一つの本が一人の人生を変えることがある。特別な思い入れのある本、影響を受けた本といったものは誰しも本棚に置き、手元に残しておきたいものだ。
そんな本があろうことか破損してしまった、もしくは脆くなって破損しかけている。今回はそんなときの対処方法を紹介したい。
Holidays / mripp
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
大事な書籍がビショ濡れになってしまった
「スープをこぼしてしまった…」だとか「突然の雨で本が雨ざらしに…」なんていう経験がある方も多いかと思う。そのまま放置していたらページがよれて、不快な手触りのまま修正が難しくなる。そんなときにぜひおすすめの対処法だ。
これには実は処置の方法が多い。今回紹介するのが「冷凍庫」を使った復元方法だ。用意するものはジップロックと冷凍庫のみでOKだ。手順としては以下の通りだ。
冷凍庫での修復手順
1.濡れてしまった本をジップロックの中にいれる。このとき、口を閉めないように注意する。
2.本の入ったジップロックを冷凍庫に約24時間程入れ、浸み込んでしまったしまった水分をとばす。(冷凍庫のスペースに余裕があり、可能であれば垂直に縦向きにいれたい)
以上のように比較的手順は簡単で、冷凍庫から本を出した時はまだパキパキに感じるものの元の状態にかなり近づく。しかし、ページの上下の淵などがまだ乾ききっていないこともあるのでドライヤーなども手順前後に併用するとより効果が期待できるだろう。
破れてしまったら、張り付ければいい
思わぬ拍子に本や教科書のページを破いてしまうことがある。やっぱり破れたページのある本というのは読みにくいうえに、見栄えが悪い。しかし、そんな本でも破れた部分に白いのりしろとなる部分が存在すれば、復活させることができる。
この時注意したいのはセロハンテープを使ってはならないということだ。セロハンテープは経年劣化が激しく、色が変わってしまい、もろくなってしまう。セロハンテープを紙にはると剥がれづらい上にそこから劣化してしまう。長期間保持する本にとってセロハンテープでの修復は厳禁だ。
破れたページの復元手順
1.準備するものは本の修理用の接着透明フィルム(ブックコートフィルム)、ボンドのみである。
2.始めに、破れた部分に合わせてブックコートフィルムを貼っていく。このときに、定規やへらなど上からおさえてまっすぐに張り付けやすくできるものがあると便利だ。
3.次に、ページの下にクッキングシートを敷いてから、ボンドを水で溶かしたものを塗り、そして破れた部分を丁寧に貼り合わせる。このときボンドが他の部分にくっつかないようにもう一枚クッキングペーパーを上からかぶせる。
4.本を閉じて固定する。輪ゴムでとじ、ペーパーウェイトなどで重しをするとよい。その状態で一日待つ。
破れたページの白い部分が少ないときは作業難度が少々上がるが、より丁寧に工程をこなし精密さを上げることで基本的にページが破れた時はこの方法で対応できる。
本は中古で出回ることが多いものの代表格だ。中古の本は多くの人が手にとったことがあるだろう。本を買い取ってもらう際には、本の状態は非常に重要になってくる。
古本を売る前にやるべきこと
ここでまず声を大にして言いたいのは古本屋の査定基準は店舗によって大きく異なるということ。そのため、どういった本が高く売れるかを明確に言及することはできない。
中身を見る店もあれば、見ない店も存在する。必ず見られる点としてはやはり清潔さであろう。中にはいくら保存状態が綺麗かという点だけで買取価格を決める店もある。ここでは本を売る前の簡単なケアを解説したい。
一番重要なブックカバーを綺麗にする
カバーのみで値踏みする店も実はある。要するに最も売値に影響する。
光沢のあるタイプはウェイトティッシュと乾拭きでふくのが良い。そのほかは台所用洗剤などを霧吹きして綿棒や乾拭きでふき取るのがベターだろう。和のりを爪楊枝につけて汚れをピックアップするのも有効だ。
シミも洗剤で取り除く
有名な手法であるが塩素系漂白剤でガーゼ、ティッシュ、筆、綿棒など浸して拭き取る方法で大体万事解決できる。
