日本でモエシャンやモエシャンドンの愛称で親しまれているシャンパンは、フランスの老舗シャンパン製造会社モエ・エ・シャンドン(Moët & Chandon)社が製造している。同社で生まれるシャンパンは、社名と同じくモエエシャンドンと名付けられ、世界の人々に愛されている。今回は、モエエシャンドンブリュットナビュコドノゾールの買取相場について詳しく解説する。
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モエエシャンドンとは?
モエ・エ・シャンドン社の歴史は1743年に遡る。創設者のクロード・モエは、フランス最北のワイン生産地として有名なシャンパーニュ地方で、初めてスパークリングワインを製造した人物だ。モエは1730年代からワイン商として才覚を現し、フランス社交界に太い人脈を持っていた。
モエの顧客リストには、ときの国王ルイ15世や「国王を支配した女」と称されるルイ15世の愛妾ポンパドゥール公爵夫人も名を連ねたとされている。こういった社交界でのネットワークが功を奏したのか、モエエシャンドンは1748年にフランス王室の公式スパークリングワインに選ばれている。
世界中から愛されるモエエシャンドン
モエエシャンドンが海外でもその名を知られるようになったのは、ルイ15世がスパークリングワインの需要が急成長していることに注目したことに端を発した。ルイ15世は、既に王室に出入りしていたモエに、ヨーロッパやアメリカ向けの輸出用飲料としてスパークリングワインの生産を拡大するよう命じた。このことがきっかけとなり、モエ・エ・シャンドン社の販売網は世界の舞台へと大きく拡大した。
これ以降、モエ・エ・シャンドン社のスパークリングワインは、フランスの英雄ナポレオン・ボナパルトやイギリスのヴィクトリア女王、そして第3代アメリカ大統領のトーマス・ジェファーソンなど、世界中の著名人たちから愛されるようになった。現在の社名モエ・エ・シャンドンを名乗るようになったのは1833年のことだ。モエ家とシャンドン家の結婚によりこの社名が誕生したとされる。
モエ・エ・シャンドン社は、ブドウ絶滅の危機からヨーロッパ全土を救ったことでも知られている。19世紀にヨーロッパ全土で発生したフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)による虫害により、ワイン産地のブドウは壊滅的な被害を受けた。このときモエ・エ・シャンドン社はいち早くフィロキセラの研究所を設立し、ブドウを全滅の危機から救ったのだ。
スポーツ界との深い関わり
モエエシャンドンは数々のスポーツシーンでも輝きを放ってきた。今ではスポーツの表彰式や祝勝会でおなじみとなったシャンパンファイトは、1960年代半ばのル・マン 24時間耐久レースの表彰式から始まった。感極まったレースの優勝者がモエエシャンドンを観衆に浴びせたのがきっかけだった。それ以降、最も有名な勝利の表現として世界中に広まり現在に至っている。
近年では1985年から14年間に渡り、モエ・エ・シャンドン社はF1世界選手権の公式サプライヤーとして、表彰台でのシャンパンファイトに同社のシャンパンを提供してきた。美しい緑色のボトルにマットゴールドのモエエシャンドンのラベルが印象に残っているという人も多いのではないだろうか。
ヘネシーと合併
モエ・エ・シャンドン社が現在のような世界の一大企業に成長したのは、企業買収や合併による事業拡大に起因する。1971年にはフランス最大のコニャック製造会社だったヘネシーと合併し、モエヘネシーホールディングカンパニーが誕生した。さらに1987年には日本でも人気のファッションブランド、ルイ・ヴイトングループと合併し、世界初のラグジュアリーグループ、LVMHモエヘネシールイヴイトンへと生まれ変わった。
このように長い歴史を持つメゾンの人気のシャンパン、モエエシャンドンの魅力とはどのようなものなのだろうか。
ブドウ畑へのこだわり
モエ・エ・シャンドン社の傘下には、世界最高峰のシャンパンとの呼び声高いドン・ペリニヨン(ドンペリ)、さらには手ごろな値段で飲めるシャンパンとして長きに渡りパリジャン・パリジェンヌたちに愛飲されているメルシエも名を連ねている。
