テレビ番組などで家に眠っていたシャンパンが思わぬ高値で買い取ってもらえるという光景を目にした人は多いのではないだろうか。欧米では実際にシャンパンは資産として高く評価されており、人気のある銘柄になると販売価格よりも高額で売買されることも珍しくはない。
もっとも、シャンパンであれば何でも高く売れるというわけではなく、一部の人気と品質を兼ね備えた銘柄のみがそのような扱いを受けるのである。そこで、以下ではそのようなボトルの一つであるゴッセのグラン・ミレジムにフォーカスして見ていくことにしよう。
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ゴッセとはどのようなシャンパーニュ・メゾンか
まず最初に、ゴッセとはどのようなシャンパーニュ・メゾンであるのか、その歴史やシャンパン造りの特徴を見ていくことにしよう。
ゴッセの歴史
ゴッセが誕生したのは、さかのぼること500年以上前の1584年のことである。その頃の日本は、本能寺の変で織田信長が明智光秀の謀反によって討たれ、その後を継いだ羽柴秀吉が賤ヶ岳の戦いで柴田勝家を破って天下統一に向けて地盤を整えている時期であるといえば、いかにその歴史が古いことが分かるのではないだろうか。
ゴッセの創設者は、フランスのシャンパーニュ地方にあるアイ村の村長を務めていたピエール・ゴッセという人物であり、長年にわたってその独自の製法によってシャンパン造りを行っているうちに、いつしか「シャンパーニュの最も小さく偉大なメゾン」と呼ばれ、世界中で愛飲されるようになったのである。
なお、2013年には、権威のあるルヴュ・ド・ヴァン・ド・フランスという雑誌の特集において見事3位の座に選ばれるなどその評価は現在に至るまで揺るいでいない。
ゴッセのシャンパンの製法
ゴッセの代名詞といえばマロラクティック発酵というブドウが自然にはじめる発酵現象を意図的に止めて行う製法である。マロラクティック発酵を行わないことで得られる効果としては、本来ブドウに含有されているリンゴ酸が破壊されずに残ることによって、よりピュアな味わいのシャンパンが出来上がるということである。
もっとも、ブドウの自然発酵を止めることは簡単ではなく、それを長年にわたって行うことができてきた点にゴッセの有する高い技術を見て取ることができよう。
なお、このマロラクティック発酵を行わないというアイデアは、かつての醸造責任者であるジャン・ピエール・マレネ氏やその後継者であるオディロン・ド・ヴァリヌ氏にも踏襲されており、同氏らの言動からは、当該発酵を行わないことこそが、本来のシャンパンらしい姿を実現するための重要なキーであると信じていることが分かる。
ただし、この製法には一つ大きな難点があり、それは本来であればシャンパンを造るには法定されている15カ月をこえる発酵を行えば足りるところが、マロラクティック製法を行わない場合には少なくとも36カ月以上の熟成期間を必要とするようになるということである。
この問題を解決するために、ゴッセでは長いものになると120カ月以上も発酵させるなど発酵期間を分散化することで、常に一定数以上のボトルを市場に送り出せるような体制を整えているのである。
ゴッセのラインナップ
ゴッセのシャンパンのラインナップは非常に豊富となっており、全てをそろえておくとあらゆる料理に対応可能であるといわれるほどである。ここでは、グラン・ミレジムをはじめとする代表的なボトルにスポットを当てて、それらの特徴について触れておくこととする。
グラン・レゼルヴ・ブリュット
グラン・レゼルヴは、ゴッセのスタイルを最も忠実に表現しているシャンパーニュである。非常にバランスのよい味わいとなっており、フルーティでありながら深みを感じさせる。使われているブドウの割合は、ピノ・ノワールが42パーセント、シャルドネが43パーセント、ピノ・ムニエが15パーセントとなっている。
グラン・ロゼ・ブリュット
グラン・ロゼは、その名のとおり、赤ワインとシャンパンをブレンドしたロゼである。グラン・レゼルヴと同様に、完璧なバランスを有する味わいが特徴であり、食欲を刺激することから食前酒として飲むにも適した一本となっている。使用されているブドウの割合は、ピノ・ノワール35%、シャルドネ58%、赤ワイン(ピノ・ノワール)7%となっている。
グラン・ミレジム・ブリュット
今回特にフォーカスするグラン・ミレジムは、ミネラルと酸味が絶妙に調和した味わいが特徴で、白ワインにも近い上質な舌触りとなっている。非常に飲みやすく、味わえば味わうほどにその素晴らしさにはまってしまうほどである。使用されているブドウの割合は、ピノ・ノワールが45パーセント、シャルドネが55パーセントである。
ブリュット・エクセレンス
ブリュット・エクセレンスは、ピノ・ノワールとシャルドネを主に用いて醸造されたワインにレゼルヴ・ワインをブレンドして造られるモダンなタイプのシャンパンである。使われているブドウはいずれもシャンパーニュにある畑で採取された高品質であり、ピノ・ノワールが45パーセント、シャルドネが36パーセント、ピノ・ムニエが19パーセントの割合で配合されている。
グラン・ブラン・ド・ブラン・ブリュット
最後に取り上げるのは、ブラン・ド・ブランである。最低でも36カ月以上は熟成するというゴッセの特徴を非常に色濃く反映しているボトルとなっており、シャルドネを100パーセント使用して醸造されている。
ゴッセ グラン・ミレジムの買取相場
では、ここからはいよいよグラン・ミレジムの買取相場や査定相場について検証していくことにしよう。シャンパンを買取に出す場合に、第一に候補となるのは街中で買取サービスを行っている買取り業者であろう。
