家電製品を購入するときに忘れてはいけない費用がある。家電リサイクル料金だ。家電リサイクル料金は数千円~1万円程度かかるのが一般的であり、あらかじめ想定していないと痛い出費だと感じる人も多いだろう。
家電リサイクル料金は法律によって決められているので値切ることはできない。しかし、家電量販店に依頼するのではなく、自分で処分場まで運ぶことで業者に支払う運搬料金を削ることは可能である。そこで、家電リサイクル券の購入場所や書き方の注意点について紹介していく。
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家電リサイクル券とは?
家電製品を処分場まで持って行くときに必要なのが家電リサイクル券である。家電のリサイクルにあたっては所有者が処分に必要な費用を負担することになっている。しかし、処分場で細かい小銭が発生する費用の支払いをするのは現実的ではない。
処分場にはたくさんのトラックが頻繁に出入りするので、そこで細かいお金のやりとりをおこなうと渋滞が発生し、スムーズな処分ができなくなる恐れがあるからだ。この問題を解決するために必要なのが家電リサイクル券なのである。
小銭不要でスムーズにやり取りできる
家電リサイクル券をあらかじめ購入して処分場に持参することで、料金を支払っている証明となる。つまり、家電リサイクル券は所有者が支払うべきリサイクル料金を前払いしていることの証明書でもあるわけだ。
処分場で家電製品を受け取るべき人たちは家電リサイクル券を確認するだけで済むのでスムーズな処分が可能になる。家電リサイクル券が貼られていない家電製品は受け取ってもらえないので、注意しておかなければならない。
製品やサイズによって異なるリサイクル料金
したがって、家電リサイクル券の購入にあたっては料金を支払わなければならないのだが、気を付けるべきなのは製品の種類や大きさによって料金が異なることだ。たとえば、テレビであれば15型以下であれば1,836円なのに対して、16型以上では2,916円である。また、製品の種類によってはメーカーごとに料金が違うケースもあるため注意しなければならない。
そのため、家電リサイクル券を購入する前に必ず対象製品のメーカー名大きさ(テレビは画面の大きさ、冷蔵庫は容量)をメモしておこう。これらの情報がないと窓口でいくら料金を支払ってよいかわからず、最悪、出直すことになってしまう。
基本情報は撮影しておくと◎
家電製品のメーカー名や大きさといった基本情報は、製品のどこかにシールとして貼られているはずである。一般的には冷蔵庫は扉の内側洗濯機は本体の横テレビは本体裏側といった場所に貼られているケースが多い。
実際に家電リサイクル券を購入するときはこれらの情報をメモしていくことが必要だが、可能であれば携帯電話などで写真を撮っておくと便利だ。多くの人にとって家電リサイクル券の購入は慣れていないため、必要事項をメモし忘れる可能性も比較的高い。きちんと読めるように写っているかを確認してから券の購入へと進もう。
家電リサイクル券の仕組みとは?
家電リサイクル券を購入する方法は料金販売店回収方式と料金郵便局振込方式の2つがある。この2つの大きな違いは前者が小売業者として一般財団法人家電製品協会家電リサイクルセンターに入会する必要がある点だ。
全ての人に課せられるリサイクルの努力目標
家電リサイクル法では消費者や事業者である家電製品を使っている人のことを排出者と呼んでいる。排出者は製造業者や小売業者とともに、家電製品のリサイクルに励まなくてはいけないという努力目標が課されているのだ。
しかし、この規定は内容こそ違えども、小売業者や製造業者に対しても課されている。小売業者は過去に販売した廃棄物、および買換えの際に生じた同種の廃棄物を引き取って製造業者に引き渡さなければならない。また、製造業者も過去に製造した廃棄物を引き取り、リサイクルしやすい製品を作るように努力することが義務付けられているのだ。
そのため、排出者が支払うリサイクル料金は処分にかかる費用だけでなく、一般財団法人家電製品協会家電リサイクルセンターや製造業者にも支払われている。
料金販売店回収方式
引用:RKC 一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター
一般的によくおこなわれるのはビックカメラ、ヤマダ電機、コジマ電気、nojimaなどの家電量販店(小売店)で新しい家電と引き換えにリサイクル料金を支払う料金販売店回収方式だろう。この方式ではリサイクル料金を徴収した小売店から一般財団法人家電製品協会家電リサイクルセンターへリサイクル料金が渡り、その後製造業者へも一部が支払われる仕組みなのだ。
料金郵便局振込方式
引用:RKC 一般財団法人家電製品協会 家電リサイクル券センター
