世界的な人気を博すiPhone。iPhone6、iPhone6Plusが日本で発売され、多くの人が手にした。そんなiPhoneの産みの親であるスティーブジョブズが魅せる驚異のプレゼンテーションと名言をまとめてみた。
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革命的iPodを発表するプレゼン(2001年)
なぜ音楽なのか?それは音楽が好きだからです。好きなことをするのは最高でしょう。
デジタル音楽の市場においては、まだ勝者がいないのです。
「HDDプレイヤー」が正解だということです。今日紹介する商品はそこに位置し、商品名は「iPod」といいます。
iPod最大の特徴は「1000曲入れられる」ことです。これは大きな躍進です。多くの人にとって、それは「手持ちの全曲」です。
iPodの最もクールな点は、すべての曲をポケットに持ち運べることです。
革命的iPhoneを発表するプレゼン(2007年)
数年に一度、全てを変えてしまう新製品が現れます。それを一度でも成し遂げることができれば幸運ですが、アップルは幾度かの機会に恵まれました。
本日、革新的な製品を3つ発表します。
タッチ操作 iPod、革命的携帯電話、画期的ネット通信機器、お分かりですね?
名前は、iPhone。今日、アップルが電話を最発明します。
スタンフォード大学卒業式辞(2005年)
点がやがてつながると信じることで、たとえそれがみんなの通る道からはずれても、自分の心に従う自信が生まれます。これが大きな違いをもたらしてくれるのです。
そのときには分かりませんでしたが、アップルを首になることは私に起こり得る最善のことでした。成功していることによる重圧は、再び新参者となったことによる軽快さで置き換えられ、何事にも確信の度合いが減りました。私は人生で最も創造性豊かな時期へと解き放たれたのです。
他の人の意見という雑音に自分自身の内なる声をかき消されないようにしましょう。そして最も重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことです。心と直感は本当になりたい自分をどういうわけか既に知っています。その他すべてのことは二の次です。
「ハングリーであり続けろ。愚かであり続けろ。」そして私は常にそうありたいと願ってきました。
いかがだっただろうか。商品それ自体の価値も然ることながら、その見せ方、プレゼンテーション能力の高さこそ彼の功績を支えるものであったと言えるだろう。
スティーブ・ジョブズのプレゼンが人々を魅了する訳とは
スティーブ・ジョブズはもちろんそのカリスマ性、話し方、身振り手振り、言葉遣いなど、飛び抜けた表現力の高さはあるだろう。では、単純にそのパフォーマンスだけが優れていたのかといえば、そうではない。スピーチの構成や内容面から見ても、シンプルにうまくまとめられている。では、スティーブ・ジョブズのプレゼンのどのような点が優れているのか見ておこう。
結論やアウトラインを先に話す
スティーブ・ジョブズは、プレゼンの最初に結論とアウトラインを明確に伝えることによって聞き手が覚えられるようにしている。そしてこれをプレゼンの終わりにも話すことで聴衆に確認し、内容を印象付けているのだ。
要点を3つでまとめている
人間が短期記憶として覚えておける内容は、3点か4点が限界だと言われている。たくさん言ったとしても残念ながら全ては伝わらないのだ。
難しい単語を使用しない
スティーブ・ジョブズは決してプレゼンにおいて複雑な専門用語を使用していない。その単語や表現は非常にシンプルなもので、聴衆にも伝わるように配慮している。
簡潔なヘッドラインを作成する
スティーブ・ジョブズは、製品やサービスについて短い一文で表現していた。聴衆に対して簡潔なヘッドラインを用意することで、理解しやすいように配慮されている。例えば初代iPodの時は「iPodはガムより小さく軽いんだ」「1000曲をポケットに」、iPhone 3Gの時は「iPhone 3G。速度は2倍、価格は半分」といったようにシンプルな言葉で表現している。
数字を効果的に活用する
スティーブ・ジョブズは大きな数字だけをただ投げ出すのではなく、聴衆みんながわかりやすいように効果的に数字を用いていた。定量的な説明は確かに有効であるが、単に数字を並べるだけではイメージが湧かない。例えば「今までに売れたiPhoneは4000台。1日平均2万台のiPhoneが売れたことになる」というふうに、「1日平均」という言葉を添えたことで、より聴衆はイメージがしやすくなるという訳だ。
要所要所で聞き手を誘導する
スティーブ・ジョブズは、プレゼンの導入部分だけでなく、要所要所でもアウトラインを話し、聞き手を誘導している。ただ話を聞いているだけでは、人の集中力に限界があり、なんの話を聞いているのかわからなくなってしまうことがあるだろう。スティーブ・ジョブズの場合は、今なんの話を始めるのか、全体の話の中のどの位置なのかを聴衆に対して理解させているのだ。
スライドに文字を詰め込まない
スティーブ・ジョブズのプレゼンに使用されたスライドは、そのほとんどがイメージやシンプルな単語のみで構成されていた。聞き手はスクリーンに多くの文字があると、話し手の言葉から意識が外れてしまう。イメージを多用し、文章を少なくすることで、聞き手の注意がスクリーンに移ってしまうのを防いでいるのだ。
サプライズ的要素を取り入れる
スティーブ・ジョブズのプレゼンでは、その途中でサプライズ的な要素が盛り込まれる。例えばビデオクリップやアニメーション、音楽など。それまでのプレゼンとは少し空気を変えることで聞き手の集中力を途切れさせることなく、話を聞いてもらうことができる。
プレゼンを効果的に締めくくる
スティーブ・ジョブズのプレゼンにおける締めくくりはいつも印象的だ。特に有名なのは”One more thing”。プレゼンの目玉を最後に持ってくる手法をとっている。最後に大きな発表がくることによって、聞き手は強い高揚感を得たまま会場を後にすることになるだろう。
プレゼンとは、人にいかに価値を魅力的に伝えるかが勝負になっていると言えるだろう。スティーブ・ジョブズはプレゼンをするにあたって、何度もリハーサルをしていたと言われている。プレゼンは才能だけでなく、たゆまぬ努力も必要なのだ。