バンドやジャズの音色に欠かせないベース。低音が特徴の、技法によって様々な音を出すことができる人気の楽器だ。そんなベースを売却する際に重要になってくる情報がモデル名とシリアルナンバーだ。この2つの情報を正しく知っておくだけで、製造年やそのベースの価値までわかってしまう。
今回はベースのモデル名とシリアルナンバーの調べ方についてまとめたので、売却を検討している方はぜひ参考にしてほしい。また、今回は大手楽器ブランドの「フェンダー」「アイバニーズ」に絞っての紹介となる。
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ベースのモデル名とは
まずベースのモデル名とは何か、疑問に思われる人のために簡単に説明する。例えばiPhoneでいうと「iPhone7」「iPhoneSE」のようなものだ。ベースはたくさんの楽器メーカーから発売されており、日本だけでなく世界中でも多く出回っている。ベースのモデル名も売却する上で重要な情報になってくるので、必ず確認しておこう。
ベースのモデル名の記載位置
ベースのモデル名は、ヘッドまたはネックの裏に記載されていることがほとんどだ。黒い文字で刻印されているアルファベットがモデル名である。
例えばフェンダーの場合、Precision Bass、Jazz Bass、Dimension Bass、Jaguar Bass、Mustang Bassがモデル名である。
保証書にも記載されている
ベースを購入した際に付いてきた保証書にもモデル名は記載されている。保証書のどこに記載されているかは各メーカーごとに異なるので、お手持ちの保証書を確認してほしい。ただし、中古で購入したものなどは保証書が付いていない場合もあるので注意しよう。
シリアルナンバーの記載箇所
シリアルナンバーとは、どのベースにも必ず付いているアルファベットと数字が並べられたナンバーのことである。このシリアルナンバーの読み方がわかると、製造年月日や製造工場まで知ることができるのだ。ギターやベースは製造年が少し異なるだけで、音色やレア度が大きく変わってくる。これはもちろん買取価格にも影響してくるので、正しいシリアルナンバーを知っておくことは、お手持ちのベースの価値を知る上で重要なものなのである。
ベースを売却する上でモデル名とシリアルナンバーが大切なことがわかったが、実際にベースのどの部分に記載されているのだろうか。記載箇所はメーカーごとに異なるので、それぞれ紹介していく。早速お手持ちのベースと見比べてみよう。
FENDER(フェンダー)の記載箇所
フェンダーは世界中でたいへん人気のある楽器メーカーだ。そのフェンダーの中にもFENDER USA・FENDER MEXICO・FENDER JAPANの3つがある。この3つで少し記載位置が異なるようだ。
FENDER USA・FENDER MEXICOのベースの場合、だいたいのものはヘッド、ヘッド裏、ネックのジョイントパネルなどに記載されている。FENDER JAPANのベースの場合は、ネックのヒール部分に記載されている。
Ibanez(アイバニーズ)のシリアルナンバー記載箇所
アイバニーズは大手楽器メーカーの星野楽器が手掛ける弦楽器ブランドだ。アイバニーズのシリアルナンバーは、基本的にヘッド裏に黒い文字で刻印されているようだ。モデルによって異なるが、モデル名の下に記載されている数字とアルファベットが組み合わさったものがシリアルナンバーとなる。
フェンダーのシリアルナンバー
では次にフェンダーのシリアルナンバーの調べ方について紹介しよう。フェンダーはさらにフェンダージャパン、フェンダーUSA、フェンダーメキシコに分けられることは上記で紹介したが、それぞれシリアルナンバーの体裁も異なるようだ。
FENDER USA、FENDER MEXICOのシリアルナンバー
FENDER USA、FENDER MEXICOのシリアルナンバーは、数字のみで構成されている。1963年の途中から、5桁の番号に付随して「L」が頭に付くようになった。その後、6桁に増えてからは「L」の表記はなくなっている。
製造年数 | シリアルナンバー |
---|---|
1950~1954年製 | 6000以下 |
1954~1956年製 | 10000以下 |
1955~1956年製 | 10000台 |
1957年製 | 10000 ~ 20000 |
1958年製 | 20000 ~ 30000 |
1959年製 | 30000 ~ 40000 |
1960年製 | 40000 ~ 50000 |
1961年製 | 50000 ~ 70000 |
1962年製 | 60000 ~ 90000 |
1963年製 | 80000 ~ 90000 |
1963年製 | 90000 ~ L10000 |
1963年製 | L10000 ~ L20000 |
