Androidでゲーム用におすすめのスマホを選ぶとしたら、その条件となるのは、スマホのスペックだ。美しいグラフィックを遅滞なく表示したり、ゲームの途中でゲームアプリが突然“落ちて”しまわないだけのスペック=性能である。
では、そのようなスマホをどうやって選べばよいのか。実際のモデルとともに紹介していこう。なお以下の文章は2018年4月現在の状況で書かれていることをご了承願いたい。

iPhone work / tinkerbrad
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ゲームのために必要なスペックはCPUとメモリ
スマホの進化とともに、多様な表現が可能となったネットゲームやソーシャルゲーム。これらを快適に楽しむために必要なスマホのスペックは、CPUとメモリで判断するのが一般的だ。焦点となるのは、CPUならどれだけ性能がいいか、メモリならどれだけ容量があるかということだ。
スマホの性能はCPUで決まる最重要パーツ
CPU(マイクロプロセッサとも呼ばれる)とは、スマホのあらゆる演算処理を行う最重要部品であり、まさしくスマホの頭脳とも言うべき存在。処理速度が速いスマホ、サクサク作業が進むスマホは、それだけ計算能力の高いCPUが使われているということになる。
特にゲームアプリは、たくさんの色を使用した複雑なグラフィックを適切に表示させたり、様々な条件を一瞬で計算して結果を表示するなど、非常に複雑な命令をスマホに下すことが多い。だからこそ、ゲームに使うスマホには、できるだけ処理能力の高いCPUが必要になる。
CPUのスペックは数値に注目せよ
スマホに使われるCPUでは、Androidスマホなら Qualcomm社の作る「SnapDragon」がよく知られる。
パソコンのようにインテル社の製品がほとんどということはなく、いくつかのメーカーが作っていたり、HUAWEIのように自社(子会社)製造しているメーカーもある。なので、CPUで注目すべきなのは、そこに書かれている数値である。
たとえばソニーモバイルが製造し、NTTドコモが販売するXperia XZ1(SO-01K)のスペックのCPUの欄を見ると、次のように書かれている。
- Snapdragon 835
- 2.45GHz(クアッドコア)+1.9GHz(クアッドコア)
- オクタコア
「Snapdragon 835」は、前述のとおりCPUの名前。この後に書かれた数字が大切だ。
「2.45GHz」とは、CPUの「動作周波数」を示しており、この数字が大きいほど計算能力が高いことを意味する。なので、この数字がより大きなCPUを搭載しているモデルを選ぶことが重要だ。
コア数が多いほど性能が高くなる
そして「クアッドコア」とは、コア(核)と呼ばれるものが4つある(クアッド)ということで、それだけ並行して様々な処理をこなす能力が高いことになる。
さらにこの機種には、もう1つやや処理速度の遅い「1.9GHz」の「クアッドコア」も配置されており、合わせて8つのコア(オクタコア)を持つCPUが内蔵されているということがわかる。現在はこの「オクタコア」のCPUを高性能モデルでよく使われていることを覚えておきたい。
なぜ速いCPUとやや遅いCPUが並置されているのかというと、処理速度の速いCPUはそれだけバッテリーパワーを消費し、熱を発してしまうことから、両者をうまく組み合わせて使うことにより、バッテリーパワーの低減と発熱の抑制を狙っているからだ。
いずれにせよ、現在のスマホのハイエンドモデルに共通するのが、このマルチコア仕様による処理速度の向上と省エネの両立であることは間違いない。
ちなみに「Snapdragon 835」の「835」の部分の数字がより大きいほうが、よりグレードの高いCPUを意味していることも付け加えておきたい。「Snapdragon 835」は、多くのAndroidスマホで使用されており、現状では最高グレードのCPUである。
RAM(メモリ)が大きければ快適にゲームができる
