全国各地で大規模な地震や豪雨災害の多発する近頃では、格安SIMの申込時に「MVNOでもエリアメールや緊急地震速報の受信はできる?」といった質問も珍しくなくなってきている。
また最近では、北朝鮮情勢の緊迫化により、これまで国民に馴染みのなかった緊急情報システム・Jアラートへの注目度も高まってきているため、こうした特殊な情報の受信と格安SIM選びのポイントについても理解しておいた方が良いと言えるだろう。
今回は、携帯電話やスマートフォンに突然届くエリアメールや緊急地震速報の仕組みや違いを解説しながら、多くの方々が抱いている「緊急地震速報、エリアメールはMVNOで受信できるのか?」という疑問の答えを導き出していきたい。
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エリアメールとは?緊急地震速報との違いは?
気象庁が配信する津波警報や緊急地震速報を受信できるNTTドコモの携帯電話向けサービスを、エリアメールと呼ぶ。対象エリアにいる人に限定して配信するエリアメールは、地方公共団体の発信する避難情報や災害情報などを受信することもある。
専用の警告音だけでなくスマホやフューチャーフォンの画面にポップアップ表示されるエリアメールは、情報が早く届くだけでなく、その内容を確実に確認できるシステムによって災害など危険から人々を守る役割を担っている。
エリアメール=緊急速報メールと捉えて良い
厳密に言えば、エリアメールはドコモ専用のサービス名だ。しかし報道機関やSNSなどでもこの呼称を使う人が非常に多い近頃では、緊急速報メール全般の総称としてエリアメールという言葉が用いられることもある。
エリアメールではどんな情報が配信されるの?
エリアメールには、気象に関する特別警報や緊急地震速報などの17項目もの配信項目がある。地方自治体で配信する仕組みとなっている災害・避難情報については、区町村によって対応状況が異なる実態があるようだ。これに対して気象庁の発信する緊急地震速報などは、日本全国、携帯電話の電波の届くエリアであれば受信可能な仕組みとなっている。
今話題のJアラートとエリアメールとの関係性とは?
総務省消防庁が発信する国民保護情報を、Jアラートと呼ぶ。瞬時性が必要不可欠となるJアラートは、より早く国民に情報を伝えるために2014年4月1日からドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、ソフトバンクといった大手キャリア会社を通して配信されるようになった。
近年注目されているJアラートの代表とも言える弾道ミサイル情報は、前述のキャリア会社の電波に乗ってエリアメールとほとんど変わらないシステムでユーザの携帯電話に届く仕組みだ。
エリアメールや緊急地震速報の受信はMVNOでできるの?
当ページの本題となる格安SIM利用時のエリアメール受信については、MVNO会社ではなく使用するSIMフリースマホ端末に依存する形だ。緊急地震速報やJアラートなどのエリアメールは、相手方の端末を区別せずに一方的に送信を行うETWS信号を使っている。
またMVNO会社ではETWS信号のコントロールはできないため、エリアメールの受信を希望するなら格安SIMのブランドではなくSIMカードを入れる端末にこだわる必要があるのだ。
MVNO利用時にエリアメールや緊急地震速報の受信をする方法
格安SIMを入れたスマホでエリアメールの受信をするためには、「白ロムスマホ」もしくは「国産メーカーのSIMフリースマホ」を選ぶ必要がある。
白ロムとは?
ドコモ、au、ソフトバンクといった大手キャリア会社で使われていたスマートフォンや携帯電話からSIMカードを抜いた状態を、白ロムと呼ぶ。緊急情報メールを標準サービスとするこの3社の携帯電話やスマートフォンには、ETWS信号を受信する仕組みが備わっているため、前契約者によってSIMロック解除が行われていても、エリアメールの受信には支障はないと捉えて良いだろう。
国産メーカーのSIMフリー端末を使う
これに対してSIMフリースマホの場合は、エリアメールに対応している富士通、SHARP、SONY、KYOCERAといった国産メーカーの端末を選ばなければならない。新品でもリーズナブルな価格で購入できるHAUWEI、モトローラ、ASUS ZenFoneといった海外ブランドの場合は、その大半がエリアメールに未対応と捉えた方が良いだろう。
SIMフリーのiPhoneではエリアメールの受信はできる?
