部屋の片づけは、一見簡単そうに見えるが、意外と奥が深いものだ。片づけは、老若男女が直面する、きわめて日常的な問題であり、あまりにも身近なことであるため、あまり深く考えて行う人も、そう多くないのではないだろうか。
しかし、実際に片づけに悩む人は実に多い。特に女性誌を中心に、さまざまな誌面において片づけの特集が組まれ、テレビでも片づけコンサルタントなるものまで出てくる有様だ。
片づけは、きっと多くの人が潜在的に抱えている悩みの一つなのだろう。ここでは、そんな悩みを解決するため、部屋の片づけの基本について解説したいと思う。なお、以下のコラムも合わせて確認すると良いだろう。

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部屋を片づけたくても腰が重い?
部屋を片づけると、心が晴れ晴れするのは、ほとんどの人に共通しているのではないだろうか。中には、手の届くところに何でもある「汚部屋」の状態こそ居心地良いと感じる人もいるかもしれないが、部屋がキレイになることで、生活習慣から精神衛生面まで改善されるのは明白だ。部屋がスッキリすると、多くのメリットを享受できると分かっているのだが、どうやらなかなか腰が重く、片づけを始めるに至らない人も少なくないのが現状だ。そんな人は、おそらく何から手をつけたらよいかわからない状態であるケースがほとんどだろう。
部屋を片づけるのに手順やコツこそあるが、そんなに難しく考える必要はない。大切なことだけにポイントを絞ると、部屋の片づけは「捨てる」ことと「収納する」ことの2つに尽きる。たった、これだけ意識すれば良いのだ。ステップとしては、意欲的に捨ててから、上手に収納することになる。
捨てることはストレス解消にもなり、きっとモノを捨てるとともに重い腰も軽くなっていくのではないだろうか。
部屋の片づけを成功させる秘訣は意欲的に捨てること
さて、実際に片づけを始める場合、何よりも一番初めのステップである「捨てる」ことが肝要となる。モノが減ればその分、収納する量もへり、収納スペースを有意義に使えるだけではなく、部屋がスッキリする。逆に、あまりモノを捨てられずに、もったいない精神でモノをため込んでしまうと、いつまでたっても部屋が片づかないことになる。そのため、単に不要品を捨てるというよりも、モノをどれだけ不要品に選別して、意欲的に捨てられるかがポイントとなるといった方が正確だ。
ちまちま片づけずに、一気に片づける
片づけは、時間と労力が非常にかかるので、なるべくなら効率的に進めていきたい。よくやりがちなのが、目につくものだけを表面的にちまちま片づけることだ。
モノを片づけるのに大切なことは、不要なモノを処分することだ。不要というのは人によっても感じ方は異なるかもしれないが、まったく同じモノがあるケース、機能や用途が同じモノがあるケースは、あるいは長らく使っていないモノは、たいてい不要と判断することができるだろう。
そのため、現状、何をどれだけ持っているのかをまず把握しなければならない。このとき、収納されているものをいったん全部外に出してみると、簡単に把握することができる。こうすることで、まったく同じモノ、機能や用途が同じモノ、長らく使っていないモノをすべて捨てることができ、一気に片づくのだ。
モノのジャンルごとに選別する
前述のように、収納されているものをいったんすべて外に出してみるのは、とても有効な方法だ。ただし、このときついつい部屋ごとにやってしまいがちだが、できるだけモノのジャンルごとにやるようにしてもらいたい。
例えば、服ならすべての部屋にあるクローゼット、衣類掛け、衣装ケース、引き出しから引っ張り出すようにする。こっちの部屋の服を整理したあと、あっちの部屋の服を整理するでは、結局どのような服、どういった用途の服をどれだけ所持しているかがわからなくなるうえ、適切に再収納することができなくなってしまう。
なお、とりわけ服は、捨てられるのに捨てていないという状態になりやすいので、似たような服があったり、1年以上着ていない(昨シーズンも着ていない)服があったりしたら、要らないモノに選別しよう。変色していたり、焼けていたり、虫食いがあったりするなら、問答無用で捨ててほしいものだ。
要るか要らないかの二択で選別する
