エドガー・ドガ は19世紀にフランスで活躍した作家である。バレエの踊り子をはじめ、動きのある人物を高いデッサン力で表現した作品の数々は現代でも高い人気を誇る。当記事ではエドガー・ドガ絵画の価値や買取相場などについてまとめてみた。
参考にしていただければ幸いである。
Awkward Poses of Edgar Degas / Cea.
本記事のポイント
- エドガー・ドガは印象派の画家らの絵とは一線を画した画風
- 作品は約33億円での落札事例もある
- 彫刻であっても高額査定が期待できる
CONTENTS
このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
画家 エドガー・ドガの経歴と作風
エドガー・ドガは芸術の本場であるパリで成功を収め、美術史においても高く評価されている画家のひとりだ。油彩画のほか、パステル画、版画、彫刻と幅広く手掛けたことでも知られる。
エドガー・ドガの出身・略歴
エドガー・ドガは1834年にフランスで生まれた。もともとは法律を学んでいたが、絵の道を志すようになり、1855年にエコール・デ・ボザールに入学。アングル派の画家であるルイ・ラモートに師事し素描の基礎を学んだあとはイタリアのローマで3年を過ごした。
ローマでは古典美術を研究しながら肖像画を主に描いた。1861年にパリに戻ってからは、古典的な手法を使って歴史画を多く手掛けた。印象派の画家らと交流が深かったため、印象派展などにも自身の絵画を出品。このことからエドガー・ドガは印象派の画家として語られる機会も少なくないが、画風は印象派の画家らの絵とは一線を画していた。当時一線を風靡した印象派の画家たちは自然をテーマにして、光や大気の表現を探求したのに対して、エドガー・ドガはルネサンスの巨匠やアングルらが提唱した伝統的な手法をベースに作品を制作していたのである。
題材についても、人物を主に選んだのだ。晩年は視力が落ちたことから、触感で描きやすくかつ色彩を重視するパステル画を好んで描いた。女性の裸婦を描いた『入浴後、身体を拭く女性』の連作を制作したのもその時期だと考えられている。
エドガー・ドガは版画技術にも興味を示し、リトグラフやエッチングも実験的に試したと伝えられている。絵画以外では彫刻家としての評価も高い。
エドガー・ドガ芸術作品や絵画の特徴や魅力
エドガー・ドガは、何かに没頭している人物を好んで描いた。例えば、バレエを踊っている女性、競馬の風景、サーカスの風景、洗濯をする女性、芝居稽古の風景などだ。それら偶発的で複雑な動きをする人々の表情や動作をエドガー・ドガは高いデッサン力と抜群の技量で描写した。
それを鑑賞したパリの人々は度肝を抜かれたという。 代表作や有名作品としては、『踊りの花形』、『ダンス教室』、『浴槽の女』、『舞台の袖の踊り子』、『競馬場の紳士たちー出走前』などがある。ルネサンス時代の巨匠やアングルの伝統的手法を重んじながらもモダンさも兼ね備えたエドガー・ドガの美術作品の数々は今も高く評価されている。
エドガー・ドガ美術作品の買取相場とその価値
エドガー・ドガは美術史においても巨匠とされる画家のひとりだ。そのため、買取価格はかなり高額となる。
原画の買取相場
原画がオークションに出品されれば、億単位の値がつく。例えば2008年にニューヨークでおこなわれた美術オークションでは、エドガー・ドガのよるパステル画が出品された。競売の末、3億700万ドル(日本円で約33億円)で落札されている。このほか、サザビーズにて、「Le bain」(1883)や「Femme à sa toilette」が出品され、150万〜200万ポンド(約2億2500万円〜3億円)(1897頃)の予想価格がつけられた。
また、エドガー・ドガは彫刻分野での評価も高い作家であることでも知られている。2009年にロンドンでおこなわれたサザビーズのオークションではドガの踊り子のブロンズ像が出品され、1326ポンド(日本円で約17億円)で落札されている。このことからもエドガー・ドガの美術作品がいかに現代でも高い評価を受けているかが分かるだろう。
リトグラフの買取相場
エドガー・ドガに関する美術作品にはリトグラフやエッチングなど版画についても高額で取引されている。版画の技法であるリトグラフは水と油の反発作用を活用した技法で、19世紀から社会に普及しはじめたものだ。
一方のエッチングは銅版画とも呼ばれるが、銅板の表面を防触剤で覆い、化学薬品などの腐食作用を活用して転写させておこなう技法である。版画においてはおおむね数万円~数10万円程が買取相場になってくる。一般的には制作年の古い方が希少価値が高く買取相場も高くなる。原画ほどではないとは言え、高額査定を期待できるケースもあるだろう。
ただ、擦られた枚数、保存状態、制作年のほか、時代によっても買取価格は変動するため、買取参考価格を明確に記している買取業者はほとんど見当たらない。もし美術品の買取業者に売却を検討しているなら、まずは美術品の買取業者に問い合わせをして、査定をしてもらうのがもっとも確実な手段といえるだろう。
美術品の買取業者に売る方法