非常に人気の高いiPhoneについては、機種によって利用できるエリアメールの情報に違いがあるとAppleのサイトに書かれている。また実際にIIJmioのSIMカードを使って行なったテストによると、iPhone4、iPhone4S、iPhone5では緊急地震速報が来なかったという報告もあるため、この機能を重視している場合は注意をして欲しい。
現在所有しているスマホでエリアメールの受信ができない場合は?
前述の条件に合うスマホを購入すれば、エリアメールや緊急地震速報の受信は可能となる。しかしこうした注意点を知らずに端末を買ってしまったユーザの中には、地震などの災害が訪れた時に「自分のスマホにはエリアメールが届かない!」という状況に気づく人たちも少なくない実態があるようだ。ではこうしたスマホ選びの失敗に見舞われた時、エリアメールに代わる対処法はあるのだろうか?
災害などの配信サービスを活用する
エリアメールの届かないスマホを持つユーザの多くは、プッシュ通知で地震や津波などの情報を知らせてくれるYahoo!防災速報やゆれくるコールなどのアプリや、気象庁の緊急地震速報などのTwitterアカウントなどのフォローをしているようだ。また中には、防災情報の通知メールサービスを行っている自治体もあるため、気になる人は自分の住んでいる市区町村役場に問い合わせてみても良いだろう。
エリアメール以外のサービスを使う際の意外な注意点
この方法を使って災害情報の把握をする際には、スマホアプリなどの配信サービスとエリアメールの違いについても知っておく必要がある。相手方の端末を区別せずに情報を送るエリアメールの場合、キャリア会社の電波が届けば利用停止中や利用中断中のスマホであっても災害情報の受信ができる。これに対して災害情報アプリなどの場合は、利用停止中であれば当然何も届かない形となるため、注意が必要だ。
エリアメールよりも情報が届くのが遅い
続いて注意すべきなのは、情報が届くスピードに関することだ。消防庁や気象庁が発信するエリアメールやJアラートには、早く災害の情報がユーザに届くメリットがある。これに対してスマホアプリやニュースサイト、SNSアカウントで災害情報受信を代用する場合は、使うツールによっては必要な情報がかなり遅く届くこともあるため注意をして欲しい。
市区町村の詳しい情報がわからないこともある
エリアメールは、豪雨災害などが起きた時に市区町村役場の発信する避難情報の把握にも大変役立つ存在だ。各自治体が住民の携帯電話に直接発信するこうした情報は、Yahoo!などの大きなニュースサイトでは拾いにくい存在となる。また豪雨災害などの場合は一刻も早く避難が必要な状況であるため、若干タイムラグが生じることもあるSNSやアプリよりもエリアメールが強いのは一目瞭然だと言えるだろう。
警報が表示されるスマホに買い替える
緊急地震速報は表示・鳴動したとしても、端末によっては自治体防災情報やJアラートの警報を表示しない場合がある。万が一のときのことを考えて警報がしっかりと表示される端末への乗り換えを検討するのも一つの手といえるだろう。そこでおすすめしたいのが中古スマホの売買に特化したスマホのマーケットというフリマサイトである。

スマホのマーケットでは、中古品・新品スマホが数多く販売されており、予算に合わせて好みのスマホを選ぶことが可能だ。さらに購入する際に動作保証サービスというオプションを選択すると、仮に購入後に初期不良等があった場合でも返金対応を受けることが可能となっている。機種によっては30日間無料返金保証がついているスマホもあるのでぜひチェックしてみてほしい。
まとめ
将来的なMVNO利用に向けてSIMフリースマホの購入を考えている人は、ETWS対応端末のみがエリアメールの受信ができる仕組みを頭に入れた上でスマートフォン選びを行う必要がある。また少しでも安い端末が欲しいなどの理由でETWS未対応の海外製SIMフリースマホを買う場合は、万が一に備えて災害情報をいち早く届けてくれる専用アプリなどを探しておく必要があると言えるだろう。