各種手続きに欠かすことのできない印鑑。個人では、書類への捺印、宅配便の受け取りなどに使用するなど、生活に関わりが深い。会社においても、登記に利用する実印、金融機関の登録に使用する銀行印、社名の入った角印など欠かせないアイテムである。
様々なシーンで使用される印鑑の素材を印材と呼ぶ。印材には、いくつかの種類があり、見た目だけでなく、セキュリティ性や耐久性に違いがある。印材そのものに価値があり、高い買取価格がつくこともある。
使用しなくなった印鑑が自宅や会社にあるという方も多いだろう。そこで今回は、印材の買取について、すでに彫られていても売ることができるかを明らかにし、買取相場、おすすめ買取店、買取のコツを解説していく。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
印材とは
印材とは、印鑑のもととなる素材のことを指す。印材の歴史は古く、古代中国からサインとして使用されていた。卑弥呼が受け取ったとされる親魏倭王の金印も印材の一つである。書道具としても知られ、作者印などにも使用されている。
現代で、印材を手にする場面は、印鑑がほとんどだろう。木製や角・牙製、金属製などの印材があり、個人印、会社印など使用シーンも様々だ。印材の種類によって、買取価格が大きく変わるため、まず印材の種類を見ていこう。
木材印材
木材で作られた印材は、木のぬくもりを感じられる色や香り、雰囲気が魅力である。使用する木材によって、色や香りに違いがあり、それぞれに個性がある。
環境に優しいエコ素材が使用されることも増え、女性を中心に木材製の印鑑を使う方がいるようだ。比較的安価な印材であるが、屋久杉など貴重な印材であれば、数万円で販売されることもある。買取においても、どの木材を使用しているか確かめる必要がある。
角・牙製の印材
牛の角や象の牙を使用した印材も広く知られている。牛の角を使用した印材には、牛の白い角や黒水牛の黒い角などが使用される。耐久性があることやシンプルなカラーに人気があり、多くのビジネスマンに選ばれている。
象牙は、特に価値の高い印材である。希少性や加工性、材質の美しさなどが評価され、印材としてだけでなく、芸術品としての価値も持っている。
価格の高騰から象の密猟などが顕著になり、取引制限によって販売終了しているお店もあり、大変貴重な印材と言うことができるだろう。
金属印材
入手の難しい象牙に変わって、多く使用されているのが、金属製の印材である。特にチタンは、耐久性やさびにくさなどによって、破損の心配がなく、会社印などに利用することが増えている。
琥珀の樹脂など樹脂の印材も、デザイン性によって人気がある。普段なじみのない芸術品としての印材にも、金属や樹脂を使用することが多く、貴重な金属、樹脂で作られた印鑑などは、非常に高値で取引されている。
石印材
石印材は、石に印を彫る篆刻と呼ばれる芸術に使用される。印材三宝と呼ばれる田黄石、鶏血石、芙蓉石が有名である。中国でしか採掘されないことや美しい色を放っていることなどによって、価値が高まり、印材の中でも高価と言える。
普段使う印鑑よりも、書道具として、作者印に使用する場面が多い。彫刻によっては、芸術品として、非常に高い価値を持つことも印材である。
印材は既に彫られていても売却可能か
売りたいと考えている印材のほとんどが、既に名前などが彫られていたり、形が彫られていたりすることだろう。結論としては、印材は既に彫られていても売ることができる可能性が高い。
自宅や会社などにある不要な印材の整理をしたいと考えているが、印材を売りたいけれど、どうせ売れないだろうと買取を諦めている方は、一度買取店への買取依頼を検討してみよう。
買取店によって既に彫られていても買取できる
印材を取り扱っている買取店には、骨董品買取店や美術品買取店が多い。基本の印材買取は、名前や形が彫られていない印材そのものの状態であるが、専門的な買取店では、彫られていても買取可としている場合がある。
彫られている印材に特徴がある美術品であれば、彫られていない印材以上の買取価格も期待できるだろう。法人買取を行っている場合もあるため、既に彫られている印材を含めて、不要な印材をまとめて売るのもおすすめである。
価値のある印材は既に彫られていても高額買取可
印材の買取は、印材そのものの価値も考慮している。既に彫られていても、印材の価値が高ければ、高価買取も実現可能である。
