毛皮製品はファッションアイテムを中心としてさまざまなものがあるが、本物であれば価値が高いことが多い。買取業者に頼んで売ってしまおうと思ったら、いつ売るのが最もお金になるのだろうか。毛皮が必要とされるのは冬が主だと考えると、冬に売るのが良いと思うかもしれない。本当にその考え方が正しいのかどうかをいろいろな角度から考察してみよう。
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消費者はいつ欲しいと思うのか
最初に考察しておきたいのが毛皮のコートやマフラー、手袋など、毛皮製品を消費者がいつ欲しいと思うかだ。買取業者は毛皮を売りたいという人から買い取って、消費者に中古品として販売して購入してもらうことにより利益を得ている。その販売時期がいつになるかを知っておかなければ、買取業者がいつ毛皮を仕入れたいかがわからないだろう。
一般的に毛皮でできているファッションアイテムの場合には保温性や保湿性が高いことから冬のためのアイテムがメインになっている。そのため、消費者は冬に身に付けたいと考えて購入するのが基本だ。
毛皮のクッションマットなどもあるが、やはり夏は暑苦しいので使わずに寒い時期になったら押入れから出してくるということも多い。基本的には冬に使うために消費者が買おうと考えると念頭に置いておこう。
買取業者の戦略を考えてみよう
買取業者は商品候補となる毛皮製品を消費者から買取、その買取価格よりも高い値段をつけて販売して買ってもらうことで利益を得ている。基本的にはたくさん仕入れて、十分なマージンを設けてたくさん売れば利益が増えるという仕組みだ。ただ、安く買い叩こうとしてしまうと他の業者に売られてしまう可能性も高い。
買取のときには基本的には査定をおこなって買取価格を提示し、売りたいと思っている人が納得したら売買が成立する。査定結果に満足できなかった場合には売るのはやめてしまうことができるのである。そして、他の業者で査定を受けてみて、より高く売れるところが見つかったら買取を依頼するということが可能なのだ。つまり、仕入れにかかるコストはあまり削減することができない。
一方、販売のときにも同様で毛皮製品の一般的な相場よりも高い値段をつけてしまってはほとんど消費者に目を向けてもらえないことになる。状態が悪ければさらに価格は低下してしまうのが通例だ。そのため、買取業者が利益を拡大していくためには適正な買取価格と販売価格を設定し、できるだけ商品のフローを速くすることが重要になる。たくさん仕入れてすみやかにたくさん売るのが買取業者にとっては最も肝心なのだ。
特に毛皮製品については管理コストがかかるのでこのようなスピード感が重要になる。夏場には虫がついてしまう可能性が高く、手入れが不十分な毛皮はカビも問題になりやすい。光にも弱くて変質や変色を起こしてしまうリスクがあるため、快適な環境を整えて手入れをしていかなければ良好な状態を保つことはできないのだ。
買い取った当初に比べて状態が悪くなると販売価格を下げなければならないので利益が減ってしまう。管理コストがかかる上に販売価格が下がるとなると赤字になるリスクすらある。そのため、いかにして売れる時期の直前に大量に仕入れるかが業者にとって大切なのだ。
戦略からわかる売却に適切な時期
このような買取業者の戦略を考慮すると毛皮買取を依頼する時期として適切なのは秋だ。消費者が毛皮のアイテムを買おうと探し始めるのは冬に入る少し前から冬の最も寒い時期くらいまでということが多い。冬に備えて良いものを買っておこうという周到な消費者と、本当にシーズン入りしてから必要を感じて買う消費者とがいるからだ。つまり、晩秋の時期にはある程度の在庫を抱えておいて売りたいというのが買取業者の本音なのである。
夏が過ぎて涼しくなると毛皮の劣化も進みにくくなり、在庫の保管にかかるコストも抑えられるようになる。その意味では10月以降になって買取業者が本格的に毛皮を仕入れようと考えるようになると言えるのだ。ただ、毛皮製品を取り扱っている業者は1つではない。かなりの数の競合他社がいるので、いかにして消費者に売り先として選んでもらえるかを業者も考えなければならないだろう。
その戦略としてよくおこなわれているのがキャンペーンだ。強化買取という形で宣伝されていることも多い手法で、標準的な査定結果に上乗せして買取価格を決めてくれるシステムが多い。このタイミングを逃さないようにするのが買取業者で高く売るためのコツである。
ただ、気をつけておきたいのは必ずしも買取強化を大々的に宣伝しているとは限らないということだ。買取価格を上げるということは、一商品あたりの利益を減らすことになってしまう。宣伝広告にはコストがかかることも考慮すると、あえて大々的にはおこなわずにコストがほとんどかからない方法で宣伝するケースも多いのである。
