買取業者がよく宣伝しているように、貴金属の中では金やプラチナは特に高く売る・買取してもらうことができる金属だ。しかし、それ以外の銀や銅もそれなりに価値のある金属だ。
ご自宅に昔から銅製品などはないだろうか。例えばおじいさんなどが大切にしていた骨董品や美術品、工芸品などが眠っていることはないだろうか?銅製の工芸品などは重いし、メンテナンスも意外と大変だ。
つい納戸などにしまったままというご家庭も多いかと思う。引越しや不要品の整理などでは、この重くて扱いにくい銅製品の処分に困るものだ。
では、銀や銅はどの業者でどのように買取してもらえればいいのか、どうすれば高く買取してもらえるのか。今回はそんな疑問にお答えしよう。
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銅の利用価値について
銅は金・銀とは違い多くの工業製品として大量に使われている。金や銀と比べると安価に入手し易く、生産量も桁違いに多いからだ。
また、歴史的に見ても鉄器の前に銅器時代が長くあり、文明時代に先行する先史時代より人類に活用されてきた金属としても有名だ。銅器時代の後も青銅器として鉄が現れるまで長く重要な金属として重用されてきたのだ。
だけに現在に至るも、工業製品としてだけでなく、美術品、工芸品、日用品として幅広く使用されてきている。 銅製品は現在数多くの工業製品として使われている。例えば銅線、銅管など現在の文明生活になくてはならない産業生産品として高い存在価値があるのだ。
また、銅は鉄・アルミニウムと同じほど世界で活用されており、生産量も大量に安定している。
銅製品の特長について
銅がこのように昔から人に利用されてきた理由はなんだろうか。第一に加工がしやすい素材であるという点だ。銅の化学的な特性としては電気を通しやすい、熱を通しやすい点になる。これを「電気伝導性」、「熱伝導性」が良い金属だと言う。
その他としては、耐食性、耐定温性でもある。少し難しい表現が続きましたが、要は加工しやすく、強く安定している金属だという事だ。そのために昔から多用されてきたのである。
銅の価値と骨董・美術品としての価値
産業用としてだけでなく、銅は美術品や骨董品としても大変高い価値を持っている。青銅器、銅貨、銅製刀剣類など銅を使った美術品、工芸品は今も数多く作られている。前述した通り銅は先史時代から使われていたので、骨董品としても価値のあるものも多くあるのだ。例えば中国の青銅器などは歴史的な価値も含め、美術的にも高く評価されている。
一方で、金属としての価値に絞ってみてみると、銅はキロ単位で扱われている。銅の特性として耐食性・耐久性に優れている点が、銅のリサイクルを容易にしているため、安定した銅市場を形成しているす。つまり銅を金属として売買するには、一定の量が必要となるのだ。
骨董品の銅製品について
銅製品は生活用品としても幅広く活用されている。鍋やフライパンなどの調理器具、グラスや皿などの食器など生活に欠かせない用品だ。それだけに文明時代以前より使われおり、骨董としての価値が高いものもある。日用品であっても歴史的価値があれば、銅単体で買取するより専門業者に査定してもらうと良いだろう。思わぬ価格で高く買取してもらうことができるかもしれない。
美術品の銅製品について
日用品としても活用されている銅だが、美術品としても活躍している。アクセサリーとしても銅製品は人気ですが、工芸品、金工としては歴史のある素材だ。
銅そのものの価値とは別に、銅には年月を経て出てくる風合いがあり、数寄趣味人に愛されている。古来より武具、銅鏡、仏像など高付加価値のある製品が作られている。
当然だが、そのような付加価値の高い銅製品は銅単体の金属として売るより美術品として扱ってもらおう。思わぬ高価な価値があるかもしれない。ぜひ専門家に鑑定してもらうことをオススメする。
骨董品・美術品としての買取は?
