高齢化社会への勢いが加速する日本では、お年寄りや障害者に欠かせない車椅子の需要が一気に高まっている。また古い車椅子の購入者の中には、社会貢献やボランティア精神にあふれた人々も多く存在しているため、中古市場が活性化している要因は「乗ること」だけではないと言えるだろう。今回は中古の車椅子に生まれている意外な需要から、この商材のリセールバリューが高まっている理由を紹介していきたい。
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車椅子が高く買い取りして貰える理由
車椅子ならではとも言える高い中古需要の背景には、これから紹介する3つの要因が関係している。
中古車椅子における質の向上
大阪府立今宮工科高校や大森学園高校では、工業の授業で学んだ技術を活かして中古車椅子の手直しや再生を積極的に行っている。このような活動は日本全国に広がっており、ボランティア精神旺盛な学生たちが「安く早く、中古車椅子を生まれ変わらせること」に貢献する時代が到来しているのだ。専門的な職人と一線を画する彼らは、車椅子再生におけるコストの削減にも大きく貢献していると考えられる。
バリアフリー観光の活性化
国土交通省が始めた観光におけるユニバーサルデザイン化の動きは、各地域のユニバーサルツーリズム団体で使う車椅子の台数を高めている。このような団体や施設は、「なるべく低コストでたくさんの車椅子を集めたい」という想いがあるため、新品車椅子よりも遥かに中古市場への注目度が高いのだ。東京五輪が行われる2020年には、パラリンピック観戦の障害者観光客が多く訪れる。そんな彼らの多くは日本国内で利用可能な車椅子のレンタルに着目しているため、今後もしばらくは中古市場に活況が続くと考えて良いだろう。
発展途上国への寄付
シートの汚れや金属部分の錆が強く、衛生的な問題で日本でのリユースが厳しい車椅子は、発展途上国への輸出用として買取られることが多い。また多くの金属部分を使っている車椅子には、リサイクルという資源的需要もあるため、ボロボロで使い古したジャンク品であっても十分な需要が維持されているのだ。このようにリユース・リサイクルを含めたさまざまな再生ルートのある車椅子は、介護業界における世界的な資源とも言えるだろう。
車イスの人気メーカーと参考買取相場
介助用車椅子で人気が高いのは、KAWAMURA CYCLE、NISSIN、MATSUNAGA、NiCKといったメーカーである。カワムラの車椅子の中には1万円超えの高価買取事例も多く存在するため、前述のメーカーはコンディションや衛生面さえ問題なければ確実に高く売れる商材と位置づけて良いだろう。これに対して性能の良い電動車いすで知られるスズキやヤマハの場合は、バッテリーなどの電気部分も査定額に大きく影響する。
またスタイリッシュな車椅子を作るMAX PLEASURE社製品の場合は、パンクなどのマイナス査定要素があっても、デザイン性とカーボン使用という付加価値により1万円前後の高額査定が期待できるようだ。このように製品のコンディションだけでなくパーツの材質も査定額に大きく影響する車椅子は、介護のしやすさや安全性重視で買い物をすることが、後々の高価買取を生むと考えて良いだろう。
まとめ
世界中のお年寄りや障害者を助ける資源・車椅子について、高価買取が行われている理由を考えてみた。高齢化社会に向けて車椅子を必要とする家庭や施設、団体が急増傾向にある日本では、今後も中古車椅子の高い買取相場が期待できると言えるだろう。また近頃では「車椅子ファクトリー」のような専門買取業者も登場しているため、二束三文の査定になってしまうリサイクルショップに行かなくても簡単に高額査定に繋がる仕組みが増えていると言えそうだ。そんな大きな車椅子を買取店に持ち込めない場合は、自宅にいながらにして利用できる宅配買取を申し込んでみても良いかもしれない。