バブル時代のシルバーフォックスのロングコートを、手放すのが惜しくてずっと仕舞い込んでいる人もいるだろう。しかし、今後そのボリューミーなコートを着る機会があるか考えてみてほしい。
毛皮は保管方法次第では劣化しやすいデリケートな素材だ。出番がないなら買取に出し、そのお金で流行りのコートでも買ったほうが得策だ。毛皮の中でも高級品と言われるシルバーフォックスは、どのくらいの価値があるのだろうか。買取相場や査定情報、買取の注意点などを説明しよう。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
シルバーフォックスとはどんな毛皮?
シルバーフォックスとは銀ギツネのことだ。動物の毛皮を纏い始めたのは古代ローマの頃と言われている。キツネは寒い地域に生息する動物であるため、キツネの毛皮は防寒に優れ保温性のある暖かい毛皮として世界中で人気がある。
最高級品と言われるミンクと同等の品質でありながら流通量も多く手に入りやすいため、ミンクよりも価格がおさえられている点も人気の理由の一つだ。それでも、贅沢にシルバーフォックスの毛皮をふんだんに使ったロングコートは、バブリーな時代でもかなりの高級品であった。
しかし、その後世界の動物愛護団体などの訴えにより、毛皮のための乱獲禁止、高級ブランドの毛皮製品の撤退などにより生産量が激減している。そのため、買取市場では査定が上がっているとも言われている。
シルバーフォックスはロングコートやショートコート、ジャケットやベスト、ショールやストール、マフラーやスヌードなどの製品に加工されている。自宅に使わない毛皮があれば、査定が下がらないうちに買取に出してみてはどうだろうか。
どんな状態でも買い取ってもらえる?
毛皮のコートは布地で作られたコートほど流行によるデザインの変化は少ない。しかし、古い時代に作られたものはやはりどことなく全体のフォルムからデザインが古いとわかってしまうものだ。いくらシルバーフォックスのコートでも、古いデザインでは需要もないため買い取ってもらえないのでは、買い取ってもらえてもどうせ二束三文にしかならないだろうと諦めの気持ちでいる人もいるかもしれない。
しかし、海外ではいまだに根強い人気があり高く売れることがあるものだ。古いデザインのものでも、ロングコートなら解体して他の製品にリメイクすることが可能である。最新のデザインのショートコートに作り変えたり、振り袖のショールにしたり、フードのファーやバッグなどの小物使いに利用されることもある。
現代では質の良い天然の毛皮の入手が難しいため、再加工し新しい製品に生まれ変わらせることができる。毛皮はこのようなリユースに適した素材で、上質なリアルファーならまだ需要がある。糸がほつれていたりホックや留め具などの部品が欠けていたり、一部に変色があったりしても買取査定に出してみてほしい。もちろんロングコートだけでなく、ショートコートやストールでも買い取ってもらえる。
天然の毛皮はデリケートな素材のため、保管の環境が悪ければ傷みやすい。乾燥や多湿など変化の激しい日本の家屋のほとんどの収納場所は決して毛皮にとって最適な場所ではない。放っておくと虫に食われたりカビが生えたりというリスクがあり、定期的な陰干しや風通しが欠かせない。
傷みが広い範囲に及んでしまっては修理代も高額になり、下手をすると修復不可能で捨てざるを得なくなってしまう。毛皮といえども、牛革のように経年変化により皮が硬化するものだ。牛革ならまだレサーオイルを補うなどして手入れ次第では長持ちさせられる。シルバーフォックスの場合は、安易に薬剤などで手入れをしようと思わないほうが良い。
経年変化は仕方のないもので、毛が抜けやすくなったり毛色の変色や褪色、硬化などは避けては通れないものだ。それならば、着ていないコートや利用していないショールなどは少しでも状態の良いうちに査定に出してみることをおすすめする。意外な高値に驚くかもしれない。
シルバーフォックス製品の買取相場
世間ではシルバーフォックスの毛皮はどの程度の相場で取引されているのだろうか。ヤフオクでは、さまざまな襟巻きやコートなどのシルバーフォックスがオークションに出品されている。見てみるとショートコートやハーフコート、ショールなどが多い。しかし、中には高品質ブランドSAGAフォックスのロングコートも出ていた。
2019年4月12日現在のヤフオクのブルーフォックスの落札価格の平均額は8,097円であるが、これはコートも襟巻きやショールなど全てを含めた平均額なのであまり参考にはならない。ちなみに最高額は80,000円のSAGAフォックスのハーフコートだ。新品でプライスタグを見ると780,000円となっている。他にもシルバーフォックスのコートは何点か出品されていて、状態の良いと思えるコートには入札も多く大体4万円~7万円台で落札されている。
メルカリではヤフオクほどの点数はないが、それでもシルバーフォックスのコートを10点以上は確認することができた。上で説明したヤフオクに出ていたものと同型の780,000円の新品のコートが、メルカリでは350,000円で出品されていた。また、定価360万円ほどのシルバーフォックスの着用済みハーフコートが930,000円で出品されている。