価値の高い印材には、象牙、翡翠などがあり、数万円から数十万円という高値で買取が行われる場合もある。既に彫られている印材を売る場合には、まず印材の種類を確認することが欠かせない。
印材の買取相場
印材の買取価格を公開している買取店はあまり多くない。印材買取専門店は数少なく、骨董品・美術品買取店の買取品目に印材があるなどで、買取店における買取情報は十分ではないと言えるだろう。
見つけることができた買取店の買取実績は、象牙 印材10,000円(2019/5/23現在)という買取であった。象牙など価値のある印材であれば、買取相場は、数万円と予想される。
買取店に対して、メルカリやヤフオクでは、様々な印材の買取が行われていた。それぞれにおける買取価格から買取相場を把握していこう。
メルカリにおける印材の買取相場
メルカリには、印材に関わる買取実績が約700件存在した。(2019/5/23現在)最も安くて300円、最も高い買取で140,000円となっている。買取実績の例としては、
- ・印材 翡翠:44,600円(2019/5/23現在)
- ・印材 白坑頭石:28,000円(2019/5/23現在)
- ・印材 鶏血石:17,500円(2019/5/23現在)
- ・印材 本黒水牛:2,000円(2019/5/23現在)
- ・印材:490円(2019/5/23現在)
以上のような買取が挙げられる。一般的なプラスチック製や牛角製の印材は、買取相場数百円から数千円と言える。鶏血石や翡翠など貴重な印材は価格が上がり、20,000円~50,000円が買取相場と予想される。
特に貴重な中国の田黄石といす印材は、既に彫られている2件の買取ともに、100,000円を超えていた。印材の価値によって、買取相場に差があることが分かる。
ヤフオクにおける印材の買取相場
ヤフオクには、一般的な印材から中国美術の施された印材など幅広く買取実績がある。最低価格1円、最高価格4,005,000円と、開きがあり、平均値は7,866円となっている。(2019/5/23現在)
美術品や書道具の買取が目立つため、専門的な知識を持つ方やコレクターが集まっているとも考えることができる。ヤフオクでの主な買取実績は、
- ・象牙 縞模様:70,000円(2019/5/23現在)
- ・印材 鶏血:63,100円(2019/5/23現在)
- ・印材 中国美術 寿山石彫刻:4,005,000円(2019/5/23現在)
- ・印材 鯨 歯 牙:9,350円(2019/5/23現在)
- ・印材 和田玉製:1円(2019/5/23現在)
となっている。メルカリでの買取実績と同じく、象牙や鶏血石の買取相場は数万円と言えるだろう。田黄石や寿山石などの特に貴重な印材に、中国美術などの彫刻が施されていると、買取相場は数十万円、数百万円に跳ね上がる。
印材の査定を依頼したいおすすめ買取店
印材を専門に取り扱う買取店は、1店のみである。骨董品・美術品を取り扱っている買取店は、象牙や印材を取り扱っていることが多いため、印材の売却におすすめする。印材の査定を依頼したい買取業者として、3つの買取店について、紹介していこう。
福寿堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
福寿堂は、印材・印鑑関連商品を専門に扱う数少ない買取店である。木材製や角・牙製、金属製の印材を幅広く取り扱い、シャチハタやゴム印、朱肉、マットなど印鑑関連商品の買取も充実している。自宅や会社の印材の整理と合わせて、関連アイテムも合わせて売ることをおすすめしたい。
買取情報の少ない印材の買取では、買取価格の見積もり・比較が重要である。福寿堂では、査定や査定後の返却が無料であるため、買取価格比較にも利用しやすい。オペレーターへの無料相談も可能であり、買取にあたっての不安を解消できる。
買取方法には、全国対応の宅配買取、関東・東北・東海・関西・九州を対象にした出張買取を選ぶことができるため、全国どこでも印材を売却することが可能である。
古美術永澤
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古美術永澤は、骨董品・美術品を中心に買取を行っている。美術商としてスタートした古美術永澤には、20年以上の歴史があり、実績・経験ともに充実している。年間買取点数も50万点で、多くの方が古美術永澤で品物を売却していることが分かる。
