絵画をコレクションとしている人や趣味にしている人は多いと思うが、洋画家として近代で特に有名だったのは「安井曾太郎」だろう。洋画家として芽が出ない時期もあったが、現在では洋画家の巨匠ともいわれることがある安井は、国内だけにとどまらず世界的にも絶大な人気を誇っている画家であるといえるだろう。
今回のコラムでは、安井曾太郎の洋画作品の価値や買取相場についてまとめていく。没してから60年経った現在でも彼の作品の数々は多くの人たちから愛される作品として残っている。買取を考えているのであればそれなりの金額での買取が期待できるので、安井曾太郎の作品を持っている人はぜひ参考にしていただきたい。
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安井曾太郎とは?
安井曾太郎は1888年5月17日に京都中京区で商人の息子として生まれた。当時は商人の息子として生まれたのであれば、親の跡継ぎとして息子も商人として活躍するのが一般的だったが、安井は親を説得して高校を中退したのち、自分が本当にやりたいことである絵の道に入ったといわれている。中退後は聖護院洋画研究所に入り、浅井忠などの画家から絵を学んでいった。
フランスへ渡欧
安井は聖護院洋画研究所で絵を学んでいるうちに、友人が渡欧することに決めたという決断を聞き、自分も思いきって渡欧して本格的に絵を学ぶことを決意したといわれている。渡欧先はフランスであり、このあと7年間はフランスで洋画を学びながらの生活を送ることになる。
フランスではアカデミー・ジュリアンで学びつつも、ルノワールやセザンヌなどの画家から多大な影響を受けながら、自分の作品としての価値を改めていった。
日本へ帰国
フランスに7年間滞在した後、安井は健康状態を大きく崩してしまったことと、第一次世界大戦が勃発したことを機に日本へ帰国している。その後の10年間も健康が中々改善せず、画家としてはあまり活躍することができなかったといわれている。画家や作家にによく見られる症状であるスランプの時期だ。
だが、第二次世界大戦後にはだんだんと安井の名前が世間に知られはじめ、気づけば安井は昭和を代表する洋画家として知られる存在となっていた。大正から昭和にかけて活躍した画家である安井は、1955年12月14日にこの世を去っているが、現在でも彼の独自の画風は見る者を魅了しつ続けている。
安井曾太郎の洋画作品としての価値
安井曾太郎はフランスで長い間絵を学んでいたこともあり、今では洋画家として知れ渡っているが、フランスから日本へ帰国したときには日本の油絵具をうまく使いこなすことができなかったといわれている。ちょうど健康状態の悪化も重なっていたこの時期は、安井にとっては画家人生の中でも特につらかった時期に違いない。
だが、安井は決して諦めることなく、独自の絵の探求を続けていき、自身の画風を確立していった。作品としてはハッキリとしたコントラストが特徴となっており、躍動感に満ちた画風は多くの人から高い評価を得ている。強烈な色合いを感じさせつつも、太陽光によってよりコントラストの明暗がくっきりとする画風は「安井様式」ともいわれており、リアリズムを感じさせる数々の作品は世界的にも人気となっている。
安井曾太郎の買取相場はどのくらい?
