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鈴木朝潮 版画・作品の買取相場・価値まとめ

読了目安:9分
更新日:2019/08/28
公開日:2019/07/31
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デジタル版画(ジクレー版画)の制作で、現代日本を代表する美術家である鈴木朝潮。オブジェ制作や書籍の装丁までこなすマルチな才能を持つ鈴木の作品は、市場でも高く評価されている。その鈴木の作品を売るとき、いくらで売れるのか相場を知りたい人もいるだろう。

ここでは、その相場の参考情報や作品を高く売るコツなどを紹介していく。鈴木朝潮の版画・作品を高値で売りたい人に、参考にしてもらえたら幸いだ。

鈴木朝潮 版画・作品の買取相場・価値まとめ

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今野杏南さん

鈴木朝潮とは

鈴木朝潮(ともみ)は、オブジェ制作と版画を中心に活動する日本の現代美術家である。神奈川県横浜市の出身で、1985年に東京芸術大学の油画家を卒業。87年には同大大学院の壁画研究室を終了した。

在学中に小説『十九歳のジェイコブ』の表紙に採用され、以後『白い巨塔』などの大ベストセラーでも装丁を担当している。版画家としては2000年代から活動。2009年に浜口陽三生誕100年記念銅版画大賞展で入賞するなどの活躍を見せている。

14年には第167回中華民国国際版画ビエンナーレにも選出され台湾国立美術館に作品が収蔵された。

主な受賞歴

鈴木朝潮は、多数の芸術展での受賞実績を持っている。「THE ART展」では、第3回のペイント部門、第4回のフォトグラフ部門で、それぞれ大賞を受賞した。2年連続の受賞も快挙だが、別の部門で受賞している点も見逃せない。

南島原市セミナリヨ現代版画展では、第13回と18回に受賞している。13回は読売新聞・ 西部本社賞、18回は南島原市文化協会賞である。版画専門のアーティストでないにもかかわらず、このように版画展で大きな賞を獲得しているのは特筆すべき点だろう。

その他にも「ビエンナーレKUMAMOTO FINAL」で熊本放送賞、「高知国際版画トリエンナーレ」で優秀賞などの受賞歴がある。

主な出展歴

鈴木は国内外の多数の美術展・版画展で、出展の実績を持っている。「ジャパンウィーク」は、1986年のシドニー、89年のマルセイユの2回に渡って出展した。「国際版画トリエンナーレ」は、2006年のポーランド・クラコウ・10年のリトアニア・ビュリニスに出展している。

また、「国際版画ビエンナーレ」では、08年のトルコ・イスタンブール、11年のスペイン・オーレンセで出展実績を持っている。その他にも、下記の国際展に出展するなど、グローバルな活動を続けている。

  • ・中華民国国際版画ビエンナーレ
  • ・バンコク国際版画トリエンナーレ
  • ・ベナン国際版画展
  • ・メキシコ国際版画展
  • ・カゲダス国際ミニプリント展

スペインのカサノバ銀行、タイのシルバーコーン大学などにも作品を所蔵されており、世界的に評価されている現代美術家の1人と言えるだろう。

鈴木朝潮の版画・作品の特徴

鈴木作品を適正価格で売るためには、作品や画業の特徴を知ることが欠かせない。ここでは、版画も含めた鈴木朝潮の幅広いアート制作のスタイルを紹介していく。

デジタル版画(ジクレー版画)

鈴木朝潮のライフワークの1つとなっているのが、デジタル版画である。これはジクレー版画とも呼ばれる新しい版画技法の1つだ。簡単に言うと「プリンターで制作する版画」である。

印刷は比較的容易だが、そのぶん「絵自体の美しさ」が問われる。また、本体の絵が画像編集ソフトで制作されているため「細かい編集や修正をしやすい」のも特徴である。特に出版などのビジネスの現場に採用するには、このような柔軟性は大きな強みとなるだろう。

