個人売買が活発になる中、不動産・中古住宅を個人で売買するケースも増えてきている。本格的に火が点いている状況とは言い難いが、初心者向けのサービスを揃えたサイトもある。
今回は、そんな不動産・中古住宅の個人売買サイト・アプリについて取り上げてみたい。

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そもそも、不動産・中古住宅の個人売買は可能なのか
一般的に、不動産・中古住宅の売買については、宅建士の協力が必須であると考えられている。それは、売却に至るまでのプロセスが重厚だからだ。
以下に、具体的なプロセスの厚さについてご紹介する。
不動産・中古住宅の個人売買で乗り越えなければいけない3つの壁
不動産・中古住宅の個人売買を行う際に、売主が匙を投げてしまう要因は、大きく分けて3つある。詳細を紐解いていこう。
買主探しにかかる手間
不動産・中古住宅のような大物の商品については、買い手を探すのがそもそも重労働だ。親族間での売買や、気心知れた知り合いに売却するのであればそれほど難儀しないが、赤の他人の中から買い手を探すのは、想像以上に骨が折れる仕事だ。
不動産・中古住宅の購入を考える方の多くは、売買目的で購入するケースを除いては、10〜20年といったまとまった期間、腰を据えて暮らそうと考えるユーザーがほとんどである。購入する側にも、ある程度の覚悟が必要なのだ。そのため、問い合わせを受ける売り手側にも、それなりの労力が求められる。
広告料自体は、掲載無料のサイトに掲載すれば抑えられるが、問い合わせ自体は自分で受けなければならない。物件の管理も自分で行い、少しでも買い手側の不安を軽減できるよう努力しなければならないのだ。
契約の煩雑さ
不動産売買において必要な契約書の種類としては、主だったものに売買契約書と重要事項説明書が挙げられる。なぜ売買契約書と重要事項説明書の存在があるのかというと、宅建業法第35条・第37条の条文が関係している。
宅地建物取引業者が不動産取引に関与して契約が成立した場合、当該業者が取引当事者に交付しなければならない書面が存在する。重要事項説明書は35条書面と呼ばれ、買主に契約における重要事項を説明するために用いられる。これに対して売買契約書は37条書面と呼ばれ、売主・買主双方に交付される。
特に重要事項の説明は、宅建士の独占業務でもあり、怠ることによる罰則も存在する。しかし、これはあくまでも「宅建士」に限った話であり、個人間での取引に求められるものではない。
誤解されがちだが、一般的な売買契約において契約書を作る義務そのものは、法的には無い。民法上の基本原則でもある「契約自由の原則」によれば、理論上は口頭でも契約は結べるのだ。
しかし、録音でもしておかない限り口約束ほど拘束力の低いものは無く、取引中もしくは売買後のトラブルに繋がる確率は極めて高い。また、録音内容について、当人同士の理解が異なるケースも考えられる。
よって、個人契約においても、お互いが納得のうえ契約を完了するためには、やはり契約書の作成は避けて通れないステップとなるだろう。
トラブル対応
仲介業者を通して行うやり取りについては、トラブルが起こった際に業者が対応してくれるが、個人売買の場合は自分一人で片づけるしかない。特に、ただでさえ契約に不慣れな売主の場合、契約書類に関する不備が発生するリスクは想定しておいた方が良いだろう。
その他に考えられるトラブルとしては、購入後に物件の不具合(瑕疵)が発覚した際に、売主側がその点を負担するのかどうかでもめる可能性がある。契約書等に明記しておかなければ、後で大きな問題に発展するかもしれないのだ。くれぐれも重要事項は明記しておき、口約束で済ませないように心がけたい。
不動産・中古住宅を売却するための各種手続きも自分でやる
トラブル回避の問題だけではなく、物件を売却するための諸手続きについても、仲介業者を頼らず自分で行う必要がある。流れとしては以下の通りだ。
売却物件の相場はいくらかチェック
まずは相場のチェックである。自分の物件がいくらで売れそうなのか、あたりをつける必要がある。とにかく不要な物件だから処分したいという場合は別にして、多くの方は正当な金額で売りたいと考えるはずだから、手間を惜しんではいけない。
仲介業者が関与する場合は、過去の売買事例を用意してくれるケースもあるようだが、自力で相場を調べるためには何か取っ掛かりになるものが必要になる。
実は、無料で不動産の取引情報を提供しているサイトがある。国土交通省が運営している「土地総合情報システム」だ。
全国規模で取引の検索ができ、情報量も310万件と豊富である。しかし、番地までの住所や土地詳細が掲載されていないことも多いことから、不動産に関する知識が無ければ使いこなすのは難しいという印象だ。
個人売買サイト・アプリとは別に、不動産の一括査定サイトも存在しているため、そこで物件の情報を入力して査定を頼むのも一つの方法である。
売却に必要な資料の準備(図面・写真等)
よく賃貸マンションのお部屋情報が掲載されていると思うが、あの売買版と考えれば良いだろう。家・土地の外観、近辺の情報、図面や面積、築年数といった情報をまとめ、不動産・中古住宅売買サイト・アプリに掲載していく。
