ティファニーは言わずと知れたアメリカを代表するジュエリーブランドで、扱う商品はアクセサリーや時計など多岐にわたっている。
ラグジュアリーブランドであるとされているだけあって、それらの多くは年月が経っても資産価値がそれほど大きく落ちることがないと言われているが、実際のティファニーの資産価値がどの程度であるかを示すことは難しい問題である。
そこで、以下では様々な角度からティファニーの資産価値を検証するとともに、他のブランドと比較してどの程度のランクに位置づけられるかについても見ていくこととする。
CONTENTS
こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
ティファニーの歴史
商品の資産価値を検証する前に、そもそもティファニーとはどのような会社であるかについて、同社の歴史を見ておくこととしよう。
設立
ティファニーは、チャールズ・ルイス・ティファニーとジョン・B・ヤングという二人のアメリカ人によって、1837年9月18日にニューヨークで設立されたティファニー・アンド・ヤングという会社がその前身である。当時の商品は主に装飾品や文房具などであり、現在のビジネスモデルとは異なっていた。
それが大きく転換したのが、1848年に発生したフランスの2月革命のときで、その際に亡命した貴族などから多くの宝石類を仕入れて、これを販売することで大きな成功を収めたのである。その後、買収を通じてシルバーアクセサリー分野に進出するなど、ビジネスを多角化させていき、1853年に社名を現在のTiffany & Co.としている。
現在、同社のイメージカラーはティファニーブルーと呼ばれる特徴的な青色であるが、それが正式に採用されたのもこの頃である。
時計、ティファニーセッティングの開発
また、同時期には時計事業にも乗り出しており、それが現在までティファニーの収益を支える大きな柱となっている。さらに、19世紀後半には、現在でもダイヤモンドリングの主流となっている、6本の爪でラウンド状にカットされたダイヤモンドを支えるという、いわゆるティファニーセッティングを開発しており、当時から流行をリードする存在であった。
世界的に知れ渡る
戦後も、アメリカ経済を象徴する存在として発展を続けており、1940年には多くのハイブランドの店舗が軒を連ねる5番街に本店を移設している。
リボンでデコレートされたティファニーの収納箱をイメージしてデザインされたこの店舗は、ファッションの街・ニューヨークを代表する観光名所となっており、世界的な女優であるオードリー・ヘプバーンの代表作である「ティファニーで朝食を」の舞台にも登場したことで世界的に脚光を浴びたこともある。
現在では、世界各国に店舗を展開しており、日本でも東京だけでなく、多くの主要都市で同社の商品を購入することが可能となっている。
ティファニーのジュエリー
ティファニーの主力ビジネスはジュエリーであり、その中でも売り上げにおいて大きな比率を占めているのが指輪である。特に、エンゲージリングやマリッジリングとして買い求められることが多いが、その特徴は用いられているダイヤモンドの質、デザイン、価格帯の大きく3つに分けることができる。
特徴
まず、ダイヤモンドの質については、4Cと呼ばれるカット、カラー、クラリティ、カラットの4つに加えて、同社独自の基準を設けている。これはプレゼンスと呼ばれるダイヤそのものの存在感を表す指標であり、ティファニーがいかにダイヤの美しさを追求しているかが分かるであろう。
次に、デザインであるが、特定のデザイナーに固執しないところがティファニーの特徴である。現在でも複数のデザイナーを抱えており、それぞれが異なるタイプのデザインの商品を開発することによってティファニーらしさが形作られているのである。
3点目の価格帯については、同社の商品のなかには一般人には手が出せないほどの高額商品も存在はするが、10万円から100万円程度に設定されている商品も多くあり、比較的誰でも購入しやすい金額設定となっている。そのため、ティファニーは高嶺の花として眺めるだけの存在ではなく、実際に手にして身に着けられる身近な存在として世界中で愛されているのである。
アフターケア
一般的にジュエリーショップでは、販売するダイヤモンドにG.I.A(米国宝石学会)という鑑定機関から発行された鑑定書を付すことが多いが、ティファニーの場合は独自の「ティファニーダイヤモンド鑑定書」を発行してつけている。
この鑑定書は、生涯保証が約束されているため、万が一ダイヤの品質等に問題があることが判明した場合には、すみやかに対応してもらうことができるようになっている。そのため、消費者としては、安心して同社の商品を買い求めることができるのである。
ティファニーの資産価値を検証する
前述のとおり、ティファニーは宝石から時計に至るまで様々な商品を扱っているため、どのカテゴリーに属するものであるかによって資産価値は異なってくる。そこで、ここでは同社の代表的な商品であるダイヤモンドリングに絞ってその資産価値を検証することとする。
