エアコンの処分をしたいときには、法律に従って消費者が家電リサイクル料金を払わなければならない。家電リサイクル券センターによって一覧表が配布されているので、個人で行う場合には、リサイクル料金がいくらかかるのかを確認しておこう。
ただし、リサイクルするためにかかる費用はリサイクル料金だけではなく、費用の負担が実は重いのである。エアコンを処分するときに本当にリサイクルに出すのが最も良いのかを考え、最善の方法を選べるようになろう。
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メーカーがリサイクルを担うケース
家電リサイクルは家電の販売店や自治体が窓口となって消費者から家電を引き取り、メーカーに送って適切にリサイクルしてもらうという流れで実現されている。
エアコンを処分するときには一般的に、そのエアコンのメーカーがリサイクルの担い手となる。リサイクル料金としてかかる金額はメーカーによって決まっていて、972円というケースが多い。しかし、中には2,041円、あるいは9,720円もかかるメーカーもある。その一覧は以下の通りである。
リサイクル料972円のメーカー
- LG Electronics Japan(株)
- 大阪ガス(株)
- 小泉成器(株)
- (株)コロナ
- シャープ(株)
- ダイキン工業(株)
- (株)長府製作所
- 東京ガス(株)
- 東芝ライフスタイル(株)
- (株)トヨトミ
- (株)ノーリツ
- パーパス(株)
- ハイアールジャパンセールス(株)
- パナソニック(株)
- パナソニック(株)(三洋電機)
- 日立ジョンソンコントロールズ空調(株)
- (株)富士通ゼネラル
- 船井電機(株)
- 三菱重工冷熱(株)
- 三菱電機(株)
- リンナイ(株)
リサイクル料2,041円のメーカー
- アイリスオーヤマ(株)
- (株)ノジマ
- (株)フィフティ
- (株)山善
リサイクル料9,720円のメーカー
- ヤンマーエネルギーシステム(株)
この他のメーカーのエアコンを処分したいときもあるだろう。その場合には、現状としてメーカーがリサイクルを担っていないが、それでも同様にリサイクル券を購入してリサイクルに出す必要がある。
メーカーがリサイクルしないケース
エアコンのメーカーが直接リサイクルを行っていないケースはしばしばある。典型的なのがメーカーの吸収合併、統廃合、子会社化だ。あるいは、倒産したというケースもないわけではない。このような際にはリサイクルを担う承継先を定めるのが原則となっているため、承継先のメーカーに対して定められた家電リサイクル料金を払えば良いということになっている。
承継先のメーカーがなく、指定法人によってリサイクルが担われている場合もある。指定法人によるリサイクルの場合にはリサイクル料金は2,041円になっている。これらに該当するメーカーは下記の通りである。
承継先があるメーカー
- (株)内田製作所
- エルジー電子ジャパン(株)
- 金星ジャパン(株)
- ゴールドスタージャパン(株)
- 三洋セールス&マーケティング(株)
- 三洋電機(株)
- 三洋電機空調(株)
- (株)JVCケンウッド
- ソニー(株)
- 高木産業(株)
- (株)東芝
- 東芝キヤリア(株)
- 東芝ホームアプライアンス(株)
- 日本ビクター(株)
- 日立アプライアンス(株)
- (株)日立製作所
- 日立ホーム・アンド・ライフソリューション(株)
- 松下電器産業(株)
- 三菱重工業(株)
- 三菱重工空調システム(株)
指定法人(その他)がリサイクルを担うメーカー
- エスケイジャパン(株)
- GEアプライアンスジャパン(株)
- GEアビエーション・ディストリビューション・ジャパン(株)
- ジーイー・エンジンサービス・ディストリビューション・ジャパン(株)
- ジーイー・クオーツ・ジャパン(株)
- GEコンシューマープロダクツジャパン(株)
- GAC(株)
- ジーエーシー(株)
- シークス(株)
- (株)デンソーエアクール(旧名称:GAC(株)
- 森田電工(株)
- (株)ユーイング
- 吉井電気(株)
エアコンのリサイクルには収集運搬料などもかかる
エアコンをリサイクルに出すためには家電リサイクル料金だけではない。収集運搬料などの費用も発生することは知っておいた方が良いだろう。
指定引取場所に持ち込む場合
家電リサイクル法に従ってエアコンを処分するときには、家電量販店などのエアコンの販売を行っている業者か、自治体が指定した業者に依頼しなければならない。
各自治体で決めている指定引取場所にエアコンを持ち込めばリサイクル料金のみで処分してもらうことは可能である。しかし、指定引取場所が多数あるわけではないため、多くのケースでは長距離の運転が必要になり、燃料費と労力がかかってしまうことは否めない。
また、エアコンは取り外し料金もかかり、買い替えの場合であれば1,080円〜3,240円程度で済むが、賃貸物件の原状回復をするようなケースでは3,240円〜8,480円程度かかるのが相場である。業者に依頼して取り外してもらった上でさらに、指定引取場所まで運ぶ費用が発生すると考えておいた方が良いだろう。
自宅に回収に来てもらう場合