売却価格算定後、広告出稿
相場等をチェックして正式な売却価格が決まったら、いよいよサイト・アプリへの本掲載となる。このとき、買い手の多くは値下げ交渉をしてくることが多いため、値下げを想定した価格を付けることがポイントになる。
個人売買サイト・アプリを使用する場合、その多くは掲載料無料となっている。しかし、それだけでは心もとないと考える方は、広告を検討することになるだろう。
参考までにお伝えすると、業者を介する主要な不動産広告サイトは、その多くが広告料を支払う必要がある。懐事情を考えて検討していただきたい。
現地確認・問い合わせ対応(価格交渉含む)
情報を掲載すると、購入検討者から問い合わせが来るので、都度対応しなければならない。場合によっては現地確認の依頼も来る。不動産における専門的な事柄についても問い合わせが来るため、知識の有無にかかわらず、全て自分で回答しなければならない。
仲介業者の介入に関するもの、購入後の瑕疵に関するもの、土地に関するもの、その他あらゆる疑問が一手に自分の身に降りかかってくる。買い手としても少なからず不安を抱えていることの現れとも言えるが、仲介業者が間に入らないことで手数料がかからないことを説明すると、意外と好意的に捉えてくれるケースも少なくない。まずは、誠実かつハッキリとした回答をすることが大切だ。
状況によっては値下げを検討する場面に遭遇するが、いたずらにダンピングに応じるのではなく、自分の譲れない一線を決めておくこと。
不動産・中古住宅の売買は、時として売却までに長い時間を要する場合もある。半年以上反応が鈍いようであれば、値下げを検討するのも一手だ。
契約書類の作成(売買契約書・履歴事項証明書等)
仲介業者を介する契約との大きな違いは、個人売買の場合、契約書類も自分で作る必要があることだ。特段書式に法的な決まりは無いが、特約事項の記載内容などはシビアにチェックを入れる必要がある。
売買契約書には印紙が必要になり、売却価格・中間金・手付金は価格・受領日を明記するなどの取り決めがある。引き渡し日や固定資産税の起算日も、話し合いで詰めておかないと、トラブルになる可能性があるので気を付けること。
契約締結・決済
売買契約書を介して契約を締結後、お金が振り込まれる日を設定する。一般的には、契約日と決済日とを別日にすることが多い。売主が手付金を受け取るのは契約締結と同時期になる。
なお、固定資産税の精算については、決済日に行うのが通例である。
引き渡し・アフターフォロー
買主側から残りの代金を受け取った段階で、所有権移転登記の手続きを行う。登記に際しては、司法書士が同席することになる。
不動産・中古住宅においては、ここからが個人売買でもっとも神経を使うところかもしれない。引き渡しを終えてから、売買契約書で定めた期間までは、売却後に発覚した瑕疵について売主が責任を負うからだ。個人売買の場合、相談相手がいないケースが多いことから、瑕疵責任を問われることが無いことを祈るしかない。
個人で全ての手続きを行う道のりは険しい
上記のように、個人で不動産売買に関する手続きを全て行うのは、かなり険しい道のりであると言わざるをえない。不動産に関する知識や経験が無ければ、そもそも買い手からの問い合わせの段階でつまずく可能性が高い。きちんとした回答が得られない売り手から、不動産を購入しようと考える買い手は、何らかの悪意がある場合を除いてそう多くないからだ。
その反面、宅建士の資格を持っている方や、不動産業界で一定年数の経験を積んだ方であれば、比較的気軽に使えるサービスも少なからず存在する。売り手側の知識・経験の差が、契約時に顕著に出ると言っても過言ではないだろう。
不動産・中古住宅の個人売買サイト・アプリを使うメリット
ここからは、個人売買サイト・アプリを使うことのメリットについて取り上げる。やはり、メインとなるのは金銭面の利益になりそうだ。
仲介業者に支払う費用が節約できる、もしくはかからない
中古住宅売却時に仲介業者を介した場合、手数料を支払う必要がある。上限としては「売却価格×3%+6万円+消費税」となる。
賃貸の感覚であれば、それほど大きな金額に感じられないかもしれない。しかし、売却価格が8ケタともなると当然手数料もそれに伴い高額になり、消費税と合わせて7ケタの支払いになることもザラである。
個人での売買の場合、業者を介したやり取りは無いことから、消費税もかからない。ほぼ純粋に、売却価格を自分のものにできるのだ。手数料を手間賃と割り切るかそうでないかで、選ぶべき選択肢が変わってくると言える。
なお、土地の場合は消費税そのものが発生しないので、消費税に関しては建物の場合のみ考慮すればよい。
値段の設定が比較的自由にできる
地方在住者で、家族が実家を引き継がない場合、家主に何かあったらその家をどうするのかという問題がある。具体的には、祖父母が老人ホームで暮らすようになったとき、息子夫婦がすでに他に持ち家があるような場合だ。