エドガー・ドガの美術作品を売却したい場合、売却方法はいくつか想定される。中でも手軽で確実性が高いのが、美術品の買取業者に買い取ってもらう方法である。美術専門の鑑定士が在籍している骨董品店や古美術も扱う画廊などがよいだろう。 美術品の買取業者に買取を依頼するとき、「出張買取」、「宅配買取」、「店頭買取」の3種類の方法をから買取方法を選べることが多い。それぞれについて大まかな流れと注意点をご紹介していこう。
出張買取の注意点と大まかな流れ
美術品の買取業者に買取を依頼する場合、作品を傷つけずに運ぶのにおすすめの方法は「出張買取」と呼ばれる買取方法である。こちらは買取業者のスタッフが直接自宅まで足を運んで査定してくれる方法だ。査定を依頼する側は美術作品を自宅から持ちだす必要がないため破損リスクを避けられる。
また出張買取の場合、メールや電話で何度もやり取る手間も省けるため、急いで美術品を処分したい場合にも有効であるし、倉庫などに大量に査定してもらいたい美術品が眠っているような人にも便利なのではないだろうか。一方で、業者によっては出張買取に対応しているエリアが限定されていることも少なくない。離島など僻地の場合、仮に出張買取に来てくれる業者があったとしても、都会と比べると選択肢が少なくなってしまう可能性があるのはデメリットかもしれない。
出張買取の流れとしては、まずは電話かWebフォームで買取業者に、買い取ってもらいたい美術作品の詳細を伝えることからはじめる。作家名、作品の大きさ、表現技法、付属品の有無などを伝えると仮査定額を知らせてくれる。仮査定額はあくまでも大まかなものであり、最終的な査定額は実際に買取業者のスタッフが現物を見てから決まる。
出張に来てもらう前段階で大まかな金額が分かるため、その買取業者に買取を依頼するかどうか大体判断ができるというわけだ。もしその段階で納得いかなければ、ほかの買取業者を新たに探すとよいだろう。買取業者のスタッフが自宅に来たら、身分証を提示して査定してもらいたい美術品を見てもらうということになる。
その際、鑑定書など付属品も準備しておき一緒に査定もらうとよいだろう 。鑑定後、最終的な査定額が提示されるため、その金額で納得いくならば取引が成立となる。その場で現金を受け取れる場合もあるし、高額な美術品の場合、後日銀行口座に振り込みというケースもある。
最終的な査定額を聞いて納得いかない場合はキャンセルするのも自由だ。出張費や査定は基本的に無料であるし、上記したように破損リスクからまぬがれることから、出張買取は非常にリスクが少ない買取方法といえる。
宅配買取の注意点と大まかな流れ
美術品の買取業者のなかには「宅配買取」と呼ばれる手段を設けている業者も多い。こちらは査定してもらいたい美術品を買取業者に郵送しておこなう買取方法のことである。宅配買取も出張買取と同じく、まずは電話やWebフォームなどで美術作品に関する詳細を買取業者に伝えることからはじめる。
仮査定額を聞いた上で買取を依頼したい場合、ダンボールや緩衝材などを準備して美術品を梱包し買取業者に発送することになる。業者によっては梱包用のダンボールや緩衝材などを「宅配キット」という形で、無料で準備してくれるところもある。その場合、段ボールなど用意する手間も省けるため、ぜひ活用したいところだ。
発送時には美術品が破損しないよう細心の注意を払うことが必要だ。買取業者に現物が到着したら、鑑定士が査定をおこない電話かメールで最終的な査定額を知らせてくれる。その査定額を聞いて納得いけば作品を売却する代わりにその査定額が銀行口座に振り込まれてくる。
一方で、納得いかずキャンセルしたい場合は、返送してもらう流れになる。なお、返送料については査定を依頼する側が負担することが少なくないため、その点は事前に確認しておくのがよいだろう。ちなみに美術品の配送料は保険などの問題からも一般的な商品よりも割高だ。
店頭買取の注意点と大まかな流れ
美術品の買取店がアクセスできるような場所にあるなら「店頭買取」という手段を検討してもいいかもしれない。店頭買取は直接店舗に美術作品を持ち込んで査定してもらう方法である。まずは買取業者に連絡をしたうえで、店舗に足を運ぶとよいだろう。
店頭ではスタッフがその場で美術品を査定をしてくれる。電話やメールで何度もやり取りする手間もかからないし、取引が成立したらその場で現金化できるため、何かと便利だ。
LINE査定に対応している買取業者
エドガー・ドガは油彩画、パステル画、彫刻などを制作した。版画ではリトグラフやエッチングなどが流通し、 海外のみならず日本でも高い人気を誇っている。エドガー・ドガの美術作品ほか、海外作家の作品を取り扱っている買取業者の一例を以下紹介したいと思う。
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
総合美術買取センターは、クーリングオフに対応していることを明記している買取業者。美術品の買取範囲は広い。買取は全国であり、宅配もしくは出張という方法で対応している。しつこい営業をかけない約束をしているのも嬉しいポイントだ。
アート買取協会
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アート買取協会は 西洋アンティークや骨董品、絵画など幅広く買取をおこなっている業者だ。本社は名古屋にあり、支社が全国に点在している。出張買取、宅配買取、店頭買取に対応し、出張買取の場合、東京、大阪、名古屋はじめ店舗近郊エリアが買取対応エリアだ。その他の地域は応相談となっている。
