズなのかなども重要だが、それと同等に重要なのが作品の状態だ。版画作品や日本画、油絵などどの作品にも共通して言えることだが、作品の保存状態は非常に重要になる。
穴や切り傷、ホコリをかぶっていたり、日焼けによって変化している場合、作品の価値が大幅に下がってしまう。場合によっては専門家による復元も可能だが、費用がかかってしまうので、事前に率先して保護をするようにしてほしい。
保管について
版画や日本画などは少しでもぶつけたり、擦ったりすると簡単に損傷してしまうので、保管には専用の木箱にしまうなど工夫が必要になる。また、気候によってはカビが生えてしまうことも珍しくなく、除去も難しいので湿度、温度管理を徹底したい。
もっとも適している湿度と温度は以下のとおりだ。
- ・湿度:50~60%
- ・気温:18~20度
好きな作品は家の中に飾りたい場合は、日光が直接あたる場所に作品を設置するのは避けよう。長時間、日光にあたり続けると作品の色が徐々に変色していき、元の作品の状態には二度と戻らない。
芸術作品は非常に繊細だ。日かげで風通しが良く、湿気がこもらない場所が理想的な環境といわれている。保存状態に気をつけなければ、簡単にカビや変色、ホコリなどに汚染されてしまうので注意して作品を保護ほしい。
斎藤清作品をどこで売るか
斎藤清の版画作品を始め、日本画や浮世絵などの作品を売却する場合、どこで売れば良いのか初めはわからないかと思う。ここでは代表的な作品の売り方について紹介するので参考にしてほしい。
オークション
オークションに自分の持っている作品を売りに出せば、作品を求める人がいるほど価格は釣り上がるので、自分の想定以上の金額で取引できる。
作者が有名で、作品に歴史的な価値があるほど欲しがる人が多い。しかし、作品を求める人がいない場合は落札されないこともあるので注意してほしい。
個人で出品して簡単に取引できるネットオークションのほかに、オークション会社が運営する場で売りに出す際は、事前にオークションに参加するギャラリーなどに1度連絡を取った上で参加する場合があるので、気をつけていただきたい。
買取業者
専門の買取業者に頼むことで熟練の査定員が、作品の歴史的価値や作品の状態の良さなどすべてを考量して、価格を決めてくれるので安心できる。世界で取引されている最新の情報を熟知しているため、適切な値段で取引できるだろう。
絵画など芸術に詳しくなくても、専門家に任せることで安心して売却できるのが買取業者を選ぶメリットだ。
買取業者をランキング形式で紹介
絵画を買取している業者は全国に多く存在する。そのため、いざ絵画を売却しようと思ってもどこに売却してよいのか分からない人もいるだろう。
そこで、大手買取業者の中からおすすめの買取業者をランキング形式で紹介するので、参考にしてほしい。紹介している買取実績は、2023年6月8日調査時点のものだ。
第5位 横浜の八光堂
買取価格
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対策
八光堂は絵画をはじめ、さまざまな美術品の買取をおこなっている業者だ。創業以来、40年以上も美術品の買取をおこなってきた実績があり、利用者も多い。
経験豊富な鑑定士が査定することで、絵画の価値を正確に見抜き、適正な査定価格を提示してくれる。また、買取した絵画を高額で販売できるルートを持つことで、高額買取につながっているのも魅力だ。
さらに、査定結果を丁寧に説明してくれるので、納得して売却できるだろう。買取方法は店頭買取と出張買取で対応しており、査定料や出張料などは無料だ。
買取実績
商品名 | 買取実績 |
---|---|
中山忠彦 薔薇と少女 | 70万円 |
熊谷守一 蒲公英に蟻 | 50万円 |
棟方志功 沢潟妃の柵 | 410万円 |
牛島憲之 温む沼 | 100万円 |
第4位 大阪のバイセル
買取価格
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対策
着物買取などで有名なバイセルは、美術品や骨董品の買取にも対応している。陶器や茶道具、ブロンズ像などと並んで、絵画も買取対象だ。査定は専門知識豊富な査定士がしっかりおこなう。
そのため、有名な絵画はもちろん、価値がわからない絵画でも適正に査定をおこなうので適正価格の提示が可能だ。状態が悪い絵画でも、有名作家の作品であれば買取可能な場合があるので、他店で断られた場合は相談してみるとよいだろう。