店頭にポスターを掲示したり、オフィシャルサイトに広告を掲載したりする程度のことが多い。ポスティングやチラシ、ウェブ広告などを使って宣伝できるのは大手くらいということは知っておくと良い点だ。秋口になったら買取店に連絡して強化買取をしているかどうかを確認してみるのが合理的である。
冬に売りたいならどうするか
もう既に冬になってしまったけれど、やはりこの毛皮はいらないから売ってしまいたいということもある。冬に売りたい場合には買取業者を使うのは適切なのだろうか。消費者は冬の厳寒期くらいまではよく購入してくれるため、まだ初冬であれば買取強化をしている業者が見つかる可能性はある。そうでなくともすぐに売れるような状態の良いものであれば比較的高く買い取ってくれるので早めに査定を受けてみるのが肝心だ。
ただ、消費者の動向から考えると必ずしも買取業者に依頼するのが最良の方法とは限らないので気をつけよう。冬になってしまったなら、今すぐに毛皮が欲しいと思っている消費者が多い。この時期ならヤフオクなどのインターネットオークションやメルカリなどのフリマアプリが有用だ。
あるいはファッション専門のフリマアプリやネットショップもあるので利用を検討してみよう。インターネットオークションやフリマアプリでは消費者が購入意志を示してくれないと売れないのが問題点だ。消費者が欲しいと思っている時期を選んで売らないとなかなか買い手が見つからずに困ることがある。しかし、冬に毛皮を売るというパターンは絶好の方法で、こんな毛皮が欲しかったという人がすみやかに落札してくれると期待できる。
一般的にはこのような方法を選ぶと業者に買い取ってもらうよりも高く売れる傾向がある。個人間取引であるインターネットオークションやフリマアプリでの販売では中間マージンが発生しないからだ。ただ、購入する方ももしかしたら不正をしている出品者かもしれないという不安を抱いたり、保証を受けられなかったりするのを承知で購入するため、中古販売店で売られているものよりも安くないと買わないことが多い。
送料の負担もあることを計算して本当に安いかを考えてから買うということもよくあるのが実態だ。そのため、中古販売店での相場よりも安く販売しなければなかなか買い手が見つからないが、それでも中間マージンを取られるのに比べると高く売れるのが一般的である。冬に売ろうと思ったなら試してみる価値がある方法なのだ。
特に希少価値が高い毛皮の場合にはオークションで高額取引されることも珍しくはない。競り合いが起これば開始価格として設定した金額よりも大幅に高い落札額になる可能性があるからだ。ブログやSNSで話題になっているような毛皮製品を売りたいと思っているなら、ヤフオクなどのインターネットオークションへ出品することを前向きに検討してみよう。
冬が終わった時期は売れない？
この冬に使った毛皮のコートや手袋などを来季まで持っているよりも売ってしまいたいという人もいる。冬の時期が終わってしまうと買取業者もキャンペーンを終えてしまって特に高く売れることはなくなる。また、消費者も全体としてはこれからは春のファッション、あるいは夏に向けた涼しげなアイテムを求めるようになりやすい。
インターネットオークションやフリマアプリで出品してもなかなか買い手が付かないという状況に陥ることが多いのは確かだ。ただ、冬が終わってしまったら売れないかというとそうとは限らない。有名ブランドの毛皮だったり、希少価値のある本物の毛皮だったりする場合には、今のうちに買って次の冬に使いたいと思う消費者もいる。
まずはヤフオクやメルカリなどに出品してみて消費者がどう捉えるかを見てみると良い。それで売れてしまえば文句はないが、売れなかったとしてもとりあえず消費者がすぐに買おうという意識がないことが理解できるだろう。この時点で本当に売れなかったとしても気にかける必要はない。買取価格の上乗せがないだけで、買取業者に相談すれば売れるのが通例だからだ。
買取業者も秋から冬にかけて仕入れた毛皮を全て売り切っているわけではない場合がほとんどである。その毛皮を廃棄処分してしまうとまたコストになるという問題もあり、どうせなら来季に販売した方が良いと考えることが多いのだ。そのため、冬が終わった時期であっても標準的な相場価格で買い取ってくれるのが一般的になっている。
また、買取業者の中には充実した設備が整っている倉庫を用意していて、来季まで毛皮を良好な状態に維持できるようにしているところもある。このような業者では冬が終わった時期に多少とはいえ買取強化をすることもあるので情報収集を怠らないようにしよう。
まとめ
毛皮を業者に買い取ってもらうときには強化キャンペーンがおこなわれることが多い秋から初冬の時期を狙うのが最も良い方法だ。消費者は冬の少し前から厳寒期に毛皮製品を買おうと思うことが多いため、この時期には買取業者だけでなくインターネットオークションやフリマアプリなども検討しよう。冬が終わってしまっても買取業者では売れるので諦める必要はない。
