シャトー・ル・パンは、ワイン評論家や愛好家の間で人気の高いワインである。製造本数が少なく希少価値が高いだけでなく、ぶどうの当たり年のワインはさらに価値が上がる。そこで、シャトー・ル・パンの買取相場や査定情報についてまとめてみた。家の中で眠らせているシャトー・ル・パンがあり、売却を考えている人は参考にしてほしい。
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シャトー・ル・パンとは
価値の高いワインはこの世にたくさんあるが、そのなかでも今回ご紹介するシャトー・ル・パンというワインはどのようなワインなのだろうか。まずはその正体をひも解いていこう。
2ヘクタールの小さな畑で栽培
シャトー・ル・パンは、2ヘクタールの小さな畑で栽培されているメルロー種、カルベネ・フラン種のブドウを使って作られるワインである。ブドウの木の樹齢の平均は約38年、1ヘクタールに6000本もの高密度で栽培され、収穫量は30ヘクトリットルから35ヘクトリットルに制限している。そのため、肉厚な力強い果肉に育つのが特徴である。
ファーストヴィンテージは1979年
シャートー・ル・パンのファーストヴィンテージは1979年で、それほど長い歴史を持つシャトーではない。しかも、発売当時の価格は約100フランで、それほど高い価値のあるワインではなかった。
しかし、1982年にワインの専門誌で100点満点を獲得すると、価格は急激に上がり人気ワインの仲間入りをした。それゆえ、シャトー・ル・パンはシンデレラワインとも呼ばれている。
シャトー・ル・パンの特徴
シャトー・ル・パンの人気や価値が高いのには理由があるが、主に以下の特徴が挙げられる。なぜ価値が高いのかをしっかり理解しておけば、買取価格UPの交渉にも活かせるだろう。
マロラクティック発酵を採用
シャトー・ル・パンはブドウの中に含まれる糖分を利用したアルコール発酵ではない。果汁やワインに含まれるリンゴ酸を利用したマロラクティック発酵が採用されている。
この発酵方法は資金が少なかったシャトーの創立当初、中古の樽を使い熟成させ、二次発酵も同じ樽を使わねばならなかったことから自然発生した発酵法だ。偶発的に起こったマロラクティック発酵が他のワインにはない味わいを作り出し、シャトー・ル・パンをスターダムに導いたといえる。
製造本数は年間約7000本
マロラクティック発酵は温度管理が非常に大切な発酵方法であるため、手間がかかり大量生産するのが難しい。また、シャトー・ル・パンの畑が2エーカーということで収穫量も少なく、年間に製造される本数は約7000本と少ない。その少なさゆえに希少価値が高く人気のワインとなっている。
シャトー・ル・パンの味
シャトー・ル・パンはシルクのように滑らかな口当たりで、ブラックチェリーやカシス、プラムなど芳醇な香りが際立つワインである。余韻も長く、エレガントな味わいが特徴だ。シャトー・ル・パンと合う料理は、グリルしたビーフ、フォアグラとフィレステーキのトリュフソース添え、白カビチーズなどがあげられる。
シャトー・ル・パンの査定基準
シャトー・ル・パンを査定に出すなら、査定の基準を熟知しておく必要がある。では、どのようなポイントが査定基準となるのか説明しよう。
本物である
シャトー・ル・パンは希少性が高く人気のあるワインであるため、偽物が多く出回っている。そのため、査定では本物であるかどうかが一番の基準となる。
本物のシャトー・ル・パンはスイス製の紙にエチケットを印刷し、UVライトを当てると特殊な模様が浮き出る仕様となっている。また、模様は毎年変更されるため、その模様により商品の審議が確認できる仕組みだ。エチケットにダメージがあるものも減額の対象となる。
商品の状態
シャトー・ル・パンにかかわらず、ワインの査定では商品の状態が査定に大きく関わってくる。液面低下や吹きこぼれなどは、大幅な減額となるだけでなく、買取自体を断られる場合もある。
また、液面低下は温度の高い場所に保管している場合に起こりやすい。ガスの圧力でワインがコルクの隙間から吹きこぼれてしまうのだ。古いワインほどコルクが腐りやすく液面低下を起こしてしまうが、液面低下も査定の減額の対象だ。そのほか、澱がたまっているものやラベルが破れているものも査定の減額対象となる。
ワインの年代
ワインの査定ではワインの年代も査定の基準となる。ブドウの当たり年には高品質なワインが作られるため、当り年に作られたワインの査定は高くなる。シャトー・ル・パンでは1982年や1990年のものが価値が高く高額査定が期待できる。
シャトー・ル・パンの買取相場
それでは、ここでシャトー・ル・パンの買取相場を見ていこう。今回は、特徴の異なるお酒専門買取店、ネットオークション、フリマアプリの3つのサービスを調査した。
お酒専門買取店
お酒専門買取店は、お酒の知識が深い査定員が丁寧に査定してくれるため、シャトー・ル・パンのように価値の高いワインを売るのに適している。買取方法としては店舗買取、出張買取、宅配買取の3種類があるが、配送中に瓶が割れたり、衝撃でワインが吹きこぼれたりする可能性も否めないため、宅配買取は避けた方が良いだろう。
お酒専門買取店でのシャトー・ル・パンの買取相場は、1979年のものが200,000円前後、1982年のものが500,000円前後、1990年のものが220,000円前後、1997年のものが120,000円前後、2005年のものが300,000円前後である。
