タクシーにもリサイクル、リユースマーケットが存在する。近年、個人タクシーなどはエコカーを積極的に導入しているが、それでも専用車両が業界の主流だ。
タクシーは商用車として販売されているので、そもそも長時間走行することを前提にカスタマイズされている。ボディも頑丈になっており、燃料自体も一般車では使わないLPガス(LPG)がメインだ。
その特殊性や市場の規模から、中古タクシー専門買取・販売サイクルが、一般の中古車市場とは別に確立している。本コラムでは中古タクシーを売る際にチェックしておきたい重要な情報をすべてまとめている。査定前に一読しておこう。
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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
中古タクシーの車種について
タクシーにはセダンタイプ、バンタイプ、福祉車タイプの3種類がある。このうち、もっとも普及しているのはセダンタイプだ。
日本の法人タクシーのほとんどがLPGを燃料としており、セダンタイプだとトランク奥、リアシートのすぐ後ろに搭載するしかない。一方、バンタイプ・福祉車タイプも同様に置かざるを得ないため、セダンタイプのほうが配置的に便利なので、もっとも普及している。
最近では、プリウス、リーフ、アクアといったハイブリッド車のタクシーも多い。こうしたタクシーには、メーターや自動ドアの取り付けられており、中古車として売却しても希望額よりかなり低い査定額になる傾向がある。
タクシー車専門買取業者の登場
しかし最近では、タクシー車専門の買取業者が登場しており、中古タクシーの需要は高まっているのだ。その背景として、個人営業のタクシー運転者が高齢化し、廃業が増えてきたことが関係している。
廃業で中古タクシーが増える一方で、不況の中、毎回新車を購入できないタクシー会社が中古タクシーを求める流れだ。こうした事情から、タクシー専門の買取業者を利用して、中古タクシーを売ることがベストといえる。
査定基準はどのようになっているか
ここでは、中古タクシーの査定基準について解説していく。
外装の査定基準
外装がどうなっているか。ボディのへこみ、傷・汚れの有無から、ランプ類、アンテナの破損なども査定基準となる。
また、内装がどうなっているか。シートやフロアマットをはじめ、内装の汚れも重要な査定ポイントだ。汚れがひどく交換が必要なレベルであれば査定額は下がる。
走行距離の査定基準
走行距離はどの程度か。車の平均的な年間走行距離は普通車で約1万kmだ。年式と総走行距離から計算された年間走行距離が基準を大きく上回っていると査定額は下がる。
タクシーは営業している間、一般車と比較して約10倍の距離を走行するのが常だ。通常、車買取店では走行距離10万kmを超えると査定が変わる。そのため、その前に買い替えを検討する人が多い。
対して、タクシーは走行距離が長くなるので、通常の買取査定では対象外になる。だからこそ、中古タクシー専門の買取店が重宝されるのだ。
エンジン周りの査定基準
エンジン周りがどうか。エンジンの異音をはじめ、オイル、プラグの状態、修理歴の有無などがチェックされる。エンジンのオーバーホールや載せ換えている際に申告すると査定額が上がるケースも多い。
そのほかには、メーカー、車種、年式、グレード、車検証・整備記録簿の内容、取扱説明書などの書類、車検の残期間、キーやキーレスの有無などが査定に関わってくる。
LPガス車の評価
一般車と違い、タクシーはLPガス車が多い。近年はプリウスなどのエコカーを使う個人タクシーも多くなったが、燃料費の面でLPガス車が圧倒的なシェアを誇っている。
タクシーは走行することで利益を得るので、コストを下げる点では燃料の価格が大きく響く。LPガスとガソリン、軽油の違いは税金面でも違いがある。
また、ガソリン車より燃費もよく、排ガスもクリーンな点で、LPガス車としてタクシー専用車両は評価されてよいともいえるだろう。
流通の仕組みができている
上述の通り、中古タクシーの市場は特殊なマーケットになっているため、専門業者による流通システムが確立している。一般車両の中古マーケットとは桁が違うが、ニッチともいうべき市場が成立しているのだ。
専門業者による仕組みなので買取査定や販売網なども、タクシー業界に合った仕組みが成立している。一般の中古車市場よりは規模が小さいながらも、商用車業界にとっては支持されているのだ。
タクシー業界も買い替えのサイクルがあり、新車であれば5年~7年程度で廃車となる。中古タクシーであれば、その時点で走行距離50万kmは走っているだろう。であれば、大体2年程度は使えるのだ。
考えようだが、新車を使いつぶして廃棄にするよりコスト面でのメリットも高い。中古車の査定については、以下の記事も詳しく紹介しているので参考にしよう。
買取相場はどのくらいか
ここでは中古タクシーや介護タクシーの販売価格と買取相場について、2017年2月と2022年12月時点の調査結果を紹介する。なお、一部タクシー仕様ではない自家用車も含まれているため、留意してもらいたい。
中古タクシーの販売価格
中古タクシー販売では応相談となっていることが多いが、一部確認できた中古タクシーの販売相場を紹介していく。相場の変動にも注目してチェックしてほしい。
車種/モデル | 2017年時点の販売価格 | 2022年12月時点の販売価格 |
---|---|---|
コンフォートSG LPG | 98万円 | 80万円~83万円 |