1964年製 | L20000 ~ L50000 |
1965年製 | L50000 ~ L90000 |
1965年製 | 100000台 |
1966年 ~ 1967年製 | 100000 ~ 200000 |
1968年製 | 200000台 |
1969年 ~ 1970年製 | 200000 ~ 300000 |
1971年 ~ 1972年製 | 300000台 |
1973年製 | 300000 ~ 500000 |
1974年 ~ 1975年製 | 400000 ~ 500000 |
1976年製 | 500000 ~ 700000 |

1970年代以降のシリアルナンバー
1970年代以降のシリアルナンバーは、上記と表記の仕方が大きく異なっており、アルファベット一つでそのベースが作られた製造年数が表記されるようになっている。
- ・1970年代製造 S
- ・1980年代製造 E
- ・1990年代製造 N
- ・2000年代製造 Z
- ・2010年代製造 X
このアルファベットは、例えば70年代の場合「S」は「SEVEN」だから頭文字が「S」であり、2000年代は「ZERO」だから頭文字は「Z」になるというわけだ。また、モデルによっては、そのモデル名の頭文字のアルファベットも付くこともある。
例えば「FENDER MEXICO」であれば「M」がアルファベットの表記となるので、実際のシリアルナンバーを例に説明すると、MN5○○○○=フェンダーメキシコの1995年製となるわけだ。
フェンダージャパンのシリアルナンバー
次にフェンダージャパンのシリアルナンバーについて解説していく。フェンダージャパンは、上記で紹介した2つとは異なり、シリアルナンバーの構成に特に大きな変化はない。ちなみにフェンダージャパンは2015年にフェンダー社と神田商会の契約が終了しているため、それ以降ベースは製造されていない。
製造年数 | シリアルナンバー |
---|---|
1982~1984年製 | JV + 5桁シリアルナンバー |
1983年~1984年製 | SQ + 5桁シリアルナンバー |
1984年~1987年製 | E + 6桁シリアルナンバー |
1985年~1986年製 | A + 6桁シリアルナンバー |
1985年~1986年製 | B + 6桁シリアルナンバー |
1985年~1986年製 | C + 6桁シリアルナンバー |
1986年~1987年製 | F + 6桁シリアルナンバー |
1987年~1988年製 | G + 6桁シリアルナンバー |
1988年~1989年製 | H + 6桁シリアルナンバー |
1989年~1990年製 | I + 6桁シリアルナンバー |
1989年~1990年製 | J + 6桁シリアルナンバー |
1990年~1991年製 | K + 6桁シリアルナンバー |
1991年~1992年製 | L + 6桁シリアルナンバー |
1992年~1993年製 | M + 6桁シリアルナンバー |
1993年~1994年製 | N + 6桁シリアルナンバー |
1993年~1994年製 | O + 6桁シリアルナンバー |
1993年~1994年製 | P + 6桁シリアルナンバー |
1993年~1994年製 | Q + 6桁シリアルナンバー |
1997年~1998年製 | A + 6桁シリアルナンバー |
1995年~1996年製 | N + 5桁シリアルナンバー |
1997年~2000年製 | O0 + 5桁シリアルナンバー |
1999年~2002年製 | P0 + 5桁シリアルナンバー |
2002年~2004年製 | Q0 + 5桁シリアルナンバー |
2004年~2006年製 | R0 + 5桁シリアルナンバー |
2006年~2008年製 | S0 + 5桁シリアルナンバー |
2007年~2008年製 | T0 + 5桁シリアルナンバー |
2007年~2010年製 | T0 + 5桁の数字 |
2010年~2012年製 | U0 + 5桁の数字 |
2012年以降製造 | JD12 + 6桁の数字 |

アイバニーズのシリアルナンバー
次にアイバニーズのシリアルナンバーについて紹介する。アイバニーズも製造元によってシリアルナンバーが異なる。アイバニーズの場合、最初のアルファベット文字がそれぞれ違うようだ。
国産製造のシリアルナンバー
まずは日本産のシリアルナンバーを年代別に紹介していく。
1975~1986年製造
この年代は7桁のシリアルナンバーから成り立っている。
- 例:A○○××××
1桁目はアルファベットで製造月を意味する。1月は「A」と表記され、それからアルファベット順に12月の「L」まで順番に使用されている。○は2、3桁目は製造年を表す。×の4桁目以降は製造番号となる。
1987~1997年製造