RAMとは「Random Access Memory」の略で、CPUが処理を行ったり、データを表示するときに使う一時的な記憶装置である。
このRAMが大きければ並行して作業を進めやすくなるため、たとえば複数のアプリが開いていても、動作に影響が出ない。特にゲームのような容量の大きなアプリには、それだけ大きなRAMも必要になってくる。
スマホのRAMの容量は、おおよそ2GB~4GBが主流。スタンダードのモデルで2GB、ハイスペックのモデルでは4GB以上のRAMを搭載するモデルが出ている。
ゲームのように、スマホにとって高負荷となるエンタテインメントを楽しみたいなら、数字の大きいメモリのモデルが必要。現状から考えると、4GB以上のモデルを選んでおけば問題ないだろう。
RAMとROMとの混同に注意
なお、スマホのスペックにはもおう1つメモリと呼ばれるパーツがあり、それが「ROM」。「RAM」と1字しか違わないのでよく間違えられるので注意してほしい。
「ROM」は「Read Only Memory」の略で、こちらはストレージとも呼ばれる記憶装置のこと。64GBや128GBという数字で示されているはずだ。
OSやアプリが格納されているパーツなので、容量の大きなゲームアプリを多数入れたい場合には、やはり大きな数字を選んでおいて間違いはない。通常の使用であれば、64GBで問題ないはずだ。
ディスプレイの解像度が高ければなお良し
ゲームをするのに相応しいスマホを選ぶときには、基本的にはCPUとRAMの数字をチェックしておけばOKだ。しかし、せっかく美しいグラフィックのゲームをやるなら、もう1つ気にしたいのが、ディスプレイの解像度だ。
ゲーム映像のクオリティもどんどん進化しているから、それに応じたディスプレイのスマホを選んでおきたい。画面の美しさは、「解像度」という尺度で表されることが多い。「ドット」という単位で表され、このドットの数が多ければ多いほど、画面は色鮮やかで美しく表示されることになる。
高解像度のスマホが続々と販売されている
ゲーム用スマホのディスプレイの解像度としては、「フルHD」(FHD)と呼ばれる1920×1080ドット以上のスペックのモデルを押さえておきたい。さらには2560×1440ドットのWQHD(ワイドクァッドHD)や、フルHDの4倍もの解像度を持つ4K HDR対応のディスプレイを備えるモデルも販売されている。
有機ELディスプレイが今後のトレンドか
iPhone Ⅹにも採用された有機ELのディスプレイは、バックライトが必要な液晶と違い自発光するシステムのため、スマホのボディを薄くでき、なおかつ液晶よりもバッテリー消費が少なくて済む。
そしてなにより、自発光により表現できる色の数が液晶より格段に多く、たとえば薄暗い部分が黒くつぶれてしまうことなく、よりリアルな、目で見た以上の色の階調がモニター上に表現される。
有機ELディスプレイはSAMSUNGやLGといった韓国のメーカーが先行しており、Android勢が有利。液晶よりも省エネであることを考えると、ゲーム用スマホのディスプレイとして相応しいと思われる。
ただし、有機ELは現在のところ価格が高いことがデメリットの1つ。CPUやRAMの性能が高ければ当然価格に反映されるので、そのうえ有機ELとなればさらに高くなる要因にもなりうる。選ぶ際には、価格とも相談しつつ自分の身の丈に合ったモデル(購入可能なモデル)を選んでほしい。
ゲームにおすすめの2017年モデルのAndroidスマホ(キャリアモデル)
では以下で、ゲームにおすすめのAndroidスマホを紹介していこう。まずはNTTドコモとau、ソフトバンクの各キャリアを代表するモデルから。
◆Galaxy Note 8
- CPU
- 2.35GHz+1.9GHz オクタコア(Snapdragon 835)
- RAM
- 6GB
- ディスプレイ
- Super AMOLED (有機EL)/ 約 6.3インチ
- 解像度
- QHD+(1440×2960)
