モーク(MOKE)は、イギリスのブリティッシュ・モーター・コーポレーション(BMC)によって1964年から1996年に製造販売された車である。
設計者は、BMCが開発した小型自動車ミニ(MINI)の設計者として知られるアレック・イシゴニス氏。ミニをベースに設計された車だ。
ミニベースの車としては5番目に登場した車と言われ、ミニ・モークとよばれた。なお、モークとは、イギリスでロバを意味する言葉である。

Mini Moke / pedrosimoes7
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軍用車として計画されたミニ・モーク
ミニのエンジンやトランスミッション、サスペンションなどをベースに設計されたミニ・モークは、もともとは軍用車を想定してつくられた車だった。
アメリカ・クライスラーの四輪駆動車ジープ(Jeep)の小型版をイメージして設計されたと言われている。
兵や武器を乗せたまま空からパラシュートで地上に降り、着陸後にそのまま走行できる車というのがモーク開発の目的であったが、オフロード走行に難があり、最終的にはイギリス軍に採用されることはなかった。
車の小ささと車高の低さから悪路走行への耐性が足りず、軍用車としての使用が認められなかったのである。
市販車としてのミニ・モーク
イギリス国内で市販車として販売されたのは、1964年から1968年の約4年間であった。イギリスでは14,500台製造されたとされている。
イギリスでの生産終了後は、オーストラリアやポルトガルのBMCで製造販売が続けられた。オーストラリアでは26,000台、ポルトガルでは約1万台のモークが生産されている。
オーストラリア製のカリフォルニアン
オーストラリア製モークには、カリフォルニアン(Californian)という有名なモデルがある。
アメリカへの輸出を目的として開発され、人気が高かった。
そして、オーストラリアでの製造終了後に生産を引き継いだポルトガルのBMCでは、オーストラリア仕様とイギリス仕様車、両方のモークが製造販売された。
オートバイメーカー「カジバ」への売却
1990年、ブリティッシュ・レイランド(旧BMC)が、モークの権利をイタリアのカジバ(Cagiva)社に売却した。
カジバとは、当時オートバイメーカーであるドゥカティ(DUCATI)を所有していたオートバイメーカーであった。
以降、モークはカジバによって製造されたが、ミニの権利はブリティッシュ・レイランドが所有していたため、カジバ製モークは「ミニ」のつかない「モーク」として販売されている。カジバ製モークは日本にも正規輸入された。
中古車買取価格相場
モークは一般に広く知られている車ではないが、車ファンの間では有名で、人気の高い車種である。
それぞれの車で細かい仕様が違うためおおよその額ではあるが、買取価格の目安を紹介していこう。
カジバ・モーク
●1995年式 1000cc 白幌 塗装 左ハンドル (レッド) 85万円
●1995年式 1000cc ハードトップ 左ハンドル (ブルー) 80万円
●1994年式 1000cc 右ハンドル (ブルー) 80万円
●1994年式 1000cc ハードトップ 右ハンドル (レッド) 75万円
ミニ・モーク
●1979年式 1300cc カリフォルニアン 左ハンドル (イエロー) 50万円
カスタム・モークの買取価格
モークは、カスタムカーやチューニングカーの多い車である。
小さなパーツを交換しただけのカスタムカーから大掛かりな大改造車まで、いろいろなモークが存在している。
買取依頼はミニを多く取り扱っている店舗で
カスタムカーの査定は一般的には難しいとされており、一般の買取業者では細かいパーツの評価をしてもらうことができない可能性がある。
その場合は、ミニなどを多く売買している自動車店に出してみるのも1つの方法だ。
複数の査定を比較して高価買取業者に依頼しよう
モークの場合、一般に好まれるカスタマイズであればプラス評価されることも多いので、いくつかの自動車店に査定に出し、高価買取してもらえる業者に売却するのがおすすめである。
カスタムカーのオークション出品について
いわゆるマニアックなカスタムが施されたモークは、ネットオークションで高額落札されていることがある。
高額売却の可能性のあるネットオークション
購入希望者がいれば、うまくいくと自動車買取店よりも大幅に高額で売却できる可能性もあるためネットオークションは人気がある売却方法である。
ただし、利用する際には出品する前にしっかり調べ、十分に注意して取引をするようにしたい。
デメリットも確認して利用しよう
ほとんどのネットオークションユーザーは良心的であり、特に高額の取引については慎重に進めていることが多いが、それでもトラブルに発展した例もある。
メリットだけでなくデメリットも確認し、最新の注意を払って手続きを進めるようにしたい。
純正部品を保管しよう
カスタマイズの際に取り外した純正部品は、それ単体でも値段がつくことがある。
また、改造がマイナス評価された場合でも、純正部品があればそちらが評価されることもあるので、車本体と一緒に売却すると良いだろう。
車と一緒に売れなかった場合は、単体でも値段がつくことがあるので、処分せずに大切に保存しておこう。
