引越しでそれまで使った冷蔵庫を新居に持ち込む人もいるが、手間や運送料金のことを考えて手放す人もまた多い。そのため冷蔵庫は家電の中でもわりと多くの商品がリユースされやすく、中古品も需要がある。
スマホなどで手軽に売買できることもあり、メルカリでも冷蔵庫の取引は盛んだ。しかし大型の家電製品ということもあり、売買で失敗すると困ったことになりがちだ。ここではメルカリで冷蔵庫を売買した際に遭遇しやすいトラブル事例をまとめてみた。

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こちらのページには広告パートナーが含まれる場合があります。掲載されている買取価格は公開日のみ有効で、その後の相場変動、各企業の在庫状況、実物の状態などにより変動する可能性があります。
メルカリでの主なトラブル
売る人と買う人がいてはじめてメルカリの取引は成立する。しかし取引は人間同士の折衝である以上、トラブルがつきものだ。冷蔵庫は商品も大きいだけに、取引はスムーズに終わらせたいのが誰もの本音だ。ここでは出品と購入の両方で起き得る気をつけたいトラブルの事例を挙げる。
価格が折り合わない
出品者側は出来る限り高く売りたいのに対して、購入者側は安く買いたい。そのため価格の交渉が行われるのはメルカリでは日常的な光景だ。しかし価格交渉がもつれてトラブルに発展するケースも多い。特に購入者側の場合、出品者からブロックされてしまうと以降はその出品者の商品を購入できなくなるため注意が必要だ。
価格が折り合わない理由の1つは、双方の商品に対する価値のズレも大きい。これを避けるためには中古市場の冷蔵庫の価格をある程度押さえておくのが望ましい。出品者側ならリユースショップや家電買取専門店での対象機種の査定価格を調べておくと、売れやすい出品価格を設定しやすくなる。
冷蔵庫の年式にもよるが、一般的には買取価格よりも1割か2割程度高めの出品価格までに抑えていた方が良い。冷蔵庫の付属品なども完備していればより高額で売れやすいが、購入者側の気持ちに立った値付けを心がけよう。
一方、購入者側は対象の中古冷蔵庫の販売価格や、他のフリマアプリやオークションでの取引価格を知っておくと損をしにくい。「ヤフオク」のような取引の多い所ならば、年式の古いものやあまり知られていないメーカーの機種も探しやすい。値段交渉の際にも中古相場を知っていれば、上手な値切りができるのでプラスとなる。
専用出品にした冷蔵庫を第三者が購入してしまった
メルカリでよく起きるトラブルの中でも有名なものがこれだ。出品者と購入希望者の双方で値段交渉が成立したり、入金を数日待ってもらうときに専用出品はよく行われる。専用出品は第三者の購入を防ぐためのいわばローカルルールだ。
しかしメルカリの規約では取引を誰よりも早く開始した人が優先されるため、第三者の購入を完全に止めることは不可能だ。
中古冷蔵庫は出品者側も引越しなどで早く手放したいという人もいるため、専用出品の商品を購入した第三者とそのまま取引を開始してしまう例もある。そうすると購入する予定だった人も当然不満を覚えるため、3人の間でトラブルに発展してしまう。
出品者がローカルルールとメルカリの規約のどちらを優先するかはその人次第のため、完全にこのトラブルを避けるのは困難だ。
運送事故や遅配
大型の家財である以上、ある程度の運送事故のリスクはどうしても存在する。輸送中や積み下ろし時にぶつけて傷がついたり、外箱が破損するなどのトラブルは想定しておく必要がある。また遅配が生じたことで、新居の移住に間に合わなかったなどのトラブル例もある。
上記のようなトラブルもあるため、出品者側は配送をある程度余裕をもって行いたい。運送方法の指定は「大型らくらくメルカリ便」を使うのが大型家財では一般的だ。料金が安くて補償も手厚いのに加えて、集荷と梱包も業者がやってくれるので楽だ。購入者が特別な希望でもしない限り、冷蔵庫の配送は「大型らくらくメルカリ便」を指定して問題ない。
購入時に遭遇しやすいトラブル事例
冷蔵庫を直接触れない以上、商品の状態は実際に届いてみないと分からない部分もある。出品者側の善意に期待せざるを得ない部分も取引ではあるため、すべてのトラブルを完全に回避するのは難しい。購入時に経験しやすいトラブルの事例としては以下のようなものがある。
冷却性能が低い
年式の古い冷蔵庫を中心に遭遇しやすいトラブルだ。冷蔵庫は冷媒を気体から液体に繰り返し変化させることで、物の熱を奪って冷却をする仕組みだ。しかし古い冷蔵庫はその冷媒が失われて冷却機能が落ちていることがある。
また冷蔵庫は新しい年式のものほど省エネ化が進んでいるため、同じ温度に冷やす場合でも古い機種の方が電気代が高くなる。古い冷蔵庫はこのようにトラブルが起きやすい上にコストパフォーマンスでも劣るので、メルカリで選ぶときには価格が安くても要注意だ。
一部の機能が壊れていた
冷蔵庫はすべての機能が一度に壊れることは少なく、特定の機能のみが故障するケースが多い。自動製氷機能の故障もその一例だ。自動製氷機能自体は壊れていても冷蔵庫の動作に支障はないため、そのまま出品する人もメルカリにはいる。商品説明に小さな字でそのことを記載しているケースもあるので気をつけたい。
