マイナス金利導入により銀行の利用で資産がなかなか増えない今の時代は、金投資を中心とした現物取引に高い注目が集まっている。また近頃では、銀プラチナ投資にするメディア放送・記事配信なども増えているため、貴金属投資への興味があるなら金投資との違いについて確認しておいても良いだろう。
今回は、金投資と比べられることの多い銀プラチナの材質における特徴や、投資資産としてのおすすめ度を皆さんと一緒に確認していきたい。
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プラチナという材質の特徴
結婚指輪の材質として知られるプラチナは、景気動向の影響を受けやすい金属だ。
プラチナの需要とは?
ディーゼル車の排ガス触媒として最も多く用いられるプラチナは、工業用の需要が約6割、ジュエリーなどの宝飾品の需要が約3割となっている。こうした形で自動車業界に大きく関わるプラチナの需要は、車の売れ行きや世界経済に大きく左右される難点がある。
プラチナの価値が大きく変動した例
例えば、2015年に発覚したドイツ自動車メーカーの不正問題では、売り注文が一気に増えたことでプラチナの価値が急落したこともあるようだ。また2008年のリーマンショックにおいても価格が大幅に下がっているため、世界経済の影響を受けにくい金と比べてプラチナはかなりデリケートな投資金属と捉えて良いだろう。
プラチナの供給源
プラチナの価格変動には、供給源の偏りも大きな影響をもたらしている。この金属の採掘は、約7割が南アフリカで行われている。こうした形でひとつの地域に対する依存度の高い金属は、その国の社会情勢や経済状況大きく価格に反映してしまう。特にリーマンショック直前に生じたプラチナ価格の高騰は、南アフリカの鉱山会社の電力不足による影響だったと言われているため、この金属に関連する投資を始めるなら現地経済や企業の動向についても注目し続ける必要があると言えるだろう。
プラチナの希少性と価値
プラチナは、金と比べて圧倒的に生産量の少ない金属だ。しかし金とプラチナの価格差が急速に拡大している近頃ではその開きが310ドル前後にまで達しているため、プラチナの場合は希少性が高い価格に直結する一般的な投資対象の考え方は当てはまらないと捉えて良いだろう。またファンドにおける金投資需要が膨らむ今の時代は、更にこの差異が開く可能性も予測されている。
銀という材質の特徴
若者向けのアクセサリー素材としても人気の高い銀は、大変リーズナブルな価格で購入できる金属だ。しかしそんな銀には投資資産として人気の高い金とプラチナの2つの性格を併せ持つ存在といった部分に、一部の海外投資家が注目をしている。
銀の需要とは?
銀は、工業分野で高い需要のある金属だ。半導体を中心とした電子材料分野などで多く使われていた銀には、約6割が工業用の需要という実態がある。またデジタル化社会により従来多く使われていた写真業界で用いられなくなった近頃では、新たに太陽光発電という分野が加わることで安定した需要が維持されているようだ。こうした形で工業需要が多く価格に影響する銀は、安全資産の金とは対照的な値動きとなる金属となっている。
銀は副産物
メキシコ、中国、ペルーといった幅広い国で生産される銀には、プラチナとは違ってひとつの国の経済状況に左右されにくい利点がある。しかし銅、亜鉛、鉛といったベースメタルの副産物となる銀の価値は、それらの需要に大きく影響する難点もあるため、さまざまな国で生産可能であってもプラチナとは少し違った角度で経済状況や需要を分析しなければならないと言えるだろう。
銀の希少性と価値
市場規模が小さく安価な銀は、金と比べて値動きが大きい傾向がある。また過去には、アメリカの投資家・ウォーレン・バフェットが行ったトータル1億3000万オンスもの買い占めによって誰もが予期せぬ値上がりが生じたこともあるため、市場規模の大きく安定性の高い金と比べれば遥かに変動性の高い金属と捉えて良いだろう。
投資をする上で知っておきたい金銀プラチナの資産性
銀・プラチナにおける金属としての需要や価値が見えてきたところで、次は投資を行う上で必ずチェックしておきたい資産性についても見ていきたい。
