食前酒の定番であるシャンパンであるが、資産としても意外に高い評価を有することは知らない人も多いのではないだろうか。特に人気のある銘柄ともなると、その価値は高騰する傾向にあり、プレミアムがついてもともとの販売価格以上の金額で取引されるケースも決して珍しくはない。
そこで、以下では数あるシャンパンの銘柄のうち高い人気を誇るボランジェ ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズの特徴と、その買取相場や査定情報について見ていくこととしよう。
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ボランジェとは?
ボランジェ ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズとは、その名から分かるようにボランジェというシャンパーニュ・メゾンが製造しているシャンパンである。そこで、まず最初にこのボランジェがどのようなメゾンであるのかについて触れておくことにしよう。
ボランジェの歴史
ボランジェの歴史は、1829年に遡る。この年に、軍人であったアタナス・ド・ヴィレルモン将軍がジャック・ボランジェ氏とその同僚であったポール・ルノダン氏を雇って始めたルノダン・ボランジェというメゾンが前身だ。
やがて、ボランジェ氏が娘婿となって将軍から経営を引き継ぐと以降5代にわたって同家が同族経営を継続することとなる。数あるメゾンの中でも今なお同族経営を続けているところは数少なく、その意味でもボランジェは希少なメゾンの一つということができよう。
ボランジェの中興の祖とされているのが、3代目当主の未亡人であったエリザベス・リリー・ボランジェである。1941年に経営者の地位についた彼女は、まさに第二次世界大戦によって欧州全土が戦火に包まれているという厳しい状況にあって、自社のブドウ畑の拡張と販売網の拡大に努め、同社の経営を軌道に乗せることに成功した。その功績により、今なお彼女はシャンパーニュ地方でも最も有名な未亡人の一人であるとされている。
自社ブドウ畑「ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ」
ボランジェは、自社で160ヘクタール以上の広さを誇るブドウ畑を保有している。この畑は、もともとは創業者であったアタナス・ド・ヴィレルモン将軍の所有物であったが、ボランジェ家が引き継いで拡張を繰り返してきたものである。ここでは高品質なブドウが栽培されており、それをつかって作られていることがボランジェのシャンパンの味の評価を高めているのである。
ボランジェのシャンパンの特徴とは
次に、このような長い歴史を有するボランジェが作るシャンパンの特徴について見てみることにしよう。
シャンパンの特徴
ボランジェのシャンパンは、一族によって代々受け継がれてきた伝統的な製法によって作られており、繊細かつ濃厚な味わいが特徴である。その製法というのは、樫で作られた樽を使って長期にわたって発酵させるというもの。
しかも使用する樫樽は、ブルゴーニュのワイン蔵で長年使われたことでタンニンが抜けきっているものに限るというこだわりようである。これによって、長期間にわたって保存することが可能なシャンパンが完成することとなった。
その品質は英国王室からも高い評価を受けている。1884年からは王室御用達となり「女王陛下のシャンパン」という別名で呼ばれるほどである。また、その知名度の高さから、世界的に有名な映画中でもたびたび使用されており、セレブの中にも愛飲する者が数多く存在している。
シャンパンのラインナップ
ボランジェには複数のラインナップが存在しているが、その中でもプレステージシャンパンとされているのがヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズとアール・ディーである。
ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ
ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズは、かつてヨーロッパのブドウ畑に壊滅的な被害をもたらしたフィロキセラという害虫の被害を免れたブドウ畑から採取されたブドウだけを使用しているシャンパンである。
この害虫の被害によって、現在のヨーロッパのブドウの木のほとんどは接ぎ木によって育てられたものとなっているが、ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズに用いられるブドウは自根から育ったものとなっている。そのため、一般に出回っているブドウと比べてもその品質は際立っていると言われている。
アール・ディー
アール・ディーはRecemment Degorgeというフランス語の略称で、ごく最近澱抜きをおこなったものであるという意味となっている。その名が示す通り、爽やかでフレッシュかつフルーティである一方、ボランジェの特徴である長期熟成による繊細な味わいも備える一級品である。
他のボランジェのシャンパンのどれとも違う味わいが楽しめるため、特にシャンパンにこだわりのある人々から愛されているボトルとなっている。
買取業者における買取相場
では、ここからはいよいよボランジェのシャンパンの買取相場を見てみることとしよう。シャンパンを買取に出す場合に、まず候補となるのは、酒類の買取サービスをおこなっている業者である。
これには、酒類を専門に取り扱っている酒屋系の業者と、特にカテゴリーを限定せずに幅広くさまざまな商品の買取をおこなっている業者が存在する。そこで、以下ではそれらの中からいくつかを取り上げて、ボランジェのシャンパンがどの程度の価格で売買されているかを見ていく。
大黒屋
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
買取業者という場合に真っ先に多くの人がその名を思い浮かべるのが大黒屋ではないだろうか。国内各所に数多くの店舗を有していることから、この店名を見かけたことのある人も数多いはずである。一般的にはブランドバッグや貴金属などの買取のイメージが強いが、酒類の買取もおこなっており、中でもシャンパンには特に力を入れているようである。
