温水洗浄便座の代名詞でもあるウォシュレットは発売から50年以上が経過しており、商品ラインナップも豊富だ。今や一般家庭やオフィスでも当然のように設置されており、身近な家電の1つでもある。既存の便器に後から取り付けができるため、導入もわりと容易だ。
「ヤフオク」でもウォシュレットの出品は多く、値段の手頃感もあって中古品も入札を集めることが多い。しかし中古品には新品にはない購入時の注意点もある。中古ウォシュレットを「ヤフオク」で買うときに意識しておきたいチェックポイントをまとめてみた。
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トイレの設備に関するチェックポイント
最初にやっておきたいのはウォシュレットを導入するために必要な設備がトイレに備わっているかの確認だ。いきなりヤフオクで購入してしまうと、後から必要な設備が足りないことが判明した場合は工事を行った後に取り付けとなってしまう。スムーズにウォシュレットを導入するためにも、以下の項目をチェックしておきたい。
コンセントはトイレ内にあるか
比較的新しい建物ならば最初からトイレ内にコンセントが設置されているが、古い建物だと無いことも多い。言うまでもなくウォシュレットは家電であり、使用するためには外部電源(100Vコンセント)が必要だ。
もしトイレ内にコンセントがない場合はコンセント増設の工事を業者に頼むか、トイレから一番近いコンセントまでコードを伸ばすかのどちらかの対応が必要だ。コードを伸ばす場合は水濡れを防ぐために、防水性の高いコードを使用するのが一般的だ。
取り付けが可能な便器か
国内で使われている便器はメーカーを問わず、大型のエロンゲートサイズとレギュラーサイズの2つがほとんどだ。この2つのサイズの便器ならば、ウォシュレットの取り付けは可能だ。メーカーもウォシュレットが取り付け可能な便器の型番を記載しているため、念のため確認しておきたい。
タンクのタイプはどれか
ウォシュレットを使うためには、給水管を途中から分岐させて水を引く必要がある。給水管はタンクと繋がっており、ウォシュレットが取付可能なタイプのタンクは背面タンク式と、隅付タンク式の2つだ。それ以外のタンクのタイプだと、配管工事が必要になることもあるので留意したい。
ウォシュレット本体のチェックポイント
中古のウォシュレットを検討するにあたって、多くの人が気になるのが本体の状態についてだろう。汚れや傷、使用感など見ておきたい点は多い。ここでは中古ウォシュレットの状態を見極めるために必要なチェックポイントを列挙する。
目立つ傷や汚れがないか
明らかに目立つ傷や汚れがついているものは、入札しない方が良い。メンテナンスや清掃がしっかりされていない可能性が高いし、衛生状態の悪い環境で使われていたのだとしたら、購入後の使用にも不安感が残るからだ。
便座部分の傷は特に入念に見ておきたい。便座の材質はポリプロピレン樹脂が使われており、退色にも強いというメリットがある一方で、傷がつきやすいデメリットもある。また大きな力が継続して掛かると便座にヒビが入ったり、最悪割れることもある。便座の状態はそのウォシュレットの寿命とイコールのため重要視すべきだ。
またノズル部分の汚れも気をつけたい。ノズルの汚れは尿石汚れや水垢汚れが原因のことも多く、簡単には落ちない。出品前のクリーニンでも落ちなかった汚れは、購入後もそのままの状態で使用することになりがちだ。
全体的な使用感
毎日使用するだけにウォシュレットの状態は出品ごとに違いも大きい。特に目立つ傷などがなくても、全体的に使用感が強いものは避けた方が無難だ。そういったウォシュレットは動作に問題がなくても経年劣化が進んでいる可能性が高いし、トイレに清潔感を求めている人にとっては何よりミスマッチでもある。
また使用感が強いものは、ウォシュレット本体に染み付いた臭いも問題になりやすい。「ヤフオク」では商品の臭いを確認することは当然できないので、使用感から判断するのがベターだ。
センサーは正常に働いているか
現行機種のウォシュレットには便座部分に荷重式着座センサーが搭載されており、このセンサーが反応するとスイッチがオンになる仕組みだ。
そのためこのセンサーが故障していると、ウォシュレットが利用者を検知できずに手動で操作を行う必要がある。中古のウォシュレットの出品でセンサーに難があるものは、自分で修理交換ができるといった人でない限り避けた方が良い。
同梱部品は揃っているか
ウォシュレットは同梱部品も多いので、出品物の中にそれらが揃っているか確認しておきたい。便座と便器の接続に用いる「ベースプレート」や「ロータンク接続用
フレキホース」などだ。給水管に取り付ける分岐金具も同梱部品の1つだが、これは小さくて見落としやすいので要注意だ。機種によってはリモコンも同梱部品だ。壁面等に取り付けて使用するため、取り付け用の金具の有無も含めてチェックが必要だ。リモコンが欠品していても本体から操作もできるが、利便性に欠けるためおすすめはできない。
また欠品しがちな部品に、専用スパナや便器外し工具がある。これらは無くても他の工具で代用できるため、所有者が捨てたり最初から出品物に含まれていないことがある。もしこれらの工具類が同梱されていなかった場合は代用の工具も準備をしておく。