買取方法は店頭買取、宅配買取、出張買取から都合にあわせて選べる。査定料、送料、出張料は無料だが、返送料は依頼者負担となるので、店頭買取や出張買取を利用するのがおすすめだ。
第3位 福岡の福ちゃん
買取価格
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対策
着物の買取で知られる福ちゃんも絵画の買取に対応している。洋画、日本画、現代アート、リトグラフと幅広いジャンルの絵画が買取対象で、買取実績も豊富だ。
絵画に精通した査定士がしっかりと査定することで、作家や詳細不明な絵画でも適正な査定が提示できる。絵画は作家が有名なほど買取価格が高額になる傾向があるが、制作時代によっては無名作家でも高額買取になることも少なくない。
絵画の買取方法は店頭買取、宅配買取、出張買取の3つの方法で対応している。買取にかかる費用は無料なので、詳細が不明な絵画や状態が悪い絵画も、まずは福ちゃんに相談してみよう。
買取実績
商品名 | 買取実績 |
---|---|
東山魁夷 緑響く 木版画 | 180万円 |
千住博 ウォーターフォールⅢ リトグラフ | 35万円 |
石踊達哉「秋草」 | 27万円 |
第2位 出張買取の日晃堂
買取価格
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対策
日晃堂は、美術品や骨董品を専門に買取している業者だ。美術品、骨董品であれば、絵画、茶道具、陶磁器、彫刻、玩具、食器などさまざまな製品が買取対象となっている。
骨董品や絵画などそれぞれ専門の査定士が在籍しており、経験・知識ともに豊富なので安心して依頼できる。また、国内外に販売ルートがあり、作品にあわせて販売ルートを選べるのも高額買取につながりやすいポイントだ。
買取方法は宅配買取と出張買取から選べ、査定料・送料・出張料などは無料で利用できる。汚れや虫食いなどがあっても買取してくれるため、他社で断られた場合にもおすすめだ。
買取実績
商品名 | 買取実績 |
---|---|
奥田元宋 月昇る | 90万円 |
川合玉堂 漁村の夕 | 4.6万円 |
ピエール・ボンコンパン 女性 | 3万円 |
林喜一郎 広島熊野町 | 28万円 |
ジル・ゴリチ 南仏風景 | 5万円 |
第1位 品川の総合美術買取センター
買取価格
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ポリシー
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対策
総合美術買取センターは絵画を中心に、買取をおこなっている業者だ。幅広いジャンルの美術品を買取しているが、特に絵画の買取を得意にしている。
各分野で20年以上の経験を積んだプロが査定をおこなうので、価値を見逃さずに適正な査定額の提示が可能だ。また、運営経費を抑えているのも、高額買取につながっている。提示した査定額での買取を謳っているので安心して依頼できる。
買取方法は店頭買取、宅配買取、出張買取で対応しており、査定から買取成立まで費用は一切かからない。クーリングオフ制度も導入されているので、安心して取引したい人におすすめだ。
以下のコラムでは、絵画の出張買取が利用できる業者を紹介しているので、出張買取を検討している場合は、参考にしてほしい。
買取価格を比較しよう
斉藤清作品をはじめとする絵画は、業者によって買取価格が異なる。高額での売却を目指す場合は、高額で買取する業者に売却することが大切だ。
そのためには、複数の買取業者に査定依頼し、買取価格を比較する必要がある。しかし、その際には最低でも3社以上の査定価格が必要で、それぞれの買取業者への査定依頼や商品情報の入力など、やり取りに手間がかかる。
そこで、おすすめなのが買取価格比較サイトのヒカカク!だ。ヒカカク!の一括査定サービスは、1度の入力で最大20社の査定価格がわかる。斉藤清作品を売却する場合は、ヒカカク!をぜひ利用してほしい。
ネットオークションやフリマアプリの相場
美術品を取引する場合、無視できない存在がネット経由で取引されるネットオークションやフリマアプリだ。
個人間取引が主におこなわれるネットオークションやフリマアプリは手間はかかるが、業者に売却するより高額で取引できる場合も少なくない。
では、ネットオークションやフリマアプリにおける斉藤清作品の取引相場はどれくらいなのかを調査してみた。
ヤフオク!
