アフリカのスマホ市場は、2014年度倍以上の成長率を成し遂げた。電気がまだ通っていないような地域でもスマホが普及している。なんとあのマサイ族もスマートフォンを利用していると言う。その市場成長の牽引役となっているのが、中国や韓国などのスマートフォンメーカーだ。アフリカではiPhoneなどの偽スマホも多い状況だったが、近年目まぐるしく変化するスマホのアフリカ市場を探ってみた。
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
マサイ族にも届くほど成長率倍増のアフリカ市場
スマホは、数年前からアフリカの奥地や、「マサイ族」にも普及しつつある。特に中国から輸入されたスマホや携帯電話がアフリカの情報通信の担い手になっている。ただ、偽スマホの存在は無視できず、格安だが携帯電話としての使い方や音楽プレーヤーとして使う場合もあり、字が読めないアフリカの人にも普及することになった。アフリカの市場は、人口でも全世界の約15%を占め、市場成長率も2013年の2倍以上になっている。中国メーカーを始め大手スマホメーカーが参入に意欲的だ。

3D Growth Projections / StockMonkeys.com
電気が普及していないからこそ、充電に工夫すれば利用しやすかった
先住民が住むようなアフリカの奥地では、牛の放牧で生計を立てているような人がほとんどだ。もちろん、電気は通っていない。しかし、スマホの充電はとても効率がよくなった。太陽光発電パネルを屋根の上に置いて充電することが可能だからだ。電気も自前で発電するから、有料で充電を請け負ったり、スマホで商売を行う人も増えていったのだ。

solar panels / spanginator
普及の原因は音声通話や電子決済にニーズがあり
アフリカではプリペイド式の携帯電話が最も普及しており、SIMカード発行数も想像以上に増加している。識字率の低さから、文字情報を見るよりも音声通話の方がわかりやすいからだ。そのため、爆発的に普及したともいえる。また、近くに銀行がなく、銀行口座が持てない人にもSMSで送金できるようにしたことで、電子マネーが普及し、ホテルやバスなどで利用できるようになった。

Literacy rates by country / dougbelshaw
偽スマホの問題もプラスに働いた
携帯電話は日本でも定価は、5万円から10万円程度するような高額商品だ。アフリカの一般層の年収は10万円程度ということもあり、実際に大手メーカーの主力製品を買おうと思えば無理がある。そこで数千円から買える偽ブランドのスマホや携帯電話が登場しているのだ。ただし、偽スマホが普及すれば、本物のスマホも認知され普及することになり、格安スマホなら購入できるアフリカ人も出てきたということだ。

Mobile phone mashups: Imitation becomes innovation in China / opensourceway
偽スマホから本格的に市場に参入する大手メーカーが増えている
ノキアやアイフォンの偽スマホが登場していたが、中国の低価格スマホメーカーファーウェイが、アフリカ市場でシェアを拡大させている。中国勢のシェアは30%を超えており、10社以上が中国製ということになる。首位は韓国のサムスン電子だが、中国勢が最も勢いがあるといってもいいだろう。アフリカだけではなく、モロッコやエチオピアでも急成長を見込んで、大手のスマホメーカー各社も参入意欲を示しているようだ。

Business man hand / kev-shine
まとめ
アフリカのスマホ市場は、中国勢の参入により急成長している。電気のない場所や識字率の低い地域でも、太陽光発電による充電や音声通話により普及していった。さらに格安の偽スマホの登場で携帯電話やスマホの認知度が上がった。市場規模拡大もあって、大手メーカーも参入に意欲的だと考えていいだろう。