安井曾太郎の作品は主に、人物画や風景画、静物画などが人気となっており、それぞれの作品によって価値が異なっている。そのため、安井の洋画作品としての買取相場を決めつけることはできないが、保存状態がいいものであれば数万円~数万円あたりが買取相場となっているようだ。有名な油絵などでは数百万の値がつくことも珍しくはなく、ここからも安井曾太郎の画家としての評価の高さが伝わってくるだろう。
また、安井の作品はオークションなどでも取引されていることが多く、そこでも数万円~数十万円という価格がついており、日本の近代美術に大きな足跡を残した人物として、これからも安井の作品たちは高い価格で取引されていくことだろう。
査定に出す際に気をつけるべきこと
安井曾太郎の作品はとても古いものが多く、もし所有していたとしてもそれなりに痛んだ状態になっていることも珍しくはない。絵画というのはほかの芸術品やアート作品よりも一段と繊細でデリケートなため、保存を適当にしていればすぐに絵画としての品質が低下してしまうだろう。
絵画をコレクションとしている人や、美術品愛好家といった人たちならば保管にはかなりの気を使っているだろうが、素人がそこまでするのは中々難しい。
だが、安井曾太郎の作品であれほかの絵画作品であれ、査定に出す際にはいくつか気をつけるべきポイントというのが存在している。絵画は査定へと出せば必ずしも高価買取されるとは限らず、品質によっては価値が高い絵であっても査定で減額されることによって思っていたよりも安値で買取がおこなわれることも少なくない。ここからは査定に出す際に気をつけるべきことについてまとめていく。
保存状態
美術品やアート作品というのは保存が命だ。保存を適当にしていれば本来の価値が損なわれるだけではなく、芸術品としての品格を失い、作品そのものが泣いてしまうだろう。安井曾太郎の作品はとても古いものが多いと述べたが、それこそ保存状態に気をつけなければならない理由である。
絵画というのは時間が経つことによる経年劣化はどうしても避けられない。たとえどれだけ適切な環境で保存していたとしても、一切劣化しないということはありえないのだ。
だが、劣化を完全に止めることはできずとも、適切な保存方法は劣化を遅らせるためには役に立つ。絵画はできるだけ長く品質を保つことが最重要課題であり、保存期間を長くすることで多くの人に素晴らしい作品を見せ続けることができる。そして、それは査定の際の重要なポイントでもあり、劣化が少ない作品は当たり前だが高額で買取がおこなわれる。普段から絵画の保存には気を配っておきたいところである。
付属品
アート作品においては至極当然のことではあるが、付属品があるかどうかといったポイントも絵画の査定においては重要になる。絵画の付属品には額や作品を守るためのものなどが存在しているが、できるだけ販売当時の付属品がそろっていることが望ましいとされている。中には付属品とセットになっていることが絵画としての価値を高めているというケースもあるので、そうした場合は付属品がないだけでかなりの減額を受けてしまうことになるだろう。
安井曾太郎の洋画作品においては、付属品があるもの自体が少ないかもしれないが、最低限元々の状態を再現して査定へと進んでみてほしい。なにか欠品しているアイテムがあるのであれば、オークションから取り寄せてセットで査定へ出したほうが結果的にお得になる場合もあるので、ケースバイケースとして頭の隅のほうに入れておいてほしい。
本物かどうか
安井曾太郎の作品の査定においては、本物かどうかというのはとても大きなポイントである。本物の安井の作品には「S.YASUI」というサインが入っているものがほとんどであり、査定でもサインの有無はかなり重要視される部分でもある。また、サインがあっても偽物である可能性があるので、サインの鑑定も厳密におこなわれることも多く、単純にサインがあれば本物として査定をクリアできるわけではないようだ。
絵画だけに限らず美術品には偽物が数多く出回っており、高く売れることをいいことに贋作をあえてつくるような輩もいるのだ。本物か偽物かは素人には中々判別することはできず、それゆえオークションなどから身元がわからない人から購入するときは一定のリスクが伴う。
逆に自分がオークションに出品するときも本物かどうかはかなり慎重に進められることでもあるので、鑑定書などを事前にとっておくことが買取査定においても有利になるに違いないだろう。
買取価格を高めるポイント