鈴木朝潮は、そのデジタル版画に2000年代序盤という早い段階から取り組み始めた。Windowsがようやく一般家庭に広まり始めた段階で、パソコンを版画に導入することは斬新な試みだったと言える。事実、作品が台湾国立美術館に収蔵されるなど、この分野の制作で海外からも評価されている。

鈴木のデジタル版画のモチーフは花が多い。桜・芙蓉・あじさいなど、あらゆる種類の範囲内をCGならではの繊細なタッチで描いている。花以外では、後述する自作のオブジェをモチーフとしたものが多い。

「雨の記憶」シリーズ

この作品は、もともとコンクリートを用いたオブジェである。東京芸大卒業後の1990年代初頭から、鈴木朝潮が継続して取り組んできたものだ。そして、2000年代からはこのオブジェを用いた銅版画の制作を開始している。

オブジェ写真をフォトエッチングの技法により、銅版画に仕立て上げるものだ。その作品の1つで、2005年に制作されたものをWeb上で確認できる。水滴を模したコンクリートの球体が燃え上がっているかのような様子が描かれている。

神秘的で存在感のある作品だ。この05年制作の作品以外でも、「雨の記憶」をモチーフにしたデジタル版画を多数制作している。

書籍装丁作品

鈴木朝潮のアーティスト活動の特徴として、書籍装丁も手がけている点があげられる。ここでは、その中でも代表的な作品である『白い巨塔』『十九歳のジェイコブ』『小栗判官と照手姫』の3作について解説する。『白い巨塔』は山崎豊子による大ベストセラーである。

1966年に映画化されて以来、6度テレビドラマ化され、漫画版やラジオドラマ版も登場するなど、国民的とも言える大ヒット作だ。原作である小説もいくども改訂されている。鈴木朝潮が装丁を手がけた作品は、1おそらく1993年出版の新潮文庫版と思われる。

この装丁は黒・白・赤の3色のみを使用したシンプルなもので、一見すると「米」の字に見える。黒背景の中央に白い十字があり、その周辺に長方形や円が配置されているという図柄だ。典型的な抽象画と言える。

『十九歳のジェイコブ』は、中上健次による青春文学の金字塔とも評される作品だ。同作の装丁で鈴木朝潮が描いた絵は、黒とライトグリーンの2色を使ったペン画である。中央にサックスと花、右下に折り重なる2匹のアマガエル、左上に女性の手などが描かれている。

いずれも写実的に描かれたものだが、それを抽象的な組み合わせで配置することで、作品の持つ世界観を表現している。『小栗判官と照手姫』は、劇作家・演出家の白石征による作品だ。1996年に時宗総本山・遊行寺を舞台として初演され、熱狂的な反響を読んだ。

その小説版が1997年に出版されているが、鈴木朝潮はこの書籍の装丁を手がけたと考えられる。舞台版のパンフレットの装丁を手がけた可能性もあるが、どちらにしても装丁で参加していることは間違いない。小説版の表紙は、繊細に描かれた満開の桜の下に、昔の大和絵のタッチで描かれた小栗判官がコラージュされているものだ。

両者のタッチのミスマッチが興味深い作品である。

鈴木朝潮の作品の買取価格とデジタル版画の相場

2019年7月1日時点では、鈴木朝潮の作品の買取価格がわかる情報はWeb上にない。業者のホームページやヤフオクなどのサービスを見ても、価格のわかる情報が見つからない状態だ。そのため、ここでは鈴木朝潮の制作ジャンルである「デジタル版画」の価格を紹介する。

デジタル版画に取り組む画家はまだ少ないため、この相場は鈴木作品の買取価格の参考ともなるだろう。

アートギャラリーモトカワ

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アートギャラリーモトカワでは、さまざまな作家のジクレー(デジタル版画)を販売している。画家の名前と作品名の一部を紹介すると下記のとおりだ。