落書きやメモを消す
参考書などの場合、中にメモ書きをしているケースもあるだろう。時間の許す限りではあるが、消しゴムで消すなどして綺麗にしておきたい。あまりにも書き込み量が多い場合は諦めるしかないが、査定時の印象を上げることが出来る可能性もある。
管理状態を整える
本を汚してしまったら綺麗にする方法を紹介してきたが、綺麗に保管する方法も紹介しておきたい。綺麗に保管しておくと、持ちも良くなるので参考にしてほしい。
紫外線からの保護
紫外線は日焼けの原因となる。古い本で背表紙の文字が読めなくなるくらい薄くなっている本を見たことはないだろうか。あれは紙が日焼けしてしまっているのだ。
紫外線は紙の劣化を早めてしまう。なので陽の差し込む窓際に本棚を置くことは御法度だ。また、蛍光灯でも紙は日焼けしてしまう。ずっと電気のついているところに置いておくことも避けよう。
ホコリはカビや虫を増殖させる
長い間読んでいなかったため、ホコリが積もってしまっている本はないだろうか。ほこりはカビや虫のえさとなってしまう。こまめに埃をはらって本棚の掃除をしよう。
室温、湿度にも注意
本を保管するのに適した室温は大体16度から22度。涼しいところがよい。湿度は低ければ低いほどよいが、上限は60%くらいにとどめておきたい。
湿気で注意しておきたいのは、ダンボールに入れておくと湿気で本が傷んでしまうことがあるということだ。ダンボールは湿気に弱い。
本棚のキャパシティを超えてしまった時にダンボールに入れて置いておいたりしてはいないだろうか。もしくは引越しなどのあと、ダンボールを開けずに放置しているものはないだろうか。そういったものはダンボールからすぐに出してほしい。
本をしまうならプラスチックのケースを利用すると湿気から守ることができる。乾燥剤などを入れておくのもおすすめする。また、毎年1回のペースでよいので箱から出して虫干しするとよいだろう。
本棚での状態
本棚はギチギチに詰めても、逆に全然本がなく、斜めになってしまったりするのもよくない。本を取り出すときに本の脇に指が入る程度の並べた状態がよいだろう。
本が少なくスカスカになってしまう場合には、ブックエンドなどを利用して本が倒れることのないようにしよう。
読むときの注意
本を開いた状態で下向きにして栞がわりにしたことがある人もいるだろう。これは本を傷めるので厳禁だ。面倒かもしれないが栞を使ってほしい。
また、カバー表紙を取り外して読む人もいるだろう。これは問題ないが、そのカバー表紙を捨ててしまうと古本屋で買い取ってもらえる確率がグッと下がるので、読み終わったらカバー表紙を付け直してほしい。
ブックカバーの使用も効果的だ。本とカバー表紙両方が保護できるため、なるべくブックカバーをつけて読んだほうがいいだろう。また、扱いに困る帯だが、これが付いていると古本屋での買取価格があがる場合があるので、つけておいた方が無難だろう。
状態の悪い古本の処分・回収
汚れの目につく本の処分はゴミや古紙回収などが一般的であろう。稀に買い取り業者が引き取ってくれるパターンもあるが基本的には処分と言う形で対応することになることだろう。
個人でネットを使い出品するのも手ではあるが状態の悪い商品はトラブルの種となることが多い。そのため、おすすめはできない。
実は裏技として使えるのが、図書館やその他の地域施設、被災地支援のNPOなどに寄付・寄贈することだ。社会貢献にもなる上、自分の物品整理もできるので一考の余地ありだ。
最後に
いかがだっただろうか。本離れと言われる昨今、様々な工夫で本を読んでもらおうと出版業界や書店は苦労を重ねている。本の魅力は計り知れないものだが、その魅力に気づくにはまず本を読まなければならない。
今後は紙媒体でない電子書籍もますます需要を伸ばして行くだろう。非常に便利な電子書籍を前に紙媒体の本は苦戦を強いられるだろう。
しかし、紙の本には紙の本の魅力が詰まっている。思い出の品として、自分の中の知識の証としてなど、手元に本を置いておく理由は様々だ。その多くの人が紙媒体としての本を長く、多く、楽しんでいくためにこのまとめが役に立てば幸いである。