それに対して、小売店を通さずに自ら処分場まで運んでリサイクルをおこなうのが料金郵便局振込方式となる。この場合は、一般財団法人家電製品協会家電リサイクルセンターへ直接リサイクル料金を振り込むのだ。その後、製造業者に対してリサイクル料金を一般財団法人家電製品協会家電リサイクルセンターが振り込むこととなる。
つまり、お金の流れとして小売店を通すか通さないかという点で両者の方法は異なるといえるだろう。
個人処分時のリサイクル券の購入方法
個人で家電を処分するには料金郵便局振込方式を選ばなくてはいけない。料金郵便局振込方式ではその名のごとく、家電リサイクル券は郵便局で購入できる。
用紙に記入して支払う
自分で家電製品を処分する予定の人は、リサイクルする家電製品のメーカー名や大きさのメモを持って郵便局へ行かなければならない。郵便局には備え付けの家電リサイクル券があるので、必要事項を記入して窓口またはATMから振り込めば完了である。
ただし、地方でたまに見かける簡易郵便局では家電リサイクル券の用紙が置いていないケースがあるので注意が必要だ。事前に家電リサイクル券があるかどうか問い合わせておくのもよいだろう。
振込手数料、営業時間に注意
家電リサイクル料金を支払うときの注意点として振込手数料が別途かかることが挙げられる。窓口での支払いは1件につき130円、ATMでの支払いは1件につき80円だ。あらかじめ余裕をもったお金を用意して窓口に行くとよいだろう。
また、土日・祝日および平日の午前9時から午後3時以外の時間帯は営業時間外であるため、支払ができない。郵便局の窓口は平日午後5時まで営業しているが、振込業務を担当するゆうちょ銀行は平日午後3時までの業務となっているのだ。仕事の関係上などで振込を平日の午後におこないたい場合は、何時までなら対応しているか確認しておいた方が無難だ。
振替払込受付証明書
無事に料金を支払うことができたら、窓口で家電リサイクル券に付いている振替払込受付証明書に日付印を押印してもらえる。ATMで料金を支払った場合には利用明細書の写しを振替払込受付証明書の代わりとすることも可能だ。利用明細書を失くさないように、しっかりと保存しておこう。
処分場では振替払込受付証明書を確認することで料金を支払ったと認め家電製品を受入れてくれる。処分場へ家電製品を持って行くときは忘れないように持参しよう。
家電リサイクル券の記入方法について
家電リサイクル券の用紙への記入はそれほど難しいものではない。ただし、一部記入欄においては専用のコードが用いられているので注意が必要だ。
ご依頼人・金額欄を記入
まず、家電リサイクル券の1枚目から記入していく。家電リサイクル券の1枚目は払込取扱票となっており、リサイクル料金を振り込むときに必要な用紙となっている。3枚つづりのそれぞれにご依頼人箇所にリサイクルを希望する本人の住所、氏名、電話番号等を記入する。
次に、それぞれの上部に記載されている金額欄に、あらかじめ調べておいたリサイクル料金を自分で記載する。リサイクル料金はメーカー名や大きさによって異なるため、慎重に記入すべきだ。
品目 | エアコン | ブラウン管式テレビ(小) | ブラウン管式テレビ(大) | 液晶・プラズマ式テレビ(小) | 液晶・プラズマ式テレビ(大) | 冷蔵庫・冷凍庫(小) | 冷蔵庫・冷凍庫(大) | 洗濯機・衣類乾燥機 |
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品目・料金区分コード | 10 | 21 | 22 | 51 | 52 | 31 | 32 | 40 |
(株)JVCケンウッド | 1320円 | 2420円 | 1870円 | 2970円 | ||||
シャープ(株) | 990円 | 1870円 | 2970円 | 1870円 | 2970円 | 3740円 | 4730円 | 2530円 |
ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株) | 1870円 | 2970円 | 1870円 | 2970円 | ||||
ソニーホームエンタテインメント&サウンドプロダクツ(株)(アイワ) | 1870円 | 2970円 | 1870円 | 2970円 | ||||
ダイキン工業(株) | 990円 | |||||||
TVS REGZA(株) | 1320円 | 2420円 | 1870円 | 2970円 | ||||
東芝映像ソリューション(株) | 1320円 | 2420円 | 1870円 | 2970円 | ||||
東芝ライフスタイル(株) | 990円 | 3740円 | 4730円 | 2530円 | ||||
パナソニック(株) | 990円 | 1320円 | 2420円 | 1870円 | 2970円 | 3740円 | 4730円 | 2530円 |
パナソニック(株)(三洋電機) | 990円 | 1320円 | 2420円 | 1870円 | 2970円 | 3740円 | 4730円 | 2530円 |