日本最大級のネットオークションであるヤフオク!では、さまざまな製品が取引されている。美術品も多く、内容も美術品専門のオークションに引けを取らないような高額で取引される場合もある。
そんなヤフオク!における斉藤清作品の取引相場は、300円~1,353,000円となっていた。安価な作品にはポストカードなどが多く、高額なものは大判の木版画や直筆サインが入った物などがみられる。
メルカリ
日本におけるフリマアプリの代表格ともいえるメルカリもいろいろなアイテムが取引されている。そんななか、美術品も多く取引されており、斉藤清作品の取引も確認できた。
メルカリにおける斉藤清作品の取引相場は、300円~207,000円。こちらも取引価格が安価な作品はポストカードなどで、高額な物は大判の版画などが多い傾向がみられた。
どこで売却するのがおすすめ?
今回調査した中で絵画の取引数を見ると、メルカリよりもヤフオク!が多かった。ほかに有名なフリマアプリとしてラクマやPayPayフリマがあるが、斉藤清作品はほとんど取引されていなかった。
上記したネットオークションやフリマアプリのなかで斉藤清作品のような美術品は、ヤフオク!が一番多く取引されている。取引が多ければ、高額で売却できる可能性もあるので、個人間取引を利用する場合はヤフオク!への出品がおすすめだ。
そのほかの美術品売却方法
斉藤清作品のような美術品の売却先として、買取業者やネットオークション、フリマアプリを紹介してきたが、ほかにも美術品の売却方法がある。ここでは、美術品に特化した売却サービスを紹介していく。
ARTELIER(アートリエ)
アートリエとは、関西私鉄大手の阪急阪神ホールディングス株式会社の子会社である株式会社ライフデザイン阪急阪神が運営するアート作品取引サービスだ。
アートリエが審査したアート作品を購入できるだけでなく、作品のレンタルや売却も可能となっている。アート作品の取引は愛好家の間で活発におこなわれている一方で、一般人にはなかなか敷居が高いのが現状だ。
アートリエは、多くの人々にアート作品を楽しんでもらうために設立されたため、気軽にアート作品の購入やレンタル、売却ができるような仕組みになっている。ただし、現状では、アートリエで売却できるアート作品はアートリエで購入したものだけなので注意しよう。
TRiCERA Art(トライセラアート)
トライセラアート は株式会社TRiCERA (トライセラ)が運営する世界中のアート作品を取引できるサービスだ。
日本では購入した作品を所有し続ける傾向にあり、欧米や中国に比べて二次流通市場の規模がかなり小さい。このことが日本作家のキャリア成長を妨げているとして、二次流通市場を活発化させるべく、2023年4月24日からトライセラアートにリセール機能を開始した。
売却方法は、トライセラアートの事前審査で売却希望のアート作品が問題がないと判断されたら、トライセラアートに送付するだけで、手続きはすべてトライセラアートがやってくれる。
トライセラアートが事前に審査し、アート作品の品質が担保されているので安心して購入できる仕組みだ。販売手数料も9%と従来のオークションより低めに設定されているので、興味がある場合は、1度相談してみるのもよいだろう。
高い価値がつく絵画の特徴
美術品市場では、さまざまな絵画が流通しているが、価値は絵画によって異なる。1億円を超える価格で取引されるものもあれば、数千円で取引されるものも存在するのだ。
ここでは、高い価値がつく絵画はどのような特徴があるのか解説していく。
