近年、海外で人気が高まっている日本酒。財務省貿易統計によると、2018年度の清酒輸出量は約2万5700キロリットル、総額222億円となり、過去最高を記録した。
最も輸出量が多いのはアメリカで、次いで韓国、中国、台湾、香港とアジアの国や地域。特に中国は2年前に比べて約2.5倍となり、日本酒も中国の爆買いの対象となっている。
こうした状況の中で、生産量が少ないながら、品評会などで多くの賞を受賞するような酒は幻の酒と呼ばれ、ときには定価を上回るような値で取引されることもある。
買取業界でも、当然、人気の日本酒の買取強化をおこなっており、人からもらったけれど、誰も飲まないからと業者に持ち込んだ酒が、意外な高値で売れるということもある。
そんな日本酒の中から福島の銘酒、大七 箕輪門の買取相場をみてみよう。
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福島の銘酒 箕輪門とは
箕輪門は、昔ながらの自然の力を活用した伝統的な酒造法、生もと造りで製造された純米大吟醸。お米と米麹だけでつくられたお酒を純米酒といい、中でも50%以上磨いて精米したお米を使っている酒を大吟醸と呼ぶ。それだけ手間をかけてつくられた酒だ。
蔵元の大七酒造によると、すっきりとした飲み口ながら、旨みを感じられる酒で、上品な香りと、やわらかな舌触りが特徴。
ソムリエの田崎真也氏も雑誌で、香りは、よりエレガントで繊細、味わいは優しくなめらかな第一印象から広がりも上品などと称賛している。酒の専門家のアンケートでも、冷やして飲みたいお酒ベスト1に2年連続で選ばれたこともある。
飲み方としては、10度から15度の冷酒で飲むと、すっきりとした味わいを楽しむことができ、懐石料理などに最適だ。特にホタテ、甘えび、ウニ、イクラなどの魚介類や、鴨、チキン、チーズなどと相性がいい。
ちなみに、箕輪門の名は、江戸時代に二本松藩を治めた丹羽氏の居城、二本松城の楼門、箕輪門が由来。明治維新の戊辰戦争で焼失したが、昭和57年に再建された。
江戸時代から代々続く酒蔵 大七酒造
銘酒、箕輪門を製造している大七酒造は江戸時代中期から福島県二本松市で、代々、伝統的な酒造法を守り続けてきた酒蔵。今や数少なくなってしまった生もと造りの全国有数の担い手として高い評価を得ている。
二本松市は日本百名山の1つ、安達太良山(あだたらやま)の山麓に位置し、日本三大井戸として知られる日影の井戸を有するなど、名水を産出する地として知られる。このため、二本松市では古くから酒造業が盛んで、現在は大七酒造など4つの蔵元がある。
伝承によると、大七酒造の当主を代々引き継ぐ太田家は清和源氏に連なる家柄とされ、江戸時代に伊勢から3人兄弟で移り住み、酒造業を始めた。現在の大七酒造は1752年に創業した分家で、今は十代目となっている。
大七酒造では”箕輪門”など5種類の大吟醸酒を製造しているが、すべて生もと造りの純米醸造。最高級酒こそ、メーンデッシュに合うものでなければならないがモットーで、その力強い味わいは、高級な和食はもちろん、濃厚な西洋料理にも合うと海外からも絶賛されている。
箕輪門の相場とは
最近は海外を中心とした日本酒人気の高まりで、知名度があり、入手が困難な銘柄になると、1本20万円近くで業者が買い取ることもある。
しかし、”大七 箕輪門”については、そこまでの値はつかないようだ。
日本最大級のネットオークションサイト、ヤフーオークションを見てみると、2018年12月、箕輪門1.8L(箱なし)が1本4200円で落札されている。箕輪門1.8Lの定価は8,640円(税込み)なので、おおよそ半額の値段だ。
オークションでは、箱の有無や製造時期、商品の状態によって、落札価格も変わるので、一概にはいえないが、買取査定を受ける場合の1つの目安にはなるだろう。
箕輪門を高く売るには
日本酒を高く買い取ってもらうには、ちょっとしたコツも必要だ。細かなところに気を配るだけで、査定額が大きく上がることもある。
大七 箕輪門を買取査定に出す前に気をつけておきたい点は大きく3つある。
化粧箱やラベルの状態を確認
日本酒で買取をしてもらう前に、まず確認しなければならないのは、未開封であることだ。酒の劣化や衛生面を考えれば、あたり前のことだが、保存状態によっては、未開封でも開封済みと判断されることがあるので注意が必要だ。