ネットオークション
ネットオークションは、業者ではなく個人を相手にシャトー・ル・パンを売却できる。オークションサイトに出品すると欲しい人が入札し、最終的に高値で入札した人に落札されるシステムだ。
オークションサイトにはシャトー・ル・パンも出品されており、1999年のものが166,500円、2001年のものが170,000円、2004年のものが175,999円で落札されている。オークションサイトの落札価格の方がお酒専門買取店での買取価格よりも少し高い傾向があるが、出品手数料として落札価格の10%を支払わねばならないので、手元に残る金額は同じぐらいになるだろう。
フリマアプリ
フリマアプリは便利な売却方法として注目を集めている。フリマサイトに値段をつけて出品すると、欲しい人が買い取ってくれるシステムである。しかし、フリマアプリではシャトー・ル・パンはそれほど活発に取引されておらず、1998年のものが180,000円で出品されているのみである。
買取に出す業者の選び方
お酒専門買取業者といっても日本全国にたくさんの業者があるため、その中から優良な業者を選ぶことが大切である。では、シャトー・ル・パンを買取に出す業者の選び方を紹介しよう。
買取実績が多い
買取実績の多い買取業者は、利用者が多いことの裏付けとなり信頼できる買取業務をおこなっている証明となる。業者のホームページを見てもレビューが多く、買取に出すときの参考にできるのも利点だ。
専門の鑑定士が在籍しているか
お酒専門買取業者には、専門知識のある鑑定士が在籍するのが一般的である。しかし、専門知識といってもそれぞれ得意分野があるため、シャトー・ル・パンに詳しい鑑定士がいる業者を選ぶのが賢明だろう。
事前に業者に簡単な質問をして、しっかりと答えられるか確認してみるのも良い。ホームページにシャトー・ル・パンについての詳しい説明が記載されている業者は、それなりの知識があると推測できる。
広い販売ルートを持つ
お酒専門買取業者は、広い販売ルートを確立しているところほど高く買取する傾向がある。どのような販売ルートがあるのかを調べるのは難しいが、査定の依頼をするときに質問してみるのも良いだろう。シャトー・ル・パンの場合は、コレクター向けや海外オークションなどの販路を確立している業者がおすすめだ。
店舗買取ができるか
買取方法は多様化しており、家まで査定に来てくれる出張査定や宅配便で送り査定してもらう宅配買取、LINEによる査定などもある。しかし、店舗を構えている買取業者の方が信頼度は高くなる。宅配買取やLINE査定のみをおこなっている業者よりも、店舗買取、出張買取、宅配買取など好きな買取方法が選べる業者の方が安心感がある。
シャトー・ル・パンを高値で売却するコツ
シャトー・ル・パンを高値で売却するには、いくつかのコツがある。では、高値で売却するための5つのコツを紹介しよう。
複数の業者の買取価格を比較する
シャトー・ル・パンの買取価格は、買取業者によって少しずつ異なる。そのため、複数の業者の買取価格を比較して、最も高い業者に売却するのが賢明である。一括査定サービスは、一度に複数の業者の買取価格を知ることができる効率的なサービスだ。
最も高く買い取ってくれる業者を探すのに利用できる。また、業者の買取価格だけでなく、ネットオークションやフリマアプリでの売却価格も調べ、多角的に比較するのが良い。
まとめ売りをする
シャトー・ル・パンを複数所有していたり、他にも売りたいワインがある場合は、まとめて買取に出すとより高く買い取ってもらえる。単品で買取に出されるよりも手間が省けるため、その分を買取金額にプラスしてくれるのだ。シャトー・ル・パンは買取価格も高いため、プラスされる金額も50,000円以上になる可能性がある。
最初の査定額で承認しない
買取業者で提示される買取価格は、業者が最大限に譲歩して導き出した数字ではない。MAXの価格よりも少し低い価格で提示しているのがほとんどであるため、交渉すれば価格アップが図れる。最初の提示価格と交渉後の提示価格に数万円の違いが出ることもあるため、必ず価格交渉をしよう。
査定前にセルフクリーニング
シャトー・ル・パンを高値で売却するためには、査定に出す前にセルフクリーニングをすることも大事だ。ボトルについた指紋などをきれいに拭き取り、ピカピカの状態で出すと査定員への印象が良くなる。ただし、古いワインは少し触っただけでもラベルが剥がれたり、コルクが欠けてしまったりするため、注意してクリーニングをおこなうこと。
良好な状態で保管する
ワインは保管の仕方によって状態が大きく変わってくる。そのため、普段から良好な状態で保管しておくことが重要になる。最も良いのはワインセラーに保管することだが、全ての家庭にワインセラーが備わっているわけではない。
ワインセラーの代替場所としては、北向きの押し入れや冷蔵庫の野菜室などがあげられる。できるだけ一定の温度で保管することが大事である。また、ワインは立てて保管するのではなく横に寝かせて保管するのが良いとされている。
まとめ
シャトー・ル・パンは年間600ケースしか製造されない希少価値の高いワインである。それだけに偽物も多く作られているが、本物は高額買取が期待できる。
高く売るためには普段から適切に保管することも大事なので、温度管理などに気をつけ良好な状態を保つよう心がけよう。高く売るためのコツを駆使し、高額買取を狙ってほしい。