まずはイヤホンの中でもハイエンドとはどのような逸品なのか、おさえておきたいポイントをまとめておこう。その上で今回は高額買取が期待できるイヤホンを、様々なオーディオメーカーから選んで紹介していく。
Headphones / Matti Mattila
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イヤホンはBA型とダイナミック型に大別される
出回っているイヤホンは大体がBA(バランスドアーマチュア)型とダイナミック型で構成されている。低価格帯のイヤホンのほとんどがダイナミック型を採用しているのだが、これらは力強く、音が歪みづらいドライバ(スピーカーのこと)を搭載している。また、一つのドライバで広い再生周波数帯域を持っており、安価な商品に使われる由縁となっている。
高額買取を期待できるイヤホンの特徴
高価買取されるのはBA型
だが、今回焦点を当てていくのは、高額買取も期待できる、高価格帯で音質の高さが光るイヤホンたち。そのほとんどがBA型だ。BA型の大きな特色はそのドライバのコンパクトさと、中・高音域のクリアな音にある。
BA型を採用したイヤホンは、ボディの中に複数のドライバを組み入れ、低音域用、中音域用、高音域用、と分けて鳴らす仕組みになっている。また、この二つの型を混ぜ合わせ、低音をダイナミック型ドライバ、中・高音をBA型で鳴らすハイブリッド型というのもある。
イヤホンの利点はやはりそのコンパクトさで、持ち運びも楽なうえ、どこでも手軽に音楽を楽しめることができる。音質の変更については、もともとイヤホンが持っている特性というのも大きい。
しかし、音質はリケーブル(イヤホンのケーブルを付け替えること。高価格帯イヤホンだと、ボディとケーブルとを取り外し、別のケーブルに差し替えることができる。) や、イヤーピースで遊ぶことができる。特にリケーブルは、断線したイヤホンもケーブルの購入でまたすぐ使うことを可能にしてくれるので、イヤホンに投資することを迷っている人には朗報かもしれない。
複数ドライバの詳細、リケーブル可能かどうかを要チェック
長々となってしまったが、抑えてほしいポイントは2つ。高価格帯イヤホンは、BA型の複数ドライバを搭載したものが多い。選ぶ際には、その数や、どのような種類の物を搭載しているかに着目してみてほしいこと。もう一点は、高価格帯のリケーブル可能なイヤホンは断線ごときで諦める必要がないので、投資が全く無駄にならないことだ。リケーブル不可の場合は、ケーブル事態も丈夫に作られているが、細心の注意を払って扱うことと、保証期間の延長などをしておいた方が良いかもしれない。
高額買取相場のイヤホン7選
上記の特徴を備えた、ハイエンドなイヤホンの情報についてまとめておきたい。一度購入すれば、その後も使い続けることが出来る名品ばかりだ。売る時もそれなりの相場で買取して貰える。
SHURE……SE535-V-J
アメリカ発メーカー。BA三基。購入予定イヤホン候補だったもののうちの一つ。低音の響きは豊かで、音の広がりが素晴らしい。そもそもイヤーフック型のかけ方を「SHURE掛け」と呼ぶのだが、その呼び方の由来となったメーカーでもある。
かけ心地、イヤーピースともに装着感が非常に良い。視聴の末、結局後述のUE900sの購入に至ったが、高音重視でなければこちらを選択していただろう。長時間使用でもあまり聞き疲れのしない、優しい音の印象だ。ちなみに、ツイッターによるとこの機種は東京事変のベースをされていた亀田誠治氏が使用されているそうだ。リケーブル可。
Ultimate Ears……UE900s
アメリカ発メーカー。BA四基。購入済イヤホン。色々と視聴した結果、SE535とUE900sの一騎打ちとなった。UE900sは、UE900の後継機種で、初代よりも低音にやや幅が出るようになった。UEはモニター用のイヤホン(イヤーモニター、通称イヤモニ)のメーカーであることもあって、解像度が非常に高く、高音が心地よい。
