地域産品として「GI山形」に指定された山形の日本酒。十四代を製造する高木酒造も山形県を代表する蔵元の一つであり、あまりの人気で入手困難なことから幻の日本酒とも言われている。特に「十四代 純米吟醸 白鶴錦」は、白鶴酒造(株)が開発した酒米「白鶴錦」を使用した柑橘系の香りがするフルーティーな日本酒として知られている。十四代 純米吟醸 白鶴錦の特徴と買取相場、高額買取してもらう方法について紹介する。
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十四代 純米吟醸 白鶴錦の特徴
十四代 純米吟醸 白鶴錦は、清酒「白鶴」の名で知られる白鶴酒造(株)が開発した酒米「白鶴錦」を100%使用して製造した日本酒である。地酒といえばその地方で栽培された酒米を用いることも多いが、白鶴錦は酒米の王様と呼ばれる「山田錦」と同じ兵庫県産だ。十四代 純米吟醸 白鶴錦の特徴をいくつか紹介する。
酒どころ・山形と灘の合作
山形は古くから酒造りが盛んな地域であったが、寒冷な地域ゆえ基本的に酒米の栽培に適さず、1995年に山形県のオリジナル酒米「出羽燦々」が開発されるまでは他県で栽培された酒米を使用していた。そのなかでも一番多く使用されているのが兵庫県で栽培されている山田錦だ。
山田錦は大粒で高精米に向くことから酒米の王様と呼ばれ、1936年に登録されてから全国の酒造メーカーで山田錦を使った日本酒が造られてきた。2004年、兵庫県の白鶴酒造(株)は、この山田錦をしのぐ酒米を開発すべく、山田錦の母「山田穂」と父「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」を再び交配させて兄弟米「白鶴錦」を開発した。
白鶴錦の開発には、60年以上栽培されていなかった山田穂の復活・栽培から始まり11年以上の年月を要したが、白鶴酒造(株)は日本酒業界全体を盛り上げるため、この酒米を全国の蔵元に提供した。
十四代の銘柄で知られる高木酒造も、この白鶴錦を使った日本酒造りに取り組み、そうしてできあがった十四代 純米吟醸 白鶴錦は芳醇な吟醸香がただようフルーティーな日本酒に仕上がった(吟醸香が出やすいことや味わいに深みがあることは白鶴錦の特徴といわれている)。
気候風土と高い技術
十四代 純米吟醸 白鶴錦のおいしさは米だけによるものではない。おいしさの秘密の一つは山形県の気候風土。十四代はすべて高木酒造の蔵内の桜の老木から湧き出る「桜清水」で仕込まれているが、これは奥羽山脈からの湧き水である。
水質は軟水で、水にミネラル分がほとんど含まれていないため酵母の働きがゆっくりと進み、できた酒は滑らかで優しい味わいになる。また、山形の厳しい寒さは低温長期発酵を可能にし、吟醸酒づくりに向いている。
もう一つは、言うまでもなく高木酒造の高い技術力。白鶴錦は吟醸酒に向いているため、高木酒造では精米歩合(米を精米して残った米の割合)を50%近くまで精米し、雑味のないクリアな味わいを実現。また白鶴錦は山田錦よりも若干米の粒が硬いという弱点があったが、吸水時間を何度も試行錯誤することでおいしい酒に仕上げることができた。
さらに通常は2回おこなう火入れ(長期保存のためにおこなう加熱処理)を1回だけにし、吟醸酒の特徴である香りを逃さないようにするというこだわりよう。いわば酒どころ・山形と灘の合作ともいえる十四代 純米吟醸 白鶴錦は、発売後たちまち人気となり、他の十四代と同じく買取市場でも高い価格がつけられるようになった。
十四代 純米吟醸 白鶴錦の買取相場
十四代 純米吟醸 白鶴錦の買取りには、買取業者を利用する方法と、フリマで販売する方法の二通りがある。買取業者数社とネットオークション、フリマアプリを利用した場合の買取価格を紹介する。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大黒屋は全国に210店舗以上ある大手の買取業者である。買取業者のなかには日本酒の買取りをおこなわない業者もいるが、大黒屋では十四代をはじめ、高級日本酒の買取りを積極的におこなっている。十四代 純米吟醸 白鶴錦の買取価格は1,800ミリリットル入りで13,000円、720ミリリットル入りで6,000円である。十四代の他の純米吟醸にも10,000円~20,000円(1,800ミリリットル入り)の金額がつけられている(2019年7月10日時点)。