印材買取について、書道具としての印材の買取に力を入れている。彫られていない印材だけでなく、既に彫られた印材も積極的に買い取っている。硯や墨、筆などの書道具と合わせて、買取依頼するのも自宅などの整理におすすめである。
全国対応の出張買取・宅配買取だけでなく、毎月2回土曜日に開催している持ち込み買取も要チェックだ。買取だけでなく相談・見積もりもできるため、買取価格の把握に役立ててみよう。
いわの美術
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
いわの美術は、骨董品・美術品の高価買取を実現する買取店である。品物を財産と捉え、社会への還元、新しい持ち主への橋渡しに取り組んでいる。自宅の整理としての買取だけでなく、遺品整理サービスにも力を入れていることを覚えておきたい。
いわの美術の強みである高額買取には、買い取った商品の売却方法にポイントがある。流通コストを削減・還元するために、直接販売を行い、高値買取を実現している。専門知識・買取経験が豊富なスタッフが在籍していることも、適切な買取につながっている。
個人だけでなく、様々な買取ニーズに対応している点も見逃せない。弁護士や税理士、法人、成年後見人など、あらゆる買取に丁寧な対応を徹底している。ご家族などが大事されていた印材を売る際には、いわの美術をぜひ利用してみよう。
印材の高額買取を実現するコツ
印材をより高値で売るためには、高く売ることができる印材の特徴をおさえることが大切である。買取店だけでなく、メルカリやヤフオクで売る方法もあるため、価値を理解し、価格をつけることも求められる。 印材に彫られている作鈕や印材の価値、きれいな状態で売ることなど、印材の高額買取のコツを見ていこう。
作鈕が彫られていると高額買取に
印材が既に彫られているか、彫られていないかを判断する場合に、名前の部分に注目しがちだろう。作鈕と呼ばれる印材の持ち手が彫られているかも高額査定において、重要になってくる。
中国美術などが施された印材の作鈕には、動物が彫られていることが多く、ヤフオクなどの買取実績を見ると、数十万円から数百万円の買取価格が付けられるほどである。
作鈕のデザインと合わせて、どのような作家が作ったかも重要だ。中国美術の作家が作った作鈕であれば、より高値買取が期待できる。作鈕に注目して、自宅や蔵の印材を見てみよう。
象牙など貴重な材質は価値が高い
印材は、既に彫られていても印材そのものの価値によって、買取価格が決まる。高額買取を実現するためには、所持している印材が何という印材であるかを確かめる必要がある。主な高級印材としては、
- ・田黄石
- ・鶏血石
- ・翡翠
- ・象牙
などが挙げられる。どれも貴重な印材で、現在入手が難しい印材もある。以前は採掘・採取できていた印材であるため、自宅に眠っていないか確認してみるのがおすすめだ。
綺麗な状態で売却する
売却する印材の価値を高める方法として、きれいな状態で売ることを意識しよう。古い印材や使い込んだ印材は、汚れやほこりがついていることも考えられる。売る前に一度拭いたり、ほこりをとばしたりして、最低限のメンテナンスをしておくと、査定の第一印象が良くなる。
不要な場合は早めに売る
使う予定のない印材がある場合は、早めに売るようにしよう。印材は、種類を問わず、時間が経つと劣化してしまう。売ろうと思った時に、ヒビが入ってしまっていたり、傷がついていたりすることも考えられる。
象牙など貴重な印材は、需要によっては、価値が変動することも予想される。不要な印材や現在価値の高い印材は、売るタイミングを逃さないように、早めの売却がおすすめである。
まとめ
印鑑や書道具に使われる印材は、既に彫られていても売却することができる。印材には、木製、角・牙製、金属製、石製などの種類があり、それぞれの価値によって、買取価格の上下がある。
買取相場については、一般的な水牛などの印材で数百円から数千円、象牙や翡翠などの印材で数万円、田黄石などの貴重な印材で数十万円と言えるだろう。
買取店だけでなく、メルカリやヤフオクでも買取が行われているため、買取店選び、査定比較にこだわった上で、最適な手段で印材を高価買取してもらおう。