シリコンバレーに拠点を置くテスラモーターズという米国メーカーでは、過去に日本市場と比べてかなり特殊な電気自動車の買取保証プログラムを期間限定で実施していた時期がある。こうしたプログラムを上手に活用すると、世界的な著名人も所有する高級車を入手できる可能性が高まる。またネットニュースでも非常に話題性の高かったこのプログラムは、海外の電気自動車などに関心を持つ方々なら目を向けておくべき話題といっても過言ではないだろう。
今回は、テスラモーターズという海外メーカーが行なっていた買取保証プログラムの取り組みから、この会社の特徴と電気自動車の購入や売却に向けて注意すべきポイントなどを皆さんと一緒に考えていきたい。

テスラ ロードスター / nambon
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テスラモーターズとは?
テスラモーターズとは、バッテリー式の電気自動車や自動車関連商品、ソーラーパネルなどの製造販売、開発を行うアメリカのベンチャー企業だ。テスラは、物理学者のニコラ・テスラにちなんで付けられた社名となっている。2010年にはFacebookと並ぶ注目度で話題となったテスラモーターズは、買取保証プログラムなどにより自動車業界の中でも斬新な挑戦を続けるベンチャー企業へと成長を遂げている。
高級電気自動車を開発し続けるテスラモーターズ
本社駐車場にオレンジ色のスポーツカーを展示するテスラモーターズは、2003年の設立当初からスポーツカー仕様の電気自動車の試作を続ける話題のメーカーだ。2008年にようやく発売に漕ぎ着けたテスラ・ロードスターは、約10万ドルという電気自動車市場では類を見ない高級車であるにも関わらず、予約注文が殺到したことで知られている。
テスラを率いているのはどんな人?
現在のテスラモーターズを率いているのは、南アフリカ共和国出身の起業家・イーロン・マスクCEO兼会長だ。幼少時代よりプログラミングを行なっていたイーロンCEOは、スタンフォード大学入学から2日で退学し、弟と共に起業をしている。またPayPalの前身となる会社の共同設立者でもあった彼は、宇宙探査やクリーンエネルギーへの追求を経てテスラモーターズへの投資を始めたと言われている。
購入者の顔ぶれも凄い
テスラモーターズは、購入者の顔ぶれが凄いことでも有名な自動車メーカーだ。Google創業者のラリー・ペイジやサーゲイ・ブリンといった起業家だけでなく、レオナルド・ディカプリオやジョージ・クルーニーといったハリウッド俳優にも購入されたテスラモーターズの車たちは、高級車愛好家だけでなく映画ファンの間でも話題性の高い存在になりつつある。またアメリカにおける成功の象徴とも言える彼らが所有することで、このブランドに更なる好循環が生まれていると捉えて良いだろう。
著名人がテスラモーターズに魅了される理由
アメリカを代表する著名人がテスラモーターズに惹きつけられる背景には、この会社の特殊な企業理念が大きく関係している。また自社の理念を大事にしながら電気自動車の製造開発を行うテスラモーターズは、その強い想いが多くの人に支持されやすい特徴を有しているようだ。
高性能を売りにする
テスラでは、電気自動車とは思えないほどの性能を理念のトップに挙げている。スポーツカータイプのロードスターについては、発進からわずか4秒で時速100キロに到達できる性能を有している。また最高時速が200キロにも達するテスラの車は、スピードを出しても振動や強い音が生じない静粛性能の部分でも定評があるようだ。こうした形で電気モーターのみで走行する車の良さが明確なテスラ車には、騒音問題も引き起こさない利点がある。
環境にも優しい
騒音だけでなく排ガスも出さないテスラモーターズの車には、地球への優しさという理念もある。ロードスターは、一度の充電でガソリンを入れずに約400キロ走行することができる。また環境に非常に優しいテスラの車は、従来型のスポーツカーを購入するよりも遥かにイメージが良いというハリウッドスターにとって嬉しい利点があるようだ。またテスラのブランドイメージについては、著名人による好循環で更に高まる実情がある。
テスラの電気自動車の普及に向けた動き
テスラの使命は、世界で最高の電気自動車の製造開発を通してクリーンエネルギー革命を実現することだと言われている。こうした目的を成し遂げるために、人気車種のロードスターはデザイン性能・運転の楽しみ・クリーンエネルギーといった3つの軸を両立できる車に仕上げられている。また今後300万円ほどの電気自動車を開発予定のテスラでは、将来的に世界中で電気自動車を普及させたいという目論見もあると言われている。
日本企業との繋がりもある
電気自動車市場におけるテスラの可能性は、日本のトヨタ自動車とパナソニックからも高い注目を集めている。2010年の1月には、パナソニックとテスラが共同で電気自動車向けの次世代バッテリーを開発するという発表を行なっている。またテスラと業務資本提携することを発表したトヨタでは、約5,000万ドルの出資だけでなく電気自動車の共同開発についても明らかにしているようだ。
テスラモーターズの買取保証プログラム詳細とは?