ネオプライス
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ネオプライスは大阪に本社がある買取・販売業者である。事業部内に酒類の買取専門の部署があり、査定も専属のプロがおこなっている。十四代 純米吟醸 白鶴錦の買取価格は1,800ミリリットル入りで26,000円で、十四代の他の純米吟醸にも17,000円~32,000円(1,800ミリリットル入り)の金額がつけられている(2019年7月10日時点)。
Micke(みっけ)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
Micke(みっけ)は(株)ゲンキの平和堂(本社・千葉県)が運営するサイトで、日本酒を含む酒類の買取りもおこなっている。十四代 純米吟醸 白鶴錦の買取価格は720ミリリットル入りで6,000円である(1,800ミリリットルは買取価格表による公表なし)。十四代の他の純米吟醸には13,000円~22,000円(1,800ミリリットル入り)の金額がつけられている(2019年7月10日時点)。
ヤフオク
ヤフオクにおける十四代 純米吟醸 白鶴錦の買取相場は、2019年3月~7月11日までの時点で1本(1,800ミリリットル)あたり16,020~34,800円だ。買取相場を調べるにあたって対象にした件数は9件で、平均落札価格は25,714円である。最低価格の16,020円は2019年3月に出品されたもので、製造年月日は2018年7月。最高価格の34,800円は2019年7月に出品されたもので、製造年月日は2019年7月だった。
メルカリ
メルカリにおける十四代 純米吟醸 白鶴錦の買取相場は、2019年1月~7月までの時点で1,800ミリリットル入り1本あたり19,000~33,000円だ。買取相場を調べるにあたって対象にした件数は6件で、平均価格は26,667円である。最低価格の19,000円は2019年6月に出品されたもので、製造年月日は2018年7月。最高価格の33,000円は2019年1月に出品されたもので、製造年月日は2018年8月だった。
また、720ミリリットル入りは1本あたり10,500~16,500円だった。買取相場を調べるにあたって対象にした件数は5件で、平均価格は14,800円だ。最低価格の10,500円は2019年6月に出品されたもので、製造年月日は2017年7月。最高価格の16,500円は2019年1月に出品されたもので、製造年月日は2018年8月である。
買取業者やフリマのメリット・デメリット
前述したように、十四代 純米吟醸 白鶴錦の買取価格は買取業者とフリマで大きく異なり、平均価格はフリマの方が総じて高かった。しかし、買取業者とフリマのどちらを利用した方がいいのかは酒の状態などによって異なる。買取業者とネットオークション・フリマアプリを利用した場合のメリット、デメリットを紹介しよう。
買取業者を利用するメリット
買取業者を利用するメリットは2点ある。
梱包などの手間がかからない
買取業者の場合、店頭買取や出張買取を利用すれば面倒な梱包や配送をおこなう手間が省ける。宅配買取の場合も、送られてきた宅配キットに品物を詰めて配送業者に引き渡すだけということが多く、配送料も買取業者が負担する。万が一、配送中に破損した場合でも補償がつくので安心して取引がおこなえることも大きなメリットだ。
すぐに現金化できる
買取業者を利用するメリットの一つとして、すぐ現金化できることがあげられるだろう。フリマの場合、取引が成立し購入者から振込があるまで入金を待たねばならない。その点、買取業者は即日入金も可能だ(店頭買取の場合)。また、業者によっては酒類のプロが査定するため、フリマよりも高額で買取りということもありうる。事前にネットで買取業者の情報を集めたり、相見積もりをとったりして、高額買取をしてくれる業者を探すことが肝心だ。
買取業者を利用するデメリット
買取業者を利用する際のデメリットもあるため注意が必要である。
買取価格が安い
買取業者とフリマの買取価格を比較した場合、フリマの平均価格の方が総じて高かったことは前述したとおりである。また、同じ銘柄であっても業者によって買取価格が大きく異なることにも注意が必要である。買取業者を利用する際は、必ず相見積もりをとろう。買取査定無料サイトを利用して買取価格を一括で比較すると効率が良いのでおすすめだ。
