福井県鯖江市の酒蔵合資会社 加藤吉平商店で造られる梵。昭和天皇に献上される地方選酒として選ばれたこともある、まさに日本を代表する由緒ある日本酒の1つだ。近年では100以上の国や地域において、梵という銘柄で商標登録済み。
各国の公式行事晩餐酒として多数の在外交館で使用されるなど、もはや世界も認めた日本酒である。この記事では、梵がどのような日本酒なのか、特徴や希望小売価格、買取価格についてまとめよう。買取業者の特徴や買取価格も調査しているので、比較していただきたい。
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梵ってどんな日本酒?
梵=BORNには英語で誕生、フランス語で素晴らしい、サンクリット語で真理とさまざまな意味が込められている。このように各言語で発音しやすく、ネーミングセンスの素晴らしい梵には、他の日本酒とはまた違った物語があるのだ。
加藤吉平商店の軌跡
加藤吉平商店の創業は1860年、すでに160年近くと歴史ある造り酒屋である。日本酒の造り酒屋には~酒造と付くことが多いが、なぜか加藤吉平商店は商店。というのも、加藤吉平商店は創業当初、両替商や床屋など日本酒とは異なる商いをしていたのだ。
先祖が日本酒製造に参入すると、昭和初期には昭和天皇に献上される地方選酒として選ばれるまでに成長した。当時は最高級品にのみ梵としていたが、1963年にすべての商品を梵に統一。1968年には日本初となる大衆向けの大吟醸酒が発売された。
福井県の地酒として少しずつ普及した梵は、昭和後期になると国賓の歓迎晩餐会の乾杯酒、JR民営化の際の鏡開き用に指名。1998年には国際酒祭りにおいて、梵・氷山がグランプリを受賞するなど、日本を代表する日本酒として知られるようになった。
梵が受け継ぐ3つのこだわり
梵が世界的なイベントで指名されるほど評価されるのには、加藤吉平商店が創業当初から受け継いできた3つのこだわりが関係している。
手造りへのこだわり
加藤吉平商店では創業当初から伝統的な手造りにこだわっている。今なお多くの工程に酒造りの職人杜氏が関わっており、職人の手によって丁寧に造られているのだ。
素材へのこだわり
素材に対するこだわりも強く、梵に用いられるのは米と水、それと米麹の3つのみ。体に優しく、心からうまいと感じられる日本酒を作りたいと先代の思いからである。
熟成へのこだわり
梵の酒造工程では熟成にもこだわりがあり、すべてのお酒は氷点下の環境で氷温熟成される。最低1年、中には10年以上熟成したものもある。加藤吉平商店ならではの丁寧な酒造りだ。
3つのこだわりによって造られる梵は、まるで熟した果実のようにフルーティー。優しい香りと滑らかな口当たりも特徴的で、国内外から高く評価されるのも頷ける。
梵の種類と特徴
梵は日本酒として完成度が高いだけでなく、瓶やラベル、箱のデザインまで素晴らしい。普段の晩酌用としてはもちろん、贈答用としても人気だ。ただ、種類が多いので、買取にだす前に各々の特徴と希望小売価格を確認しておこう。
梵 天使のめざめ
フランス型樫樽による長期氷温熟をさせた梵 天使のめざめ。日本酒としては珍しく、パイナップルとすももの酵母で醸している。そのため、口に含むとほのかにフルーティーな甘酸っぱさを感じることが。
完全予約でしか手に入れられない希少な限定品だ。
・希望小売価格…500ml 19,048円(税別)
梵 超吟
氷点下10度で約5年、長期熟成されたお酒をベースに造られる梵 超吟。長期熟成された日本酒は香りに奥行きが生まれ、味に深みが増す。さらに、ラベルには2羽の鳳凰のイラストが施され、まさに究極の純米大吟醸にふさわしい。
完全予約制の希少な限定品だ。
・希望小売価格…720ml 10,000円(税別)
梵 夢は正夢
良い夢が正夢となる良いことを願って造られる梵 夢は正夢。酒米の王様山田錦、その中でも高品質なことで知られる兵庫県産のもののみを使用している。深い香りとどっしりとした味わいが特徴的。にも関わらず、あとに引きずらないすっきりとした口当たりだ。
・希望小売価格…1,000ml 10,000円(税別)
梵 極秘造大吟醸
