自分のコレクションを処分したい、引っ越しを機会に処分したい、今あるモノを処分して新しいモノが欲しいと考えたときに、不用品を買取で現金化したいという人は多いはず。そんなとき、何の下調べもしないで売ってしまうと、大きく損をしてしまうリスクは高くなる。もしかするとその不用品は、思いがけない価値のあるモノの可能性があるのだ。そのような損をしてしまわないためにも、買取を考えたときは下調べをして、ある程度のポイントは押さえておくべきだろう。
そこで、買取における基本的な知識やポイントについて紹介していくのだが、今回取り上げるのは、「薩摩切子」について。この薩摩切子を高く売る方法のポイントをまとめておくので、薩摩切子を売りたいと考えている人は、是非参考にしておくといいだろう。
本記事のポイント
- 現在の薩摩切子は復元のため、それ以前のものは高額査定になりやすい
- 「紅」「黄色」は人気
- 間違われやすい江戸切子と薩摩切子の違いとは?
CONTENTS
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薩摩切子とは?
西洋の憧れが導き出した日本の芸術品といえば、薩摩切子だろう。当時は勿論のこと、現在でも高い人気を誇る薩摩切子は日常生活でも多くの人々が使用している。結婚祝いや内祝い、還暦など、お祝いの場面でも好まれる名品だ。さて、そんな薩摩切子とは一体どのようなものなのだろうか。
薩摩切子の歴史や由来、復刻により復活した経緯
薩摩切子は、江戸幕末に鹿児島の薩摩藩で生まれたカットグラスの総称のこと。 しかし、この頃の薩摩切子と呼ばれているものは、ごく短期間だけに作られているため、当時のものであれば貴重だと考えられている。
1887年に一旦薩摩切子の歴史は幕を閉じた。それから百年余り、島津家に残っていた資料や集成館所蔵の資料を元に復元する動きが見られ、鹿児島県協力のもと「薩摩ガラス工芸」が設立。現在の形となって販売されている。
薩摩切子の特徴
数あるガラス製品の中で、薩摩切子にはどのような魅力があるだろうか。
ぼかしと呼ばれるグラデーション
薩摩切子が人気である最大の特徴は、ぼかしと呼ばれる美しいグラデーションだ。昔の薩摩切子は酸化鉛を45%ほど含有していたと言われているが、現在ではクリスタルガラスが使われ、ぼかし技術を出すために色ガラスを乗せている。様々な薩摩切子が存在しているが、どちらかと言えば、この技術が最も有名だろう。
深い彫り
薩摩切子は、太い線で下地の透明ガラスの部分まで太く削っていき、少し太い線で、溝の芯のみだけ少し色を抜いていく。そして、下地の透明のガラスまで削り取らないように、細い線によって、溝の芯の色が抜ける寸前まで彫っていく。さらに、線を細くして、細かい文様が入って行き、色を抜かない部分を施していく。その4つの加工を終えた後、最後は一切削らないガラス面を残すことで、独特の彫りが深い表情が生み出される。
種類が多い
また、種類も何個があるのが特徴で、「古薩摩切子」、「新薩摩切子」、「復元薩摩切子」、「創作薩摩切子」などがある。
中でも、緻密な細工の技術と薩摩藩しか出せない紅色のクリスタルグラスで出来た薩摩切子は、鹿児島の伝統的な一級の工芸品として注目され、その地位と知名度が確立している。
江戸切子と薩摩切子の比較
薩摩切子は江戸切子とともに語られることが多い。それだけ似ていて、違いがわかりにくいと言える。経緯を考えればそれも当然かもしれない。
江戸切子と薩摩切子はどっちが先なのか
よく似た切子として、江戸切子がある。江戸切子は、江戸時代後期・約1834年が始まりだと言われている。江戸大伝馬町の加賀屋久兵衛がガラスの表面に彫刻を施す工夫をおこなったところから歴史を紡いでいる。
対して、薩摩切子は1846年に、江戸のガラス技術が薩摩に伝播したとされている。つまり、江戸切子の方が歴史が長く、薩摩切子が続いたものと考えられる。
江戸切子と薩摩切子は混同されがちで偽物も多く存在