通常、酒瓶の口のキャップは、キャップシールというビニールで覆われていたり、封印紙が貼られていたりする。これは、開封されていない証拠となるので、ビニールや封印が破損していたり、なくなっていたりすると未開封とは認められない。
キャップがきちんと封印されているかどうかを確認したうえで、キャップ付近を中心に瓶全体をきれいに磨いておくと、査定の際の印象も良くなる。
また、”箕輪門”は通常、立派な化粧箱に納められて販売されている。全体的に銀色でツタの葉の図柄がデザインされた化粧箱は、いかにも高級感が漂う。こうした化粧箱は捨てずに、酒を箱に納めた状態で業者に持ち込むと、査定額もプラスになる可能性が高い。
当然のことながら、化粧箱も汚れや破損した部分がなく、きれいに保たれていることが望ましい。
出荷から日にちが経っていないものを
箕輪門にはラベルに、醸造年度と製造年月が記載されている。日本酒の場合、製造年月とは瓶詰めした時期を示す。日本酒に賞味期限の表示の義務はないが、一般的に製造年月から6カ月程度が、おいしく飲める期間だといわれている。
だからといって、この期間を過ぎると飲めなくなるわけではなく、大七酒造によると、逆に、瓶詰めしたま長く熟成させることで、酒が驚くほどおいしく成長することもしばしばだという。
ただ、これは日光を避け、冷蔵庫や冷暗所で正しく保管していた場合のことであって、素人がいい加減な保管をしていては、当然のことながら酒が劣化してしまう。へたをすると、買取を断られてしまうかもしれない。
買取店側も、保存状況まで確認することができないので、売るのであれば早めにするのが望ましい。日本酒については、製造年月から半年以内でなければ買取不可としている業者が多く、製造年月から3カ月以内に買い取ってもらうのが良いだろう。
まとめ売りでプラス査定になることも
箕輪門に限ったことではないが、日本酒を買い取ってもらう際は、できるだけ多くの酒をまとめて出したほうが良い。これは、同じ銘柄の酒である必要はなく、違う銘柄の酒を取り合わせても、10本以上になると査定でプラスされることが多い。
現在、箕輪門はそれほど買取価格が高額ではないので、1本だけでなく10本ほどまとめて持ち込んだほうが、多少査定額がアップする見込みがある。
箕輪門の買取業者情報
日本酒の買取価格は業者によって、かなりの差が出る。買取店によって、得意分野や専門性があり、貴金属やブランド品など幅広い商品を手がける業者だと、酒に関する専門知識を持つスタッフがいないこともある。そうなると、やはり酒に関する専門知識がある酒買取業者のほうが安心できるだろう。
また、業者によって、日本酒に強い店やワインに強い店、海外への販売ルートを持っている店など、それぞれ特徴がある。日本酒を売るのであれば、日本酒に強い店を選んだほうが高く買い取ってもらえる可能性が高く、できれば競合店の多い都心部の店を選びたい。
具体的に、どのような専門店が箕輪門を買い取ってくれるのか、紹介しよう。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ブランド品や貴金属から家電、チケットまで多岐にわたる商品を扱う買取のプロフェッショナル。全国に200以上の店舗があり、年間の買取件数は150万件以上。酒類の買取にも力を入れている。
一般的に、幅広い商品を扱う総合的な買取業者よりも、分野を絞った専門買取業者のほうが高い査定額を提示してくれ、有利だとされる。しかし、大黒屋は総合業者にもかかわらず、酒の専門知識を有する査定員が在籍しているため、専門業者に近い適正な価格の提示が期待できる。
査定方法は5つ。メール査定・LINE査定のほか宅配査定・出張査定があり店頭での査定も可能だ。いずれも無料で査定が受けられる。
また、ホームページには、取引実績に基づく参考価格表が掲載されていて、数多くの銘柄の買取額相場を知ることができる。これを見れば、査定を受けなくても、買取上限額を確認し、大まかな価格の見当をつけられるだろう。
高額で買い取った酒については写真つきで紹介されており、こちらも参考になる。