梵の酒造りでは比較的温かい、0度の環境で約3年間じっくり熟成された梵 極秘造大吟醸。1968年に日本初の大衆向け大吟醸酒として発売されたことでも知られる。梵の中では大衆向けだが、2002年の国際酒祭りでは酒芸術大賞、グランプリを受賞したほど評価が高い。
・希望小売価格…720ml 5,000円(税別)
梵 寒椿
時代を感じる瓶、ラベルデザインで古きよき日本酒を思い出させてくれる梵 寒椿。0度以下で1~2年間氷温熟成されたものから造られており、あと味までしっかりしているのが特徴。寒椿のように花が散ってもなお心に残るような日本酒である。
・希望小売価格…1,800ml 7,000円(税別)
梵 氷山
氷点下5度で1年間氷温熟成して造られる梵 氷山。透き通るような味わいはまるで氷山のようにすっきりと。3本の瓶を組み合わせたデザインは氷山、人生、宇宙の3つを表現している。
加藤吉平商店が世界の平和をコンセプトに開発した祈願酒だ。
・希望小売価格…300ml 3,000円(税別)
梵 吟撰
梵の中では比較的手頃な価格帯で楽しめる梵 吟撰。大衆向けの純米大吟醸として広く親しまれているが、実は2010年のインターナショナル・ワイン・チャレンジにおいてチャンピョン・サケを受賞したこともある。低価格ながらも世界から高く評価される日本酒だ。
・希望小売価格…720ml 1,600円(税別)
梵 槽場旬搾り
ありのままの生原酒を一滴ずつ丁寧に集めてできる梵 槽場旬搾り。しぼりたて、無添加だからこそ香りが高く、フレッシュな旨みを感じられる。吟撰と同様、比較的手頃な価格帯で販売されているため、中古買取市場での高価買取は望めないが人気は高い。
・希望小売価格…720ml 2,500円(税別)
梵 吉平
梵のラインナップで唯一、創業者の名前が付けられた梵 吉平。創業者の思いを、伝統を受け継ぐ名酒として加藤吉平商店の看板商品の1つである。ムダな素材を一切使用しないため、素材の旨みをシンプルに感じられ、毎日でも楽しみたくなる日本酒だ。
・希望小売価格…720ml 2,200円(税別)
梵は買取可能?
梵には昭和天皇に献上されたこと、国賓の歓迎晩餐会の乾杯酒に指名されたこと、国際酒祭りでグランプリを受賞したことなど、さまざまな実績がある。日本酒として国内外からも評価が高く、それだけに中古買取市場においてもおおむねどこの買取業者も対応可能だ。中でも、天使のめざめや超吟のように、完全予約制の商品は高価買取が期待できる。
これは希少性が高いだけでなく、瓶やラベル、箱のデザインまでも美しいため、買い手がつきやすいのだ。箱などの付属品がある場合は、大切に保管しておくことをオススメする。ただし、梵にも吟撰や槽場旬搾り、吉平など大衆向けの比較的手に取りやすい価格帯のものもある。
そもそもの希望小売価格が低いだけに、これらの高価買取は期待できない。もし、吟撰や槽場旬搾りなどが手元にあるのなら、ムリして売らずに自分で楽しむのも1つである。
梵の高価買取査定ポイント
梵も種類によるが、天使のめざめや超吟など希少性の高いものは高価買取されやすい。しかし、必ずしも高価買取されるわけではないので、次のポイントを確認しておこう。
買取前に箱や瓶を掃除する
梵の多くは瓶やラベル、箱のデザインが美しいだけに、買取前には掃除しておくことをオススメする。というのも、梵のようにデザインの美しいもの、希少性の高いものほどそれら付属品の状態まで買取価格に影響しやすいのだ。例えば、乾いた布で瓶や箱を拭くだけでも十分である。
目につくホコリやゴミを手で払っておくだけでも良い。ちょっとした手間ではあるが、この手間で買取価格が少しでも上乗せされるのなら試してみる価値はある。
日本酒は賞味期限を要確認
梵もあくまで飲食物であり、当然ながら賞味期限が存在する。賞味期限が切れると飲食物としての価値はなくなり、買取業者ではまず買い取ってくれない。梵のような日本酒の賞味期限は短いもので6ヶ月、長いものでも1年程度なので注意しよう。
また、買取業者によっては瓶詰めされてから6ヶ月以上のものは買取不可としているところも多い。6ヶ月以上のものとなると、買い取ってから転売するまでに賞味期限が切れてしまう恐れがあるためだ。
限定品は付属品も確認する
箱や瓶の掃除の話でも登場したが、梵のようにデザインが美しいもの、希少性の高いものは付属品にも価値があるので残しておこう。日本酒ファンの中には中身を楽しんだ後、瓶や箱などの付属品をキレイに残してコレクションしていることがあるのだ。