絵画の査定では適当に出してしまうと思わぬ減額を受けてしまうケースは珍しくはない。そのため、前述したポイントについてはしっかりと守ることを意識して査定へと進むのがベストである。しかし、安井曾太郎の作品のを買取に出すときは査定だけでなく、実際の買取価格が大事であることは言うまでもなく、できるだけ買取価格を高くして買取をおこないたいと思っているだろう。
そこでここからは、査定に引き続き買取価格を高めるポイントについてまとめていく。絵画の買取価格はほんの少し、いくつか意識して買取へと出すこができれば、価格がかなり変わることも珍しくはない。絵画だけでなく芸術品や美術品の買取をおこなおうとしている人もぜひ参考にしてみてほしい。
業者で比較
複数の業者をつかって買取価格を比較するのは、買取価格を高める方法としてはもっとも効果的となる。というのも、絵画なんてどこに出しても価格は変わらないと思っている人も多いが、実際には絵画は買取業者によって買取価格に大きな差がでている。
たとえば、A店では200,000円だったとしてもB店では倍の400,000円という価格がつくことも珍しくはないのだ。普通、絵画の買取価格は市場価値などを考慮した上で、相場価格を割り出して買取価格を決めることが多いが、業者によっては欲しい作家の絵や強化買取アイテムとして特定の作品の買取を求めていることも多い。
そうした業者での買取をおこなうことで、ほかの業者よりも高い価格での買取が可能であり、価格としての倍程度の違いが生じることもあるのだ。また、鑑定士の腕といった部分も買取価格には大きな差が出るポイントであり、しっかりとした実績を持った鑑定士に査定してもらうのも重要だといえるだろう。
劣化する前に出す
絵画は時間とともに劣化していくものだと先に述べたが、それに対してできる対策はできるだけ早く買取に出すだけである。どれだけ丁寧に保管に気を使っていたとしても、必ずいつかは時間によって劣化させられてしまう。
そうであるなら、いつかは買取へと出そうと考えたときに査定へと出すのがベストであり、「いつか出す」と思っていては作品としての価値はどんどん低下していってしまうだろう。特に安井曾太郎の作品は古いので、はじめから劣化が進んでいるものも少なくはない。
もし絵画をコレクションとして飾っているわけではないのであれば、できるだけ早く査定へと出すことを考え、絵は時間とともに劣化するということを常に頭に入れておこう。そして、保存状態においても劣化を進ませないために額に入れるのは基本とし、油絵などでは温度や湿度といった部分にも注意が必要であることを覚えておこう。
安井曾太郎の買取におすすめの買取業者
安井曾太郎の作品は現在でも非常に高い価値を秘めている作品である。そのため、買取を考えているのであれば比較的高い価格での買取が可能だろう。しかし、今では買取業者はかなりの数を占めており、いったいどの業者に買取に出せばいいのか迷ってしまうだろう。最後におすすめの買取業者についていくつか紹介しておくので、買取業者の選択に迷っている人はチェックしてみてほしい。
秋華洞
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
秋華洞は美術品を幅広く買取している業者であり、安井曾太郎の作品の強化買取もおこなっているとても信頼性が高い買取業者である。ネットから申し込みをおこなうことで、写真を投稿すればおよその査定額をすぐにチェックできるのも利便性が高いといえる。親子三代から続く経歴を持つ秋華洞では、現在の絵画としての価値をしっかりと把握した上で買取をおこなってくれるので、かなりの高価買取が期待できるだろう。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取協会は美術品と絵画の買取に関してはプロフェッショナルであり、15年の歴史と実績を持つ信頼性が高い業者である。専門知識が豊富な鑑定士による査定は、作品の価値をすみずみまで鑑定した上で、市場の人気と作家の価値まで含めた買取価格を提示してくれる。もちろん査定料は無料であり、全国で対応可能となっているので、買取業者の選択に迷ったときはまずは相談からでもしてみるのがいいだろう。
まとめ
今回のコラムでは安井曾太郎の洋画作品の買取相場と作品としての価値についてまとめてきた。安井曾太郎は没して60年経っている画家であるが、その名声は現在で衰えることを知らず、年々作品としての価値は上がり続けているといっても過言ではない。
もしこれから買取に出そうとしているのであれば、作品の劣化には十分に気をつけるようにし、全体的に綺麗な状態を維持したまま買取へと進んでいただきたい。査定の段階で減額を受けないようにしておけばきっと高価買取を実現することができるだろう。