業者といっても、酒類を専門に扱っているところから、およそ中古品であれば何でも買い取るという総合買取業者までさまざまであるが、ここでは特にカテゴリーを区分せずに、広く買取業者がどのような買取価格を提示しているのかをチェックすることとする。
なお、最初に断っておくと、実は買取業者のなかで買取価格を公に出しているところはほとんど存在していない。業者としては買い取った商品を販売してマージンを得ることが目的であるため、いくらで買い取ったかが分かってしまうと高値で売却しづらくなってしまうということがその一因ではないだろうか。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
買取価格を公表している数少ない買取り業者の一つが大黒屋である。
同社は、買取り業者の代名詞とも言える存在で、全国に非常に多くの店舗を展開していることが特徴である。取り扱う商品も酒類に限らず、ブランド品から日用雑貨まで多種多様となっており、大手であるがゆえに自信をもって買取価格を公にできるのではないだろうか。
ただし、同社でもゴッセの全ラインナップの金額は公表されておらず、ホームページ上で確認できるのは、2,000円となっているグラン・ミレジムと、6,000円とされているセレブリス ロゼの二種類だけである。
なお、同社に買取を依頼する場合には、最初に査定を申し込むことになるが、スマートフォンの普及を受けて、従来型の電話査定やメール査定に加えてLine査定を利用できるようになっている。
大吉黒崎店
公式サイト:http://kaitori-daikichi.jp/kurosaki/
大吉黒崎店は、北九州市を中心に買取サービスを行っている業者である。ローカルな業者ということで利用しづらいような印象を受けがちであるが、大黒屋と同様にLine査定も行っているほか、宅配による買取にも対応してもらえるため、心配は無用であろう。
なお、買取価格が公表されているゴッセのボトルは3,800円という金額が示されているグラン・ロゼのみであった。残念ながらグラン・ミレジムについては金額が出ていなかったが、両者ともに新規で購入する場合の金額は同水準であることから、買取金額も近いものになると考えられる。
大黒屋の買取金額と合わせると、グラン・ミレジムの買取水準・査定水準はおおむね2,000円から4,000円の間と考えておいて大きく外れることはないであろう。
ゴッセ グラン・ミレジムのヤフオクの落札金額
中古買取業者と並ぶもう一つの買取先の候補である、オークションの事例についても見ておくことにしよう。
インターネットが普及して以降、オークションの存在はわらわれにとって非常に身近な存在となっており、手軽に利用して不用品を売買することが可能となっている。ここでは、代表的なインターネットオークションであるヤフオクにおいてゴッセのグラン・ミレジムがどの程度の価格で落札されているのかを確認する。
ヤフオクでは、すでに終了している案件について一括して検索できる機能が提供されているため、このような調査を行うのに非常に適したオークションなのであるが、当該機能を用いて調べたところ、過去にグラン・ミレジムは5,000円や7,500円という金額で落札されているようである。
それぞれ2006年と1996年のボトルであるとされていることから、年数が古い分、高く評価されているということが分かるのではないだろうか。また、いずれの落札価格でも、前述した買取業者が公表している買取価格よりもかなり高くなっている。これは、買取業者は再販売を前提としている分、買取金額が低めに設定されているためであると考えられる。
もっとも、取引の安全性や迅速な入金といった点を考慮すると、個人間売買が中心のオークションよりも買取業者を使った方がよいというのも一つの考え方としてはあり得るだろう。
ゴッセ グラン・ミレジムを買取に出す際の注意点
シャンパンを買取に出す際には、いくつか注意しておくべき点がある。その中でもっとも重要な点としては、買い取ってもらうことができるボトルは原則として未開封品に限られるということである。シャンパンといえども飲食物である以上、安全性を軽視することは決してできない。
開封されたボトルは、品質はさることながら、酸化したりして場合によっては健康を損なう恐れもあることから、積極的に買い取ろうと考える者はあまりいないと考えておく必要がある。
また、あわせておさえておきたい点として、シャンパンの品質を保つために一定の適温での保管を心がけるべきということが挙げられる。品質が維持されていればいるほど高く査定される傾向があることから、ワインセラーに入れるなどして保管には気をつけるようにすると良いだろう。
まとめ
今回はゴッセのグラン・ミレジムを紹介した。売却を考えている際に注意すべき点は、買い取ってもらうことができるボトルは原則として未開封品に限られるということだ。また、品質が維持されていればいるほど高く査定される傾向がある。品質管理には細心の注意を払って査定にのぞもう。
ヤフオクでの落札価格は、今回紹介した買取業者が公表している買取価格よりも高かったが、取引の安全性や迅速な入金といった点を考慮すると、オークションより買取業者を使った方がよいかもしれない。その際、Line査定を利用することで場所を選ばずに査定を受けられる。
シャンパンは年齢を重ねても長く楽しめる趣味なので、歴を重ねるごとにアイテムが増えていくもの。ぜひ買取をうまく利用しながら、コレクションを楽しんでいただきたい。