LVHMグループが所有するブドウ畑の約20%は、モエシャン、ドンペリ、メルシエの3つのブランドのシャンパンを製造するために充てがわれている。これらのシャンパンを製造する畑の面積は1,200ヘクタール程で、そのうちの半分はシャンパーニュ地方の特級畑を表すグラン・クリュ、4分の1は1級を表すプルミエ・クリュの畑だ。
ワインの品質の9割はブドウで決まると言われていることを考えれば、LVHMグループのブランドワインが高く評価されているのも納得できる。しかし、モエ・エ・シャンドン社は、シャンパンの原料となるブドウの75%は自社の畑以外のグラン・クリュや古くからの契約農家から収穫されるものを買い付けている。これはブドウの選択肢を数多く持つことで、味わいの一貫性を保つためだという。
自社の畑で収穫されるブドウについては、250名にも及ぶ経験豊富な栽培担当者たちが一年を通じてブドウの成長を入念に管理している。収穫日には約3,000人の作業員たちが細心の注意を払いながら、一房ずつ手作業で摘み取っていく。とりわけ収穫期には、気候条件や成熟条件を見極めながら区画ごとに収穫日を決めるという。そして来たる収穫日には約3,000人の作業員が、大切に育てたブドウを一房ずつ手作業で摘み取っていく。
モエ・エ・シャンドン社は年間3,000万本ものシャンパンを生産し、世界シェアNo. 1を誇る。これだけ事業が拡大したにも関わらず昔ながらの品質を保てるのは、ブドウを育てることはメゾンで最も大切な仕事の一つと位置づけ、ブドウの収穫までの手間と時間を惜しまないことにある。
熟成へのこだわり
シャンパンが「シャンパン」と名乗るためには、フランスのワインの法律に定められた条件を満たさなければならない。その条件には次のようなものが挙げられる。
- ・シャンパーニュ地方で造られるスパークリングワイン
- ・シャルドネ、ピノ・ノワール、ムニエ、フロモントー(ピノ・グリ)
- ・アルバンヌ、プティメリエ、ピノ・ブランの7品種のみ使用可
- ・シャンパーニュ製法で生産
- ・アルコール度数が11%以上
- ・熟成期間が15カ月以上 など
モエ・エ・シャンドン社の主力商品であるモエ・アンペリアルを例に挙げてみよう。モエ・アンペリアルは27カ月もの期間熟成させ、その芳醇な香りと泡のきめ細やかさ、そして滑らかな口あたりを生み出している。醸造にも細心の注意を払っていて、ブドウの酸化を防ぐためにステンレス100%のタンクを用いている。
ブドウの入ったタンクはエペルネにある自社カーヴ(地下貯蔵庫)に持ち込まれ熟成される。全長28kmにも及ぶというカーヴは、泥灰土白亜の地中にある清閑な空間だ。程良い湿度が保たれた熟成にはもってこいの環境の中で、モエ・エ・シャンドン社のシャンパンは誕生する。
プロフェッショナリズム
伝統を重んじるモエ・エ・シャンドン社だが、同時に自由で革新的なシャンパン造りにも挑んている。このチャレンジをリードしているのが、2005年に35歳という若さで同社の醸造最高責任者に就任したブノワ・ゴエズだ。彼はシャンパンができ上がるまでのすべての工程に立ち会い、毎年2万種類ものテイスティングをおこなうという。
ゴエズは、メゾンが長きにわたり成長し続け、最高であり続けられる理由は、「バランス性、時代性、普遍性を持ち合わせて未来に向かって歩み続けているからだ」と語る。そんなゴエズの情熱をサポートするのが、9名の選り抜きの醸造家たちだ。彼らはゴエズ同様にモエ・エ・シャンドン社の味と精神を守るため、そしてそれらを次世代に受け継いでいくため、シャンパンの魔法を分かち合う新たな方法を追い続けているという。
高値で売れる理由
このシャンパンの名前に含まれるナビュコドノゾールは、15,000ml容量のボトルを意味する。フランスでは各地方でワインボトルのサイズを表す呼称がある。ナピュコドノゾールという呼び方はシャンパーニュ地方とボルドー地方で使われている。
モエエシャンドンブリュットアンペリアルナビュコドノゾールは、モエ・エ・シャンドン社のシャンパンの中で最も多くの人々に愛飲されている銘柄であるブリュットアンペリアルの大瓶ということだ。ブリュットアンペリアルは、モエエシャンドンを愛した皇帝ナポレオン1世の生誕100周年を記念して造られた。1869年に誕生して以来メゾンを代表するシャンパンと位置付けられている。では、なぜこのブリュットアンペリアルは高値で売れるのか、理由を探ってみよう。
