図書カードの正式名称は、全国共通図書カード。日本図書普及株式会社が、出版物の販売、推進を目的として1960年に「図書券」を発売開始し、その後1990年12月に磁気カード方式の「図書カード」と形を変え販売された。その名の通り、書籍のみと交換できる金券である。さまざまなものと交換できる商品券のような利便さはないが、書物としか交換できないという限定性が、学童や学生の感想文やコンクール等の賞品に適すると考えられ、広く使用された。
/ Chiara Cremaschi
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図書カードの特徴とは
紙製の図書券から利便性の高い磁気カードへと姿を変えた図書カード。学生の頃に使った経験がある人もいるだろう。大人になると手にする機会が減るので、改めて図書カードの特徴をみていこう。
使用できる店舗、用途が限定されている
書籍の購入のみに使用できる図書カードは、図書カード取扱店マークが掲示されている書店で使用できる。コンビニやキオスクのほか、Amazonや楽天などの通販サイトには対応していないので注意が必要だ。
購入できるのは書籍・雑誌などのいわゆる出版物のみで、たとえ図書カード対応の書店が扱っていたとしても、雑貨や食品など出版物以外のものは購入できない。また、教科書の購入にも使用できなかったりと、用途がかなり限定されているのが特徴。
デザインのバリエーションが少ない
Schoolgirl with books on head / CollegeDegrees360
図書カードのデザインは、以下のとおり。よく目にするデザインは、ピーターラビットやルノアールの「読書」、フェルメールの「真珠の首飾りの少女」だろうか。
- 「ピーターラビットシリーズ」:1000円券、3000円券、5000円券
- 「名画シリーズ」:1000円券、3000円券、5000円券、10000円券
- 「ページシリーズ」:1000円券、2000円券
- 「こどもカード」:500円券
上記のほかにオリジナルカードも作成されているが、さまざまな種類・柄があるQUOカードなどと違って、バリエーションは意外と少ない。用途が限定されていることや学生の使用が多いことから、必然的に固いイメージになるのだろう。
買取の傾向は?
図書カード春の新作 / miki7500
図書カードは卒業祝い、入学祝い、就職祝いなどで使われることも多いので、春先に需要が増加する傾向がある。しかし、一年を通じて安定した需要があるため、供給も安定しており、特に春先が高価買取となるというわけでもない。
超高額買取のカードは存在しない
図書カードは使用用途が限られていることから需要が低く、プレミアの付いたテレホンカードやQUOカードを専門に扱っている業者でもあまり力を入れていない。そのため、スーパープレミアムとでも言うべき超高額カードはほとんど存在しないと思って良いだろう。
企業広告が入っていると値段が下がる
通常シリーズ品や広告の入っていないオリジナル印刷の図書カードに比べると、企業の広告が入っているものは、2~5%ほど安く買い取られる傾向にあるようだ。
買取してもらえないケースもある
汚れや黄ばみ、折れ目が入っているカードや、使用を開始してパンチ穴が開いてしまったカードも買い取ってもらえないので注意してほしい。また、磁気異常が発生し、機械で読み取れないカードも同様である。
ちなみに、磁気異常となったカードは、日本図書普及株式会社に郵送すると、交換してもらえる。その際は、往路の切手代も後から日本図書普及株式会社が支払ってくれるので、異常があった場合はすぐに郵送すると良いだろう。
高い換金レートが期待できるのはアニメ柄
テレホンカードやQUOカードに比べてデザインの種類が少なく、プレミアがつきにくい図書カードであるが、アニメのキャラクターデザインのもののなかには人気で高く買い取ってもらえるものがある。特に、ポケモン、ドラえもん、ドラゴンボール、ワンピース、進撃の巨人などといった人気作品の中には、プレミアが付いてもおかしくないようなものもある。
ただし、発行数が多いものはなかなか高値にならないので、大事に保管して相場の傾向を見守るのも一つの手だ。プレミアムカードでなくても人気のアニメ柄であれば、額面金額の100%で買い取ってくれる業者も多いので、ぜひ査定を依頼してみよう。
図書カードの買取を行っている業者
ヒカカク!に掲載している業者も、図書カードの買取を行っているところがたくさんある。いくつかの業者を紹介するので、買取の際は参考にしてみてほしい。
甲南チケット
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
金券などを専門に扱っている「甲南チケット」は、図書カードも相場を意識した買取を行ってくれるだろう。ネットでの仮査定も行ってくれるので、時間がない方などにはオススメだ。
セカンドストリート(ジャンブルストア)
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
「セカンドストリート(ジャンブルストア)」は、古着の買取しか行っていないと思われがちだが金券等も取り扱っている。全国に数多くの店舗を出店しているので、近くにある場合は気軽に査定に出すと良いだろう。
トレジャー
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
テレホンカードをメインに取り扱っている「トレジャー」では、テレカだけでなく図書カードの買取にも対応している。日本最大の品揃えを誇っており、実績豊富な鑑定士による査定が魅力的だ。
売却方法は、中野での店頭買取と全国対応の郵送買取から選ぶことができる。大量買取も受け付けているので、自宅に眠っている図書カードをまとめて買い取ってもらおう。
「図書カードNext」って知ってる?
これまで紹介してきた図書カードだが、2016年6月に「図書カードNext」と呼ばれるものに移行したのはご存知だろうか。移行の背景としては、出版業界の不況やギフトカードの種類の増加への対抗が考えられるが、最後にこの新型の図書カードについて紹介しておこう。
「図書カードNEXT」とは?
「図書カードNEXT」は、プリペイドカードに近いイメージの新型図書カードだ。旧カードと同様に、使い切りのギフトカードタイプになる。旧図書カードの発行は停止になるが、利用は引き続き可能なため、安心してほしい。
今までの図書カードとの違い
図書カードNEXTは、裏面のQRコードを専用読み取り機にかざして支払う。差し込みから引き落としまでの時間が短縮され、スピーディーに決済できる。必要情報を専用サイトに入力することで残高確認ができるため、パンチ穴で確認してた旧カードに比べて分かりやすくなった。なお、専用サイトはスマホからも閲覧でき、利用履歴も確認できる。
また、旧カードには有効期限がなかったのに対し、図書カードNEXTには10年の有効期限が設けられた。裏面に記載されているので期限切れに注意が必要だ。
図書カードNEXTは買取してもらえるか?
買取については、旧カードからの変更点である「有効期限」と「残高確認」が大きな影響を与えている。特に、残高確認が一目でできないことは、買取業者にとって負担が大きいのだ。そのため、図書カードNEXTを扱っていないところも多い。
対応しているところもあるが、手間の分を買取価格で調整しているようだ。査定額の相場はだいたい額面の80パーセント程度と、旧カードよりも安い場合が多い。残高確認の際に必要となるPINコードが削られているものは、さらに買取価格が落ちてしまう。
また、未開封の「100枚完封品」のみを扱うショップもある。こちらは、発行元から出荷されたばかりの状態のもので、残高確認の必要がないために手間がかからない。
このように、旧カードに比べると買取対応している業者は少なく、条件も厳しいが売却することは可能だ。今後新カードが普及するにつれ、対応可能な業者も増加していくだろう。
まとめ
図書カードの特徴や買取の傾向について紹介してきたが、一般的なカードでは高い金額での買取は難しいようだ。使用期限はないため、有効期限は気にする必要はないが、期間が経ったことによるプレミアもあまり期待できないので、使わない際は状態が悪くなる前に売りに出したほうが良いと言える。
なお、買取してもらう際は図書カードの買取査定業者一覧をチェックし、評判を確認しながら自分が良いと思った店舗で売ると良いだろう。