産業用ではなく骨董品・美術品として買取してもらうにはどうしたらいいのだろうか。まずは美術商や骨董商などの専門業者に鑑定してもらうことになる。その他には、リサイクルショップなどでも取り扱いをしている。
注意しなければならない点として、骨董品・美術品として価値があるかの判断、いわゆる目利きなどは一般人には難しいという事だ。最初からリサイクルショップへ持って行けば日用品として安値で扱われますし、逆にただの日用品程度の銅製品を美術商などに持って行っても門前払いされるかもしれない。
しかし、リサイクルショップも美術商も、現在はインターネットなどで買取問い合わせを広く行っているため、これを活用してもいいだろう。
銀を買取っしてもらう際には買取形式を決め、価格相場を比較しよう!
銀は金・プラチナと同じように貴金属類として買取依頼することが可能であり、貴金属店やリサイクルショップなどで買い取ってもらえる。買取サービスの形式にもいくつかの種類があり、従来どおり商品を持って店舗に来店する店頭持込買取と、インターネット等で連絡後商品を配送し、見積もりをもらってOKであれば買取価格を振り込んでもらう宅配買取がある。
もちろん買取価格は店舗によって変わってくる。査定が正確で、高額になりやすいと評判の店を探したり、複数店舗にて査定するなど、より高額に買い取ってもらえる店を見つける努力が必要不可欠になる。要するに、買取相場を比較するわけだ。
場合によってはリサイクルショップでも高値で買取してもらえる
銀は貴金属専門店でも買取を行っているが、金やプラチナと比較するとそこまで希少な金属ではない。そのため、買取価格は安いものになりがちだ。特に銀製品の場合は、加工費や人件費が上乗せされた販売価格になっている。金やプラチナよりも、価格に占める原材料の割合が大きくなるため、買取してもらう際には安くなってしまうのだ。
銀製品の質によって買取方法と買取業者を変えよう
しかしながら、高く買取してもらう方法が無いわけではない。例えば、できるだけ多くプラチナやダイヤモンドなどの高額商品とまとめて査定に出すことで、銀自体の買取金額に幅が出ることがある。
また、金属そのものの価値がそこまで高くない事を考えると、貴金属専門店に売りに出すよりは、そのままリサイクルして再販するリサイクルショップなどに売る方が良い場合もあるのだ。
ブランド製品の場合はリサイクルショップ等のほうが高値がつく可能性がある
貴金属専門店では、金属としての価値をどの程度の割合で純正な銀が含まれているのかという一点で判断していることが多い。加工費やブランド価値には評価をせず、銀の含有量が評価の対象なのだ。
その点、リサイクルショップだと、加工費やブランドの価値がそのまま買取価格に反映される可能性もある。ブランド品や、細工そのものに価値があるものなど、素材ではなくブランド品としての査定が見込めそうな製品の場合は、リサイクルショップに狙いを絞り、高く査定をしてくれる店舗を見極めるのが大切だ。
銀を買取してもらうのに最適なタイミング

bullion buddies / sirqitous
銀は金・プラチナとは違い、銀塊の流通量が少なく、物流コストや精錬コストも高いこともあって、現物資産としての需要はあまり無い。基本的には工業用途の需要が高く、工業用途が高まると価格が上がる傾向にある。
先物などでも投資され、その市場規模の小ささから荒れた値動きになりやすいが、金と違い一度使ってしまうことが消費にあたる事が多いので、長期的には値上がりして行く傾向にある。
金相場を見れば銀相場がわかる
このように、金とは違う性格を持つ銀ではあるが、基本的には金価格と連動し、上下しやすい。つまり、金と同じように為替や株の値動きである程度の予測をすることが可能なのだ。とはいえ、基本的に相場の最高値で売ろうとすれば、失敗することの方が多くなる。「今金が上がっている」というニュースを耳にした時点で買取申込するのがいいだろう。
