Yahoo!オークション(ヤフオク)は、ネットオークションのなかでも最大の規模を誇っている。そのため、豊富な種類の中古オーディオが出品されており、ほしかった機種をリーズナブルに購入できるという魅力がある。また、ビンテージ品などの思わぬ掘り出し物と出会えるという楽しみもある。
しかし、故障などのトラブルも少なくないため、購入する際には十分な注意が必要である。
この記事では、中古オーディオを購入する際の注意点とチェックポイントを詳しく解説していくので、購入の際の参考にしてほしい。
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商品チェックの注意点
ヤフオクは基本的に「個人売買」であるため、自己責任が基本となる取引だ。出品者が業者であることも多いが、よほど説明と現物の状態が違うような場合を除けば、返金などには応じてもらえないことも多い。
そのため、中古オーディオのような精密機器の場合は、商品の状態について「チェック」を行うことが非常に大切である。
入札前のチェック
商品のチェックは、商品が手元に届いたときの「確認」だけではない。入札前に出品者に「質問」することで、商品の状態の詳細を把握することが可能になるのである。説明欄の内容だけでは納得できない場合、遠慮せずに質問欄から商品の状態を聞いてみよう。
ただし、あまりにもしつこく質問をすると、出品者から嫌がられることもあるので注意が必要だ。なかには出品物の価値を下げるためにしつこく質問をする悪質なユーザーも存在する。商品を安く購入するための値切り行為ならまだしも、明らかに同業者などからの妨害行為と受け取れるものもある。嫌がらせと誤解されないよう、マナーを守って簡潔な質問を心がけることが大切である。
商品を受け取った直後のチェック
もちろん、商品を受け取った時点ですぐに確認することも重要な作業である。出品者が業者の場合は、一定の保証期間を設けてくれている場合もあるが、ネットオークションの多くは「ノークレーム・ノーリターン」が前提の取引となっている。
しかし、中古オーディオのような精密機器は、出荷直前のタイミングなどで突然壊れてしまうこともある。受取の時点で壊れていた場合は、当然ながら返金を請求すべき事態だ。輸送中の事故という可能性もあるが、その場合も泣き寝入りせずに責任の所在を明確にすることも大切である。
高額の商品の場合は、送料に上乗せして「運送保険」をつけてもらうことが望ましい。例えば、商品の金額(保証金額)が10万円の場合、保険料は200円程度である。万が一の事故を考えると決して高い金額ではないので、保険はつけておいたほうが安心である。
アンプの基本的なチェックポイント
単体商品にせよ、コンポなどのセットにせよ、アンプはオーディオの要となるデバイスである。アンプが壊れているようではオーディオは成り立たないため、まずはアンプをしっかりとチェックしておきたい。
オーディオの部品のなかでも、アンプはかなり寿命が長い部品である。一般的な製品では30年が寿命と言われており、オークションでは古い機種も盛んに取引されている。
しかし、いくら寿命が長いとはいっても、電子機器である以上は故障することは避けられない。劣化しやすい部分については、必ずチェックが必要である。
スイッチ類のチェック
まずチェックしたいのがスイッチ類である。なかでもダメージを受けている可能性が高いのが「ボリュームスイッチ」である。ほとんどのアンプのボリュームスイッチはつまみを回転させて音量をコントロールする形式で、古くなったものは「ガリ」といわれるノイズが発生する恐れがある。音楽を聴く際には非常に不愉快であるため、見逃せないポイントだ。
ノイズが発生する原因は、可変抵抗器の磨耗や酸化による接触不良である。なかにはちょっとした汚損程度という状態で、つまみを回していればノイズが無くなってしまうものもあるが、基本的にノイズが発生しているものは避けておくことが無難だ。
電源スイッチや音源ソースの切替スイッチなども頻繁に使われる部分であるため、劣化している可能性が高い。電源のON・OFFができないようなものは論外であるが、必ずチェックしておきたいポイントである。
また、「ラウドネス」など人によっては全く使わない可能性があるスイッチも注意が必要である。長期間使われない接点は酸化している可能性が高いためだ。
アンプの内部もチェック
アンプの内部についても、事前に質問をしてチェックすることが必要だ。もっとも注意したいのは「ホコリ」である。特にオーディオマニアではないような人の場合、何十年もの間一度も清掃を行っていない可能性が高い。使用状態や保存状態を含めて、それとなく確認しておきたいポイントである。
また、ホコリと同様に「熱」もアンプにダメージを与える要素である。使用状況に加えて、アンプのボディ(カバー)が熱で変色していないかどうかを確認しておきたい。
トランジスタと真空管
ヤフオクでアンプを購入する場合、「トランジスタアンプ」と「真空管アンプ」とでチェックポイントが異なってくることにも注意が必要である。
トランジスタアンプの注意点
普及価格帯のものはほとんどがトランジスタアンプであるが、前述の基本的なチェックポイントさえ押さえておけば問題はない。
しかし、「A級」と呼ばれるものについては注意が必要である。A級やB級というのは増幅の仕方を分類するものであり、A級は歪みが少ない分、効率が悪くなってしまうという欠点を持っている。結果として発熱量が多くなってしまうため、熱による劣化には十分に注意したい。
真空管アンプの注意点
真空管アンプは独特の温かみのある音質で、現在でも熱狂的なファンが多い。機種によってはかなりの高額で取引がされているアンプである。