この2つは、素人目ではなかなか見分けがつかない。実際、海外で作られた切子を江戸切子とうたって販売していたという事例も出ている。見分けるためにはかなりの目利きが必要と言えるだろう。加えて、偽物も多く存在するため、真贋鑑定も重要である。
江戸切子と薩摩切子の違い
理解したところで見分けるのは難しいが、この2つの違いはなんであろうか。比較すると以下のような特徴が見られる。
- 江戸切子は伝統工芸品であるが、薩摩切子は伝統工芸品ではない
- 江戸切子は無色か薄い色被せガラスであるのに対して、薩摩切子は厚い色被せガラスである
- 江戸切子の彫は力強く、薩摩切子は繊細でグラデーションがある
- 江戸切子は日用品として古くから作られていた反面、薩摩切子は美術品としての扱いが多かった
- そのため、よく見ていると柄のデザインの方向性の違いがある
値段はなぜ高い? リーズナブルなものも
江戸切子はシンプルな柄が多いが、薩摩切子は文様を組み合わせた華やかなものが多い。「なぜ高いのか」というと美術的側面や手作業による工程の煩雑さなどが挙げられるだろうが、2つの価格帯にはさほど違いはなく、グラスで1つ5,000円程度から高いものでは十数万まである。
薩摩切子の査定ポイント
まず、薩摩切子を買取依頼へ申し込む前に、「できるだけ高く売りたい」と考えているのであれば、買取市場における薩摩切子の価値を知っておくべきだろう。価値が高い薩摩切子は数多くある。
全盛期の薩摩切子はかなり高額に
骨董買取でも需要が高い薩摩切子は、常に人々を魅了し続ける宝石のような存在とも言える。もしも全盛期の中で作られた薩摩切子が現存すれば、かなりの高価買取が期待できるだろう。
大人気テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系)では、2013年に、江戸期に作られた薩摩切子が登場した。中でも天下一品の作品だったとのことで、「カットの文様と技術が優れており、同時代の江戸切子と比べても非常に緻密」という講評とともに、この年4位となる2000万円の評価額がついた。
薩摩切子は人気作者は高額に
薩摩切子は食器でありながら、その作りの美しさなどの芸術性から、美術品としての価値もあり、コレクターが多い。アート作品として作られている薩摩切子もあり、薩摩切子を作っている作家が多く存在している。有名作家は特に高額査定が見込める骨董品だ。
薩摩切子の有名作家・製造元
- 薩摩ガラス工芸
- 菊かごめ徳利
- 島津薩摩切子
- 亀井硝子
- 薩摩びーどろ工芸
- 宇良武一
- 阪本光男
- 長谷川久志
- 中根櫻龜
- 高橋太久美
- 頌峰
- 黒木国昭
人気デザインでカットが美しい
文様などが現代でも人気のあるモノだと、価格も高くなりやすい傾向にある。中でも、カットが美しかったり、薩摩切子の特徴である紅色のものは、美術的価値が高く高価買取が望めるだろう。
薩摩切子の「状態」は何より大事
買取査定で、最も重要視されるのは現物の「状態」だ。これは、買取市場において基本的なポイントだろう。買取では現物の「状態」がシビアに査定されるため、良い状態で買取へ出すほうがプラス評価となりやすい。
例えば状態の悪さとして、汚れ、ホコリ、欠け、割れ、水垢などがあげられる。少しでも見つかれば、確実にマイナス評価となり買取金額は減額となるだろう。保管の状態は日頃から気を配り、買取へ出す前にはキレイな状態で出せるよう、細かいところまで掃除をしたいところだ。
付属品は忘れないようにすべき
基本的に買取市場では付属品が揃っていると、買取金額が上乗せになる。逆に付属品が揃ってない場合には、マイナス評価となり、買取金額が減額となる。薩摩切子の場合には、化粧箱、共布、説明文などがあるだろう。買取査定する際には、忘れないように持っていこう。
薩摩切子は骨董品・古美術品の専門業者で買い取ってもらうべき
薩摩切子を買取依頼へ出そうと思ったときに、どこで買取の査定依頼をするといいのか、多くの人が悩むところだろう。薩摩切子を買取へ出す場合には、骨董品や芸術品や美術品を専門で買い取っている業者で、買取依頼を申し込んだほうがいい。ネットオークションやフリマアプリなどで出品した場合、薩摩切子の本当の価値がわからず損をするリスクが高くなる。