銅は貴金属ではないので産廃業者や非鉄金属買取業者に買い取ってもらう
では、銅は銀のように貴金属専門店で買い取ってくれるかと言えば、装飾品などに使われる”貴”金属にはあたらないためにNOである。
銅は、スクラップ・産廃業者や非鉄金属買取業者に買取に出すのが基本になる。それらは持ち込みで買取してもらうことも可能だが、貴金属等と比較すれば買取に出せるお店は限られているだろう。近くにそのような業者がない可能性もある。そのような場合は、出張引取サービスを行っている業者などもあるので、そちらを利用するのが良いだろう。
銅を高く買取してもらうには量が重要

Copper plate / mauxditty
では産廃業者や非鉄金属買取業者に、銅を高く買い取ってもらうためにはどうすればいいのか。非鉄金属の中で、銅は非常に高い価格で買い取ってもらえる金属であるものの、貴金属と比較すればかなり安い。1kgで1000円を超えるようなことはほとんどないので、かなりの量がなければ大した査定額にならない上に、買い取りすら行ってもらえない可能性もあるのだ。
そのため、まずは売りに出せるだけの量を確保していることが重要だといえるだろう。
下銅、銅箔は低い査定額になるので注意
また、銅は金や銀と比べて劣化しやすい金属だ。雑な扱い方をしていたり、保管状態が悪いものであるとかなり劣化してしまう。質の低下した銅は「下銅」という扱いになり買取価格も低くなってしまうので、できるだけ良い状態で売るように心がけたい。薄い状態になった「銅箔」と呼ばれる銅も、通常より買取価格が下がるため、高い査定金額は期待はできないだろう。
ピカ線は高い買取価格
銅の中で最も価値が高いのが、ピカ線(特一号銅線・ピカ銅)と呼ばれる物だ。ピカ線は、雑電線から被覆を取り除いた銅線のうち、1本の断面が1.3mm以上あるものを指す。
そんなピカ線でも、メッキやエナメル加工、劣化などがあると買取価格が下がってしまうので注意してほしい。銅以外の金属が含まれた合金の場合も、当然買取価格が低かったり、買い取りをしてくれない可能性もある。
銅を買取してもらうタイミングについて

Copper / Robbie Howell
銅の価格は、ロンドン金属取引所(LME)が公開する取引価格を元に、国内産銅メーカーによって決定される。価格相場の推移はやはり為替や投機マネー、工業需要などが影響してくるうえに、金などとも性格の違うものだ。専門家でもなければ、その相場を読むことは困難だろう。
そのことから考えても、銅を買取してもらうタイミングは、価格を掲載しているサイトなどを見て、これまでの推移から「この値でなら買取に出してもいい」という金額を自分の中設定し、見守ってみるのがいいのではないだろうか。
銀ろう・銅ろうについて
ここまで銀と銅を買取してもらう方法についてそれぞれ説明してきたが、それら両方が含まれる金属である”銀ろう・銅ろう”と呼ばれる素材もあるのだ。「ろう付け」という金属の接合に使うための素材で、銀の含有量のほうが多いものが銀ろう、銅の含有量が多いものが銅ろうである(銅ろうには銀を含まないものもある)。
これらは貴金属扱いにはならないため、銅と同じく産廃業者や非鉄金属買取業者に買取を依頼する形になる。銀ろう・銅ろうには、銀が含まれているため、銅単体で買取してもらうよりも買取価格が高くなる可能性があることも覚えておいて欲しい。
まとめ
銅製品は工芸品にしても日用品にしても、メンテナンスさえしてあげれば長く愛用出来るものだ。
また、年月を経ることで味わいが出てくる素材であるため骨董・美術として愛されている。とは言え、処分に困るものになるケースも多く、特に銅製品は重くて場所をとるものが多いため処分を考えている際にはぜひ骨董品や美術品として買い取ってもらえるか検討してみてほしい。
そして、銀・地銀・純銀・銅・銅線・銅板の買取査定業者一覧を確認し、お好みの買取業者を選んで査定を依頼するといいだろう。