バランスの良い味わい
24カ月の醸造期間を経て造りだされるブリュットアンペリアルは、色、香り、味わいのどれをとっても印象的なシャンパンだ。コルクを抜くと、鮮明なレモンイエローの輝きと、バターたっぷりのブリオッシュ、香ばしいヘーゼルナッツ、そしてよく熟れたレモンとアプリコットが混ぜ合わさったような、なんとも言えない芳香に心を奪われる。
口に運んでみると、少し酸味のあるさっぱりした辛口とほんのりしたフルーツの甘みが口いっぱいに広がる。この絶妙なバランスの味わいと舌触りの良さに触れたら、ブリュットアンペリアルが世界一飲みやすいシャンパンと称されるのも納得できる。
どんな料理にも調和する
ブリュットアンペリアルが奏でる気品高い味わいは、前菜からメイン、デザートまでどんな料理にも絶妙に調和する。寿司や天ぷらなどの和食からハーブを使ったローストチキンや魚介類のサラダまで、幅広いマリアージュを楽しめる。どんな料理にも合わせられるから、どんなシーンでもテーブルを彩ってくれる。ブリュットアンペリアルはそんなシャンパンだ。
魅惑の大ボトル
モエエシャンドンブリュットアンペリアルナビュコドノゾールが高値で売れる理由は、その大きさにもある。店頭に並んでいるほとんどのシャンパンは750mlだが、ブリュットアンペリアルナビュコドノゾールは15,000mlの大ボトルだ。イベントなどの際に用いられることが多く、この大きなボトルに多くの人が魅了される。
しかし、ブリュットアンペリアルナビュコドノゾールの魅力は大きさだけではない。ワインはボトル内の液量が多いほど温度変化に対してゆるやかに反応していく。そのため大ボトルの方が通常サイズのボトルよりワインの鮮度を保つことができる。特にシャンパンは炭酸ガスを含んでいるので、ナピュコドノゾールほどの大ボトルになると、さらにフレッシュな状態で保存できるというわけだ。
買取状況
ブリュットアンペリアルナビュコドノゾールは、ブリュットアンペリアルマグナムとして取引されている場合もある。20件ほどの買取業者のWEBサイトで買取状況を調査したところ、2件がブリュットアンペリアルマグナム名で買取りをおこなっている。
モエエシャンドンは多くの買取業者が取り扱っている極めて人気のあるブランドだ。しかもブリュットアンペリアルナビュコドノゾールは、新品を店頭で見かけることはほとんどないレア物なので高額買取が期待できる。ここでは、高額買取が期待できる信頼と実積のあるおすすめの買取業者と、オークションサイトを紹介する。
おすすめ買取業者
前述のとおり、多くの買取業者がモエエシャンドンの買取をおこなっているので、利用する買取業者は幅広い選択肢の中から選ぶことができる。高評価を受けている買取業者のうち、シャンパンの買取に力を入れている業者は次の3社だ。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大黒屋は創業40年の質屋で、これまでの酒類の買取実績は150万件以上にも上るという老舗だ。酒類の他にも貴金属やブランド品の買取もおこなっており、現在全国に200店舗の実店舗を構える。どの店舗もシグニチャーカラーのオレンジの看板がひときわ目を引く。
店頭買取の他にも宅配買取と出張買取を実施しており、査定の依頼は電話やメール、LINEでも受け付けてくれる。またメーカーや銘柄名を同社のWEBサイトに入力して買取実績をチェックできるので、下調べの際に役立てたい。大黒屋は、かつてブリュットアンペリアルナビュコドノゾール(マグナム名で取扱)を5,000円で買い取った実績がある。
ストックラボ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
上質なサービスの提供を心がけているというストックラボでは、店頭・宅配・出張にて全国からの買取依頼に対応している。社内システムのIT化や作業内容の改善を常におこなうことで大幅なコスト削減を実現し、節約したコストを買取価格に還元させているという。
ストックラボでは2016年にブリュットアンペリアルナビュコドノゾール(マグナム名で取扱)を3本まとめて買い取った実績がある。同社のWEBサイトによると、おまとめ買取だと買取額が大幅にアップするとしているので、ブリュットアンペリアルナビュコドノゾールに限らず何本も眠っているお酒があるという人は、おまとめ買取をお勧めしたい。