約6.3インチの大画面、RAM6GB、3,300mAhの大容量電池で、動画視聴やゲームの日常操作が快適に行える、Galaxyのフラグシップモデル。
◆Galaxy S8 / S8+
- CPU
- 2.35GHz+1.9GHz オクタコア(Snapdragon 835)
- RAM
- 4GB
- ディスプレイ
- Super AMOLED (有機EL)/ 約 5.8 / 6.2インチ
- 解像度
- QHD+(1440×2960)
ディスプレイ比18.5:9のおかげで、まさに「全面ディスプレイ感」の感じられるデザイン。S8とS8+の違いは画面サイズのみ。S8+はauで販売。
◆Xperia XZ1
- CPU
- 2.45GHz+1.9GHz オクタコア(Snapdragon 835)
- RAM
- 4GB
- ディスプレイ
- TFT液晶 / 約 5.2インチ
- 解像度
- Full HD(1080×1920)
HDR対応フルHD液晶画面はソニーがテレビのブラビアで培った技術の粋を集めた。フロントスピーカー搭載でXperia史上最大音量でゲームも楽しめる。
◆Xperia XZ Premium
- CPU
- 2.45GHz+1.9GHz オクタコア(Snapdragon 835)
- RAM
- 4GB
- ディスプレイ
- TFT液晶 / 約 5.5インチ
- 解像度
- 4K(2160×3840)
4K のHDR対応ディスプレイは液晶ディスプレイでは最高峰のクオリティを誇る。5.5インチの小さな画面いっぱいに信じられないほどの美しい画面が広がり、高精細のゲームや4K HDR映像の配信を過不足なく楽しめる。3大キャリアでの販売はドコモのみ(ソニーが展開するNVMO事業モデルはあり)。
◆HTC U11
- CPU
- 2.45GHz+1.9GHz オクタコア(Snapdragon 835)
- RAM
- 4GB
- ディスプレイ
- TFT液晶 / 約 5.5インチ
- 解像度
- WQHD(2560×1440)
台湾のスマホメーカーHTCの最新機種。別売りのモバイルVR端末「LINK」とつなぐことで、高解像度で高い品質のVRを気軽に体験できる。販売キャリアはauとソフトバンク。
◆AQUOS R
- CPU
- 2.2GHz+1.9GHz オクタコア(Snapdragon 835)
- RAM
- 4GB
- ディスプレイ
- TFT液晶(IGZO) / 約 5.3インチ
- 解像度
- WQHD(2560×1440)
AQUOSの名に恥じないHDR対応ワイドクアッドHDの解像度を誇る、美しい液晶画面が特徴。スペックは他のブランドにまったくひけをとっておらず、国産ブランドの高機能スマホが欲しいという人には最適なモデル。
ゲームにおすすめの2017年モデルのAndroidスマホ(SIMフリーモデル)
次に紹介するのは、SIMフリーモデル。キャリアではゲームに使えるスマホはどうしてもハイエンドモデルになりがちだが、SIMフリーのモデルでは本体価格が抑えられたモデルもあり、選択肢の幅が広がる。
◆HUAWEI Mate 10 Pro
- CPU
- 2.36GHz+1.8GHz オクタコア(HUAWEI Kirin 970)
- RAM
- 4GB
- ディスプレイ
- HUAWEI FullView Display (有機EL) / 約6.0インチ
- 解像度
- フルHD(2160×1080)
ライカのダブルレンズカメラを搭載したHUAWEIのフラッグシップ。オンラインストアでの実勢価格は96,984円(税込)。CPUの「Kirin 970」とは、HUAWEIグループ独自開発CPUの名称。バッテリーも4000mAhの大容量だから、安心してゲームに打ち込むことができそうだ。
◆HUAWEI P10 Pro
- CPU
- 2.4GHz+1.8GHz オクタコア(HUAWEI Kirin 960)
- RAM
- 4GB
- ディスプレイ
- IPS液晶 / 約5.1インチ
- 解像度
- フルHD(1920×1080)