選別では、要るモノと要らないモノのみに分けることに徹した方が良い。再収納のことを思うと、ついつい思い出の品、誰かにあげるモノ、修理して使うモノなど、細かく分けたくなってしまうが、そんなことをしていると片づくものも片づかなくなってしまう。片づけは時間も体力も要するものだ。細かく選別していると、時間も体力も削られてしまうので、まずは要るか要らないのか、捨てるのか捨てないのかだけに焦点を絞り、選別を終えることだけに集中しよう。
有料処分品は当日のうちに申し込もう
要るモノと要らないモノに選別できたら、要らないモノをどんどんゴミ袋に入れてしまおう。ただし、モノによっては、一般の家庭ゴミとして出すことができないモノもあるので、注意が必要だ。
家具や家電に加えて、大型のモノ、金属製のモノ、重いモノ、有害なモノなどは有料処分となるケースが多いので、必ず事前に自治体などのウェブサイトやゴミ分別表などを確認しておこう。
粗大ゴミ扱いの場合、最近ではウェブサイトから簡単に申し込むことができ、申し込みが完了したのちにコンビニなどで相応のゴミ処理券を購入し、当日指定場所に搬出すれば完了だ。また、家電リサイクル対象品の場合は、家電量販店に申し込むか、自治体の指定する方法に従って処分することになる。いずれの場合も事前に申し込むことは可能なので、後延ばしにすることなく、片づける意欲が湧いているうちに、申し込みを済ませてしまおう。
部屋の片づけの成否は、どれだけモノを捨てられたかにかかっている。どれだけのモノを所持しているのか把握し、重複するようなモノ、長く使っていなかったようなモノはなるべく意欲的に捨てるようにしたいところだ。
さて、不要品を捨て終わったら、今度は「収納」を始めよう。
上手に収納するために
収納は、ただやみくもにモノを入れれば良いというわけではない。収納にも、最低限おさえておきたいコツがあるので、簡単に説明しよう。
モノの所在を決めておく
収納で最も大切なのは、あらかじめどこに何を入れるのかを決めておくことだ。モノに定位置がないと、すぐにモノが行方不明になってしまう。こうなると、結局はしまわれっぱなしになってしまい、不要品と化したり、同じモノを購入してモノが増えてしまったりしてしまう。
また、始めに定位置を決めたはいいが、次第にスペースがなくなり、よそへ溢れだすこともしばしば起こるので、収納にあたってはなるべくスペースにゆとりを持たせるように心がけよう。
中身がすべて見えるように収納する
収納にあたっては、中身が開けただけで一目瞭然の状態になるのが望ましい。服を例にとってみると、横に積み重ねるのではなく、立てて並べるのが良いだろう。底や奥に何があるかわからない状態だと、埋もれっぱなしになる原因になる。また、スペースがあるからといって欲張って詰め込むと、結局はゴチャゴチャしてしまい、中に何が入っているのか一見してわからない状態になりやすい。そのため、ここでもやはりある程度の余裕を持って収納するようにしよう。
もし、収納スペースが足りないと感じたら、収納スペースが狭いのではなく、収納するモノが多すぎるのであって、捨てることで収納量を減らせないか考えるようにしたい。
仕切りを適切に使う
小物を収納するときに重宝するのが仕切りだ。広い収納スペースにそのまま小物を入れておくと、間違いなく散乱するので、そんなときには仕切りを活用しよう。仕切りは文具店、家具屋、100円ショップとどこでも売っているので、適宜サイズのあったモノを購入しよう。
透明の収納ケースを活用する
最近では、透明の収納ケースがよく売れているようだ。消費者の声を反映した商品なのであろう、収納ケースが透明であるメリットは非常に大きい。透明であると中に何をしまっているのか、すぐにわかる。収納するときは、後々の使い勝手も考えて、このような透明の収納ケースも活用してみてほしい。なお、透明であるがために、「見えてしまう」というデメリットもあるので、デリケートなモノは入れるのを控えるか、クローゼット内に設置するのがおすすめだ。
思い出の品は目につくところへ
収納は、何でもかんでもしまってしまえば良いというわけではない。写真などの思い出の品は、来るべきときに使うといったものではない。そのため、部屋がスッキリと片づいたら、厳選して、普段から目のつくところに飾っておけるようにしよう。モノを飾るほど余裕のある部屋こそ、片づけのゴールと思って良いのではないだろうか。