マンション買い替えの時期・タイミングはいつがおすすめ？

マンション買い替えをスムーズかつ確実に行うためには、自分の目的に合った時期やタイミングで行動を起こすことが大変重要となる。また理想的な時期にスタートする買い替えへの準備は、家族や家計への負担軽減といった大きなメリットをもたらすとも考えられているようだ。

今回は、早く確実にマンション買い替えをする上で欠かせない時期や手順、タイミングについて、読者の皆さんと一緒に具体的なポイントを整理してきたい。

Mansion / haru__q

マンション買い替えの時期やタイミングに影響する出来事

思い立ったが吉日という考えでマンション買い替えに挑戦する人達は、下記のような事情や理由を抱えている実態がある。

家族の人数が変わった時

子供の進学や結婚、両親との同居などにより家族の人数が大きく変わった時、マンション買い替えを考え始める人が多いと言われている。例えば、出産や両親との同居といった形で家族の人数が増える際には、狭い空間でみんながストレスを感じる状況を回避するために、もっと広い別な物件への転居が検討されるケースも少なくないようだ。

これに対して子供の自立や離婚によって家族の人数が減った場合は、無駄なスペースによる寂しさや光熱費の無駄を解消するために、マンション買い替えが検討されることもある。

家族のライフスタイルが変わる時

夫の部署異動や子供の進学といったライフスタイルの変化も、マンション買い替えの一要因になり得る。

例えば、知的障害などを抱えた子供が通う特別学級や養護学校などが遠方にある場合は、家族の負担を軽減するために学校近くの物件への引っ越しが行われる。また部署異動をした夫の通勤時間が数時間アップした場合も、心身の負担を軽減する目的でマンション買い替えに至ることもあるようだ。

転居すべき事情が生じた時

通勤できないレベルの遠方に転勤を命ぜられた時、そのマンションの管理が難しいなどの理由で売却や買い替えといった選択肢が出てくることもある。

会社側のスケジュールで生活の拠点が変わってしまうこのケースでは、比較的余裕のある他の理由と比べて遥かにスピーディーな取引完了が求められる。また急な辞令によって転勤を命ぜられた時には、若干のパニックにより買い替えか？賃貸か？といった判断が難しくなる実態もあるようだ。

今のマンション生活への不安や不満が増大した時

相性の合わない隣人の入居や地震の多さによって現在のマンションに不安やや悩みを抱いた時も、買い替えを考え始めるきっかけになり得る。他地域への転勤や進学といったライブイベントのないこのケースの場合、売却活動における目標スケジュールなども立てにくい実態がある。

しかし今のマンション暮らしによって家族の不安や不満が次第に増大すると考えれば、1日でも早く買い替えを完了させる必要があると言えるだろう。

気になる物件が見つかった時

以前から物件の検索や情報収集をしていた場合、自分が欲しいマンションが見つかったタイミングで本格的な買い替えに向けた活動を始める方々も少なからず見受けられる。

自分の欲しい物件との出逢いというポジティブなきっかけでマンション買い替えが始まるこのケースは、金銭面での余裕がある人向けのタイミングとも考えられている。こうした方々に選択されることの多い後売りという手順については、後ほど詳しくご紹介していこう。

マンション買い替えの時期やタイミングとしておすすめなのは？

ここまで紹介した家庭の事情やライフイベント以外にも、下記のような外的要因でマンション買い替えに適したタイミングが生まれることもある。

間もなく築10年に至る前

マンション物件の買い替え基準として代表的な位置付けとなるのが、築10年もしくは入居から10年のタイミングだ。

中古マンションの購入検討する場合は、築10年以内であれば許容できると考える方々が60%以上もいると言われている。これに対して入居から10年という時期は、住宅取得控除や瑕疵担保責任が切れる時期となっているようだ。こうした形でマンション生活における一区切りとも言える10年は、新築だけでなく中古物件購入時にもチェックをすべきタイミングとなるだろう。

春

マンション購入検討者が増える春も、買い替えに適した時期だと考えられる。また、転勤や入進学の時期の数ヶ月前、12月頃からマンション売却に向けた行動を起こし始める人も多い実態がある。

