便利なデータ管理ツールが次から次へと登場する近頃では、AndroidからiPhone、iPhoneからAndroidといった形で異なるOSのスマホに機種変更をした場合も、ユーザが自らデータ移行の作業をおこなえる時代になりつつある。こうしたツールを活用すれば、機種変更時のデータ移行のためにわざわざ店舗に行く必要もなくなる。
また自分でデータ移行のできる人は、イオシスやゲオなどの中古市場から人気のSIMフリー端末を安くお得に調達する上でのハードルもかなり下がると捉えて良いだろう。
今回は、スマホの機種変更時にAndroidからiPhoneへとデータ移行をする方法と、その逆のiPhoneからAndroidにデータを移す手段を皆さんと一緒に確認していきたい。

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AndroidからiPhoneへデータ移行する方法にどんなものがある?
異なるAndroidとiOSという異なるOSの搭載されたスマホ間でデータ移行をする場合、下記5サービスのいずれかを使って作業をするユーザが多い実態がある。ちなみにこれらのアプリは全て、無料で使える形となる。
また結論から言ってしまえば、AndroidからiPhoneだけでなく、その逆でも相互のデータ移行に使える下記のサービスは、頻繁に異なるブランドのスマホに機種変更をする方々にとっても使い勝手の良い存在になると言えるだろう。
- ・iOSに移行(Move to iOS)
- ・JSバックアップ
- ・Googleフォト
- ・各キャリア会社のバックアップアプリ
- (ドコモデータコピー、auデータお預かりアプリ、あんしんバックアップ(ソフトバンク))
- ・DOCOPY(ドコピー)
AndroidからiPhoneへの機種変更時に「iOSに移行」でデータ移行をする
Apple社の提供する「iOSに移行」は、ドコモやSoftBankといった大手キャリア会社からも推奨されている定番のデータ移行アプリだ。一般では「Move to iOS」と呼ばれるこのツールは、下記条件に該当するモデルであればiPhone・AndroidといったOS関係なくダウンロード可能となっている。
- ・OS 9 以降
- ・iPhone5 以降
- ・iPod touch 第6世代
- ・iPad 第4世代以降
- ・iPad mini 第2世代以降
- ・Android バージョン4.0以降
iPhoneに移せるデータの種類とは?
このアプリでは、下記の項目のデータ移行に対応している。
- ・連絡先
- ・カレンダー
- ・メールアカウント
- ・メッセージの履歴
- ・カメラで撮ったビデオや写真
- ・Webのブックマーク
またAndroidのGoogle PlayとApp Storeの両方に対応している一部の無償アプリの中には、新端末側への転送やダウンロードができるものもあるようだ。
「iOSに移行」を使う前に確認すべきこと
サーバを介してデータ移行をするこのアプリを使う時には、安定したWi-Fi環境が必要不可欠となる。またデータの移し替えに用いるiPhoneとAndroidは、それぞれ電源に接続しておく必要もあるようだ。この他にChromeというブラウザのブックマーク転送をする際には、Android側のChromeを最新バージョンにしなければならない。
容量面のチェックも忘れずに
当然のことながら、「iOSに移行」を使って移せるデータ量は、新しいiPhoneの中に入る分のみとなる。そのため、Androidに容量の大きなmicroSDカードを入れることにより、新しいiPhoneの容量よりも遥かに多くのデータがある場合は、「iOSに移行」というアプリだけでの作業完結は厳しいと捉えた方が良いかもしれない。
「iOSに移行」を使ってiPhoneへのデータ移行をする流れと方法
このアプリを使ったデータ移行は、下記の流れで行っていく。
- 1.新しいiPhoneのデバイス設定をする前に、「Appとデータ」の画面を開く
- 2.「Androidからデータを移行」をタップする
- 3.転送元となるAndroid端末側で「iOSに移行」のアプリを開き、利用規約に同意する
- 4.「コードを検索」の画面の右上角になる「次へ」をタップする
- 5.新しいiPhone側の「Androidから移行」という画面の中で「続ける」をタップする
- 6.6桁もしくは10桁のコードが表示されるまで待つ
- 7.iPhoneの画面にコードが表示されたら、Android端末側にコードを入力する
- 8.しばらくすると、「データを転送」の画面が表示される
- 9.Androidの端末側でデータ転送するコンテンツを選び、「次へ」をタップする
- 10.Android側で転送完了が表示されても、iPhone側の読み込み状況が最後に到達するまでしばらく待つ