この年代は7桁のシリアルナンバーから成り立っている。1桁目は製造元がアルファベットで記載されている。F=フジゲン製、H=寺田楽器製、I=飯田楽器製を意味する。
- 例:F○×××××
2桁目に製造年がその年の下1桁のみ記載されており、その後の下5桁が製造番号となる。
1997年以降
1997年以降の国産モデルの場合、ほとんどがフジゲンで生産されている。そのため、1桁目に「F」が記載されるシリアルナンバーも多くあるようだ。
- 例:F○○×××××
○の2、3桁目は製造年を表し、×の下5桁は製造月と製造番号となる。製造月を表す数字は以下の通りだ。
- 1月:05000
- 2月:10000
- 3月:15000
- 4月:20000
- 5月:25000
- 6月:30000
- 7月:35000
- 8月:40000
- 9月:45000
- 10月:50000
- 11月:55000
- 12月:60000
韓国製のシリアルナンバー
韓国製のシリアルナンバーは3種類に分けられるようだ。
まず一つ目のシリアルナンバーは、頭に製造元を意味するアルファベットが付く。製造元のアルファベットは以下の通りだ。
- C=Cort製
- S=Samick製
- S/SQ=Vester Guitars製
- P=Peerless(飯田楽器)製
- Y=Yoojin製
- A=Sae-In製
例:C○○△△△××××
○は2桁の製造年、△は3、4桁は製造月、×は製造番号4桁という構成になっている。
例:E○△△××××
2つ目のシリアルナンバーは、Crafter(Sung-Eum)製のものでアルファベットは「E」だ。○は製造年が1桁、△は製造月が2桁、そして×は製造番号4桁で構成される。
例:WX○△△△△
3つ目のシリアルナンバーは、World Musical Instruments製のものでアルファベットは「W」だ。製造月が1桁だが、10月は「X」、11月は「Y」、12月は「Z」で構成される。○は1桁の製造年、△は4桁の製造番号が入る。
インドネシア製のシリアルナンバー
インドネシアの製造元は2箇所ある。しかし、韓国製のようにシリアルナンバーの構成が変わることはないようだ。
- I:Cortのインドネシア工場
- K:KOW Hsiao製
例:I(またはK)○○△△×××××
ナンバーの頭には製造元を表すアルファベットが入る。○は2桁の製造年が入る。△は2桁の製造月が入り、×は5桁の製造番号が入る。
中国製のシリアルナンバー
中国製も2箇所の製造元を有しているが、いずれもシリアルナンバーの構成は上記で紹介したインドネシアと変わらない。
- Z:Yeou Chern製
- J:Sejung製
例:Z(またはJ)○○△△×××××
「Z」「J」いずれかのアルファベットの後は、○は2桁の製造年、△は2桁の製造月、そして×は5桁の製造番号が入る。ちなみに最後の製造番号は、50000~99999がエレキギター・ベースに当てはまる。
おすすめのベース買取業者
ここまでベースの売却に役立つモデル名やシリアルナンバーについて記載して来た。では実際に売却するにはどういった業者に依頼したらいいのだろうか。ここではいくつか買取業者を紹介するので、ぜひ参考にしてもらいたい。
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また、特典は減るが宅配買取もしている。簡単なweb査定ののち、査定額が5000円以上となれば無料梱包キットと下取り申込書が郵送されてくる。宅配料金や査定料は無料。全国展開の楽器店とはいえ、近くに島村楽器の店舗がない場合もあるだろう。それならばこの方法で査定してもらえる。代金は口座振り込みとなる。
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フリマアプリ・オークション
この他にも、メルカリなどのフリマアプリや、ヤフオク! のようなオークションサイトを利用して売却する方法もある。高額での確かな査定などはないが、売りたい金額を自分で選べるのは売り手にとっては魅力的だろう。このような方法をとる場合でも、モデル名やシリアルナンバーを示すことは重要となる。見た人が信頼できる売り手になれるよう、ベースの写真はもちろん、正確なモデル名たシリアルナンバーなどできる限り多くの情報を与えるべきだ。
まとめ
今回はベースのモデル名とシリアルナンバーの調べ方について紹介した。ベースのシリアルナンバーの読み方を知っておくだけで、製造年や製造元を知ることができるので、売却する際はぜひ確認するようにしよう。
ただしヴィンテージのものや中古で購入したベースは、シリアルナンバーを確認することが困難なケースもあるので、そういった時は楽器ショップの専門の方に問い合わせてみることをおすすめする。どの楽器店・買取業者に売却すればいいか迷った際は、ぜひヒカカク!でより良い業者を探してみてほしい。