2013年アリオンA15 LPGバイフューエル | 178万円 | 178万円 |
プリウスEX タクシー LPG トリプルHW | 135万円 | 54.4万円 |
プリウスEX 1.5 | 149万円 | 81.6万円 |
ちなみに2022年12月時点のプリウスEX タクシー LPG トリプルHW販売価格については、2009年~2012年同モデルの中古車平均価格となっている。
中古タクシーの買取相場
一般的に、中古車の買取価格は販売価格の30%~70%と言われている。一般の自動車よりも走行距離が多いタクシーの場合はこの限りではないため、おおよその買取価格目安として参照してもらえれば幸いだ。
中古タクシー買取価格の目安
以下で、中古タクシーの販売価格から、上記の割合で算出した買取価格を目安として表にまとめたので参考にしてほしい。
車種/スペック | 走行距離 | 販売価格 | 買取相場目安 |
---|---|---|---|
プリウスS 2014年式 個人タクシー仕様 手動オープンドア | 16.1万km | 75万円 | 22.5万~52.5万円 |
セドリック クラシックSV 2014年式 LPG タクシー | 1.4万km | 118万円 | 35.4万円~82.6万円 |
スーパーサルーン 2009年式 LPG車 ETC | 31.8万km | 85万円 | 25.5万~59.5万円 |
コンフォート 2004年式 LPG タクシー設備あり | 20.5万km | 68万 | 20.4万~47.6万円 |
コンフォート 2015年式 LPG(タンク期限:2026年10月)タクシー | 20.3万km | 89万 | 26.7万円~62.3万円 |
エルグランド 2001年式 ジャンボタクシー仕様 10人乗 ディーゼル | 10.5万km | 92万円 | 27.6万~64.4万円 |
中古タクシー買取価格
一部の買取業者が買取価格を公開していたので参考までに紹介しておく。買取価格は車体の状態や仕様、走行距離などで大きく変動するため、上記の目安と違いもあわせて参考にしてほしい。
車種 | 走行距離 | 買取価格 |
---|---|---|
コンフォートSG 2012年式 LPG | 33万km | 2万円 |
プリウスEX 1.5 2011年式 | - | 57.8万円 |
コンフォートSGは走行可否が×になっていたため、不動車とおもわれる。
セダンタイプのタクシーではプリウスの人気が高く、定番のコンフォートは状態が良く、さらにタンクの使用期限が長く残っているものは高く買い取ってもらえる可能性が高い。
介護タクシーの買取相場
介護タクシーの需要も高く、2017年2月の調査時には2,000,000円~2,700,000円の間で取引されていた。買取価格としては、1,000,000円~2,000,000円程度が妥当だったようだ。
2022年12月調査時点で買取相場・買取価格が確認できた。以下にまとめたので、相場・価格ともに参考にしてほしい。
車種/スペック | 買取相場 |
---|---|
ヴォクシー 2014年式 ウェルキャブ車 車いす仕様 スロープタイプ | 125万円~181万円 |
レジアスエースバン ウェルキャブ車 車いす仕様 Bタイプ ルーフサイドウインドゥ無 | 54.2万円 |
カローラフィールダーX G ウェルキャブ車(フレンドマチック取付用専用車タイプ2) | 35万円~42.9万円 |
2017年/2022年調査時ともに介護者タクシーではラクティスやヴォクシーの人気が高い。ほかにも、小型車ではワゴンRやタント、エブリイワゴンが人気で、大型車ではキャラバンやハイエースは高価買取につながりやすいようだ。
おすすめの中古タクシー買取業者
中古タクシーの買取相場を見たところで、中古タクシーを売却するのにおすすめの買取業者を紹介していこう。
東京のコーリンオート
買取価格
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許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
コーリンオートは、35年以上にわたって中古車の買取および販売を手がけている買取業者だ。年間にして、約13,000件におよぶ中古車の売買をおこなっている業界大手である。
無料の出張査定は、査定士資格を持ったスタッフが対応するので安心だ。最新のAIによる相場分析システムを導入しており、海外での需要も踏まえて査定価格を導き出している。豊富な販売ルートを持っていることも、高価買取が期待できるポイントだ。
新宿のカーネクスト
買取価格
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許可番号
ポリシー
ウイルス
対策
カーネクストは、廃車の買取を得意としている買取業者である。走行距離が15Km以上の車や車検切れ、故障して動かない車なども、レッカー引取り代・廃車手続き無料で対応してもらえるのが心強い。
事故車や水没車など、他社では廃車料金を請求されるような状態の車も、基本0円以上で買取対応可能。また、北海道から沖縄まで、日本全国47都道府県を買取対応地域としているのも特徴だ。気軽に買取相談してみるとよいだろう。
埼玉のタクシー買取王
買取価格
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対策
タクシー買取王は東京・千葉・埼玉・神奈川の関東エリアで、タクシー買取・販売をおこなっているタクシー専門の業者だ。個人タクシーの車両買取をメインに手がけている。