プラチナの資産性
金より希少性の低いプラチナは、一般的に考えれば資産性が高いと判断されるかもしれない。しかし実際は、前述のとおり金とプラチナの価値に開きが生じている状況が経済新聞でも取り上げられているため、資産性といった意味ではその価値が下がり続けていると捉えて良さそうだ。また田中貴金属工業で公開する地金価格(2017年5月19日公表)を見てみると、金の税込買取価格が4,788円であるのに対してプラチナの場合は3,588円にとどまっているため、より高く売るといった点から考えても金の方が現物投資をするメリットは高いと捉えて良いだろう。
銀の資産性
2017年5月19日時点の地金価格が67.28円となる銀は、手頃な価格で購入できる金属だ。しかしそれなりに多くのお金を銀地金に投資する場合は、金やプラチナとは比べ物にならない保管スペースが必要となる。また銀貨については、空気に触れると黒く変化する難点があるため、地金型コインの収集を考えているなら手入れのしやすい金やプラチナを選んだ方が効率よく保管や管理、現金化に繋げられると言えるだろう。
金の資産性
最後に、多くの投資カテゴリで用いられる金は、現物資産として所有するメリットの高い金属だ。世界の政治や経済にさまざまな不安要素のある今の時代は、安全資産として知られる金に注目をする世界の富裕層も増えている。また金にはインフレリスクにも強い特徴があるため、株や金ETFのように乱高下の可能性の高い投資資産と比べて遥かに安定性の高い存在と捉えて良さそうだ。
金銀プラチナ投資における価格変動の傾向
続いて、リスクの少ない効率的な投資を行う上で欠かせない価格変動の傾向について、銀プラチナ、金における特徴を見ていこう。
プラチナにおける価格変動の傾向
金と比べて市場の小さなプラチナには、価格が乱高下しやすい難点がある。また産出量の約6割が工業用として用いられる実態を考えると、工場の生産量に大きく影響する景気に左右されるといった意味では、株式と同じ動きをする傾向の高い金属と捉えて良いだろう。




銀における価格変動の傾向
工業素材としての需要が安定的な銀については、金と似た値動きをする傾向がある。しかし市場の小ささといった意味ではプラチナと似た性質を持つため、やはり金と比べた時に景気動向の影響を受ける部分はかなり大きいと捉えて良いだろう。

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金における価格変動の傾向
市場が大きく、世界の富裕層が注目する金は、他の金属よりも安定性の高い金属だ。インフレリスクや信用不安に強い側面を持つ金の場合は、長期的な資産形成を考えている皆さんにとっても大きな価格変動に振り回される要素の低い投資対象と捉えて良いだろう。また金の場合は銀やプラチナと比べて売買可能な業者も遥かに多い実態があるため、価格変動に応じたスピーディーな売却を考える投資家の方々にとっても行動の起こしやすい金属資産になりそうだ。

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プラチナ投資の種類と特徴
ここまでご紹介したとおり、銀やプラチナは金と比べて投機色が高めでハイリスク・ハイリターンとも言える投資資産だ。しかし世界の富裕層の中にはウォーレン・バフェットのように銀の買い占めをする投資家も存在する実態を考えると、自らの目的に合った金属であれば購入することに問題はないと捉えて良いだろう。ここからは、「金よりリスクが高くても銀プラチナ投資にチャレンジしてみたい!」と考える皆さんのために、それぞれのカテゴリに存在する投資方法とその特徴を詳しくご紹介していきたい。
現物取引
プラチナにおける現物取引には、プラチナ地金とコイン投資がある。田中貴金属工業などの大手企業では、プラチナウィーンコインハーモニーやプラチナメイプルリーフコイン、プラチナイーグルコインなどの取扱いがある。金と比べて価値の下がっているプラチナコインは、1/10オンスであれば13,600円前後で購入可能となっている。これに対してプラチナ地金は、3,700円前後の税込み小売価格だ。