こちらもライカのダブルレンズカメラを搭載。ハイエンドスマホのレベルの性能ながら、オンラインストアでの価格は6万円台と非常にコストパフォーマンスが高く、人気を集めた。オンラインストアではすでに売り切れているので、購入はできない可能性もある。後継機の登場を待ちたいところだ。
◆HUAWEI honor 9
- CPU
- 2.4GHz+1.8GHz オクタコア(HUAWEI Kirin 960)
- RAM
- 4GB
- ディスプレイ
- IPS液晶 / 約5.15インチ
- 解像度
- フルHD(1920×1080)
5万円台から購入できるミドルレンジのスマホだが、デュアルカメラ搭載でハイエンドスマホにも負けない機能を有しているコストパフォーマンスに優れたモデル。
◆ASUS ZenFone 4
- CPU
- オクタコア(Snapdragon 660)※動作周波数は未公表
- RAM
- 6GB
- ディスプレイ
- Super IPS+液晶 / 約5.5インチ
- 解像度
- フルHD(1920×1080)
6GBの大容量メモリがパソコンクラスの高パフォーマンスを実現。わずか36分間で約50%まで急速充電も可能な大容量3,300mAhバッテリー搭載で、ゲームを長時間楽しむことができる。約7.5mmの薄型ボディーとスリムベゼルで、5.5インチとは思えないコンパクトさも魅力。6万円台で購入できる。
◆ASUS ZenFone 4 PRO
- CPU
- 最大2.45GHzオクタコア(Snapdragon 835)
- RAM
- 6GB
- ディスプレイ
- 有機EL / 約5.5インチ
- 解像度
- フルHD(1920×1080)
CPUに最新のSnapdragon 835を採用し、メモリも6GBに拡大。有機ELのディスプレイにデュアルカメラ搭載と、2017年に販売されたZenFoneのSIMフリーモデルの中では最高の性能を誇る。現在はやや価格は下がり気味で、ASUSのオンラインショップで7万円台で購入可能なのは、かなりお得。
◆ASUS ZenFone AR
- CPU
- オクタコア(Snapdragon 821)
- RAM
- 6GB /8GB
- ディスプレイ
- 有機EL / 約5.7インチ
- 解像度
- WQHD(2560×1440)
Googleが提供するARプラットフォーム「Tango」とVRプラットフォーム「Daydream」の両方に、世界で初めて対応したスマホ。RAMはストレージ容量が64GBが6GBで、128GBのモデルが世界初のスマホで8GBメモリーを搭載する。
日本ではARやVRを存分に楽しめるわけではないが、それを抜きにしても、高機能モデルとして十分なスペックを持つ。価格はASUSオンラインショップでは、128GBモデルでおよそ10万円。一般のショップではもう少しこなれてきており、64GBのモデルなら64,800円から購入可能だ。
まとめ
ここまで2017年編として、ゲームをするのにおすすめのAndroidスマホを紹介してきた。モデルによってはすでに在庫がないというモデルもあるので、ご了承いただきたい。
本文でも述べたように、スマホでいろんなゲームを楽しみたいと考えるなら、スマホのスペックが重要だ。
現状では、最大2.2GHz以上の動作周波数を持つオクタコアのCPU、4GB以上のRAMメモリ、そしてフルHD以上のディスプレイ解像度といった条件で選べば、どんなゲームでも問題なく楽しむことができるはずである。そこに3000mAh前後のバッテリー容量を加えてもいいだろう。
こうした機種はドコモやau、ソフトバンクといったキャリアではどうしても高価なモデルとなってしまうが、SIMフリーで選べば価格はもっと抑えられるし、様々なメーカーから選ぶことができるようになる。
あるいはSIMロックを解除した中古モデルを購入するという選択肢もある。月々の支払を少しでも抑えたいなら、SIMフリースマホや中古スマホの利用を検討するのも悪くない選択肢ではないだろうか。