有名作家が手掛けた物
どの作家が手掛けたかで、絵画の価値がほぼ決まるといえるほど、手掛けた作家が価値に大きな影響を与える。有名作家の作品は、本物で状態に問題がなければそれだけで高額での売却が可能だ。
そのため、絵画の売却を検討する場合は、まず誰が手掛けた作品かを調べるのが先決だろう。調べる方法には「絵画に描かれているサインを見る」、「絵画が入っていた箱にある名前を見る」、「鑑定書を見る」などがあるが、素人が見て判断するのは危険だ。
無名作家の作品と思ったものが有名作家の作品だったり、その逆のケースだったりなども少なくない。作者の名前が分からなくても買取してくれる業者はあるので、そのような業者に買取を依頼したほうがよいだろう。
以下のコラムでは、有名作家の買取相場などを紹介しているので参考にしてほしい。
古い作品
絵画の価値を決める要因として、作家以外に希少価値がある。絵画にもさまざまな種類があるので断言できないが、制作された年代が古い作品は希少価値が高く、高額で買取される場合がある。
紙や布地に描かれた絵画の多くは、時間が経過するほど状態が悪くなったり、災害などで失われたりするため、残った古い作品は希少価値が増す。そのため、古い作品であれば有名作家でなくても高額で買取される場合もあるのだ。
ただ、制作年代の判断は作者を調べる以上に困難なので、こちらも確認は業者に依頼したほうがよいだろう。
美術品市場の動向
コロナ過で落ち込んだ美術品市場もコロナ過の終息で、コロナ過以前の水準まで回復した。ただ、日本では美術品を長く保持する傾向があり、二次流通市場が欧米や中国に比べて小さいことが日本の美術品市場の規模を小さくしている要因の1つだ。
GDPや富裕層の人数に比べて日本における美術品市場の規模は小さいことから、今後成長の余地があるとされている。そのため、日本政府も文化庁を通して、さまざまな施策をおこなっているのだ。
先に紹介したARTELIERやTRiCERA Artのような新しいサービスも立ち上がったことで、美術品市場は活発化していくことが予想される。
そうなれば、斉藤清作品のような、もともと人気がある作品は、取引価格が高騰する可能性もあるのだ。今後の美術品市場がどうなるか、まだはっきりとはわからないが、美術品市場の動向は注視した方がいいだろう。
まとめ
斎藤清の木版画・作品の買取相場や価値についてまとめてきた。斎藤清は幼少のころからイラストなどを描いていたが、安井曽太郎の木版作品であるに魅せられて以降、版画制作に没頭する。
「会津の冬」シリーズなど、多くの人気作品をつくりあげ、アメリカでも多くの展覧会が開かれ、評価を高めていった。世界を見て作品に落とし込んだことで、斎藤清独自の作風ができ上がり、世界に知られる唯一無二の版画作家として名を残した。
斎藤清の作品は現在もオークションや画廊などで活発に取引されており、価格は数百万のものも多くある。高価格だが、作風の親しみやすさから非常に人気だ。売却先として、ネットオークションやフリマアプリはもちろん、さまざまな売却サービスがある。
そのため、自分に合った売却先を見つけることも大切だ。芸術品はつねに価値が変動しているため、さまざまな売却先を比較検討するのがよい。買取業者を利用する場合は、最大20社の買取価格がわかるヒカカク!がおすすめだ。
作品を手放したい場合、心からその作品を求める人に売ることで、作品がこれからも長く時空を超えて残っていく。文化の保存という観点としても重要なので、売る相手やタイミングを見て売ってほしい。
参考サイト