  • ・吉岡浩太郎「昇鯉龍神」…8,000円
  • ・津田耕「テディベア」…9,450円
  • ・国栖晶子「前を向いて歩こうよ」…13,000円
  • ・ブルーストーン「POP薔薇2」…13,500円
  • ・山本博「colour of the tawn」(スペルは原文ママ)…15,000円
  • ・池上壮豊「達磨立つ」…16,800円
  • ・杉原慶太郎「自動で水が入る花瓶」…18,000円
  • ・中野克彦「赤い花」…18,000円

あくまで一部の作家の抜粋となるが、デジタル版画の価格の相場をおおよそつかめるだろう。少なくとも上記のモトカワでは、1万円から2万円前後ということだ。

ENjiNE

クラウドファンディングサービスのENjiNEでも、デジタル版画の販売がある。「Plant_Mauve」という作品で、日本版画協会展にも出品された作品だ。出品者・制作者はHIROKAZU MATSUYAMA氏である。

個展会場では70,000円で販売されていた同作だが、ENjiNEでは特典価格として40,000円で販売されている。1610×765mmという大作だ。HIROKAZU MATSUYAMA氏は他にもENjiNEで多数のデジタル版画作品を販売しているため、その価格も相場の参考となるかもしれない。

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鈴木朝潮の版画・作品を高値で売るコツ

デジタル版画の相場を紹介してきたが、できれば「相場以上の金額で売りたい」と考える人が多いだろう。ここでは、そのように鈴木朝潮の作品を高値で売るための2つのコツを紹介する。

複数の絵画買取業者・画商・画廊から見積もりをとる

鈴木朝潮は若いアーティストであり、まだ評価が完全に確立していない。デジタル版画自体もまだ成長中の新しい分野であり、ジャンル全体で価格の相場が変動しやすい状況だ。それだけに、業者によって査定価格が大きくことなる可能性がある。

もっとも高く買い取りしてくれる業者を探すため、少しでも多くの買取業者・画廊・画商から見積もりをとろう。これは他の画家の作品を売るときにも重要なことだが、鈴木朝潮の作品やデジタル版画を売るときには、特に重要なことだと言える。

ヤフオク・メルカリ・ラクマを積極的に活用する

買取業者の査定を受けて、それらの価格に納得ができなかった場合には、ネットのサービスを使って自ら売るのもいいだろう。ネットオークションでは定番のヤフオク、フリマアプリなら、楽天が運営するラクマや、急成長しているメルカリがおすすめだ。この記事の執筆時点で、これらのいずれのサービスでも鈴木朝潮の作品は出品されていない。また、過去に落札された履歴もない状態だ。

それだけに、ファンの目に止まれば競合の出品者がいない状態が有利に働き、高値で売れる可能性もあるだろう。鈴木朝潮はデジタル版画の作品が多いこともあり、若い世代のファンも多い。ファンの年齢層が高い他の版画家の作品では相性が悪いフリマアプリも、鈴木の作品であれば有効に活用しやすいだろう。

おすすめ買取業者 アートギャラリーモトカワ

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鈴木作品を高値で売りたいなら、買取相場の解説でも紹介したアートギャラリーモトカワがおすすめだ。同社は熊本県熊本市に店舗をかまえる、絵画・版画の専門業者である。この記事の執筆時点において、公式サイトでデジタル版画を本格的に販売している業者としては、同社がトップと言える。

吉岡浩太郎や津田耕、国栖晶子など新進気鋭のデジタル版画家の作品を多数取り扱っているのが魅力だ。デジタル版画の価値を正しく評価してくれるため、鈴木朝潮の作品でも高値での買い取りを期待しやすいだろう。

まとめ

鈴木の作品はデジタル版画でもそれ以外でも、まだ相場が固定されていない。それだけに、査定を受けたら想像を上回る高値がつくことも十分に考えられる。査定はどの業者でも無料で受けられるため、一度気軽に受けてみるといいだろう。

売却を考えていない人でも、まずは手元の鈴木作品にどれほど価値があるか、調べてみてはいかがだろうか。

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