お酒専門買取館パスワーク
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
パスワークは、大阪に本社を置く酒類特化型の買取業者だ。独自の販売ルートや豊富な商品知識により、総合リサイクルショップには出せない高額買取が可能だという。同社のWEBサイトでは、年代・種類・銘柄に問わずさまざまなシャンパン・スパークリングワインを高価買取するとうたっている。ブリュットアンペリアルナビュコドノゾールの販売実績は掲載されていないが、モエ・エ・シャンドン社のグラン・ヴィンテージ・ロゼ2004年とネクター・アンペリアルの二本を2015年に買取った実績がある。
オークションサイトでの取引状況
オークションサイトでも、ブリュットアンペリアルの取引はかなり少ないようだ。
メルカリ
メルカリでは、過去にブリュットアンペリアルナビュコドノゾール(マグナム名で取扱)は箱なし、若干シワありの提げ袋付きで5,500円で販売された。その他にも多数のモエエシャンドンが出品されていて、ブリュットアンペリアルの375mlと750mlサイズも取引されている。
ラクマ
ラクマでは、ブリュットアンペリアルナビュコドノゾールの取引はないものの、ブリュットアンペリアルの750mlサイズを含む、数多くのモエエシャンドンの取引実績がある。ブリュットアンペリアル750mlは箱付きだがラベルシートに若干傷ありのものが、送料込で3,500円で落札されている。
ヤフオク
ヤフオクでは、ブリュットアンペリアルナビュコドノゾールの取引は見受けられなかった。しかし、750mlのブリュットアンペリアルは2019年7月1日現在で7件取引されていて、平均落札価格は4,942円。また最高落札価格は 6,849円となっている。
買取までの流れ
では次に、モエエシャンドンブリュットナビュコドノゾールの買取までの流れを詳しく見ていこう。
まずは査定
ブリュットアンペリアルナビュコドノゾールに限らず、手持ちのお酒を少しでも高く買取ってもらうためには、まずはいくつかの買取業者に査定を依頼して、適正買取価格を見極める必要がある。最近ではメールやLINEなどのアプリを利用して査定依頼をすることが可能だ。わざわざ買取業者に足を運ぶ必要がないので、気楽に依頼できるという声が圧倒的だ。
選定業者への商品受渡
それぞれの買取業者から提示された査定額を参考に、実際に買取を依頼する業者を選定して商品の受渡をおこなう。商品の受け渡しは、もちろん店舗に出向いて商品を渡す方法もあるが、宅配買取や出張買取などのサービスを提供している業者も数多くあるのでうまく活用したい。
買取・換金
買取業者に商品が届いたら買取金額を支払ってもらい、代金の受領が確認できたら取引終了となる。店頭買取の場合は即時現金支払いという買取業者も多いので、業者を選ぶ際に代金の支払い方法についても確認し、自分にとって一番都合のいい方法で取引ができる業者を選定することをお勧めしたい。
高く売るには?
モエエシャンドンブリュットナビュコドノゾールを高く売るにはコツがある。少しでも高く査定をしてもらうために、ボトルについたほこりを落としたり乾いた柔らかい布で軽くガラスの部分を拭くなどして、外見を整えておく必要がある。手入れする際には、濡らした布や洗剤を使用してラベルが剥がれたりコルクが劣化したりしないよう注意しなければならない。
また、化粧箱や提げ袋などの付属品もきちんとそろえていた方が、高い査定額を提示してくれる可能性が高いことを忘れないようにしたい。最後に、買取ってほしいお酒が多数ある場合にはまとめて売ったほうが高額で買い取ってもらえる。以上のコツはブリュットナビュコドノゾールの買取のみならず、どんな酒類の買取にも言えることだ。
まとめ
今回は、モエエシャンドンブリュットナビュコドノゾールの買取相場について説明した。モエエシャンドンは、なんと言ってもシャンパンの売上数で世界No. 1の実績を誇る銘酒だ。結婚式や誕生日などのお祝いにプレゼントされたという経験のある人も多いのではないだろうか。人気のモエシャンではあるけれど、お酒は嗜まないのであっても困るという方や断捨離するのでコレクションを処分してしまいたいという方は、高額で買取ってもらえるよう準備してほしい。