中古のスマホを売る際皆さんが最も気にすることといえば、もちろんその買取価格であろう。本サイトで比較した方はお気づきだろうが、人気機種の中でもiPhoneの買取価格はダントツで高く、定価に近い値で買い取ってもらえることもある。なぜそのようなことが可能なのか。買い取られたiPhoneはどこへ行くのか。今回は買取申し込みの前に知っておきたい、iPhone買取ビジネスの事情に迫る。
iPhone 4 Bumper + Universal Dock w/o Adapter / Yutaka Tsutano
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
紛れもない、iPhoneは高く売れるという事実
iPhone 6+ Screen / omarjordanf
参考として、iPhone6 128GB ゴールド SIMフリーの買取額をみてみよう(買取価格は時期や状態によって変動するので注意)。
比較的、買取価格が高めの業者だと、だいたい105000円〜58905円。最高買取価格の105000円を叩き出したのは、モバイルヘッド等の人気ショップだ。他にも、Quickの102000円、トゥインクルモバイルの101000円があとに続く。また、ゲオ、ブックオフなど安心感のある大手買取企業も、全体的に低めの見積もり価格になるものの、他機種と比べれば高価買取が行われている。
スマートフォンがこんなにも高い価格で買取りされるということを知っている人は世の中に少ない。特に、iPhoneは10万円を超える破格の値段だ。また、高く売れる商品だからこそ、ユーザーのみなさんには買取価格を比較することで、より高い買取業者を探してほしい。
iPhoneの買取価格が下がらない理由とは?新興国で高まる需要
Selling my unlocked iPhone 3GS 16GB / markguim
なぜiPhoneシリーズは、定価に対して買取価格が下がりにくいのか。その答えは買い取られた商品の販売先にあった。買取されたiPhoneはどこに流通していくのか。その疑問に答えよう。
国内の「下取り」で大量に買い取られるスマホ
上述のような買取業者だけでなく、docomoやauなど携帯大手各社も中古スマホの回収に注力しているのは周知の事実ではなかろうか。「下取り」と言われるものだ。昨年、ソフトバンクが世界最大の端末卸売業者であるブライトスターを買収し、話題となった。そのブライトスターが最も重視しているのが中古スマホの下取りビジネスであるという。
実際に中古スマホの需要は世界規模で拡大しており、ソフトバンクはもちろん大手各社が下取りサービスに力を入れている。ブライトスターは米国をはじめ、日本、西欧諸国で端末を下取りし、新興国市場に卸している。ここまで下取りできるのも、ユーザーが2年にも満たない素早い買い替えサイクルの中で端末を手放していくからだろう。メーカーが新モデルを毎年発売することによって、買い替えサイクルは早まっている。
Well DUH... / Andrew Currie
ユーザーからすると、iPhoneの下取りはあくまでユーザーを囲うための仕掛けにしか見えないが、自社がかけたSIMロックを自ら解除することで海外市場へと中古スマホを流している実態がある。
下取りされると毎月の携帯料金から割引される形式となるので、すぐに現金化されないデメリットがあり、また割引適用期間中に解約しにくいといった問題があるが、割引の金額だけを見ればなかなかに大きいのでユーザーも活用する。そこで得た中古のiPhoneをSIMフリー化して価値を高め、海外に流しているのだ。
拡大する、新興国の中古スマホ需要
Recycling / andyarthur
日本で買い取られたスマホがそのまま国内に出回ることはもちろんあるが、そこまで大きな市場とは言えないだろう。ユーザーからすると、携帯大手各社の販売店を通じて契約を結び、端末を購入するのが主流となっている日本では、当たり前の状況ともいえる。大量に買い取られたスマホはどこに流れているのか。
それは先ほども述べた通り、実は日本の中古スマホは海外で、特に新興国で大人気なのだ。新興国では数年前のモデルも需要があるうえ、価格が下がる中古品は幅広い層の手が届く。例えば、日本ではiPhone6、iPhone6 Plus、iPhone5Sといった新モデルが人気を博しているが、新興国ではiPhone5やiPhone4Sの人気が高い。型落ち商品が新興国の人にとって、また中古であるからこそ安くなり買いやすい商品となっている。
海外で特に大きな市場を築いているのが香港やドバイ、シンガポールである。前述のソフトバンク社が握るブライトスターの太客ともいえる国々だ。
世界最大の中古スマホ取引拠点、香港
Hong Kong / BarbaraWilli
中古スマホ市場において、世界最大の規模を誇る香港。先進国で買い取られたスマホは、香港経由で需要の高いアジア圏などへ供給される。変動する香港での取引価格を基に算出された買取価格を基にして、各買取業者は毎日買取価格を決めているという。非常にグローバルな市場の中で買取相場が動いているのである。
国内で買取された中古スマホの多くはオンライン上で開催される秘密裏のオークションで取引される。そこでは、日本の定価を大きく上回る額で取引されることもしばしばだ。落札した業者が、それを自国の販売店に卸すという流れが出来上がっているのである。
中古スマホはiPhoneが新興国でダントツ人気
新興国では多くの中古スマホが流通しているが、現在最も人気なのが世界的ブランドのiPhoneシリーズだ。普及度合いや知名度に加え、中間的な価格帯や、廉価版を出さない姿勢もその所以であろう。だからこそ買取業者にとっての仕入れ先である日本でも、比較的高い買取額を実現できるのである。
日本人が払ってもいいと思う金額以上の買取価格で、海外の人々が購入しようとするためだ。次点で、日本で仕入れることのできる人気の中古商品はサムスンのGalaxyシリーズやSONYのXperiaシリーズのようだ。それゆえ、買取業者もこぞってこのあたりのラインナップは高額買取をしている。
日本は魅力的な市場?外国の買取業者も参入
Japan / Moyan_Brenn
日本での中古スマホ需要はますます高まってくると考えていいだろう。外国人が運営する、海外消費者に向けた買取業者もすでに多数参入している。特にトゥインクルモバイル、トップワンモバイルは、海外で人気な機種などに国内業者を凌ぐ高値を提示するため、人気を集めている。
中国人やバングラデシュ人などの運営する買取業者も増えている。少し店構えとしては入りにくいとも言われているが、宅配買取などを使用する分にはそれほど気にすることもない。彼らは人件費の安さや新興国へのアクセスを武器に、ギリギリの利益率で運営しているという。高い買取価格で顧客に訴求し、勝負しているのだ。そのため、ソフマップやゲオよりも高い買取価格で買取をしてもらえるはずだ。
日本人の運営する買取業者でも、モバイルヘッドなどは非常に高い水準で買取してくれる模様。秋葉原の一等地に店を構えており、アクセスも良い。なお、おすすめの買取業者については、以下のコラムで紹介しているので参考にすると良いだろう。
日本から中古のスマートフォンが輸出されていくこの様相は、中古車が過去に日本から輸出されていく歴史に近いものがある。先進国の人気モデルが型落ちになった中古商品が新興国で購入されるのだ。それを狙った買取業者が日本で増加していく。まだまだ発展途上ともいえるiPhone買取市場。今後もその動向をチェックしていきたい。
iPhoneを高く売りたいならフリマサイトもあり
買取業者以外にもフリマサイトでiPhoneを売るという選択肢もある。スマホのマーケット(スママ)は、中古スマホの売買に特化したフリマサイトだ。
スママでは、“iPhoneを自分で出品する方法”と“スママDASHという買取サービスで売る方法”の二種類が用意されている。後者のスママDASHに関しては、iPhoneの情報を入力するだけですぐに買取金額が表示されるようになっているので、「いくらで売れるかな」と思ったらぜひ試してみてほしい。