ポケモンGOの世界的な人気に便乗して、「メルカリアッテ」がiOS版に続きAndroid版の提供開始と同時に「ポケモンGO」カテゴリーを公開。今や人気のあまり賛否両論が叫ばれている「ポケモンGo」、日本初となるこのサービスの成り行きが注目を浴びている。
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このコラムには、合法的な広告・宣伝が含まれている可能性があります。また、当社のサービスである「ヒカカク!」と「magi」の紹介も含まれています。
「メルカリアッテ」のサービス
「メルカリアッテ」はフリマアプリを運営する「メルカリ」の100%子会社「ソウゾウ」が運営する地域コミュニティアプリである。写真にコメントを付けて投稿し、身近にいる相手と実際に会って売り買いの取引をするから、時短で手数料も発生しない、互いの住所も知られない。不要品だけでなくサービスやスキルの取引、仲間募集等様々に利用されている。
いわゆるクラシファイドサービスの一つで、米国ではかなりの歴史があるが日本では「ジモティー」が古参だ。「メルカリアッテ」ではチャットでお互いのコミュニケーションをとりながら売買する、写真にコメントを付けて投稿すると近くにいるユーザーと会うことが出来る等で一躍シェアを広げている。他に「ドリコム」も参入している。
「ポケモンGO」カテゴリーを追加
「メルカリアッテ」の持つ位置情報とコミュニケーションアプリを最大限に活用したのがこの「ポケモンGO」のとのマッチングだ。世界的な大爆発となった「ポケモンGO」に早速便乗して、「仲間募集・イベント」のカテゴリーの中に「ポケモンGO」カテゴリーを追加。近くにいる見ず知らずのポケモン仲間と会って情報を交換したり、一緒にプレイを楽しんだりできる。新しい友達が増えて楽しみが増す一方で、全く知らない相手と会うことの危険性が伴うシステムではある。
このことに関して、同社は「メルカリ」の情報を共有し怪しい者は削除すると言う。また同社は元「ミクシィ」の人材が多くあつまっているところから、過去の経験を生かし対処できるという。「ミクシィ」での技術を縦横に駆使しこの分野でも成功するのかが大いに期待されているところだ。
そもそも「ポケモンGO」とは
「ポケモン」こと「ポケットモンスター」ははじめ任天堂がゲームボーイ向けに発売したゲームソフトだ。世界中にいる「ポケモン」と呼ばれるモンスターを集めて育て、対戦したり交換したりするというもので、以降子供たちに支持され続け、アニメやカードゲーム等様々な形でこれまで20年間進歩し続けてきたゲームである。
子供たちが屋外で、「ポケモン」を交換しているのを見て位置情報ゲームとの合体を考えだしたのが「ナイアンテック」である。2012年Googleの社内ベンチャーとして発足、2015年独立した同社は先ず位置情報ゲーム「Ingress」を制作。「この世界では二つの勢力が世界制覇を狙っている。」との構想のもとに、地図上の仮想の拠点を競い合うゲームで、瞬く間に世界中を制覇した。
この「Ingress」を基に全地球測位システム(GPS)を駆使して、現実の場所に行くと「ポケモン」が現れ、捕まえるたり戦わせたりして遊ぶのが「ポケモンGO」ゲームである。 ポケモンファンには夢が現実になったような嬉しいゲームである。
「ポケモンGO」の人気
その人気は凄まじく、瞬く間に世界中に広がり、次々と記録を更新している。
- ・iOSのアプリストアにおいて、最初の1週間で1000万ダウンロードという過去最多記録
- ・数々のギネス記録
モバイルゲームとして、(1)配信から最初の1カ月のダウンロード数が最多(2)売上高1億ドル達成が過去最速(3)最初の1カ月の売上高が最高(4)最初の1カ月間の売上高で同時にトップを獲得した国・地域の数が最多(5)最初の1カ月間でダウンロード人気ランキングで同時にトップを獲得した国・地域の数が最多――の5項目。
売上高は20日間で1億ドル(約100億円)に達し、そのスピードは過去最速。また、世界70カ国でダウンロード数がランキングで同時にトップになったのは初めてで、55カ国で売上高首位に位置したことも、ギネス記録として認められた。