- 11.iPhone側の読み込みバーが最後まで進んだら、Android端末側で「完了」をタップする
- 12.iPhone側の「続ける」をタップした後、画面の指示に従いiPhoneデバイスの設定を行う
- 13.選択したコンテンツが全て移行されたかを確認する
データ移行が上手くいかないときのトラブルシューティング
移行作業がスムーズにいかないときには、Appleのサイトに掲載された「転送がうまくいかない場合」や「転送後にお困りの場合」といった下記のコンテンツに目を通すと良い。(https://support.apple.com/ja-jp/HT201196)
Apple側でトラブルシューティングの情報を公開するこのアプリの場合、手順どおりに行っているも自分のイメージする結果が得られない状況下でも、焦らず原因の解明ができることだろう。
AndroidからiPhoneへの機種変更時に「JSバックアップ」でデータ移行をする
http://jsbackup.net/さまざまなプランが用意されているJSバックアップも、多くのユーザに利用される人気のデータ移行アプリだ。データの保存先としてSugarSyncやDropbox、Google Drive、SDカードなども使えるこのアプリは、自身の愛用するオンラインストレージを活用したいと考える方々にも使い勝手の良い存在となる。
また240円の有料プランなら3GB、360GBなら5GBまでのJSバックアップ内の領域も使えるJSバックアップは、機種変更時のデータ移行以外のシーンでも使い続けやすいWEBサービスとなりそうだ。
JSバックアップの無料プランで移行できる標準データとは?
このアプリの無料プランを利用すると、Androidスマホから下記の標準データを取り出せる。
- ・連絡先
- ・通話履歴
- ・カレンダー
- ・SMS、MMS
- ・システム
- ・ブックマーク
- ・ミュージックプレイリスト
- ・辞書
- ・アプリ一覧
これに対して240円~360円の有料プランの場合は、前述の標準データに加えて写真・動画・音楽・文書・LINEトークのデータが移行できる形となっている。
JSバックアップの無料プランでデータ移行をするときの流れ
このアプリを使ったデータ移行も、下記のように大変シンプルな流れでおこなえる。
- 1.AndroidとiPhoneそれぞれにJSバックアップのアプリをインストールする
- 2.Android側でJSバックアップの起動をする
- 3.「かんたんデータ移行」→「移行元スマホからデータを取り出す」を選択した後、「無料プラン」をタップする
- 4.パスワード入力後に「データ取り出しスタート」をタップすると、画面にQRコードが出てくる
- 5.iPhone側でJSバックアップを起動する
- 6.「移行先スマホへデータを取り込む」のタップ後、Android側に表示されたQRコードを読み込む
- 7.iPhone側の画面に先程のパスワードを入力すると、データ移行が完了する
JSバックアップでデータ移行をする際の注意点
JSバックアップのストレージには、上記の方法で取り出したデータの有効期限が設定されている。そのため、このアプリを使ってデータ移行をする際には、無料プランであれば7日、有料の場合は30日という有効期限の中で機種変更の作業全般を済ませなければならない。
特にたったの7日しか情報を保持できない無料プランを使ってネット申し込みによる機種変更をする際には、データ移行を含めたスケジュールをきちんと立てておく必要があると言えるだろう。
Googleフォトを使った機種変更時のデータ移行
スマホを使った撮影が非常に多く、写真のデータ移行方法やオンラインストレージの選定に悩む方々におすすめとなるのが、容量無制限で写真や動画の保存のできるGoogleフォトというアプリの活用だ。
ログインするだけで端末内の写真のバックアップの始まるこのツールを活用すれば、写真や動画のデータ移行をする必要もなくなる。また新端末のiPhoneでGoogleフォトにログインすれば、すぐにオンラインストレージ内の写真が閲覧できる形だ。
こうした形で移し替えの要らないこのアプリの活用は、機種変更時のデータ移行の手間をだいぶ軽減してくれることだろう。
大手キャリア各社のバックアップアプリでデータ移行をする方法
AndroidからiPhoneにデータ移行をする過程で生じる疑問やトラブルに不安を抱えた人には、各キャリア会社で用意するバックアップアプリを使う方法も大変おすすめとなる。例えば、手順どおりに作業をしているのに先に進めなくなった場合は、そのアプリを提供する会社のコールセンターに電話をすればより良い解決策を教えてもらえる。
またキャリア会社の店頭でもサポートのできるこのアプリは、初めての機種変更やデータ移行に不安を抱えた方々にもおすすめ度の高い存在となるだろう。