2015年に発表されたテスラモーターズの買取価格保証プログラムは、日本顧客を対象としたサービスだ。予め保証した額でテスラ側がモデルSを買い取ってくれるというこのプログラムを使えば、他の海外ブランドと比べて国内人気が高いと言い難いテスラの車であっても、気軽に購入へのチャレンジがしやすくなる。また販売企業が買取をするこのシステムは、将来的な売却に不安を抱える皆さんに安心感を与えられることだろう。
モデルSオーナーは必ず買取価格保証プログラムを利用しなくちゃいけない?
テスラモーターズの買取価格保証は、JACCSの提供しているプリファード・パートナー・プログラムを使ってローンを組んだ購入者のみが利用可能なシステムとなっている。そのため例えば、銀行などのマイカーローンを使った方々は、買取保証プログラムの利用対象外となる。またモデルSの購入から48~49ヶ月の間に買取依頼の判断を行うこのサービスは、カーオーナー自身に選択肢があるという意味でも使い勝手の良い内容と言えるだろう。
テスラモーターズの買取保証率をより詳しく知りたい
このプログラムでは、下記のとおり年間の走行距離制限と買取保証期間の2条件によって買取保証率を変える仕組みを導入している。
走行距離制限10,000kmの場合
48ヶ月の買取保証期間 | 60ヶ月の買取保証期間 |
---|---|
51% | 47% |

走行距離制限15,000kmの場合
48ヶ月の買取保証期間 | 60ヶ月の買取保証期間 |
---|---|
49% | 45% |

走行距離制限20,000kmの場合
48ヶ月の買取保証期間 | 60ヶ月の買取保証期間 |
---|---|
51% | 47% |

こうした形で買取保証率のパターンを並べてみると、このプログラムを効率良く利用するためには、「どのタイミングで売却するか?」だけでなく「どのぐらいの頻度、距離でテスラの車を乗る予定があるのか?」についても購入前に考えておく必要があると言えるだろう。
買取保証プログラムを使うと月々いくらでテスラオーナーになれるの?
このサービスを始めたばかりの頃、テスラのサイトには多くのユーザが魅了される下記の一文が書かれていた。
- 月々たったの66,839円からモデルSの所有ができて、燃料代の節約を考慮すると月々わずか58,939円に相当
あるユーザブログによると、上記に近い金額は926万円を本体価格とする後輪駆動を、20%の頭金と48回ローンで組んだ時に算出されると書かれている。更にこの車の購入時にエコカー減税が適用されれば、月々66,839円より憧れのテスラの車が買えるというシステムになっているようだ。
この仕組みを使えば48回で完済できるの?
ここで注意すべきなのが、上記の金額を48回支払ったところでテスラ車の購入にかかったローンの完済までは非常に程遠いという実態だ。48回分(12ヶ月×4年間)の支払い金額を具体的に計算してみると、20%も頭金をプラスしても5,075,562円にしかならない。そのため、このプログラムの条件に該当する車両については、48ヶ月後の残存価格の400万円近くが保証されるシステムと捉えて良いだろう。
頭金によっても支払額は変わってくる
ちなみに月々の支払額については、頭金をいくら入れるかによって大きく変わる実態がある。例えば、買取保証プログラムを利用する人が最初に40%もの頭金を入れてテスラの車を買った場合、月々の支払額を35,493円まで抑えることもできる。これに対して同じ48回払いであっても頭金を全く入れない時には、月々の支払額が12万円を超える可能性も出てくるため、このサービス利用においても頭金の重要性は非常に大きいと捉えた方が良さそうだ。
テスラの買取保証プログラム対象となるモデルSとはどんな車?
このキャンペーンの対象機種となるモデルSは、ロードスターに次ぐテスラ2台目の電気自動車だ。リア部分に大型のテールゲートを備えたこの車種は、使い勝手の良い5ドアハッチバックとなっている。また日本国内の一部メディアでは、日本人にも人気の高い4ドアセダンとしてモデルSを紹介することもあるようだ。
モデルSのエクステリアとインテリアの特徴
シャープなフロントマスクだけでなくイタリア製レザーといった材質にもこだわったモデルSは、高級感の高いデザインでも定評のある電気自動車だ。インテリアの部分でリサイクル可能なPET樹脂などを用いるこの車種では、テスラモーターズの理念とも言える環境面の優しさも適度に主張されている。またダッシュボードに備わった17型液晶画面からさまざまな情報を得られるタイプSは、機能性の高いハイテクな車を好む方々も飽きさせない仕様になっていると捉えて良いだろう。
モデルSのエンジン性能
9インチの液冷式モーターを採用したモデルSの床下には、パナソニック製のリチウムイオン電池が搭載されている。P100Dにおいてはわずか2.7秒で100キロまでの加速を可能とするこの車種においても、日本における電気自動車のイメージを遥かに超えたスポーツカーに近い仕様と捉えて良いかも知れない。また充電できる電圧が110V・220V・440Vに対応するモデルSは、電気自動車ならではのバッテリー充電への不安要素も解消しやすい車種となっている。
買取保証プログラムのあるテスラの車は日本人にとって「買い」なのか?