年式はいつ頃のものか
ウォシュレット本体に問題がなくても、あまり年式が古い機種だと機能面で不便なものが多い。また動作はしていてもトイレは多湿環境にあるため、経年劣化による故障のリスクも高い。価格との相談になるが、基本的には新しい年式のウォシュレットを選ぶ方が満足度も高いはずだ。
機能についてチェックポイント
ウォシュレットには温水洗浄便座としての必要な機能だけでなく、人間が快適にトイレを使うための各種機能が備わっている。「ヤフオク」には古いモデルから最新のモデルまで揃っており、各商品の機能面での違いも大きい。必要な機能が実装されているかチェックできるように、主な機能について4種に分類した上でリストアップをしてみた。
洗浄機能
- ・おしり洗浄
- ・ビデ洗浄
- ・やわらか洗浄
- ・ムーブ洗浄
これらの機能のうち、「おしり洗浄」と「ビデ洗浄」はよほど古い機種でない限り標準で備わっている。「やわらか洗浄」はよりソフトな洗浄を行うための機能で、「ムーブ洗浄」はノズルが可動する洗浄機能だ。洗浄時におしりを動かすのが手間ならば、「ムーブ洗浄」機能はおすすめだ。
快適機能
- ・暖房便座
- ・着座センサー
- ・オート開閉
- ・脱臭
- ・オートパワー脱臭
「暖房便座」は便座部分にヒーターが格納されており、使用時も一定の温度を保ってくれるので、冷たい便座が嫌いな人には最適だ。「着座センサー」は座ると自動でウォシュレットが動作する機能であり、「オート開閉」は便蓋を自動で開閉してくれる。「オートパワー脱臭」は使用後に自動で脱臭を行う機能である。
清潔・清浄機能
- ・本体ワンタッチ着脱
- ・クリーンコートノズル
- ・ノズルお掃除機能
- ・セルフクリーニング
- ・抗菌
何れもメンテナンスに関連する機能であり、日頃の掃除を楽にしてくれる上に衛生環境も保ちやすい。トイレの使用に直接関係する機能ではないが、ウォシュレットを長く使い続ける上で役立ってくれる。
エコ機能
- ・タイマー節電
- ・運転スイッチ
- ・おまかせ節電
温水洗浄便座は通常24時間通電しているため、電気料金を気にする人もいる。しかしウォシュレットには節電のために上記の機能が揃っている。この機能の中でも注目したいのが「おまかせ節電」だ。
トイレが使用された時間をコンピュータが記憶していき、使用されない時間帯は便座の温度を下げるなど、節電する時間帯を自動で設定してくれる機能のため手間も掛からない。
入札する前に注意しておきたい事
商品状態にも問題がなく、必要な機能も揃っているウォシュレットを見つけたらさっそく入札に移りたいところだ。しかし「ヤフオク」は一度入札を行うと、基本的に取り消しはできない。入札前に注意をしておきたい事も押さえておこう。
価格に見合った商品か
中古のウォシュレットは「ヤフオク」でも安い価格で取引されているものが多い。未開封未使用品でも新品価格より2割から3割は安い価格で落札されるのは当たり前だし、すでに使用された中古品ならば10,000円以下の落札価格も多い。その出品が本当に適正な価格なのかどうか、今一度チェックをしておきたい。
価格判断で役立つものとしては、「ヤフオク」のすでに終了したオークションの落札価格がある。同じ型番の商品があれば当然参考にでき、なくても他の商品の落札価格からおおよその相場が見えてくる。
同様にウォシュレットの出品数が多い、「メルカリ」での購入価格もまた価格判断に使える。近隣にリサイクルショップがあるなら、その店の買取価格を参考にする手もある。
保証や返品条件に問題はないか
購入した後に不具合が見つかったり、商品状態に説明と明らかな違いがあったりと、中古品の取引では一定のリスクが常に存在する。だからこそ中古ウォシュレットを購入するときに重要となるのが保証や返品条件についてだ。
返品不可の商品はそういった面でもリスクが高い。最低でも初期不良の返品を認めている出品を選びたい。また保証についてもウォシュレットに最初から付いているメーカー保証が残っているものや、独自保証を用意しているショップ出品ならば故障の際のリスクを抑えられる。
商品説明の正確さと出品者の評価
出品者の人柄が分かるのが商品説明文と取引評価だ。丁寧で正確な商品説明を心掛けている出品者のウォシュレットならば、状態を偽って記載したり内容の不足が生じているといったリスクも低いと見て良い。取引評価についても、「非常に良い」と「良い」が多数を占めているならば、取引そのものでトラブルが起きる可能性は低いため、安心して入札可能だ。
追加の出費が必要にならないか
予算ギリギリで入札してしまうと思わぬ失敗に繋がることもある。「ヤフオク」では送料の負担は今でも落札者が負担することが多いため、落札価格よりも少し多めに予算を見積もっておくべきだ。またウォシュレットを取り付けるときに工事を業者に依頼する場合は、その費用も考慮する必要がある。
まとめ
ヤフオクで中古ウォシュレットを購入する際の注意点と完全チェックポイントをご紹介した。ヤフオク上のウォシュレットの出品は多く、値段の手頃感もあって中古品も入札を集めることが多いが、中古品には新品にはない購入時の注意点がある。
一度入札を行うと、基本的に取り消しはできないため、慎重に購入したいものだ。悔いのない取引を行うためにもあらかじめチェックポイントを頭に入れておこう。