しかし、真空管の交換などメンテナンスが必要であるため、初心者にはあまり向いていない。特にヤフオクで購入した場合は、自分で維持管理をしていく必要があることを覚悟したい。自信がない場合はオークションではなく、アフターサービスのある専門店で購入することが無難である。
プレーヤーのチェックポイント
回転部分のあるプレーヤー
回転部分のあるプレイヤーは、中古オーディオのなかでも非常に故障しやすいデバイスのひとつだ。なかでも「CDプレーヤー」「SACDプレーヤー」は回転メカと精密な電子部品が入り乱れており、寿命も短くなりがちである。
特にピックアップやサーボは繊細な作りであり、故障も発生しやすい。ここが故障すると音飛びなどが起こってしまい、ほとんど再生することが困難になってしまうため、必ずチェックしておきたいポイントである。
トレイのドライブ関連部分
トレイのドライブ関連部分も故障しやすい部分である。頻繁にトレイの開閉を繰り返すと、いずれ寿命を迎える。モーターの故障も多いが、それ以上にベルトの劣化が起きやすい。ベルトは使用による劣化だけでなく、使用していなくても経年劣化してしまうため注意が必要である。古いCDプレーヤーを選ぶメリットはあまりないため、できるだけ新しい機種を選びたい。
レコードプレイヤーとターンテーブル
最近はちょっとしたブームになっている「レコードプレーヤー」「ターンテーブル」は、構造がシンプルなものが多く、CDプレーヤーに比べると不具合がわかりやすい。まずは、アームやカバーなどの主要部品に破損がないかをチェックすることが必要だ。古い機種だとパーツの再入手が困難なものも多い。パーツの状況や、代替品があるのかどうかをチェックしておくと安心である。
もっとも故障しやすいのは、ドライブ関連の部品である。いくら高価なレコードプレーヤーでも、この部分は物理的に劣化していく部分であるため、使用頻度を確認しておくことが大切だ。
また、モーターが正常でも基盤に不具合があると回転ムラが発生し、まともに音楽を再生することが困難になる。使用頻度が低くとも、長期間保管されていたものは湿気などで基盤にダメージを負っている場合もあるので、必ず動作のチェックをすることが必要である。
ベルトドライブの場合は、CDプレーヤーの場合と同じように使用頻度と経年劣化の双方の観点から程度を確認したい。ベルトが劣化していると、ほかの部分に異常がなくとも正常な回転数を保つことができなくなってしまう。
フォノイコライザー
ヤフオクでレコードプレーヤーを購入する際は、「フォノイコライザー」が装備されているかどうかを確認することも極めて重要である。これがないと音を出さないのであるが、アンプ側との兼ね合いもあるのでしっかり調べておきたい部分である。
昔のアンプにはフォノイコライザーが装備されていることが当たり前であったが、CDプレーヤーが主流になってくると、フォノイコライザーのないアンプが標準スタイルとなった。そのため、最近はレコードプレーヤー側にフォノイコライザーが搭載されるようになっている。
しかし、なかにはフォノイコライザーを搭載していないレコードプレーヤーもあるため、購入前にチェックしておくことが大切である。
スピーカーのチェックポイント
せっかく高価なオーディオ機材を揃えても、音の出口である「スピーカー」の性能が悪い場合は全てが台無しになってしまう。ヤフオクで購入する際は、メーカーやモデルだけでなく、程度についてもこだわりをもって商品を選ぶというスタンスが大切だ。
ロングランの商品の場合、かなり古い年代のものも出品されている。ネットの写真ではきれいに見えても、実際はかなり痛んでいるというケースが少なくない。せっかく憧れのモデルを安く手に入れたと喜んでも、手元に届いたらがっかりしてしまうような状態だったということも多いので注意が必要だ。
キャビネットの状態
スピーカーのキャビネットの状態は、おおよそ価格に比例する。目立つキズがある場合にはかなり価格が下がるが、相場より安く良い音を手に入れたいという人の場合は、あえてそういった商品を狙ってみるのもよいだろう。
しかし、クラックが入っているような状態ものは、どんなに安くても手を出してはいけない。もはやスピーカーとしての基本的な機能を満たすことすらできない状態だからだ。
また、コーンに破損がないかも慎重にチェックをすることが必要だ。コーンは普通に使用していれば滅多にトラブルが起きることはないが、物をぶつけたりすると簡単に破損してしまう繊細なパーツである。
専門買取業者からの購入もおすすめ
スピーカーは出品者の使用状況でかなり程度が左右されるため、ヤフオクなどのネットオークションを利用する際はある程度の不具合も覚悟しておく必要があるかもしれない。どうしても不安な場合は、専門の業者から購入することをおすすめする。
「じゃんぱら」「カウモバイル」といった中古家電を扱う業者は、商品のクオリティが一定以上の水準に保たれているため、安心して購入できるというメリットがある。気軽に公式サイトを覗いてみてはいかがだろうか。
まとめ
ヤフオクで中古オーディオを購入する際の注意点と完全チェックポイントをまとめた。オーディオのような精密機器をヤフオクのような個人売買サービスで購入する場合は、外観だけでなく内部にも不具合がないか目を光らせて確認する必要がある。ぜひ今日ご紹介したチェックポイントをクリアする商品を見つけてほしい。
また、一定以上のクオリティが保たれた商品を安心して購入したい場合は、専門買取業者での購入もおすすめだ。自身にとってどちらのほうがメリットが大きいのか、今一度よく確認して取引を進めてほしい。