ダイヤモンドリングの価値を決定する要素
最初に、ダイヤモンドリングはいかなる基準でその価値が決定されるのかを見ておくこととする。まず、何と言っても重視されるのは用いられているダイヤモンドそのものの品質である。この点、ティファニーの商品は、ダイヤの品質を表す4Cにこだわっており、独自の鑑定書も付されていることからそのクオリティの高さは一目瞭然である。
そのため、ティファニーであるというだけで、商品の信頼性が高まり、高く評価される傾向にある。また、ブランドの持つイメージも重要な要素であるが、同社はアメリカを代表するジュエリーブランドで、ダイヤモンドリングの先駆者的な存在でもあることから、高級ジュエリーとしての確固たる地位を築いている。
このイメージは世界のどこに行ってもほぼ同じであり、日本のみならず海外においても同社の商品は高い価格で取引されることとなる。このように、ティファニーの商品は、ダイヤモンドのクオリティとブランドとしての高い価値の両方を備えていることから、非常に高く評価されることが分かるであろう。
中古品の具体的な取引金額から見えてくること
次に、実際のティファニーのダイヤモンドリングが中古になった時にどれくらいの金額で売買されているのかを見ておくこととしよう。ここでは、代表的な商品としてリボンのデザインが特徴的な、リボンボウリングダイヤpt950を取り上げることとする。
この商品の新品の価格は25万円ほどであるが、中古品で状態のよいものの場合には15万円ほどで販売されている。もっとも、これは中古ショップが再販売する際の価格であり、実際の買い取り金額はそれよりも安い10万円前後である。
そのため、中古品の価値を15万円と見るか10万円と見るかは難しいところであるが、最近ではメルカリなどのフリマアプリやヤフオクなどのオークションプラットフォームを利用して個人間で取引を行うことで、中間マージンを省くことも可能となっていることから15万円の方を中古の資産価値と考えて問題ないであろう。
この数字を用いた場合、新品と比較して6割ほどの資産価値は維持されていると見ることが可能であるし、中古品を購入した場合にはその価値は年月が経っても殆ど変らないということもできる。この傾向は、ティファニーの他のリングでも概ね同じであり、そのことから同社の商品の資産価値は高いということができよう。
ティファニーのブランド価値
ティファニーの資産価値は高いとはいえ、他のブランドと比較して何番目に位置づけられるかということは容易ではない。そこで、価値は人気に比例するという前提の基に、同社のランクを検証することとしよう。
ブランド価値ランキング
世界的な広告会社であるWWP社が2015年に公表したブランド価値ランキングによると、ティファニーは全世界で10番目に位置づけられている。このランキングは対象をジュエリーブランドに限定したものではないため、エルメスやルイ・ヴィトンといったファッションブランドも多くランクインしている点に留意が必要である。
純粋なジュエリーブランドしては、ティファニーのほかには6位に入っているカルティエがあるだけであり、それを見る限りはティファニーは第2位の価値を有するジュエリーブランドであると言うことが可能であろう。
世界5大ジュエラー
世界的に高い価値を有する5つのジュエリーブランドを総称して、世界5大ジュエラーということがある。この5つというのは、ハリーウィンストン、カルティエ、ブルガリ、ヴァンクリーフ&アーペル、そしてティファニーである。いずれも世界的なジュエリー企業であり、その一つに数えられるティファニーはトップ5に入る宝石店であると言うこともできよう。
結婚指輪の人気ランキング
国内における結婚指輪の人気ブランドランキングで、ティファニーは第4位に位置づけられている。このランキングは、ハイブランドに限らず国内のリーズナブルなブランドなども対象としたものであるが、それらに比べて高価格帯に属するにも関わらず上位に位置づけられていることから、ティファニーが高い人気を有していることが分かるであろう。
まとめ
以上で見てきた通り、ブランド価値、宝石店としての格、結婚指輪としての人気という3つの観点のいずれからも、ティファニーは概ねトップ5以内にランキングされている。
これらは必ずしも資産価値と直結するものではないが、一般的に資産の価値は、それに対する需要が高まれば高まるほど大きくなる傾向があることからすると、高需要の根拠となるこれら3要素を高いレベルで備えているティファニーは、その資産価値もトップ5以内に位置づけられると評価してよいのではないだろうか。
なお、株式などと同じく、ジュエリーについてもその時々の景気動向や流行に応じて価格が変動するものであることから、売却を検討する場合には、そのタイミングについて留意する必要がある。