ドコモデータコピー
https://www.nttdocomo.co.jp/support/utilization/backup/app/OSによって異なる機能を持つこのアプリを使うと、電話帳・メモ・スケジュール・画像データのiPhoneへのデータ移行がおこなえる。またAndroidスマホを持つユーザの場合は、SDカードやデータ保管BOXというオンラインストレージへのバックアップや復元サービスも利用可能となるようだ。
こうした多彩な特徴を持つドコモデータコピーには、故障や誤ったデータ削除への対策ツールとしても適した側面がある。
auデータお預かりアプリ
https://www.au.com/mobile/service/data-oazukari/auのデータお預かりアプリは、auスマートパスプレミアムもしくはauスマートパス会員であれば50GBまで使えるオンラインストレージに似たサービスだ。iPhone、iPad版の場合は、アドレス帳・写真・動画・カレンダーのデータをサーバ上に保存できる。
これに対してAndroid版については、アプリリストやauベーシックホーム、Wi-Fi設定なども含めた17種類ものデータ項目の保存が可能となっているようだ。
あんしんバックアップ(SoftBank)
https://www.softbank.jp/mobile/service/safetybackup/SoftBankのあんしんバックアップというアプリでは、電話帳データの保存・復元、MMSどこでもアクセスサーバへの電話帳エクスポートといった機能をスマホの機種変更に活用できる。Android版に搭載されている定期バックアップ機能を使えば、日・週・月単位でデータの保存が自動で行われる。
また操作が非常に簡単なこのアプリは、初めて電話帳データの移行などに挑戦するスマホ初心者の皆さんにも悪戦苦闘することなく使える仕様となっているようだ。
大手キャリア各社のバックアップアプリを使うときの注意点
キャリア会社の提供するバックアップアプリの難点は、Android版とiPhone版で機能が大きく異なることだ。2018年8月24時点の仕様を確認してみると、AndroidよりもiPhone版の方が使えるサービスに制限のある実態に気付かされる。
そのため、今現在Androidのデータ管理を目的にこれらのアプリを使っている人は、機種変更前のデータ移行をする前にiPhone版で移し替えられる情報の種類を必ず再確認するようにして欲しい。
DOCOPY(ドコピー)などの専用端末を使った機種変時のデータ移行
キャリア会社の中には、スマホや携帯電話内に特殊なアプリを入れなくても専用端末を使って店頭で機種変更時のデータ移行ができるようにしているところもある。その中でもドコモショップのDOCOPY(ドコピー)は、ユーザ自ら操作ができるということもあり、多くの個人ブログなどで紹介される端末だ。
ちなみに筆者も、先日ドコモショップでドコピーを使ったデータ移行を行った経験がある。
DOCOPYを使ってコピー可能なデータの種類
ドコモのサイトでは、この端末を使った移行・バックアップ可能なデータとして下記の4項目を紹介している。
- ・電話帳(メールアドレス、電話番号)
- ・カメラ画像
- ・動画(ムービー)
- ・送受信メール(ドコモメール(ローカル)のデータ、iモードメール)
多彩なメディアにバックアップ可能なDOCOPY
DOCOPYを使うと、CDやDVDといったメディアへのバックアップもおこなえる。こうしたDOCOPYならではの機能は、買い替え先となるiPhoneの容量が小さく、Androidに入った全データの移行が難しい時に大活躍する特徴がある。
しかしCDやDVDはユーザ自ら用意する形となるため、何も持たずにショップを訪れた場合は基本的にAndroid→iPhone、iPhone→Androidのデータ移行しかできないと捉えた方が良いだろう。
わからない点があればすぐに店員に質問できる
筆者が訪れたドコモショップでは、DOCOPYを使ったデータ移行は「基本的にお客様自身におこなっていただくもの」というスタンスだった。しかし機種変更の過程で行われるデータ移行の場合、窓口の担当者が画面操作の方法などを教えてくれる形となった。
このようにスタッフが傍にいる環境でバックアップのできるDOCOPYは、メールや電話を使ったサポートだけでは不安と感じる皆さんにもストレスなく利用可能なサービスとなるだろう。
まとめ
当ページ内で紹介した方法を使えば、AndroidからiPhone、iPhoneからAndroidといった異なるOSの搭載された端末間でも簡単に機種変更時のデータ移行がおこなえる。またこうしたバックアップツールの活用は、スマホ内に入った大事なデータを守る上でも欠かせないと捉えた方が良いだろう。