出張買取に対応している買取業者
北岡技芳堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
北岡技芳堂は美術品や骨董品を主に扱っている業者。50年の歴史がある老舗である。店舗は愛知県、三重県、京都府にあり、店頭買取、出張買取、宅配買取に対応している。
アトリエドパリ
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
アトリエドパリは絵画を中心に買取に力を入れている。リトグラフやシルクスクリーンといった版画の買取実績も豊富だ。出張買取と宅配買取をおこなっており、出張買取は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県を中心に対応している。
査定額をアップさせる5つのポイント
美術品の買取業者に買取を依頼するとき、買取価格はあらかじめ決まっているものだと思われがちである。しかしそうでもない。実際のところ、少しした工夫を凝らしているだけでも査定額は変わってくる場合がある。
ここでは査定額を少しでもアップさせるためのに押さえておきたいポイントを、5作品の表面を傷つけないよう気をつつに分けて説明しておこう。
付属品をそろえて査定にだす
エドガー・ドガのような巨匠作家が手がけた作品は特にそうだが、鑑定書ほか付属品の有無も査定額に大きく関わってくる。だから付属品もそろえて査定にだすようにしたい。美術品のバックボーンを証明する存在意義もあるからである。
適切な環境で保管しておく
美術品を売りたいと考えている場合、どのような環境で保管しておくかも重要なポイントになる。というのは、美術品は紙や木でできているだけに何かとデリケートだからだ。まずは直射日光の当たる場所はくれぐれも避けたい。
光によって紙は劣化して変色してしまう恐れがあるからだ。そのほか、湿気のある場所や過度に乾燥している場所というのも望ましくない。湿気があればカビが生える可能性があるし、乾燥しているところは材質の変質につながるからだ。
ちなみに美術作品を資産と考え売却を主目的にしている人の中には、飾らず箱から一切出さずに保管している人もいるほどだ。
掃除をしてから査定にだす
美術作品を自宅などに飾っていた場合、 どれだけ綺麗に保管したとしても額縁や箱の表面などにホコリがついてしまうだろう。それらのホコリはきめ細やかな布などを使って、できる範囲で払ってから査定にだすほうががよいだろう。そうすることで鑑定士の印象が良くなり査定額がアップすることがあるからだ。ただ、くれぐれも作品の表面を傷つけないよう気をつけて掃除をするというのがポイントである。
作品に関する情報はできるだけ多く伝える
美術品の買取業者に買取を依頼するとき、まずは電話かWebフォームにより作品の詳細を伝えることになるだろう。そのときできるだけ、多くの情報を買取業者に伝えるようにするとよいだろう。作品に関する情報は、作家名、作品の大きさ、表現方法、鑑定書など付属品の有無、サインの有無などである。
版画の場合、エディションナンバーも重要だ。エディションナンバーはリトグラフやエッチングなど版画に記載されている数字である。版画はその色合いや線を的確に再現するため、限定部数で刷られるわけだが、どれだけの部数刷られたのか示す手段がエディションナンバーである。
希少価値の有無を判断する材料でもあり、版画の査定額に大きく反映される。
複数の業者に査定してもらう
美術作品にはある程度の買取相場はあるが、買取業者によって査定基準も違うし評価の仕方も違うため査定額は一致しないというのが現実である。その点を考えたとき、複数の買取業者に査定してもらうのは高く売却するテクニックのひとつともいえるだろう。複数の業者に問い合わせをして、一番高い査定額を提示した買取業者に売るようにすればいいというわけである。
オークションを活用して売却する
上記したように、買取業者に査定してもらうのがもっとも手軽で確実性の高い美術品の売却方法である。それ以外の手段としてはオークションに出品するという手段も考えられる。
美術品の公開オークションにだす
原画を中心に、高額な美術作品は公開オークションによって売買されることもある。こちらは美術品専門の業者同士による世界だと思われがちだが、中には個人が所有する作品をオークションに出品できるケースもある。公開オークションには美術品のコレクターや美術関連の業者が参加する。
入札がなければ売却はできないし、カタログ掲載料など諸経費で赤字になる可能性はある。ただ、競合が起きたら驚くほど高い値段で売却できる可能性もある。もし落札されれば委託料や諸経費が差し引かれた金額を受け取ることができる。
ヤフーオークションを活用する
インターネット上での物販が得意な人ならヤフーオークションに出品する手段もある。一例として2018年に出品されたエドガー・ドガの有名作、エトワールのリトグラフは25,500円で落札されている。
まとめ
エドガー・ドガは、 デッサンの名手として高く評価されているフランスの巨匠である。油彩画のほか、パステル画、版画、彫刻など幅広く制作した。買取業者に買取を依頼する場合、出張買取が一番おすすめの方法である。
高く買い取ってもらうためには、適切な環境下で保管するなどいくつか押さえておきたい。