伝統的な製本方法によって作られた和本は、理想的な専門店に査定依頼をかけることで高価買取の狙える古本カテゴリだ。
江戸研究の第一人者・中野三敏さんが文化勲章を受賞した近頃では、和本リテラシーというキーワードがメディアを賑わわせることにより、和本の価値を見直す人たちが増えつつあると言われている。
また和本の鑑定・査定実績の中には、1冊100万円を超えるものも大変多く見受けられるため、書斎や蔵、遺品整理の際に専門業者に査定依頼をするメリットも非常に大きいと考えて良いだろう。
今回は、一般の古本とも少し違った特徴や価値を備えた和本について、その定義や査定情報などを詳しく整理していきたい。
Sarutobi Sasuke new acquisition / pennjapanesecollection
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和本とは?
まずは、高額査定が狙える買取品目である和本について、その定義や基礎知識を確認しておこう。
和本とは?
和本というのは、糸や和紙を使った製本法で綴じられた江戸時代の本の総称だ。
書籍の外側が糸で綴じられた和本は、初めて手に取る人でも普通の本との違いがわかりやすい特徴がある。
また情報サイトやコレクターによっては、日本語で書かれた和書を和本と呼ぶ人たちも存在するため、明らかに外側が糸で綴られていなくても和本として買取可能なこともあると考えて良いだろう。
和本の種類にはどんなものがある?
東京古典会(東京都古書籍商業協同組合)のサイトでは、「古典籍(和本)とは?」というコンテンツの中で和本カテゴリに含まれる種類を細かく紹介している。
このページを確認してみると、古写経、古写本、古筆切、古文書、江戸時代写本、江戸時代版本なども和本に含まれることがわかる。
また和本買取店では、肉筆浮世絵や錦絵、絵巻物なども査定できることが多いため、和本の厳密な定義である「糸で綴じられた江戸時代の本」という部分にこだわらなくても、高額査定は狙えると言えそうだ。
和本が高く売れる理由とは?
江戸時代の人々によって書かれた(描かれた)和本は、歴史的価値により高額査定対象となることが多い存在だ。
特に当時の文化や風習を研究する大学教授などは、論文を書くための資料として和本収集を行なう傾向もある。
歴史的価値と希少性の高い和本の中には、博物館などに収蔵されるものも多く存在するため、どんなにボロボロであっても文化貢献と捉えて買取店に持ち込むべきと言えそうだ。
和本を高額査定に繋げるコツとは?
和本の定義を整理したところで、次はこのカテゴリに含まれる物をより高く売るコツを紹介しよう。
大事に扱う
江戸時代に作られた和本の多くは、数百年という長きに渡る保管により綴紐や紙にたくさんのダメージが生じている。
こういった和本を無理に本棚から引っ張り出すと、歴史研究に使えるほどの価値ある資料に破れや穴が生じることもある。
また、現代のハードカバーの書籍と比べて大変デリケートな特徴もあるため、普段の保管だけでなく査定依頼時の扱いにも十分に注意すべきだと言えるだろう。
和本や古書籍の専門店に依頼する
歴史的資料的価値のある和本は、比較的新しい本を歓迎する普通の古本屋では売れない。
和本買取ができるのは、古典籍、古書、古文書などを扱う特殊な古本業者が中心となる。
こういった買取品目のない書店に持ち込んでしまうと、その価値判断が正しく行なわれなくなってしまうため、一般の本と比べて業者選定が大変重要となるカテゴリと位置付けて良いだろう。
買取店に和本の情報を送ってみる
コンディションが大きく影響する和本の買取は、「現物を見てから査定額を提示する」という専門店がほとんどだ。
しかしメールなどで問合せ窓口を設けているショップでは、お客様から届いた和本の写真を確認した上で、買取の可否や概算額を含めた返答を行なうこともある。
また予め写真を送っておくことで、「店頭で断られる」などのトラブル回避もできるため、スムーズな取引を希望する人にもおすすめ度の高い方法になることだろう。
買取相場を把握する
和本買取に積極的ないくつかの業者に問合せをしていると、「どのぐらいで売れそうか?」といったイメージがしやすくなる。
こういった情報収集は業者比較を行なう際の良き判断材料となるため、メールや電話を使ってたくさんの査定士とコミュニケーションを図るメリットは非常に大きいと考えて良いだろう。
複数社への問合せを経て概算額を把握すれば、ショップに対して賢いユーザという好印象も与えられる。
大量の和本は出張買取サービスで売る
本棚にぎっしり詰まった和本を売却する際には、出張査定サービスを使って買取業者の査定士に自宅に来てもらう方法が大変おすすめだ。
出張買取を利用すれば、本棚から取り出した和本を梱包し、マイカーなどで運ぶ手間も省ける。
また大変デリケートな和本は、梱包から運搬をするタイミングで破けやすい傾向があるため、その扱いに慣れていないユーザの場合は無理に自分で運ばない方が良いと言えるだろう。
古文書や浮世絵などとのセット売りもおすすめ
出張買取サービスを使って査定士に来てもらうと、同じ部屋に保管されていた古記録や中国・朝鮮本、草稿、古地図なども一緒に処分できる。
近頃では、遺品整理を兼ねて故人の書斎に査定士を呼ぶ人も増えているため、出張査定サービスを上手に活用することで想定外の現金化が生まれると考えて良いだろう。
和本の買取相場とは?
歴史的資料となる和本の買取相場は、インターネットを使っても調べにくい難点がある。
和本の買取価格は公開されにくい
和本の買取額が公開されにくい背景には、このカテゴリの査定が「本棚1つ分」とか「ダンボール1箱分」といった形で大量に持ち込まれることが多い実情がある。
また歴史的価値の高い和本の場合は、買取業者から博物館などに流れるケースも多く見受けられるため、公に買取価格を公開できない裏事情も存在するのだ。
オレンジコムでは和本の買取価格を公開中
京都で古書買取を行なうオレンジコムは、和本の査定額を公開する大変珍しい専門店だ。
この業者のサイトを見てみると、江戸名所図会の古文書20冊揃に130,000円もの高額査定がついたことがわかる。
都林泉名勝図などの和本については、6冊セットで17,000円ほどの買取額になるようだ。
1冊1,000,000円以上になる和本もある
人気テレビ番組・なんでも鑑定団の鑑定実績の中にも、和本に関する情報がいくつか存在する。
大正時代に作られた文土録の中には、作家の筆跡と一級資料的な価値により2,500,000円もの鑑定額がついたことがある。
今から410年ほど昔に作られた徒然草の第一版には、上巻だけでも15,000,000円もの金額がつくため、書庫や蔵に眠っている和本の中には所有者も知らない歴史的価値があることも多いと捉えて良いだろう。
まとめ
一般の古本とは全く異なる価値・特徴を持つ和本は、その書物の買取に積極的な業者に持ち込むことで、確実に高く売れる存在だと捉えて良いだろう。
また一級資料的価値のある和本を多く買い取りたいと考える業者では、対応エリア外でも出張査定をしてくれるケースも見受けられる。
書物のタイトルや作家名、現物の写真などを送付して査定士との積極的なコミュニケーションを図るユーザの姿勢も、よりスムーズな取引を生むと考えて良さそうだ。
もし納得の査定を出してくれる業者と出会えない時には、たくさんの古書店が登録されている当サイト・ヒカカク!も参考にしてみて欲しい。