買取でも難しい分野とされる美術品や骨董品の買取。本コラムでは、日本でも有名な画家である竹久夢二作品の買取について紹介する。
美術品や骨董品などの買取では、買取事情をしっかりと把握しておかなければ、本当は価値があるものなのに知らない内に安い金額で手放してしまった、なんてことも少なくない。
つまり、ポイントを掴んでおかなければ、間違いなく損をしてしまう可能性は高まるのだ。特にこの美術品や骨董品の買取では、買取サービスを利用する業者選びが大事である。この機会に、竹久夢二の作品を売るときのポイントを押さえておこう。
本記事のポイント
- 竹久夢二氏は女性遍歴から生み出される作品が多い
- 美人画で着物が凝られた作品は高額査定になりやすい

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竹久夢二の略歴とは?
まず、竹久夢二の買取市場の価値や買取相場を紹介していく前に、竹久夢二がどのような人物なのか、日本芸術のなかでどのような影響を与えた画家なのかを押さえておくべきだろう。美術品や骨董品の買取において、基本的な知識を身につけておくことは非常に大事である。
特徴的な美人画が竹久夢二の有名な作品
竹久夢二は、大正ロマンを代表する詩画人であり、絵画、挿絵、千代紙・浴衣・書籍の装丁などのデザイン、詩、俳句などを手がけている。「夢二式美人」という言葉があり、竹久夢二独特の美人画が有名だ。やわらかい線描で叙情的に描かれた日本女性の美人画が特徴で、人気・評価ともに高い画家として認知されている。今もなお人気を博してるため、一度は竹久夢二の画を目にしたことはある人も多いだろう。それだけ竹久夢二の画は有名なのである。
代表作品・名作「夢二式美人」「黒船屋」
竹久夢二の真骨頂である美人画は、竹久夢二の女性遍歴から創作されているものであり、きってもきれない関係にある。
人気のきっかけ「夢二式美人」
竹久夢二が23歳のころ、岸たまきという女性に出会い、彼女をモデルとして「夢二式美人」を描いたのがきっかけで、竹久夢二は人気作家となった。恋愛多き画家であったことでも有名な竹久夢二が正式に結婚したのは、この岸たまきだけである。だが、その結婚生活は2年ほどだった。
最高傑作「黒船屋」
その後、彦乃という女性を愛すことになる竹久夢二は、彦乃の父親に反対されながら人目を忍ぶ恋に落ちた。また、彦乃は当時不治の病とされていた結核を患っており、竹久夢二のもとから引き離され入院する。そして翌年、傷心のもと描かれたのが、最高傑作といわれる「黒船屋」だ。
その他の竹久夢二の代表作品
- 「五月之朝」
- 「青山河」
- 「座る女」
- 「東京行進曲」
- 「木場の娘」
- 「童子」
- 「恋のほそみち」
- 「椿姫」
- 「五月の夜」
- 「雨の日」
- 「雪の風」
- 「野分」
- 「歌留多取り美人図」
- 「奈良」
竹久夢二の絵画の買取相場価格
次は、竹久夢二の作品の価値について述べていこう。上記で説明したように、竹久夢二は日本芸術に大きく貢献した画家であるが、その竹久夢二の作品の価値はどれくらいなのだろうか。
黒船屋の作品は特に価値が高い
竹久夢二の作品のなかでも「黒船屋」は非常に人気である。夢二式美人特有の線の細い美女、黒目がちの潤んだ瞳、吐息が漏れてきそうな口元などは、どれも女性らしさが表現されており、美しい女性が描かれている。
「黒船屋」が完成した翌年に、彦乃は25歳でこの世を去ってしまう。彦乃こそ、竹久夢二がその生涯で最も愛した女性と言われている。さらに竹久夢二は、お葉という女性とも出会っている。お葉は「夢二式美人画」の源泉となった女性とされ、「黒船屋」のモデルがこのお葉であったという説もある。