日立グローバルライフソリューションズ(株) | 1870円 | 2970円 | 1870円 | 2970円 | 3740円 | 4730円 | 2530円 | |
日立ジョンソンコントロールズ空調(株) | 990円 | |||||||
(株)富士通ゼネラル | 990円 | 1870円 | 2970円 | 2970円 | 3740円 | 4730円 | 2530円 | |
三菱重工冷熱(株) | 990円 | |||||||
三菱電機(株) | 990円 | 1870円 | 2970円 | 1870円 | 2970円 | 3740円 | 4730円 | 2530円 |

料金については一般財団法人家電製品協会家電リサイクル券センターのホームページでも確認できる。
製造業者等名コード・品目コード
家電リサイクル券の記入において最も注意すべきなのが、3枚つづりの一番左側にあたる払込取扱票の中段の製造業者等名コードや品目コードだ。それぞれで専用のコードがあるため、メーカー名や製品の種類によって対応したコードを記入しなければならない。
製造業者等名コードや品目コードについては料金同様に一般財団法人家電製品協会家電リサイクル券センターのPDFファイルで調べることも可能である。一般的には、郵便局にリサイクル料金表と払込書記入見本例が置いてあるので、事前に調べていく必要はない。わからない点があれば窓口の人に聞きながら記入していくとよいだろう。
ただし、窓口での記入に時間をあまりかけくなけければ、あらかじめ製造業者等名コードや品目コードについて調べてメモしたものを持参していくとスムーズだ。
2枚目に受付証明書を貼る
料金を支払ったら3枚つづりのうちの真ん中と右側にあたる払込金受領証と払込受付証明書の2通が渡される。そのうち、払込受付証明書を家電リサイクル券の2枚目の右側に添付する。
左側には排出者の氏名や電話番号、支払った料金、製造業者等名コード、品目コードを記入する欄がある。記入内容は1枚目と同じなので、間違えずに転記すれば問題ないであろう。
家電リサイクル料金を安くしたいなら
本コラムでは家電リサイクル料金について詳細に説明した。
個人処分する料金郵便局振込方式の方が安い
家電リサイクル料金を納める方法としては料金販売店回収方式と料金郵便局振込方式の2つがある。しかし、前者は一般財団法人家電製品協会家電リサイクルセンターに入会していないと利用できないので、個人がおこなうのであれば実質的に後者のみが選択肢だ。
この2つの方法の間には小売店を通すかどうかといったお金の流れの差はあるが、その他の部分で大きな差はない。むしろ、小売店に支払う運搬・収集に関する費用を支払わなくてよくなるので、料金郵便局振込方式の方が経済的なメリットは大きいだろう。
専用用紙の取得、記入は事前準備をしてから
家電リサイクル料金を個人で納めるためには郵便局の窓口で専用用紙を取得しなければならない。住所氏名といった基本的な情報はもちろん、製造業者等名コードや品目コードなどの専門的なコードを記入する必要があるので、あらかじめそれらがわかるメモを持参していくべきだ。
その他の注意点としては、振込業務を扱っている時間帯が挙げられる。郵便局によって営業時間が異なるので可能であればあらかじめ問い合わせておく方が無難だろう。
家電リサイクル券の取得は慣れてしまえば、それほど難しいものではない。家電製品を頻繁に取り換える機会がある人は個人でおこなうことを検討してみてもよいのではないだろうか。
リサイクル以外の手段
リサイクルに出すことで、どうしても費用がかかってしまう。そこでこちらでは最後にリサイクル以外の処分方法をご紹介する。
下取りに出すという手段も
不要な家電を処分する際、家電量販店に下取りしてもらうという手段もある。単純に処分するとリサイクル費用がかかってしまうが、家電量販店で新しい家電を購入する際に不要な家電を引き渡せば、新家電購入費用が割引かれる可能性もある。家電量販店で下取り可能な家電の場合には、下取りを利用することも検討に入れてほしい。
買取に出す
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ネットオークション・フリマに出品
買取業者に買い取ってもらうことを断念して廃棄処分をしようとしている方が多いのではないだろうか。しかし、買取業者が買わなかった家電でもオークションサイトのヤフオクやフリマアプリのメルカリ、ラクマ、PayPayフリマ、ジモティーで売れる可能性もあるのだ。
もし買い手がつけばリサイクル費用もかからないし、販売価格も手に入る。リサイクルに出す前にネットオークション・フリマアプリを利用してみることも検討してほしい。
まとめ
今回は家電リサイクル券の購入場所や書き方の注意点について紹介してきた。リサイクル方法について難しいイメージがあったかもしれないが、意外と簡単にできてしまう。ぜひ不要な家電はリサイクルに出し、断捨離をしてしまおう。