一方、自宅にエアコンの回収に来てもらう場合には収集運搬料が発生する。家電量販店に依頼する場合には買い替えなら1,080円〜2,160円、処分だけ依頼したいというときには2,100円〜3,240円というのが相場になっている。
自治体が運営するリサイクルセンターなどが家庭まで家電を引き取りに来てくれるサービスを行っている地域もあるが、その場合でも収集運搬料として1.080円〜3,240円程度かかることが多い。この際にも、取り外しを業者に依頼すればその手数料もかかる。総じてみると、エアコンをリサイクルに出すにはリサイクル料金の他に5,000円〜10,000円程度かかってしまうのである。
買い替えや引っ越しのときの他の選択肢
エアコンを処分する必要がある時は、買い替えや引っ越し場合が少なくないだろう。出費がかさんでいるタイミングであるため、さらに費用が発生するのは辛いと感じることも多い。いかにして出費を減らしつつ、正しい方法でエアコンを処分するかを考えることが賢明だろう。
下取りしてもらえるケース
買い替えのときには販売店に下取りしてもらえるケースがある。新しいエアコンを購入することを条件に、幾ばくかのお金で買い取ってもらえたり、少なくとも無料で引き取ってくれたりする。
特に、引き取りの場合にはリサイクル料金を別途必要とすることもあるが、リサイクル料金に相当する金額で下取りするという対応をしてもらえる場合もある。買い取ってもらえる場合には通常は再販を念頭に置いているため、価格が付くときならリサイクル料金はかからない。また、下取りを行っていないときでも、買い替えのタイミングでエアコンの引き取りを依頼すると収集運搬料は節約できることがある。購入するときには業者と交渉してみた方が良い点だろう。
例えば、引っ越しに伴う買い替えであれば他にもたくさん不用品が出ることが多い。まとめて処分するために不用品回収を依頼するケースもあり、その回収の際にエアコンも引き取ってもらってしまう方法がある。しかし、適切な形でリサイクルされないリスクを抱えているので注意が必要だ。不用品回収業者が回収したエアコンをどのようにするかはケースバイケースだからである。
納得できる選択肢を選ぼう
一方で、価値があると考えてリサイクルショップなどに売って換金したとすれば、そのエアコンは決して無駄にはならない。新しい所有者が使い、不要になったときにリサイクルに出してくれれば良いからである。しかし、売れるようなエアコンではないと考えたり、売る手間を考えたら廃棄した方が良いと考えることもあるだろう。結果としてエアコンが不法投棄されてしまうことになるリスクがある。
業者によっては不用品回収の料金にリサイクル料金も入れて、正しく処分してくれることもある。どのような処分の仕方をするのかを聞いてみて、納得できるやり方なら依頼してしまっても良い。エアコンだけ別に処分するよりも手間がかからないので、引っ越しの忙しい時期には役に立つサービスである。
また、回収・買取サービスについてこちらも参考にするといいだろう。
参考:エアコンを処分する時はどうすべき?回収・買取サービスを比較してみた
買取を依頼することも検討しよう
もし、比較的新しくてまだ十分に使えるエアコンがあるなら買取を依頼してみるのも良い方法だ。リサイクルショップの店頭に並んでいたとして、買いたいと思う人がいるだろうと考えられるようなエアコンなら積極的に買取業者に連絡を取ってみるのが重要である。買取に成功すればお金になるというのは明らかだろう。それに加えて、リサイクルに出すわけではないのでリサイクル料金も支払う必要はない。リサイクルの仕方としても適切で、もっと長く使ってくれる人に買ってもらえれば十分である。
業者による買取では、まず査定を受けて買取価格を出してもらい、その価格で納得できたら売買契約をするというのが基本的な流れである。つまり、納得できなければ売らないという選択肢もあり、悩ましい場合には決断を待ってもらうこともできる。したがって、エアコンの査定を多くの業者に行ってもらい、出てきた買取価格の中から最高値になっているものを選んで契約すればエアコンを高く売ることもできる可能性があると考えられるだろう。
まとめ
このような価格比較はよく行われるようになってきたが、エアコンの場合には注意しておくべき点もある。エアコンの買取については査定も出張も無料というケースが多い。しかし、エアコンの取り外し費用については業者によって異なっている。買取金額の中に含まれているというケースもあれば、一方で、別途徴収されるというケースもある。そのため、査定を依頼したときには内訳までわかる見積もりを書いてもらった方が良い。
その中に、エアコンの取り外し費用について一切記載がなかった場合には、その費用を加味するといくらになるかを再度問い合わせてみるのが安全策である。エアコンの買取価格は数千円程度が一般的なので、エアコンの取り外し費用が3,000円かかるとしたら相殺されてしまう可能性すらあるだろう。単純に取り外し費用が買取料金で相殺されただけで実質的に0円での買い取りになってしまったとしても、リサイクルに出すよりは出費が大幅に少なくて済むのは確かである。
しかし、可能なら1円でも高く売るというスタンスで比較検討した方が満足できる。高く売るには買取価格を比較するのが大切だが、他に発生する可能性がある費用も考慮して最も利益を増やせる業者に依頼するのが賢明である。