売買ともに活性化する春の少し前から準備をスタートすれば、古いマンションであっても多くの内覧希望の申し込みが来やすくなると言えるだろう。

東京オリンピック

2020年に開催される東京オリンピックも、都心のマンション買い替えをする上でチェックすべきタイミングと考えられている。不動産業界の予測では、2020年に向けて都心にある中古マンションの価格は良い形で高くなると言われている。

しかし五輪が終わると不動産の価値が一気に下落するのが確実だとも考えられているため、高値で確実にマンションを売りたいと考えるなら2020年までに買い替えに向けた行動を起こす心掛けも必要だと言えるだろう。

マンション買い替え時期やタイミングを誤ることで生じやすい失敗とは？

ここまで紹介したタイミングは、マンション買い替えのきっかけとして理想的な位置付けだと考えられる。例えば、転勤や子供の入進学といったライフイベントの際に買い替えに向けた行動を起こせば、必要に迫られているといった意味でもより確実性の高い方法で売買を進めていく形になる。

これに対して買い替え時期にこだわらない人の場合、前述の購入から10年といったタイミングをのがすことにより、下記の問題が生じやすくなるため注意が必要だ。

古いマンションが納得の価格で売れなくなる

新築のマンションは、時が経つにつれて売却価格の相場が下がっていくのが一般的だ。また前述のとおり購入希望者の許容範囲とも言える築10年を過ぎた物件は、どんなに好条件のマンションであっても次第に人気がなくなっていくと捉えた方が良さそうだ。

こうした形で年々高く売る上で欠かせない条件が厳しくなる中古マンションは、ライフイベントなどのタイミングを逃さず、早めに売却する心掛けが必要となる。

二重ローンを組まざるを得なくなる

売却時期の遅れにより相場が下落すると、住宅ローンの完済ができるだけの価格で売却することも難しくなる。

こうした状況下で想像以上に安い価格での売却に至った場合は、住宅ローンの完済が不可能になり、新しい物件の購入費用と併せた二重ローンや住み替えローンの利用が必要となってくる。二重ローンによって月々の支払額が大きく増えれば当然、家計への負担も大きくなるため注意が必要だ。

新しいマンションのローンが通らなくなる

古い物件の完済できないローンを抱えたままの状況では、次のマンション購入費用のローン審査が通りにくくなる。基本的に住宅ローンなどの金融商品は、契約者本人の収入状況に合った金額が借りられる仕組みとなっている。こうしたシステムから考えると、古いマンションのローン残高が残った人よりも、完済をした上で新しいマンション分のみで申し込みをする人の方が遥かに審査に通りやすいと言えそうだ。

またローンが通らなければ次のマンション購入自体が難しくなってしまうため、早く高値で物件を売ることの重要性は非常に大きいと捉えるようにして欲しい。

売却活動をしている暇がなくなる

転勤を含めたライフスタイルの変化などのタイミングを大事にする人は、その時期に生じたモチベーションを上手に活用して一気にマンション買い替えを終わらせる傾向がある。

これに対して内覧対応が面倒などの理由で買い替えに欠かせない売却活動に消極的な姿勢を見せていると、そのうちライフイベントによって生じたモチベーションが減少して、不要なマンションに構う余裕がなくなることもあるようだ。こうした状況に至った物件の多くは、売却だけでなく賃貸すら行われずに放置されてしまう実態もある。

マンション買い替えのタイミングに関わる3つの方法

マンション買い替えの時期やタイミングを考える際には、下記3つのうち「どの流れで行動を起こすか？」といった部分も大変重要になってくる。またマンション売買に関する情報サイトにも多く登場するこれらのキーワードは、買い替えに向けたタイミングなどを計画する上で必ず知っておくべき存在と言えそうだ。