テスラ・モーターズの買取保証プログラムの特徴を細かく確認してみると、単純に高級電気自動車を安く買えるというメリットだけでなく、買い手を困惑させる注意点も少なからずあることに気付かされる。ここからは、テスラの車両を買取保証プログラムで購入する際にチェックすべきポイントを当ページのまとめとして確認していきたい。
買取保証プログラムは期間限定
テスラの買取保証プログラムは、2016年2月中旬から3月31日までの期間限定キャンペーンだった。そのため2018年6月現在では、このプログラムを利用したテスラ電気自動車の購入はできない。しかしテスラのような高級車専門店では、多彩なローン返済方法なども提案しているため、月々の支払額を含めた金銭的な不安要素は担当者への相談により解消できる可能性もあると言えそうだ。
頭金の問題
テスラを含め多くの企業で行っている「月々◯万円で購入できます!」というキャンペーンの多くは、購入者が頭金をいくら用意できるかによって支払額が大きく変わる実態がある。そのため前述のとおり40%もの頭金を用意できた場合は、国産車とほとんど変わらないレベルの支払額になってくる。これに対してメーカーが求める頭金を入れられない場合は、どんなに魅力的なキャンペーンであってもそのメリットは得られなくなることだろう。
走行距離の問題
テスラの買取保証プログラムや、日本の企業で多く行われているカーリースプランといった安くお得に高級車を買えるシステムは、基本的に年間走行距離が少ない方々におすすめのサービスとなる。そのため、長距離通勤や毎週末の帰省、車を使って旅行などに行く機械の多い人にとっては、年間走行距離が予想以上に高まることで希望の買取保証率にならないこともありそうだ。
充電の問題
リチウムイオンバッテリーを搭載したテスラの電気自動車を買う時には、日々のカーライフに欠かせない充電の問題についても考えておく必要がある。例えば、カーオーナーの生活圏にチャデモの急速充電器やテスラモーターズの店舗があれば、ストレスなくテスラの電気自動車を使えることだろう。これに対して遠くまで車を走らせないとバッテリー充電できない場合は、高価買取に欠かせない条件でもある走行距離が自然と高まってしまう。
整備拠点の問題
2018年6月現在の日本では、下記の4ヶ所にテスラストアがある。
- ・東京 南青山
- ・神奈川 ラゾーナ川崎プラザ
- ・愛知 名古屋
- ・大阪 心斎橋
整備拠点の近くに自宅があれば、電気系統などのトラブルが生じた時にもすぐに相談できることだろう。これに対してテスラストアまで非常に遠い地方都市などで暮らす方々の場合は、万が一のトラブルが生じた時のサポート対応などについてテスラ側にきちんと確認する必要があると言えそうだ。
駐車の問題
買取保証プログラム対象車種には、スマホを使ったガレージの出し入れができる便利機能が備わっている。こうしたオプションのあるテスラは、マイカーの車庫入れが不得意な方々に魅力的に感じられる存在となるかもしれない。しかし国産の電気自動車と比べて遥かにサイズの大きなテスラの車両は、ある程度の運転テクニックがないと扱いが難しいという意見もある。特に地方都市と比べて細い道やスペースの狭い駐車場の多い都心などでテスラの車に乗る時には注意が必要だと言えそうだ。
大きな事故を起こせない
ディーラーの買取保証プログラムや、カーリースプランなどを利用する際には、事故による修復歴が買取価格に大きく影響することも頭に入れておかなければならない。例えば、48回の支払いを終える時点でバンパーなどに目に見えるキズや凹みがあれば、どんなに走行距離の少ない車両であってもディーラーからの印象は悪くなる。またこうした傾向は輸入車の買取市場でも見受けられる実態があるため、売却予定の車は必ず大事に乗るようにして欲しい。
まとめ
2016年の短い期間で開催されていたテスラモーターズのキャンペーン概要に目を通してみると、買取保証プログラムにおいても日本の買取市場と似た基準が重視される実態に気付かされる。また海外輸入車や電気自動車の中古市場の活性化する日本国内では、年間走行距離やコンディションなどの問題でメーカーの設けた買取保証プログラムなどの利用が難しい車に関しても、中古車専門店の利用で現金化は可能と捉えて良いだろう。
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