メーカーや車種、年式や走行距離によって、もっとも高く売れるルートを算出しているので、相場を上回る査定価格を提示することも可能。国内のタクシー組合や海外に幅広い流通ネットワークを持っているため、廃車同然のタクシーが買い取られるケースもある。
神戸の中古タクシー買取販売専門店プラナ
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対策
中古タクシー買取販売専門店プラナは、兵庫県神戸市で15年以上にわたり中古タクシーの買取と販売を手がける専門業者だ。セダン型、バン型、福祉車両など、車体のタイプを問わず広く買取している。
車体のみならず、ドアミラーやフェンダーミラー、ドアやヘッドランプなど、車両パーツ1点からの買取をおこなっているのも特徴だ。高年式やグレードの高い車両は高価買取のチャンス。事故車の買取も強化しているため、頼もしい存在である。
板橋の株式会社ジェット
買取価格
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ポリシー
ウイルス
対策
株式会社ジェットは2012年より東京の板橋区を拠点に、中古タクシーの売買を専門におこなっている業者だ。
クラウン コンフォートに、クラウン セダンのスーパーサルーンやスーパーDX、プリウスなどのトヨタ車、日産のセドリックなど、国内人気メーカーの買取実績が多い。
前述した車種の売却を検討しているなら、高く買取してもらえるチャンスは十分にある。ほかの車種でも、タクシー売却に関する相談は随時受け付けているので、ぜひ問い合わせてほしい。
千葉のタクシー広場
買取価格
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ポリシー
ウイルス
対策
タクシー広場は、タクシーやトラック、レンタカーの買取と販売をおこなっている業者だ。千葉県野田市の国道16号線沿いに拠点を置き、日本全国からのタクシー買取に対応している。
法人タクシー・個人タクシーのいずれも取扱いがあり、中古タクシー売却に伴う書類手続きの代行も受け付けているのは心強い。
出張買取の出張費や陸送費は無料、エリアによっては即日対応も可能となっているので、急ぎで売却したい場合は相談してみよう。
江戸川区のオートランド東京
買取価格
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ウイルス
対策
オートランド東京は、東京都江戸川区の営業所で、中古車のリサイクル事業に取り組んでいる買取業者だ。不事故にあった車や廃車扱いとなる車にも価値を見出し、買取に関する一連の作業や手続きを自社でおこなっている。
すべて自社でまかなうことができるので、経費削減が可能で、高価買取につながりやすい。出張対応エリアは、東京・千葉・埼玉・神奈川・茨城・群馬・栃木の関東地方全域となっている。査定は無料なので、気軽に問い合わせてみよう。
中古タクシーの売却を中古車買取業者と車買取オークションの間で悩んでいるなら、以下のコラムも参照しておこう。
中古タクシーを高く売るには
中古タクシーを高く売却したいと考えているなら、ここで高く売るためのコツやポイントをつかんでおこう。
中古タクシーを買取に出す目安
新車で購入した商用車は50万Kmを目途に査定額が変わるので、その前に買い替える方がより良い。さらには20万Kmをベースに考えるとより良いだろう。走行距離20万Kmであればタクシー車両としてはまだまだ利用価値が高く、車両の程度も申し分ない範囲となる。
むしろ、希少価値があるので、価格面では優遇されやすい。もちろん、車両の保守メンテナンスが適正になされている前提だ。もっとも、商用車として営業している以上は、大きく雑な扱いにはなっていないのは当然である。
複数の買取業者で比較する
中古タクシー専門買取店では、50万Km程度の走行距離なら査定の対象になる。そもそも、中古タクシー自体があまり市場に出回ることがなく、引く手あまたな状況なのだ。このようなメリットを考えると、廃棄する前に専門の買取店で買い取ってもらうことを検討するべきだろう。
さらに少しでも高く中古タクシーを売るためには複数の買取業者に査定依頼して、業者間で価格競争させることが望ましい。昨今は、中古タクシー専門買取店や専門サイトも多くなっている。特にオンライン上で手続き可能な販売・買取サービスが常識となっていることもあり、各業者の情報もよくチェックしておく必要がある。
いざ売却と考えたときには、少なくとも3社以上の買取業者に査定を依頼して、各社から提示された査定価格を比較するのが賢明だ。同時に買取店の評判などもチェックしておくことをおすすめしたい。
当サイトヒカカク!は、一度の依頼で最大20社からの見積り査定を受け取ることが可能な一括査定サイトだ。実際に利用したユーザーから寄せられた買取業者へのクチコミ評判も確認できる上、利用料は無料である。ぜひ活用してほしい。
まとめ
中古タクシーを高く売却する方法や買取相場、査定基準、おすすめの中古タクシー買取業者などを見てきた。なかなか市場に出回らないからこそ、ニッチな需要があるのが中古タクシーなのだ。
販売ルートの確立や査定方法が独特なため、中古タクシーを高く買い取ってもらうなら、中古タクシー買取実績の多い専門の買取業者に依頼するのが、よりおすすめとなる。
しかし、どの買取業者を選べばよいのか迷うこともあるだろう。その際は、ヒカカク!の無料一括査定サービスを活用し、より希望に沿った売却が実現できる買取業者を見つけてみよう。