考えてみれば、状態も定価も異なるシルバーフォックスのそれぞれの査定を見てもあまり参考にはならないかもしれない。シルバーフォックスのティペットのような小物とシルバーフォックスを贅沢に使ったボリューミーなロングコートでは当然査定額も異なるだろう。できれば実際に査定のプロに見てもらうのが一番確実だ。
ただし、一社だけの見積もりだけでは不十分だ。何社かに見てもらうとわかるが、査定額には各社でかなりの差がつくものなのだ。では査定は一体どこを見ているのだろうか、下記で説明しよう。
査定のチェックポイント
シルバーフォックスの毛皮製品の査定とはどこを見るのだろうか。高く買い取ってくれる毛皮とはどのようなものか、確認しておきたい。
毛皮の質の見方
まずは毛皮の質を確かめられる。毛が上質であれば高い査定額がつき、そうでないものは査定額が下がることは否めない。では、シルバーフォックスはどのような状態が上質と言えるのか。
シルバーフォックスは、厳密には体毛は銀色一色だけではない。多くは顔の中心部や耳が黒く見え、その他の体毛は黒色にところどころ白色が混ざる。その配分によって銀色のように見えることもあり銀ギツネと呼ばれている。個体により微妙に異なり銀白色が多いものは銀ギツネに見え、逆に黒色の配分が多いと黒っぽいキツネに見える。
上質なシルバーフォックスは、色の配分ではなくその色の出方で質が左右される。黒毛と白毛がまだらにぼんやりと混ざるのではなく、黒毛と白毛がクッキリと鮮明で光沢のあるものが良質と査定される。人間の髪の毛同様、毛の密度が濃く長くしっとりとしたしなやかさのある毛が良い。適度な弾力もあり手触りが良いことも大切だ。
確かな品質のブランドラベル
世界の毛皮養殖団体による品質検査に合格した上質な毛皮には、必ず品質表示のラベルが付いている。日本でもよく見られるのがsaga furs®というものである。フィンランドの毛皮養殖団体でシルバーフォックスの他にミンクやフィンラクーンの毛皮を扱っている。
厳しい品質検査がおこなわれ、合格したものにはsaga furs®(サガ・ファー)のブランドラベルが付与される。高級な順にsaga furs®LUMI ROYAL、saga furs®ROYAL、saga furs®と順位付けされている。このラベルが査定の際の大きな目安になる。
有名メーカーのブランドパワー
ノーブランドよりも有名ブランドの製品なら、ブランドの規模や人気に応じてプラスアルファの査定がされる。有名ブランドなら購入時の価格もその分高いのだから当然といえば当然だ。中には、動物愛護の時代的背景もあり毛皮を扱わないノーファー宣言をしたブランドもある。その分有名ブランドの毛皮の希少価値が高くなっているとも言える。
保管状態も重要な要因となる
シミや変色、カビなどが見られればその分査定額が下がってしまう。あまりにひどい状態では査定がつかず買い取ってもらえないこともある。サイズの合わないハンガーに長く掛けたり他の衣類と重なってギュウギュウに押しつぶされたりしても毛に損傷を与えることがある。クリーニングで汚れが落としきれていないときは、変色やカビの原因になることもあり、クリーニングの仕上がり具合も影響するため注意が必要だ。
高額買取してもらうためには
シルバーフォックスのコートやショールなどの毛皮製品を手放すときは、どうせなら高く売却したいと誰もが思うだろう。オークションサイトなら毛皮の価値を知り手に入れたい人たちが、次々と高額で入札してくれるかもしれない。しかし他にもっと良い商品が出品された場合そちらに人気が集まり、最終的に自分には不本意な価格で落札されてしまうかもしれない危険性もある。
メルカリにしてもオークションサイトよりも利用年齢層が若年化している。高価格帯の出品はなかなか買い手がつかず、頻繁な値引き要求に振り回されることもしばしばあるだろう。
ならば、毛皮の買取をしている買取業者に依頼するのが一番面倒がない。しかし、一社だけに買取依頼をするのでは、その査定額が安いのか高いのかの判断がつかない。高額買取してもらうためには、必ず数社から査定の見積もりを取ることが必要不可欠だ。
ただし、そのために交通費をかけてまであちこちに出向く必要はない。手っ取り早いのは出張で自宅に来てくれて無料査定をおこなっている業者何社かに依頼することだ。もしくは、宅配便を使った送料無料の査定も日を変えて何社もの出張査定を待たずに済むので便利だ。
何社かの査定見積もりが出そろったところで、一番高く買い取ってくれる業者に買取依頼するのが賢明だ。シルバーフォックスのような高価な毛皮製品は、業者によって査定額にかなりの差が出ることがわかるだろう。
まとめ
シルバーフォックスの買取相場や査定情報についてご紹介した。シルバーフォックスの毛皮を持っていても、そこからさらに細かくブランドメーカーやブランドラベルによって毛皮の価値が変わってくる。自分の持っている毛皮がどの程度の価値があるか確認したい場合は、毛皮の買取に強い専門業者に査定をしてもらうとわかるだろう。
買取査定を依頼する際は1社だけではなく、必ず複数の買取業者に査定をしてもらい相見積もりをすることが重要である。大切なシルバーフォックスの毛皮を、安い金額で取引してしまうことは避けたい。相見積もりをすることで、その毛皮の価値がやっとわかるのだ。適正な価値をつけてもらい、満足のいく取引ができるようにしてほしい。