先売り（売り先行）

マンション買い替えをする上でまず、古い物件の売却活動に励むことを売り先行（先売り）と呼ぶ。初心者向けとも言える先売りは、多くの不動産売買サイトで推奨されている。

しかし場合によってはこの方法での買い替えが難しいケースも少なからずあるため、単純にメリットの多さだけでなく、自分の現状に合った方法かどうかを見定める必要があると言えるだろう。

先買い（買い先行）

買い先行はその名のとおり、古い物件を売る前に新しいマンション購入を行う方法だ。先買いとも言われるこちらの手段は、すぐに欲しいマンション物件があるなどのケースで多く用いられる存在となっている。

また古いマンションの売却費用の入る前に購入手続きの行われる買い先行は、経済的に余裕のある方々から利用されるケースが多い実態があるようだ。

同時並行

どちらも複雑な手続きとなるマンション売買は、同時並行で進めることもできる。例えば、ひとつの不動産会社に売却活動と物件探しの2作業を依頼すれば、ひとりの担当者とやり取りをしながらより良いタイミングで買い替えをしやすくなる。

しかし少しでも高くマンションを売却したい、絶対にこの物件が欲しいといった強い想いを抱えた多くの人は、先売りもしくは先買いのどちらか一方を優先的に取引を進めていくのが一般的となっている。

先売りでマンション買い替えを行うメリット・デメリット・注意点

マンション買い替え初心者向けの方法として知られる先売りは、比較的リスクの低い存在として知られている。しかし中には、先売りならではとも言える売却活動がストレスに感じる方々も僅かに見受けられるため、こちらの手段でマンション買い替えをする前に下記のメリット・デメリットの両方を把握しておくのが理想となるだろう。

資金計画を立てやすい

最初にマンションの売却を行う先売りには、新しい物件の購入前に資金計画を立てられるメリットがある。例えば、古い物件の売却でローンを全て完済すれば、新しい物件購入で必要となる金額と諸費用だけで資金計画を立てれば良い形だ。

このようにじっくり段階を踏む過程でお金に関する不透明な部分が解消する先売りは、そんなに多くの金銭的余裕のない皆さんでも安心して手続きを進められる方法となりそうだ。

新しい住宅ローン審査に通りやすくなる

古い物件の売却とローン完済を先に行えば、新しいマンション購入による次のローン審査にも通りやすくなる。また銀行などのローン審査は、他社からの借入額から総合的な判断を行う傾向もあるため、古いマンションの住宅ローンを完済していても、他にさまざまなところからお金を借りている場合は注意が必要だと言えるだろう。

もし次のローン審査をスムーズに通したいなら、借入額の少ない時期に買い物をするのもおすすめとなる。

相場の高いうちにマンションを手放せる

購入より先に売却活動をスタートする先売りなら、そのマンションの価値が高いうちに手放せるメリットも得られる。これに対して物件探しや気になるマンションの購入から入る先買いの場合、購入希望者の増える春や東京五輪前といったタイミングを逃せば、大事な物件の価値が一気に下がる可能性もあると言えるだろう。

こうした形で価値が下落するリスクの高いマンションは、先売りで早く確実に売った方が多くのリスクを解消できる。

生活中の空間を内覧者に見られてしまう

何かとメリットの高い先売りの中でも、内覧対応は数少ないデメリットに感じられることの多い存在となっている。

購入希望者に自宅の中を見てもらう内覧対応前には、広告掲載用の写真撮影や掃除、片付けといった作業が必要となる。また今現在暮らしているマンションの内覧対応は、基本的に売り主自身が行う形となるため注意が必要だ。もし売る側となる本人が仕事などで自宅にいない場合は、妻などの家族とスケジュール調整をしておく必要もあると言えるだろう。

内覧対応を避けることはできないの？

どう考えても安い買い物ではないマンション購入の場合、多くのお客様が「部屋の中を見てみたい！」と不動産会社に伝える形となる。

月額3～4万円ほどで購入できる賃貸アパートであれば、内覧をせずに契約に至る方々も僅かにいるようだが、数百万円～数億円レベルの取引となるマンション売却の場合は、内覧対応なしで納得の売約に繋げることはかなり難しいと捉えた方が良いだろう。