それだけ、骨董品、芸術作品の価値を量るには膨大な知識や情報、経験が必要であるため、薩摩切子の本当の価値は素人にはわかりづらいものだ。ただし、明らかに近年に作られた薩摩切子で、そこまで美術品として価値がないとわかるモノであれば、ネットオークションやフリマアプリで出品したほうが高く売れる傾向にある。
複数のショップで買取査定を
出来るだけ高く売りたいと考えるのであれば、複数の買取ショップや業者へ買取依頼を申し込むべきだ。薩摩切子の目利きは非常に難しいものであり、買取金額も業者によって大きく違う。業者によっては薩摩切子の需要度が高く、買取強化している場合もあるだろう。
そういったところでは、市場の相場よりも少し高い買取金額となることがある。ショップや業者によって必要としているモノが違うため、買取金額も数万円、高価なものでは数十万円も価格が変わることがある。できるだけ多くの店舗やショップの買取査定で比較検討すべきだろう。
薩摩切子の買取金額相場は…
薩摩切子の買取金額の相場に関しては、ピンからキリまで買取金額があり、明確な相場はないと言っていい。また、買取金額に関しても非公開にされていることが多いため、ここで紹介するものは、あくまで目安にしておいたほうがいいだろう。
いくつかのサイトや口コミなどでは、4,000円〜88,000円くらいまでの買取実績があるようだ。ただ、希少な薩摩切子となると、もっと高い金額になる場合もあるだろう。
明治初期に途絶えてしまう前の薩摩切子は、今は殆ど残っていないため、骨董品としての稀少価値が高く、中古市場でも高値で取引されている。島津家ゆかりの薩摩ガラス工芸でつくられた復元品の薩摩切子は、鹿児島県指定の伝統的工芸品で、かなりの高価買取が期待できると言える。
しかし、現在では、ガラス工場・職人・研究家等の協力により薩摩切子は再興を果たし、復元品や伝統の薩摩切子の特徴を踏まえた創作品、新作品が生産されている。これらの中には、安価になってしまうも多くあるだろう。
薩摩切子の買取相場・買取実績例
- 「由水常雄造 銅赤藍被せ六角籠目文 ワイングラス 一対」88,000円(ヤフオク)
- 「赤緑色被せガラス 脚付酒器 ワイングラス 2点」60,000円(ヤフオク)
- 「カメイガラス 薩摩切子」40,000円(ライフバケーション)
- 「薩摩切子 脚付杯 赤色被せガラス 2客」35,000円(鹿児島リサイクルショップ買取専門店)
- 「島津切子 箱なし 大皿」30,000円(ライフバケーション)
- 「尚古集成館監修 復元 島津 紅色被せガラス」23,100円(ヤフオク)
- 「復元薩摩切子 六角籠目に麻の葉小紋 脚付杯中」〜20,000円(エコスタイル)
- 「島津薩摩切子 212 二色衣 タンブラー 切子」15,000円(エコスタイル)
- 「薩摩切子 舞硝 ロックグラス」12,000円(ライフバケーション)
- 「島津切子 創作 ロックグラス」12,000円(ライフバケーション)
- 「薩摩切子 復元 ペアグラス」10,000円(ライフバケーション)
- 「島津磯斉彬竈 色被せガラス」7,000円(エコリング)
- 「創作島津薩摩切子 切子食前酒杯」5,000円(緑和堂)
- 「復元島津薩摩切子」4,000円(緑和堂)
薩摩切子の買取を行っているショップ・業者を紹介
ここで、薩摩切子をおこなっている買取業者を紹介する。ぜひ、参考にしておくべきだ。どの業者も評判の高い買取業者であるため押さえておこう。
【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
総合美術買取センターは絵画、美術品、骨董品の買取業者である。電話、メール、LINE、出張などの様々な買取方法があり、急ぎの人には嬉しいスピード査定、スピード回答を行っている。総合美術買取センターでは、安心のクーリングオフ制度もある。買取相場がピカイチで、当サイトでもトップ3に入る人気の買取業者である。
高山質店