同社は、ホームページ上で、さまざまなシャンパンメゾンの各ラインナップの買取価格表を公表しているため、査定に出す前にどれくらいの評価がなされるのかが非常に分かりやすくなっている。前述したボランジェのプレステージシャンパンの買取価格は以下のとおりである。
- ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ:50,000円
- ・ボランジェ R.D. 1985:18,000円
なお、同店では酒類を店頭に持ち込んで買い取ってもらうこともできるが、お酒宅配買取というサービスもおこなっており、遠方から宅配便で送ることによって買取を申し込むこともできるようになっている。
ミスター・フロンティア
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
次に取り上げるのは、広島市で酒類の買取サービスをおこなっているミスター・フロンティアである。大黒屋と違い、こちらは酒類のみを取り扱っている。地方の業者ではあるが、ホームページ上に専用の査定申し込み用のフォームが用意されており、買い取ってもらいたいシャンパンの写真を撮ってアップロードするだけで査定してもらうことが可能である。
同社もホームページで買取価格を公表しており、それによるとボランジェの2つのボトルの価格は以下の通りとなっている。ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズについては、大黒屋と同じ50,000円となっており、この辺りが同ボトルの買取相場であると考えてよさそうである。
- ・ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズ: 50,000円
- ・ボランジェ R.D. 1985:22,000円
なお、買取金額を公開している買取業者はそれほど多くなく、これら以外ではインターネット上の書き込みで最低でも3~4万円以上での買取が期待できるボトルであるといった記載がなされている程度である。
個人間売買における買取相場
買取業者以外にシャンパンを買い取ってもらえる方法として考え得るのが、インターネットオークションやフリマアプリを用いた個人間売買である。そこで、代表的なヤフオクとメルカリにおいて、ボランジェのシャンパンがどの程度の価格で落札されているのかをチェックしておくことにしよう。
ヤフオクにおける落札価格
ヤフオクでは、過去の落札履歴を検索することが可能となっており、ボランジェのシャンパンが実際にいくらで落札されているのかを知ることができる。調べてみたところ、もっとも高い金額で落札されていたのは、1996年に製造されたヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズで、その落札価格は何と120,000円であった。
また、そこまで高額ではないが、同ボトルはおおむね60,000円前後で落札されているものが多く見受けられ、この辺りがオークションでの落札相場であるものと考えられる。一方、アール・ディーについては、30,000円から50,000円程度で落札されている案件が複数存在している。
メルカリにおける取引価格
次に、メルカリにおけるボランジェの取引履歴を確認してみたところ、意外に出品されている件数は多くはなかった。特にヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズについては出品されている案件そのものがほとんど見当たらない状態である。
一方、アール・ディーについてはいくつか出品されており、そのうち最高価格で取引が成立したのは2002年製のボトルが18,000円で売買されたというものである。
シャンパンの場合にはどうしても管理状態が重要となるため、なかなかフリマアプリにおける取引素材としてはなじまないということなのかもしれない。しかし、成約事例を見る限りは買取業者よりも高値で取引される傾向があるということは覚えておくとよいであろう。
高値で買い取ってもらうためのポイント
最後にシャンパンをなるべく高値で買い取ってもらうためのポイントについて確認しておくことにしよう。
評価の高いボトルを収集する
もっとも重要なこととしては、なるべく希少価値があって高い評価を受けているボトルを収集するようにするということである。シャンパンであれば何でも高く買い取ってもらえるという訳ではなく、あくまでもボランジェ ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズのようなボトルのみが高額の査定が受けられるということである。
シャンパンの保存状態
次に大事なことはシャンパンの保存状態である。買取業者のホームページにおいても査定におけるチェックポイントとして記載されていることが多いが、いかに評価の高いボトルであっても、肝心の中身が劣化していたり、揮発して目減りしているようなものであれば、最悪評価がゼロということにもなりかねない。
そのようなことにならないためには、日ごろから大事なシャンパンについては、ワインセラーなどを使ってしっかりとした温度管理をおこなうことが不可欠である。
まとめ
ボランジェの銘柄の中でもプレステージシャンパンとされているヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズを中心に、その特徴や買取相場についてご紹介した。ヴィエイユ・ヴィーニュ・フランセーズは、買取店での相場は50,000円前後だが、ヤフオクではもっと高値で落札される傾向がある。ネット査定や宅配買取などを利用して早急に買い取ってもらうならば買取店、出品や発送に多少の手間暇をかけても構わないのであればヤフオクを利用するのが良さそうだ。
いずれにしても、シャンパンをただコレクションするのではなく評価を得ているボトルを吟味して入手すること、そして入手後は温度管理をきちんとおこない保存することで高値で買い取ってもらうことが可能になる。飲む予定のないボランジェのシャンパンが手元にある場合は、ぜひこの記事を参考になるべく高く買ってもらおう。