セアト(SEAT S.A.)は、スペイン・カタルーニャ地方にある自動車ブランドである。SEATとは、Sociedad Espanola de Automoviles de Turismo(スペイン乗用自動車会社)の略である。

1978 Seat 124 2000 / Spanish Coches
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政府主導で創業された自動車会社
セアト誕生の経緯は、一般の自動車会社とは少し異なっている。自動車会社の多くは、創業者がクルマ好きであったり、車の製造に携わっているなかで自分で車を作り始めたり、自転車会社から発展したり、という経緯で設立されているが、セアトは政府主導のもと設立された企業なのである。
自動車会社を設立した理由
政府や銀行などは当時、景気が下を向き、戦争などによるダメージの大きかったスペインを強くするための政策を検討していた。そのなかの施策の1つとして候補にあがったのが、自動車業であった。
自動車の製造技術を学び、自動車を開発することによって人々の暮らしを豊かにするという目的だけでなく、すでに外国で発展しはじめており、今後国内でも増えていくであろう自動車を、輸入するのではなく国内で製造したいという目的もあったとされている。
フィアットとの提携とセアトの発展
セアトが創業してからの約30年間は、イタリアの大手自動車会社フィアット(FIAT)の協力により自動車を開発していた。当初の車はすべてフィアットが設計を担当し、セアトはその製造技術を吸収していった。
高級車も製造していた時期があったが、当時のスペインには高級車需要はなく、価格の手頃な小型車の販売がのびていた。また、セアト独自の車種だけでなく、フィアットの人気車種「パンダ(Panda)」のライセンス車「セアト・パンダ」なども製造していた。パンダは、フィアットとの提携解消前に最後に製造した車だ。
輸入車の高い関税
スペインでは輸入車も人気があったが、政府が輸入車に高額な関税をかけたことにより輸入車の売れ行きは伸び悩み、代わりにセアト車がどんどん売れた。スペインの自動車産業を発展させるという国策は、みごとに成功したのである。
フォルクスワーゲンとの提携
1980年頃、フィアットとの提携を解消した後は、ドイツ・フォルクスワーゲン(Volks Wagen)グループ傘下に入っている。
現在も製造されており人気のある車に「イビサ」「レオン」があるが、これらはフォルクスワーゲン・ポロやゴルフなどをベースに開発された車である。
ラリーでの実績
セアトは、WRC(世界ラリー選手権)などに参戦している。主なラリーカーは、フィアット124ベースの「セアト124ラリー(SEAT 124 Rally)」や、イビサのセダン「コルドバ(SEAT Cordoba WRC)」、「セアト・レオン・ラリー(SEAT LEON Rally)」などがあり、黄色いラリーカーが目印だった。
セアト・マルベーリャ(SEAT Marbella)という車で参戦した際には、カーブで横転して逆さまにひっくり返ったにもかかわらず、数人がかりで車を元に戻し、そのままレースに戻ったというエピソードがある。
人気車種の買取価格相場
日本に正規ディーラーはないが、並行輸入車、個人輸入車などが入ってきており、新車、中古車とも購入は可能である。基本的には左ハンドルだが、イギリスからの並行輸入の右ハンドル車も購入することができる。
セアト・レオン(SEAT Leon)
人気の高かった4ドアセダン「トレド」の5ドアハッチバック版である。フォルクスワーゲン・ゴルフや、アウディA3と共通のプラットフォームや部品を採用しており、信頼性は高いが、ゴルフやアウディよりも安価で入手しやすい車だ。
現行のレオン・クプラ(Leon CUPRA)は、より走りを追求して開発された車で、ドイツ・ニュルンベルクのコースで新記録を出したこともある。その後、ルノーのメガーヌ RS 275トロフィーにその座を奪われたが、新たな軽量パッケージを投入し、奪還をめざしているとされている。
2.0TSI 240PS 左ハンドル車(ブラック)の買取価格は60万円前後と予想される。なお、中古車市場に出てくるのはごく稀だ。
買取査定の注意点
車を売るときは、たいていの場合、ディーラー下取りよりも買取店への売却の方が高額査定してもらえることが多い。ただし、買取店によって査定額にふくまれているものが違う場合もあるため、価格だけを見るのではなく、内訳もしっかり確認したい。
自動車税の還付金をチェックしよう
自動車税は、毎年5月に一年分を納入することになっている。年の途中で車を手放した場合はその分戻ってくるのである。
還付金を含めて査定額を出している業者が多いが、そうでない場合、査定額にプラスして還付金が支払われることになる。その点を考慮に入れて、査定業者を比較すると良いだろう。なお、査定のときは、少なくとも3社以上の見積もりを取り寄せるようにしたい。
自動車オークションの注意点
近年、自動車に限らずオークションは一般的になっている。特に希少な品の場合は、買い取り店に売却するよりも高く売れることが多々あり、人気が高まっている。ただし、自動車の場合は注意が必要だ。
個人間の取引は特に要注意
車のように、高額で判断が難しく、手続きの煩雑な品の場合は、特に個人間のオークションは控えた方が良いだろう。車の状態に関するトラブルも考えられるうえに、個人での手続きには手間がかかる。よっぽど詳しく慣れている場合以外は、業者に売却した方が無難だ。
オークション専門業者もある
業者が集まるオークションに出して売却してもらう、オークション代行という仕組みがある。業者が手続きしてくれるので、個人取引よりは安心できるが、オークションで買い手がつくまでに時間がかかる場合が多いというデメリットもある。
売却方法は最初から決めず、情報を集めてしっかり検討してから売りに出すようにしたい。