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
高山質店は、薩摩切子のほか時計やジュエリー、ブランド品、人形などの買取も行っている老舗買取店。年間100万件、創業100年という買取実績のおかげで確かな鑑定力を身に着けたスタッフが多いため、高額買取することができる。買取方法は店頭買取と宅配買取の2つ。宅配買取については宅配キットの用意があるため無料で送ることができるほか、本査定に納得いかずキャンセルした場合でも、返送料無料で送り返されてくる。
バイセラジャパン
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
ハイジュエリー・ダイヤモンド・ブランド品買取専門店のバイセラジャパンは、表参道・銀座・横浜に店舗を持っており、各メディアにも多く取り上げられている。買取方法は店頭買取・出張買取・宅配買取の3つ。
店頭買取では飛び込みでも受け付けてくれるが、あらかじめ予約をしてから向かうと待たずに査定してもらうことができる。出張買取では事前査定の上法もすることになるが、事前査定で10万円未満であった場合には受けられないサービスだ。宅配買取では梱包キットの用意があり、万が一査定額に満足せずキャンセルした場合でも返送料等は一切かからない。
LINE査定に対応している買取業者
大吉
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
古銭や記念切手、時計などのブランド品なども取り扱っている買取専門店の大吉は、全国に店舗を有し、カフェのような雰囲気で入りやすい店づくりを心掛けている。薩摩切子に関しては店舗によって買取ができる店舗とできない店舗があるため、買取を希望する場合には一度問い合わせてみると良い。なお、買取方法は店頭買取・出張買取・宅配買取の3つ。
八光堂
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
大手・八光堂は美術品・骨董品などの買取をおこなっている。創業40年以上と歴史は長い。買取は店舗もしくは、日本全国完全無料の出張。よく買取実績をアップしているが、薩摩切子にはなく紹介ページが設けられているようだ。
出張買取に対応している買取業者
いわの美術株式会社
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
数多くの専門鑑定人を抱える美術品・骨董品買取専門店のいわの美術株式会社。買取品目には絵画や日本刀、西洋アンティークなどの買取、遺品整理も行っている。北海道から九州まで、ほぼ全国どこへでも無料で出張査定をしてくれるため、遺品整理をしながら査定をしてもらうことも可能だ。また、鑑定人間の情報交換が豊富で複数人での訪問も可能なため、ジャンル問わずまとめて査定してもらうことが出来る。
エコランド
買取価格
スピード
手数料
許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
あらゆる高額なモノを高価に買取ることで知られる買取業者にエコランドがある。買取品目は薩摩切子の他、業務用品、光学機器、測量機器、農機具、建設機器など元値が高額なものばかりである。店舗が鹿児島県にあるため人件費や固定費を安く抑えることにより高額買取が実現できると謳っている。買取方法は店頭買取・出張買取・宅配買取の3つ。出張買取は鹿児島県内が基本だが、県内でも遠方の場合には宅配買取となる。宅配買取は全国から受け付けているが、キャンセルした場合の返送料は自己負担となる。
まとめ
ここまで、薩摩切子の買取で最低限押さえておきたいポイントについて紹介してきた。薩摩切子の買取では、ある程度ポイントを掴んでおくべきだ。なぜならば、もしかしたら歴史的価値があるもので、非常に高価な買取となる可能性があるからだ。買取へ出す前に、
もし、押入れに眠っていたり、不要になってしまったコレクションの薩摩切子があるのであれば、是非一度査定に出してみては いかがだろうか。