数多くの絵画作品があり、全てにおいて値段・評価が高い
こういった自身の女性遍歴から生み出される作品は、どれも竹久夢二の独特の世界観で描かれており、美人画も数多く残した竹久夢二は大正の浮世絵師とも称された。常に時代感覚を先取りするパイオニアであった竹久夢二は、それまで敷居の高かった絵画を大衆向けに販売し、竹久夢二が描くものは、より一般の人々の生活に身近なものになっていった。
竹久夢二は、肉筆画だけでなく、一世を風靡した夢二作詞の「宵待草」を含む、セノオ楽譜の表紙絵、装丁本、便箋・封筒、絵葉書、千代紙、ポスターなど、様々な作品を残しているのである。これらは全て価値の高いものとなっている。
肉筆画、木版画がよく売買される
当時、竹久夢二の多くの作品は一般的な大衆向け雑誌などの挿絵などの印刷物であったため、当時は大衆美術として認知されており、その評価は今ほど高いものではなかった。竹久夢二の画の評価が高まったのは、竹久夢二がこの世を去った没後になってからである。
現代では、竹久夢二の肉筆画は大変貴重で価値も高い。掛軸や、セノオ楽譜等の表紙原画なども人気となっている。また、竹久夢二の木版画も高価買取対象となっており、制作当時に刷られたオリジナルの木版画は価値がある。竹久夢二の作品はコレクターも多いため、当然買取市場でも人気が高く、よく売買されている。
なんでも鑑定団に登場したことも
高額な美術品をはじめとしたモノの買取に関する番組で、かなり人気があるものに「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京系)がある。名のしれた作家のものはよく持ち込まれているが、 019年4月30日放送回にて竹久夢二も掛け軸が出されたことがある。その時の評価額は500万円だった。
竹久夢二の買取相場
上記で竹久夢二作品の価値について紹介してきた。竹久夢二作品は、買取市場でも非常に価値が高いものであるようだ。最後に、竹久夢二作品の買取相場について紹介していこう。買取を考えたときに、買取金額がどれくらいになるのかを知っておくことは、業者との交渉で大変重要な要素となるため、しっかりと押さえておくべきだ。
竹久夢二の日本画の相場は明確にはわからないのが現状
早速、竹久夢二作品の買取相場について述べていきたい。だが、この竹久夢二の買取金額を開示、また提示している業者はほとんどいない。そのため、竹久夢二作品の買取相場は明確にはわからないというのが現状だ。基本的には、日本画や絵画などの芸術作品の買取金額を開示・提示していう業者は少ない傾向にあるようだ。
どうしても、このような絵画などの美術品や骨董品は贋作や模倣品も多く、しっかりとプロの鑑定をしなければ金額を査定しにくいのである。また、買取金額の開示や提示がないモノというのは、買取金額が高額になるか、逆に極端に低い金額になるケースが多く、この点が買取相場が掴めない理由だ。竹久夢二に至っては買取経験がある買取業者が少ないようだ。
竹久夢二の買取相場・落札例
- 「雛妓」360万円(SHINWA AUCTION)
- 「紅桜(女十題)」リトグラフ8.1万円(YAHOO! JAPAN官公庁オークションサイト)
また、文化庁/一般社団法人 アート協会主催の「日本のアート産業に関する市場レポート 2020」によれば、2000年9月に1000万円以上で落札された作品もあったようだ。
リトグラフや木版などの版画の場合、原画からではない複製画は売れない
竹久夢二の複製画も原画からの複製ではないものが多い。原画から複製されていなく、本人の肉筆画ではないような作品は価値が低くなるだろう。竹久夢二のような国内・海外ともに有名な作家となると本人直筆の原画はあまり出回っておらず、基本的に複製画のものが大半となるため、その点も注意しておくべきだろう。リトフラフや木版などは、本人のサインや落款があるたため、確認するべきだ。

贋作・模倣品が多く鑑定が難しく値段がつけづらい
竹久夢二は、一般大衆向けに描かれているものも多い画家で、贋作・模倣がしやすい。市場にも贋作や模倣品は多く出回っているだろう。これは竹久夢二作品が特別だということではなく、人気画家の作品にはかならず、模倣品や贋作というのが存在している。そのため鑑定が難しく、ショップや業者に駐在する鑑定士によって鑑定金額は変わるだろう。
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【ヒカカクおすすめ店】総合美術買取センター
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総合美術買取センターはそれぞれのジャンルに合わせて専門の鑑定人が存在しているようだ。買取方法は宅配・出張のいずれかから選択することができ、出張は東京や大阪、福岡などの都市圏をはじめ日本全国を対象としている。
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高く売れることは確実だからどこで売るか要検討
ここまで、竹久夢二の買取市場での価値や相場などに関して紹介してきた。冒頭で記述しているが、美術品などの買取は非常に難しいもののため、知識などがなさすぎると、損をしてしまう可能性が非常に高くなるため、ここで紹介した知識やポイントは間違いなく押さえておこう。どのポイントや知識も難しいものではなく、一般的なポイントや知識である。
最近では悪徳業者などの存在もあり、詐欺被害にあってしまうケースも少くない。少し面倒かもしれないが、売る前に一度リサーチはしておくといいだろう。
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