「App Annie」(市場調査会社)によると、「ポケモンGO」の売上がローンチから63日間で5億ドルに達し、6ヶ月後の2016年末までに10億ドルに達する見込みともいう。
「ポケモンGO」の便乗商品
このようにかってない記録を次々と打ち立てている「ポケモンGO」を、商魂たくましい人々が見過ごす筈はない。様々な便乗商品、サービスが後を絶たない。
先ず米国から。レビューサイト「Yelp」は日本で言えば「食べログ」のようなサイトで、ここからレストランなどを検索すると、検索結果価格のとなりに「Poke Stop Nearby」という表示が新たに追加された。顧客等の「ポケモンStopが近くにあるかどうか」という電話問い合わせが多く、その要望に答えるためでもある。
日本ではマクドナルドが世界で初めてのサービス、店内でゲームで使えるアイテムを提供したり、顧客同士が戦えるサービス等を始めた。「ポケモン」迷惑という風潮をよそにこのようなシステムを導入したことによる効果は既に明らかである。一時は肉の問題でマクドナルド離れが止まらなかった同社にとって、モンスターどころか救いの神となった「ポケモン」ではある。
「ポケモン保険」も現れた。
ロシア最大の国営銀行ズベルバンクが、「ポケモン」が原因の事故に5万ルーブル(約7万6000円)まで保証するという新しいタイプの保険を提供した。スマホの電話番号と「ポケモンGo」のニックネームを登録するだけで無料で加入できるという。事故にあった場合は、その状態を写真に撮って送ればよい。
同行は若者に「ポケモンGo」の危険性の認知と、保険の必要性の認識を広めたいとのこと。同行の営業時間には、各支店周辺のポケストップにルアーモジュールを置き、多くの「ポケモン」をおびき寄せるサービスも行っている。街中探し回らなくても、支店周辺に行けば捕まえやすい。ついでに支店に寄ってもらえばその人に合った保険の紹介もできる。モンスターと顧客両方をおびき寄せる方針である。
「ポケモンGo」が引き起こしている問題点
大人気の一方、大きな社会問題にもなっている。
アクセス不能
あまりにも多くの人々が一度にアクセスするので、一時的にアクセスできなくなったり、日常的にフリーズ状態になる等が起きている。同社は「必死で対応しています。皆様の忍耐心に感謝しております」等のコメントをTwitterで配信している。
仮想の世界と現実の世界のギャップ
「ポケモンGo」は仮想の世界の話であるのに、現実の地理上を歩くため、そこに大勢のファンが集まり、交通渋滞、公共の安全性が損なわれる事態が起きている。つまり「ポケモン」を追って崖から落ちたり、車を運転しながらゲームに夢中になって木に追突したり、果ては車にはねられたりときりがない。日本でも歩きスマホなどは大きな問題になっている。
計画的な犯罪も
一番悪質なのは計画的犯罪である。
米ミズーリ州では通報により、夜中の2時に一人で「ポケモンGo」をプレイしていた若者を狙っていた犯人たちを逮捕した。銃で武装した犯人たちは、このゲームのGTMシステムにより、気づかずに一人で遊んでいるプレーヤーを見つけておびき寄せていたと言う。
「ポケモン」を探し、捕まえるつもりが、自分がおびき寄せられたとは本末転倒も甚だしい。常に危険が伴うということを子供たちに教えなければならない。「ポケモンGo」当局は「いつも周りに気を付けて、慣れない場所へは友達と一緒に行くように。常に安全に気をつけて。」と勧めている。
終わりに
このように危険が伴う「ポケモンGo」であるが、「メルカリアッテ」では全く知らない利用者同士が実際に会うのだから危険度も高まる。新しい友達が増える楽しみの代償は大きい。この点に関して同社は、カスタマーサポートに専任、外部合わせて数十名体制で望んでいるという。ガイドライン違反者は投稿等の通報により削除する、またコメント等で怪しい者を常に監視している。「ポケモンGo」で緊急な対応が生じた場合は、「メルカリ」本社から人員を回すことができるとのこと。安全対策あっての「アッテ」の発展を望みたい。
トレード機能追加により、「ポケモンGo」の「ロケット団」ならぬ現実の「リアルロケット団」の出現が真剣に心配されているなかで、ユーザー各位の注意はもとより、「メルカリアッテ」のみならず関係各社の誠実な対応が切望されている。