
世界中のコレクターから注目される価値ある美術品や絵画は、美術品オークションを使った売却が大変おすすめだ。
ヤフオクなどとは全く異なる特徴を持つ美術品オークションは、作品売却に向けてさまざまな不安を抱く人にも、安心して取引できる要素がたくさん詰まっている。
また一般の皆さんが入札に参加できる美術品オークションも国内に多く存在するため、美術品収集にも活用できるサービスと捉えて良いだろう。
今回は、美術品オークションの仕組みを解説しながら、このサービス利用のメリットやデメリット、注意点などを整理していきたい。
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美術品オークションの特徴と仕組みとは?
専門業者によって開催される絵画や美術作品に特化したオークションを、美術品オークションと呼ぶ。
このオークションの仕組みや特徴、取扱い作品の種類は、各業者によってその内容が大きく異なる形となる。
競売方式と入札方式
美術品オークションの会社では、競売方式もしくは入札方式のどちらかでサービスを行っている。
競売方式
比較的大きな会社で行われているのは、自社会場にさまざまなコレクターや美術品買取業者が集まる競売方式のオークションだ。この方式のオークションには、熱狂的な会場内の空気により想像以上の高値が付きやすい特徴がある。
また自分以外の入札者の動向も観察できるため、絶対に欲しい作品がある人にはおすすめ度の高い方式になることだろう。
入札方式
これに対して入札方式は、入札者の希望価格を業者側で集計して、全参加者に後日連絡をするサービスだ。
入札方式のオークションを利用すれば、自分の予算範囲内で美術品の購入・落札ができる。
しかし想定外の高値を付ける相手が出てきた場合は、競売方式のようにその場で予算変更や対処を行うことができないため、絶対に欲しい作品がある人にとっては落札額の設定が難しいサービスと言えるだろう。
ちなみに世界的に有名な美術品オークションの大半は競売方式で行われているため、取引規模が小さくなりやすい入札方式は、日本ならではの方法と捉えても良いかもしれない。
美術品オークションはどんな会社で行われているの?
サザビーズやクリスティーズといった会社は、世界的に有名な美術品オークションハウスだ。
これに対して毎日オークションやシンワアートオークション、エストウエストオークションズなどは、日本国内を中心に美術品オークションを開催する企業となっている。
この他に近頃では、中国人富裕層から人気の中国美術品・中国骨董専門の会社も日本に多く上陸しているため、海外オークションとも繋がるこの市場規模は非常に大きいと捉えて良いだろう。
一般の人でも出品・入札の両方ができる
この市場に活況が生まれる近頃では、一般の人でも参加のできる美術品オークションが増えつつある。
中には骨董品や美術品買取業者や画廊といったプロを相手とするオークションも開催されているようだが、これだけ多くの一般向けオークションが存在する実態を考えると、「参加先が見つからない!」といった状況に悩まされることが少ないと捉えて良いだろう。
また美術品オークションでもヤフオクなどと同じように出品・入札の両方に参加できる仕組みとなるため、美術品投資を行う皆さんにとっても使い勝手の良い存在になりそうだ。
多彩な参加方法
少しでもたくさんのお客様に参加して欲しいと考えるオークション会社では、自社会場に来ることのできない人でも簡単に入札できる仕組みを設けている。
例えば電話を使った入札に参加すれば、自分の代わりにオークション会社のスタッフがリアルタイムで行われている競り合いに参加をしてくれる。
また予算が限られている人向けにはFAXなどを使った方法もあるため、仕事などで直接オークション会場に出向くことが難しい皆さんでも自分のライフスタイルに合った方法で美術品を手に入れられると捉えて良いだろう。
美術品オークションとインターネットオークションの違いとは?