プラチナ積立
少額から取引できるプラチナ積立は、現物取引の一種だ。プラチナ積立には、金や銀と比べて取扱い業者が少ない難点がある。また先程から紹介しているとおり、資産性についてはプラチナと比べて金の方が遥かに高い特徴があるため、取扱いの有無を確認せずに貴金属業者に問い合わせをすると、メリットが豊富な金積立を勧められる可能性もあるため、注意をして欲しい。
先物取引
金に次ぐ貴金属投資が可能なプラチナにも、先物取引が存在する。レバレッジによって少額の元手で大きな利益が得られやすい先物取引は、貴金属投資の中で最もハイリスク・ハイリターンと言われるカテゴリだ。またプラチナの場合は金と比べて遥かに乱高下しやすい難点があるため、投資初心者の皆さんには若干リスクとハードルの高い存在になるかもしれない。
ETF
日経・東工取白金指数上場投信が、プラチナに対する先物ETFとなる。株と同じように投資可能な上場信託・ETFには、3万円前後のお手頃価格から投資可能だ。上場間もないプラチナETFには、売買のタイミングが難しいというデメリットがあるため、他の取引チャートなどを参考にしながら慎重に取引をする必要があると言えるだろう。
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銀投資の種類と特徴
資産性が高いとは言えない銀には、金プラチナと比べて投資方法が少ない実態がある。
現物取引
大手貴金属業者で取り扱う銀の現物取引は、銀地金と純銀積立のみとなる。純銀積立については田中貴金属工業のみの取扱いとなっており、月々3,000円から始めることができる。コイン専門店においてはメイプルリーフ銀貨などの売買が行われているものの、空気に触れることで生じる黒ずみによってプレミアが落ち、地金としての価値が低い実態を考えると、アンティークコインに欠かせない余程の希少性と歴史性が備わっていなければ銀貨を使った投資は難しいと言えそうだ。
先物取引
銀を用いた証券取引は、先物取引だけとなる。証拠金取引においては、銀地金を用いる現物取引と異なり投資金以上の取引ができるメリットがある。また証拠金についても十数万円から取引可能となるため、手数料の高い現物取引と比べてコストに関する利点も多い投資方法と捉えて良いだろう。しかし先物取引ならではとも言えるレバレッジを効かせすぎるとハイリスク・ハイリターンの投資方法となってしまうため、高額取引を狙う場合は注意をするようにして欲しい。
【まとめ】金と銀プラチナ投資なら、どれがおすすめ?
材質の特徴、資産性、価格変動の傾向、投資方法の種類といったポイントから金投資と銀プラチナ投資の徹底比較を行うと、最もおすすめの貴金属投資は「金」であるという結論が出てくる。
種類の豊富さでは「金投資」
投資方法や金融商品の豊富な金投資は、自分の投資スタイルに合った手法を選びやすいといった意味でもおすすめ度の高い存在となる。また銀投資のように投資方法が少ない場合は、少しハードルを上げるだけでハイリスク・ハイリターンの取引を選択する可能性が高まるため、投資経験の少ない初心者の皆さんはなるべく避けるようにして欲しい。
取扱い業者の多さでも金投資に軍配
取扱い業者が豊富な金投資は、それだけ多くの担当者や専門家に相談できる投資対象だ。さまざまな業者の担当者と話していると、それぞれの特徴を把握するだけでなく他社商品や投資方法の比較検討もしやすくなる。また実際にチャレンジしている投資家が多い方がブログなどの情報源もたくさんあるため、リスクの少ない方法を求める皆さんにも金投資が最もおすすめだと言えるだろう。
金は安全資産とも呼ばれている
安全資産と呼ばれる金は、不安定な時代こそ注目される投資品目だ。昔から「有事の金買い」といった言葉のある金は、戦争や金融不安などの出来事が生じる度に、多くの人が買い求める存在だった。また政治経済や戦争といった部分で世界に緊張状態の走る近頃では、諸外国の富裕層が再び金購入に高い関心を示しているため、こうした国際情勢だからこそ銀プラチナ投資ではなく金投資を選んだ方が良いと言えるだろう。