人に貸すにもあまりに田舎であれば借り手もなく、ただ固定資産税と維持費がかかるだけとなれば、一刻も早く売りに出したいというのが人情だろう。そのような場合、本当に「破格」の値段で家を売り、田舎への移住希望者に現状で売り払ってしまうという方法も取れる。
仲介業者を介してもできることではあるが、あまり業者にとって旨味が無い話であれば、なかなか真剣に対応してもらうのは難しいところもある。その場合、単独で気軽に使える個人売買サイト・アプリの存在は役に立つはずだ。
不動産業の経験アリなら信用される可能性大
不動産業での勤務実績があるのであれば、それを活かしたうえで個人売買を行うと、買い手からも信用されるだろう。個人売買においては特段資格は必要ないため、実績をアピールしつつ物件のメリットを紹介すれば、思いのほか早く商談がまとまるかもしれない。クロージングに自信があるなら、あえて仲介業者を介するよりは、自分で売買を完結した方が実入りが多いので、腕に覚えがあるなら検討の余地はある。
不動産・中古住宅の個人売買における人気のサイト・アプリ紹介
デメリット・メリットが一通り揃ったところで、ここからは不動産・中古住宅の個人売買で人気の、サイト・アプリ情報についてご紹介していこう。
ジモティ—
様々なサービスに対応する、掲示板システムを使ったサービスのジモティーでは、不動産の取り扱いもある。サービス使用手数料は無料なので、取引でサービスを使う分には費用がかからない。アプリのダウンロードも可能。
仲介業者に頼まずに売買を完結させるつもりでいるのであれば、費用面ではかなり抑えられるだろう。品揃えを見る限りは法人が掲載している情報が多く、掲載物件も全国規模になるため、思いのほか宣伝効果は高い。
しかし、掲載数の多さは諸刃の剣であり、個人の場合は条件をしっかりアピールしないと、埋もれてしまうリスクは否めない。物件の売りとなる部分を、強いコピーでしっかりアピールする必要がある。
e-物件情報
「売主・買主を直結する」ことをコンセプトにした不動産広告サイトである。掲載物件は全て売主からの掲載依頼となっており、サイト上では名前や電話番号を非公開にしたまま取引ができる。仲介業者が物件情報をアップしている場合もあるため、売主が個人なのか法人なのか、情報をよく確認する必要がある。
直接取引が不安な買主向けにエージェントサービスを設けており、物件の調査や書類作成・立合いなどを別途依頼することが可能。掲載料は3つのコースに分かれており、掲載画像数が増えるかどうかで掲載料が増減する。1度掲載料を払えば掲載期限は無期限であり、仲介手数料は無料。
なお、仲介手数料を売主・買主が支払わないことに承諾すれば、サイト内の物件に対して客付け仲介が可能であるとうたっている。状況によっては、プロの手を借りられる仕組みになっている。
全国不動産物件情報 物件S
全国規模で賃貸物件・売買物件を紹介しているサイト。物件情報以外にも、不動産会社・不動産鑑定所などの情報も網羅している。都道府県・路線・物件種類といったカテゴリから物件を検索でき、使用目的に沿って物件を選べる。
登録料・手数料等は無料となっており、物件登録も指定フォームに入力するだけで完了する仕組みとなっている。登録が正しく完了した場合、フォームに登録したメールアドレスにメールが送られてくるので、確認も簡単にできる。不動産用語辞典やコラムなど、不動産取引について役に立つ情報が幅広く用意されているため、基礎知識を仕入れる面でも役に立つサイトだ。
情報が緻密な反面、サイトの構造に慣れていない場合、必要な情報にアクセスするまでに時間がかかる。個々人が必要なページごとに、ブックマークしておくなどの工夫が必要かもしれない。
家いちば
個人売買を仲介する掲示板型サイト。気軽に登録でき、売り出し価格が決まらない状態でも掲載が可能となっている。掲載に関する詳細条件は無いため、古かったり現在誰か住んでいる家でも登録が可能。
かなりアバウトな情報でも登録できる反面、売り手・買い手ともに交渉に時間がかかるデメリットもある。サイト側もそれは想定しているようで、契約の段階では宅建士のサポートが受けられるなど、有償サービスを別途用意している。
掲載料は無料だが、仲介手数料は売買代金に応じて発生する。初めて個人売買を行う際に不安な方向けのサービスと言えるだろう。
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おわりに
不動産・中古物件の売買を成功させるには、売主自身に不動産に関する一定の知識が求められる。買主を信頼させることができれば取引がスムーズになる反面、最低でも自ら契約書類が作成できるレベルの教養は必要になる。基本的にサイト・アプリ側のサポートを受ける場合、その都度何らかの料金が発生するため、100%無料で行うには実際に契約の現場に立ち会った経験があることが望ましいと言えるだろう。
とはいえ、門戸自体は広がっているので、不動産以外で契約書類作成に携わった経験があるのであれば、専門家にヒアリングしながら契約を進めることは不可能ではない。マンション1棟クラスの話になると難しいかもしれないが、一軒家の売却であれば、個人売買未経験であっても挑戦してみる価値はあるはずだ。