続いて、ヤフオクなどのインターネットオークションと美術品オークションの仕組みにおける違いについて詳しく比較していきたい。
自社会場で開催されている
自社会場で行われる美術品オークションには、「高いお金を出してもより良い美術品を落札したい!」という熱いコレクター達が集まりやすい傾向がある。
これに対してヤフオクなどのインターネットオークションでは、美術品への知識や関心の低いユーザが興味本位で入札することもあるため、自慢の美術品に高値が付きにくい実態も納得できると言えるだろう。
主催者責任による安心感
美術品オークションに多くの富裕層が集まるのは、主催者側できちんと鑑定された本物の美術品のみが公開されるからだ。
また万が一落札後に贋作であったことが発覚した場合は、1年ほどの保証期間の中で当該作品の払い戻しをすることもできる。
こうした形で主催者によってさまざまな安心感がもたらされている美術品オークションは、出品者自身が本物かわからない作品を出すこともあるインターネットオークションと比べて遥かに安心できる存在と捉えて良いだろう。
美術品の下見ができる
ほとんどの会社で行われている下見会とカタログの配布も人気のサービスだ。
定期的に発行されるカタログには、次回オークションに出てくる全美術作品の写真と最低落札価格、サイズなどの情報が書かれている。
下見会では作品の色が経年損傷などを入札希望者が自分の目で確認することができるため、落札後の失敗や後悔が生じにくいところも美術品オークションの人気に繋がっていると言えるだろう。
また近頃では、美術品オークションへの参加ができない人向けにカタログよりも詳しい写真や情報を掲載したコンディションレポートを発送する業者も登場しているため、何度もオークション会社に出向く余裕のない人でも安心して当日を迎えられる仕組みが整いつつあると言えそうだ。
骨董市開催オークションと美術品オークションの違いも知りたい
骨董市の一角で開催されるオークションは、イベント来場者を対象とした少しフランクな存在と位置付けられる。
このタイプのオークションに参加するためには、美術品オークションのような会員登録を行う必要もない。
また美術品専門会場で見受けられるような超高額アイテムも滅多に登場しないため、本気度の高い美術品オークションと比べると、落札する楽しみやイベント全体を盛り上げる意味合いが強いと捉えた方が良いかもしれない。
美術品オークションに適しているのはどんな人?
本気度の高い入札者がたくさん参加する美術品オークションには、作品やユーザのライフスタイルによって向き・不向きもある。
会員登録の必要性
大手オークション会社の大半は、信頼性の高い取引を行うために事前の会員登録を行っている。
10,000円~20,000円ほどの費用を払って会員登録すると、年に数回オークションカタログが無料で届けられる。
また会員の場合は出品料なども無料となるため、何度も出品・入札を行う予定がある場合は登録が必須と捉えた方が良いだろう。
安いとは言えない手数料
会場運営や作品の鑑定、カタログ作成・配布といったサービスが充実する美術品オークションには、若干高めの手数料がかかる。
例えばある有名企業では、100万円までのハンマープライスで入札した人対して16.2%の手数料をとっている。
また出品者については、70,000円未満で10,800円もの売却手数料や出品料を差し引いた上で振り込みを行う仕組みとなっている。
高値が付くことが明らかな作品の所有者
さまざまな手数料や会員登録料といった高いコストのかかる美術品オークションは、明らかに高値が付くと見込める作品に適したサービスだ。
これに対して所有自身の中でその価値が全くわからない場合は、オークション運営会社に鑑定と査定をしてもらった上で、「本当に出品するべきか?」の判断をする必要があると言えるだろう。
すぐに現金化をしたい場合
美術品オークションは、基本的に2~3ヶ月ほどの余裕を持って行うものだ。
例えば4月開催のオークションに出品する場合は、カタログ作成の都合上、1月~2月下旬に締め切られることも珍しくない。
また売却料金の支払いについても開催日の1週間~20日後に振り込まれるケースが多いため、急な現金化に迫られている人には利用の難しいシステムと捉えて良いかもしれない。
買取査定という選択肢もある
美術品オークション会社に鑑定・査定をしてもらった上で明らかに高値が付かないと想定される作品には、各種手数料の低い買取業者で売却するという道もある。
たくさんの買取サービスが増える今の時代は、査定料・送料・振込手数料などを全て無料で対応する専門店も多く見受けられるようになった。
また美術品オークション会社の中には、出品が難しい美術品や骨董品、伝統工芸品に対して買取や委託販売を行うところも存在するため、まずは鑑定・査定依頼を通してショップの鑑定士に相談をすることから行動を起こしてみると良いだろう。