仮住まいが必要になることもある

先に古いマンションの買い手を見つける先売りの場合、タイミングによっては次に暮らすマンションが見つかるまでの間、賃貸マンションなどの契約をしなければならないケースもある。

この場合は、古いマンション→仮住まい先→新しいマンションという流れで2度の引っ越しをする必要も出てくる。他にも賃貸マンションの家賃も支払うことを考えると、先売りによる資金計画面のメリットを高めるためには、なるべく早めに古い物件を手放さなければならないと言えるだろう。

後売りでマンション買い替えを行うメリット・デメリット・注意点

続いて資金面で余裕のある人が多く実践する後売りには、メリット以上にデメリットの方が注目されやすい傾向もある。しかし資金計画を含めて下記の難点が気にならないという場合は、次の住み家になる物件の購入からマンション買い替えに向けた手続き全般を初めて良いと言えそうだ。

二重ローンになりやすい

先に新しいマンション購入手続きを進める先買いの場合、手持ちの現金や貯金を使ってローン完済をしない限り、二重にローンを組む形になる。また2つのローンをまとめる住み替えローンなどを使う場合は、再び審査が必要となるため注意をして欲しい。

こうした形で二重ローンに陥る可能性の高い先買いをする場合は、具体的な売却額がわからなくても借り換えなどの方法についてシミュレーションしておくのが理想となるだろう。

古い物件が売れる保証はない

後売りにおける最大のリスクは、古いマンション物件が売約に至る保証がない点だ。例えば、「◯千万円で早々と売れるだろう」といった何の根拠もない想定で先買いをした場合、売却活動開始から数ヶ月経っても売約に至らない状況に多くの売り手が焦りを感じる実態がある。

こうした先買いならではの失敗を防ぐためには、マンション買い替えに向けた行動を本格化する前に一括査定サイトなどを使って古い物件の相場だけでも調べておくべきだと言えそうだ。

買い替え特約にも注意が必要

こうした形で何かとリスクの高い先買いには、万が一古いマンションが売れなかった時に新しい物件の購入契約を白紙にできる買い替え特約というシステムがある。

買い替えする側にとって何かとメリットの高いこの契約方法は、多くの売り主に嫌がられる存在となっている。また停止条件とも言える買い替え特約は基本的に、契約者双方が条件などを決めていく形となるため、このシステムの利用を考えているなら、まず相手方に相談をする必要があると言えるだろう。

引っ越しがスムーズにできる

先に新しいマンション物件を購入する先買いには、先売りよりも遥かに引っ越しをスムーズにできるメリットがある。古いマンション売却までに時間がある場合は、専門の引越し業者を使わずマイカーなどを使って自分のペースで荷物の搬入をすることも可能となるだろう。

また古い物件が売約に至らない限り余裕を持って引越しできる先買いの場合、借り住まい先の賃貸住宅やトランクルームを借りずに済むメリットもあると言われている。

内覧対応のストレスもない

新しいマンションに荷物の搬入を終えてから古い物件の売却ができる先買いには、多くの売り手が苦手とする内覧対応を行わずに済むメリットもある。

例えば、家具や家電の運び出しの終わったマンションには、内覧に立ち会う時に「この部分は絶対に見せたくない！」といった想いも生じない存在となる。しかし長きに渡って設置していた家具をどかすと、床や壁の汚れや凹みが目立ちやすくなるため、立会い時にはそのリフォームについて話す必要も出てくると言えそうだ。

【まとめ】マンション買い替えタイミングはいつがおすすめ？

マンション買い替えにおける時期やタイミングは、「売買を行う人の事情」と「物件や社会的な外的要因」によって変わってくるものと考えられる。また効率的な手続きに欠かせないスケジュール調整は、先買いと先売りのどちらを選ぶかによって流れや時期が大きく変わってくると言えるだろう。

こうした形で何かと本人が決断するポイントの多いマンション買い替えで頭を悩ませた時には、簡単な手続きで古いマンションの売却額や不動産会社などを調べられる一括査定サイトなどを上手に活用してみて欲しい。

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