他にも庫内灯が点灯しない、締め忘れ防止のアラームが鳴らないといった、冷蔵庫本体の動作に影響はないが使えないと不便な機能の故障は様々である。出品者側も承知していて価格をその分低めにしていることもあるため、自分にとって必要な機能を見極めておいた上で購入を判断するのがベストだ。
臭いが気になる
使い込んだ冷蔵庫は生活臭が移りやすい。綺麗にクリーニングを行っている商品でもいくらかの臭いがすることはよくある。商品写真からも確認できないだけに、臭いの問題は対処も難しい。商品の説明に除菌や除臭をした上で出品をしたとしっかりと記載がある冷蔵庫を選ぶようにしたい。
音がうるさい
使い始めて分かる問題のため、出品者と購入者間でトラブルになりやすい。冷蔵庫は常時電源を入れているだけに、一度音が気になりだすと非常に厄介だ。原因はコンプレッサーやファンの異常や、経年劣化などが考えられる。また冷蔵庫の振動を抑える制振材が何らかの理由で外れているのが原因のこともある。
上記の問題は古い冷蔵庫ほど起きやすい。防振ゴムを置いて音を抑えたりといった対処が有効なこともあるが、古い冷蔵庫は購入を避けるのがもっとも確実なトラブル回避の方法だ。
海外メーカー製は独自の規格や機能が問題になることも
白物家電は海外メーカー製が現在は国内でも多く流通しており、冷蔵庫も例外ではない。しかし海外メーカー製の冷蔵庫は規格の違いから思わぬトラブルに遭遇することもある。
例えばドアポケットのサイズもそうで、ペットボトルなどの飲料が入らなかったり、逆にサイズに余裕がありすぎて開閉時に収納物が落下したりといったものだ。出品者に問い詰める訳にもいかないため、我慢して使うことになりがちだ。
また海外製の冷蔵庫は高級機種を中心にアイスディスペンサーの機能を搭載しているものも多い。好きなときにクラッシュアイスが用意できるのは大変便利だ。
しかしディスペンサーは専用の給水管や床工事が必要になるため、そのまま機能を使うことはできない。購入手続き後に後から気づいて予算オーバーにならないように、ディスペンサー機能付きは予算も余裕を持たせて購入したい。
搬入できない
冷蔵庫は小型の1ドアタイプでも容量が45リットルから80リットル程度はある。4ドアや6ドアタイプだと400リットル以上も当たり前だ。大型の家電だけに問題となりやすいのが搬入作業だ。購入後に自宅に搬入できないトラブルだけは避けたい。事前に搬入経路を調べて、それに収まるサイズの冷蔵庫を選ぶは基本中の基本だ。
売却時に遭遇しやすいトラブル事例
メルカリで冷蔵庫を売却する際に起こりやすいトラブルの事例としては主に以下のようなものがある。
専用出品を頼まれたのに購入されなかった
売買に共通するトラブルのところでも触れたが、専用出品は公式ルールではないため購入させる強制力もない。そのため冷蔵庫の値下げや入金待ちを頼まれ、専用出品したのに購入されないというトラブルは出品者の誰にでも起き得る。価格を下げて再度出品するなどして、購入を促したい。
購入予定者からの入金がない
冷蔵庫に限らずメルカリ全般で多いトラブルである。引越しの予定があって冷蔵庫を早く処分したいときにこのトラブルに遭遇すると、出品者としても迷惑だ。入金を促すメッセージを送りつつ、期日までに入金がない場合はキャンセル処理となる。メルカリの事務局に連絡することで、相手にペナルティを課してもらえる。
冷蔵庫の状態についてのクレーム
取り扱い方が不適切だと冷蔵庫の状態に問題が生じることがある。例えばその1つが水抜きが不完全なことによる庫内の異常や異臭だ。冷蔵庫の中身を完全に空にするには内部の水分も抜いておく必要があり、この作業が水抜きだ。
水抜きが不完全だと庫内に水分が残ったままになるため、故障や異臭の原因となる。水抜きのためには電源をオフにする必要があるが、その作業は製氷機能付きの冷蔵庫ならば、最低でも発送の2日前まで始めておくのが無難だ。
また出品者側に非がなくてもクレームが来てトラブルになるケースもある。購入者の勘違いに起因するものや、購入後の保証期間を過ぎた後の故障などだ。そういったトラブルを避けるためにも、冷蔵庫の状態は出来る限り詳細な記述を心掛けつつ、分かりやすい商品説明にしておきたい。
返品に関するトラブル
無事冷蔵庫を売却できても、後から購入者が返品を要求してくることもある。理由は様々だが、商品説明と実際の状態が明らかに違っていたといったこちらの不手際によるものならば、返品に対応する必要がある。しかし双方どちらに非があるか明確でない場合もあり、対応に悩む出品者も多い。
返品については出品前に明確な基準を記載して、それらに当てはめて対応するのが望ましい。また送料をどちらが負担するかも金額が高くなりがちなため問題になりやすい。大型家電だけに返品に関するトラブルも深刻化しやすいので要注意だ。
まとめ
メルカリは中古品を格安で購入することができるが、個人間での売買なのでトラブルに巻き込まれる可能性がある。専用出品や価格、運送でのトラブルが多く見受けられる。
冷蔵庫を購入時には機能や匂い、音などでのトラブルに巻き込まれやすい。トラブルに巻き込まれないようにするためには、商品の説明欄をよく読み、相手がどのような人物か把握するために評価を見ることで安心して購入することができるであろう。
売却時には状態についてのクレームや購入予定者からの入金がないなどのトラブルに巻き込まれやすい。メルカリで冷蔵庫を売却する際は、商品説明欄に状態を細かく書くことが必要である。