クラシックの、ヴァイオリンのソロパートで聞き比べ、より高音の広がりと臨場感が強かったのがこちらだった。似たような価格帯で高音と解像度重視ならば間違いなくおすすめである。青いケーブルは美しい縄状になっていて、iPhone対応のリモコンマイク付きのケーブルと、シンプルなケーブルの二種類が付属している。デザイン性も高い。長時間使用だと若干の聞き疲れ感が出て、また、かけ心地と装着感だとSHUREに軍配が上がる。リケーブル可。
Westone……WST-W40
アメリカ発メーカー。BA四基。他のアメリカの二メーカーに比べるとデザインが若干ごつい。だが、SHUREが以前販売していたEシリーズの共同開発を担い、また、Ultimate Earsのカスタムイヤーモニターなどの製造も行っていたこともわかるように、その技術は高い。
視聴した感想としては、楽しみながら解像度の高さも楽しみたい人向けという印象の音だった。ただ、SE535と比べると低音に弱く、高音はUE900sの方が美しい。どちらかに特化しているというより、幅広くバランス良く鳴らすタイプのイヤホンである。リケーブル可。
SENNHEISER……IE80
ドイツ発メーカー。この中では珍しいダイナミック型である。ダイナミック型とはいえ高級機なので、中音域もキレイに鳴らすことができるが、やはり強いのは低音。ゼンハイザーらしいシンプルかつ男性的な見た目で、高音のシャキッとした音よりも低音の重厚感を味わいたい人向けだと思う。
また、イヤホン自体に音質調整機能がついていて、レバー(トリムと呼ばれている)の調節によって、低音の感じ方を変えることができるという他にはない機能がついている。リケーブル可。
SONY……XBA-A3
イヤホンでもハイレゾ対応のものがある。それがこちら。ハイブリッド型で、ダイナミック型ドライバが一基とBA型ドライバが二基という構成だ。使用感としては、ボディが若干大きいような見た目だったが、私はそんなに気にならなかった。ハイブリッド型ということで、低音域はダイナミック型の力強さがあり、中高音域はBA型の繊細さがあるいいとこ取りの一本になっている。
ただ、その音の質感の違いがややアンバランスな印象を持ってしまう方もいるかもしれない。音の広がりはとても感じられるし、ハイレゾ対応ウォークマンを購入された方はこれを入り口にしてみても良いのでは。リケーブル可。
ortofon……e-Q7
設計を新たにしたことで高性能のドライバを搭載することがかなった一本。低音と高音はそれぞれ弱めで中音域が特に強い。明るい音を好む方、そして、音の臨場感と立体感を重視する方向けだ。
見た目は、ボディがアルミ製で洗練された印象を受ける、美しいイヤホン。細い筒のようなボディが特徴で、見た目を重視する方にも向いている。価格も比較的良心的だが、デンマーク発のオーディオ機器メーカーが作っている。どんなジャンルとも相性の良い印象だったので、音楽なら何でも聞く、という方は持っていて損はしないだろう。ただしリケーブルができないので注意。
Chord&Major……Classical-Major9’13
ちょっと珍しいが、台湾発のメーカーの作品をご紹介。Chord&Majorは木目調ボディのイヤホンをいくつか出している。このジャンルの曲を聞くならこれ、というチューニングを施しているのが大きな特徴だ。9’13はクラシック向けモデルで、他にもロック、ジャズ、ボーカル入り、バラード、ワールドミュージック、と言ったラインナップになっている。9’13はクラシック向けチューニングされた機種、と言われてはいるものの、ジャズ、フュージョン、女性ボーカルなどでも楽しんで聞くことができる。
紹介した中では特に価格も良心的であるが、その個性的な見た目や付属品の高級感も魅力的である。ただ、こちらもリケーブルはできなさそうなので注意。