フリマを利用するメリット
フリマを利用するメリットは2点ある。
高額な落札を狙えたり、価格を自由に設定できたりする
ヤフオクに出品する場合、最低落札価格を設定してから入札を待つことになるが、人気が高い商品であればあるほど高額な落札が狙える。特に十四代のようなプレミア日本酒は多少高額な即決価格を設定しておいてもすぐに購入者が現れることもある。メルカリに出品する場合も価格を自分で自由に設定できるのが大きな魅力だ。一攫千金を狙うのであればフリマに出品することをおすすめする。
製造年月日から時間がたっていても取引できる
これは日本酒に限ってのことだが、買取業者の場合、香りの変化が早い生酒や吟醸酒については製造年月日から6カ月以上経過したものは買取対象外となるか、買取価格が極端に安くなることが多い。その点、フリマは製造年月日からある程度時間がたっていてもそれなりに値段がつく。
買取りに出したい日本酒が製造年月日から6カ月以上経過しているのであれば、フリマに出品した方がお得といえるだろう。ただし出品にあたっては購入希望者にその旨をきちんと説明して、余計なトラブルを招かないようにしよう。
フリマを利用するデメリット
フリマを利用する際のデメリットもあるため注意が必要である。
梱包や配送が面倒な上に購入者とトラブルになりやすい
フリマを利用して取引が成立した場合、出品者は購入者に直接品物を配送するが、梱包や配送が面倒というデメリットがある。また、万が一配送中に破損してしまった場合には、当然ながら購入者からクレームがつくだろう。フリマを利用する場合はこのようなリスクがあることを認識しておかなければならない。
販売手数料がかかる
ネットオークションにしろフリマアプリにしろ、取引が成立した場合には販売手数料がかかることが一番のデメリットだろう。どんなに落札額が高くても、商品代金の10%程度の販売手数料をシステム提供者側に支払わなければならないので、場合によっては買取業者に依頼した方が高額だったということもありうる。フリマを利用する際に注意しておきたいポイントの一つである。
高額買取してもらうためには
十四代 純米吟醸 白鶴錦を高額で買取ってもらうためには気を付けたいことが何点かある。いくつか紹介しよう。
なるべく早く売る
生酒や生詰め酒はおいしく飲める期間が短い(約9カ月)ので、なるべく早いうちに買取りに出した方が高額で取引できる。買取業者によっては、生酒や吟醸酒の場合、製造年月日から6カ月以上経過したものは買取対象外または買取価格が極端に安くなることも多いので、その点も注意が必要だ。
冷暗所で保管する
日本酒は直射日光に弱く、室外に数時間放置しただけで色や香りが変化する。必ず冷暗所(できれば冷蔵庫)に保管するようにしよう。また保管する際、横置きにすると酒がキャップに触れることで味に影響がでたり、空気に触れる面が広くなって酸化が進みやすくなったりするので、縦置きで保管することをおすすめする。
ラベルや瓶をきれいにしておく
ラベルや瓶に汚れがあれば査定に響くので、買取りに出す前に一度瓶をきれいに磨いておくことをおすすめする。またラベルは、その酒のすべての情報が記載されているため、買取業者が最も重要視するポイントである。ラベルが少しはがれた程度なら買取りに応じてくれる業者もいるが、全てはがれているとほとんどの場合買取対象外となるので、絶対にはがしたりしないようにしよう。
相見積もりをとる
買取業者に買取りを依頼する場合、同じ十四代 純米吟醸 白鶴錦でも業者によって買取額が全く異なるので、必ず相見積もりをとるようにしよう。電話やメールの他、LINEで写真を送るだけで見積もりがとれる業者が増えているので、これを利用しない手はない。買取価格を一括で比較できる買取査定の無料サイトも便利だ。
まとめ
十四代純米吟醸白鶴錦は買取市場でも高い値段がつく日本酒だが、製造年月日が古かったり、保存状態が悪かったりすると思い通りの査定額になることはまずない。だが、飲む人の立場に立ってみればこれは当然と言えよう。買取りに出す場合は、これを飲む人のことを考えて、自分が飲まないのであれば早めに買取りに出す、冷蔵庫でしっかりと保管するなどの心づかいが何より大事である。