お酒専門の買取業者を選ぶ
一口に買取業者といっても、各々に得意とするジャンルは異なる。当然、不得意なジャンルに対しては知識があまりなく、対応できなかったり、対応できても買取価格が低くなったりするので要注意だ。そのため、梵の買取にだすのであれば、お酒専門の買取業者を選ぶのが良い。
さらに、お酒専門の買取業者の中でも、とくに日本酒に特化したところが望ましい。また、特定の商品に対して高価買取キャンペーンを実施しているところもある。少しでも高価買取を望むのなら、どこに買取にだせば良いのか買取業者選びにはこだわってもらいたい。
複数の買取業者を比較する
買取業者を選ぶ上でポイントとなるのが相見積もりである。相見積もりとは、条件を揃えて複数の買取業者に見積もりを依頼すること。同じ条件で見積もってもらうため、純粋にもっとも高値を提示してきた買取業者がどこか分かりやすい。
また、せっかく相見積もりをするのなら、見積もり内容を活用して価格交渉にも挑戦してみよう。他社より1円でも買取価格を高くすることをモットーにしている買取業者もあり、交渉すれば意外なほど買取価格が上乗せされることがあるのだ。
オークションの出品価格を参考にする
梵の買取に関しては、オークションを利用する手もある。オークションでは最高値をつけた入札者に買取の権利がある。天使のめざめや超吟のように完全予約制、希少性の高い日本酒はオークションでも高値が付きやすいのだ。
例えば、ヤフオクでは梵 天使のめざめが20,571円(税込)で出品中。また、モバオクでは梵 超吟が13,800円(税込)で出品されていた。ただし、オークションにはサービス利用料の他、入札後には出品者が梱包や配送手配をする手間がかかる。
梵の買取業者と相場一覧
梵はおよそどの買取業者でも対応している。しかし、買取業者によって買取価格に差がある。1,000円以上差のつく場合もあるので、次の買取業者と買取価格を参考にしてもらいたい。
ファイブニーズ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
お酒を専門に取り扱っているお酒買取ファイブニーズ。ウイスキーやワインに並び、ファイブニーズでの高価買取ジャンルで3位が日本酒だ。梵を買取にだすのでも、ファイブニーズであれば専門的な知識も豊富なため高価買取が期待できる。
- 店舗からのコメント
- 1年以上経過している日本酒はお取り扱いできません。
- 買取価格
- 天使のめざめ 500ml:2,000 円
超吟 720ml:9,000 円
寒椿 1,800ml:800 円
無ろ過生原酒 1,800ml:1,000 円
ストックラボ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
店頭買取だけでなく、宅配買取や出張買取などさまざまな買取方法から選べるストックラボ。ブランド物や宝石類なども取り扱う総合買取業者ではあるが、お酒の専門知識をもった査定スタッフが在籍しており納得の買取価格を提示してくれる。
- 買取価格
- 寒椿 1,800ml:2,000円
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
年間買取150万件以上、買取実績No.1を誇る大黒屋。総合買取業者ではあるものの、お酒専用ページがあり酒類の買取にも力を入れている。また、ホームページ上から対象商品で検索すると、参考買取価格を簡単に調べられるのも魅力的だ。
- 買取価格
- 超吟 720ml:8,000円
日本の翼 純米大吟醸 720ml:1,500円
極旨 純米大吟醸 団 中取り 磨き二割 1,800ml:7,000円
まとめ
梵には昭和天皇に献上されたり、国賓の歓迎晩餐会の乾杯酒に指名されたりと実績がある。さらに、天使のめざめや超吟のように希少性の高いものもあり、高価買取されやすい日本酒だ。ただし、高価買取されるのは状態が良かったり、付属品が残っていたりするものに限られる。
また、買取業者によって買取価格に差がでやすいので、まずは複数社に査定を依頼してみよう。もし飲む予定のない梵を所有しているのなら、早めに買取にだしていただきたい。