大七 箕輪門を検索してみると、1.8Lで2,000円と出た。これはあくまでも、参考価格なので、実際の買取価格とは異なる場合もある。
5つの査定方法のどれを選んでも出張料・査定料・キャンセル料などは一切かからないので、実際にいくらになるのか確認してみても損はない。アイテムによっては思わぬ高値も期待できる。
パスワーク
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
酒だけを取引する酒買取専門店。日本酒はもちろん、ワイン、シャンパン、ウイスキー、焼酎、ジンやテキーラなど数多くの酒を扱っている。
酒に関する知識や取引経験の豊富なスタッフがいるので、適性な査定価格が期待でき、店のうたい文句も、買取価格の業界最高値。交渉次第では比較的高額な値も期待できるだろう。
査定方法は、オンライン査定・LINE査定・写メール査定・FAX査定・電話査定の5つ。オンライン査定はホームページに査定依頼フォームがあるので、すぐに問い合わせることができる。
店舗は大阪市西区にしかないので、大阪以外の人は店頭への持ち込みは難しいが、査定・買取ともに全国どこでも受けつけている。
パスワークに実際、箕輪門1本のメール査定を申し込んだところ、1時間ほどで回答が届いた。対応が早く好感が持てる。仮査定額は2,000円で大黒屋の参考価格と同額だった。やはり、このあたりが上限価格の相場なのだろう。
ファイブニーズ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
パスワークと同様の酒買取専門店。ソムリエの資格を持つなど酒の専門知識を有するスタッフが在籍し、飲食店などとの強いつながりもある。リサイクル品を幅広く扱う総合業者では断られるような商品でも買い取ってもらえる可能性があり、商品によってはコレクター向けとして、空のボトルも買い取っている。
ちなみに、ファイブニーズの名前の由来はマズローの五段階欲求説。人の仕事への欲求には5段階あり、それぞれの欲求が満たされると、より上位の欲求を目指すようになるという説で、最上級は自己実現の欲求。日本一のサービスを実現することで、自己実現欲求を満たすという。
もちろん、専門業者の強みで、より適正な買取最低額の提示も期待できる。ホームページには買取実績や買取可能な商品が数多く取り上げられているので、査定前にホームページを確認するとおおよその相場が分かることもある。
査定方法はメールによるオンライン査定と、携帯電話やスマートフォンで写真を撮影して送る画像査定、あとはFAX査定・電話査定の4つ。どれも24時間、無料で受け付けてもらえ、2日以内に仮査定を出してもらえる。
ファイブニーズにも箕輪門1本のメール査定を申し込み、1時間ほどで仮査定額1,000円の回答が届いた。数が少ないからか、こちらも対応が早い。さすが24時間対応とうたっているのはダテではないと感心する。
さきほどの2社に比べると半額だが、あくまでも仮査定なので実際に商品をみれば額も変動する。商品の状態さえ良ければ、ほかの業者が2,000円を提示していることを伝えると、査定額はもう少し上がる可能性が高い。
店舗は東京・錦糸町の本店をはじめ、札幌から福岡まで11店舗。ただし、出張査定・買取が多いので、店舗での査定・買取をおこなっていない店もある。持ち込みの場合は、事前の問い合わせが必要だ。
まとめ
日本酒は素人には保管が難しいこともあって、買取は製造から6カ月以内などと条件をつけている業者が少なくない。ウイスキーやブランデーなどアルコール度数の高い酒であれば、年月が経っても劣化しにくいため、古い酒でも高値で売買されることもある。
しかし、日本酒はアルコール度数が低く、糖度も高いものが多いので、品質の劣化が起こりやすい。それだけに、長く手元に置いていても、値上がりすることはほとんど期待できず、飲まないのであれば、早めに売却したほうが良い。
福島の銘酒として知られる七大 箕輪門だが、通信販売などで容易に手に入ることもあって、査定価格は上限2000円程度とさほど高くはない。それでもほかの酒と合わせて10本程度で持ち込めば、多少はプラス査定も期待できるはずだ。
きれいに瓶も磨き、できれば化粧箱にも入れて見栄えを良くし、1円でも高く売ってほしい。